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10月18日

相変わらず朝は微熱。
でも、体はかなり調子が良い。
午前中はほぼ母と電話していた。
術後にかけた時は20分程度話すのがやっとだったが、今日は1時間近く話した。

電話の途中でT先生に手術中の映像を見せてもらう事になった。
実は前日に手術の映像があると聞いて、見たいとお願いしていたのだ。
自分の頭の中を見るなんてそうそうない経験だ!
見る前に先生に
「うーん、本当に良いの?」
と聞かれる。
「え?良いですよ。何でですか?」
「いや、こういうの嫌がる人もいるから・・・」

まあ、そうかもしれない。
でも私は見る気満々だった。
好奇心からお願いした事だが、これが結構すごい映像だった。

まず開頭して小脳を移動させた後、お目当ての三叉神経が現れる。
G先生の「これは変わってますねえ」の声に思わず笑う。
そう、結構変わった状態だったらしい。

しかし、凄いのは頭蓋骨の中だ。
脳が動いているのだ。
それも結構激しい。
「え?何でこんなに動いてるんですか?!」
と思わず聞くと
「ああ、心臓の拍動でね、動いているんだよ」
一瞬吃驚したが、その力強さに思わず感動する。
ぼーっとしている間にも私たちの体は生きるために働く事をやめないのだ。

が、三叉神経をクローズアップすると、その心臓の拍動によって、こちらも激しく動いていてる。
これは、恐ろしい光景だ・・・
動脈は心臓の拍動に合わせて激しく脈打つ。
その動脈に三叉神経が叩かれている状態だ。

そう、これが三叉神経痛の原因。

こんなに脈打たれてよく40年間も無事に生きてきたものだ。
そして、いよいよオペが始まる。
動脈はすぐ離され、画面から消えるくらい遠くへ行ってしまった。(一応固定はされているらしい)
そうすると、残りは静脈と三叉神経。
この2つになった途端に画面が静かになる。
ああ、静脈なんてよく言った名前だな、と思った。
激しく動く動脈と比べて、静脈は何も動かない。
あれほど激しく脈打っていた三叉神経も途端に静かになる。
さて、ここからがこのオペの本番。
とちょっと楽しそうにT先生が言った。
静脈剥がしだ。
吃驚するほど一体化した静脈と三叉神経。
なんとも言えない光景だ。
私の手術映像の大半はこの静脈剥がしだった。
剥がされた静脈は大きくUの字のようにして三叉神経から離され、固定された。
さすがのT先生でも脳幹の中までは手が出せない。
「まあこのくらいで勘弁して」
と言われて私の手術映像鑑賞は終わった。

いや、十分です。
としか私には言えなかった。

午後は初めてのコインランドリーへ。
3階へ何度も往復。少し気分転換になる。
あまりにも原始的なコインランドリーに戸惑いつつ、お洗濯を終える。
ただ、このコインランドリー中。
マスクとメガネをかけている右耳が痛い。
そしてずきーんと内部に響くような頭痛。
どうも熱が上がってきたらしい。
分かりやすい。
そしてもう一つ、分かりやすくなったのが頭痛の発生場所。
傷口ではなく、手術前に目印にします、とピンを打たれた所だ。そしてちょうどバンドの縁が当たっていた場所。
奇しくもこの2つが重なっていたようだ・・・
ああ、あともう少しずれていたら。
どれだけの力で締め上げられていたのか、未だにうっすら跡が残っているのだ。
触ると痛い。

そしてこの夜、胃腸の様子はますますおかしくなる。
とりあえず晩ごはんのあとに酵素を飲んでみる。
妙にお腹が熱い。

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