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2022年10月

結局すぐに予約の電話をして、手術は10月に決まった。
「来週でも空いてるよ!」
と検査日に言われていたが、さすがにそれは色々と準備が・・・
結構空いているんだ・・・、
と正直思ったが、そもそも三叉神経痛のオペなんてそう数はないか・・・

この秋の発作をきっかにテグレトールを飲むようになった。
テグレトールとは、てんかんの薬だ。
そう、三叉神経痛の特効薬は痛み止めではなく、このてんかんの薬なのだ。

今更ながらのテグレトール処方

Y先生から
「ここまできたらもうリリカでは無理。
テグレトールじゃないとダメだろうね」
と言われ、処方された。
が、噂どおり凄まじい副作用だ。
今までリリカ、トラムセット、他にも色んな薬を飲んできた。
リリカの副作用も一般的にはかなりのもので、これが原因で飲めない人もいる。
私は副作用はあったもののすぐに順応した。
今やリリカは相当な量を飲んでも副作用は出ない。
そんな副作用も乗り越えてきた私もさすがに凄いなあ、と思った。
ふらつき、眠気、そして脱力感。
スマホを触っていると、指が勝手に画面に落ちる。
物を持っていてもふとした瞬間に落としてしまう。
後はしばらくしたら慣れたが、音が変な風に聞こえた。
人の声はまったく気にならないが、電子音と音楽がおかしかった。
音楽を聴いて分かった。
低音がほとんど聞こえていないのだ。
だから電子音も普段より高い音で聞こえる。

一番すごかったのは倦怠感と無気力感だ。
ふらつきは治っていったがこのふたつが治らない。
今まできびきびとせっかちに動いていた私が動けない。
これ程辛い副作用はない。
でも痛みは無くなった。
早く手術をしてほしいと思う。
もしかしたら、テグレトールですべての痛みが消えるのなら、手術で治るかもしれない。
そんな淡い希望が見えてきた。

「死」というリスク

手術日まで、まるで旅行気分で用意をする私に周りが戸惑う。
夫はまだ手術をする事に恐怖心を抱いていたと思う。
Y先生も静脈が接種していると聞いて、かなり
苦い顔をしていた。
静脈は脆く、少し力を加えただけで破れてしまう。
だから通常は何もできず、になってしまう。
破れたら私の場合は間違いなく「死」だ。
「どうしよう。どう説明しようか」
と悩んだそうだ。
しかし、T先生はあまり苦い顔もせず
「これも剥がします」
と言った。
それを伝えるとY先生は
「そっか、剥がしてくれるって言ってた?
じゃあやってもらいな!」
と言って喜んでくれた。
どうやら私のオペはかなり難しく、最悪の場合死が待っている。

ただ、私はどうしても「怖い」「心配」という感情が湧いて来なかった。
むしろ楽しみですらあった。
これで、私の人生は変わるかもしれないのだ。

それだけ、
この痛みは凄まじい。
手術は誰だって怖い。
そうだろう。そうだと思う。
でも、どうしてもそうは思えなかった。
「怖い」という感情よりも、この「痛い」は恐ろしいからだと思う。
行き過ぎた痛みは感情も心も壊す。

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