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2023年 2月上旬

2月2日。
くしくも結婚記念日。
よりによって術後の経過診察に病院へ行く前日。
痛みが消えた。
まあ、無痛ではないのだが、これまで続いていた「やばい痛み」が消えた。

三叉神経痛とはそういう病だ。

T先生は少し残念そうだった。
テグレトールの効きが悪い事を伝えると、
「多分テグレトールで取れる痛みは手術で取れたんだよ」
と言われた。
そして、とりあえず学会で聞いてきたという手術で治らなかった三叉神経痛の患者に効果があったという薬を飲んでみる事に。
それはタリージェとビムパッドという末梢神経痛とてんかんのどちらも比較的新しい薬だ。

「三叉神経痛は、燻っている火が燃え上がらないように、水をかけて、かけて、かけ続けないといけない病気なんだ」
と。
何が効くのか分からない。
でも我慢せずに何かをし続けなければならない。
そういう病気だと言われた。


この月、東京へ旅行に行く予定だったが、キャンセルをした。
私の体調が整わないのが理由だ。
正直家以外で寝泊まりするのにはまだ抵抗がある。
それは、いつ発作が起きてもおかしくない状態だという事だ。

でも、どうしても見たかったバレエがあったので、日帰りで行って来た。
夏から争奪戦で取ったチケットだ。
バレエは初めて、という夫も連れて行った。

20歳の頃から密かに憧れていた上野水香さんの定年前のラストステージだ。
最後の「ボレロ」。
隣のご婦人が涙を拭っているのを見て、私も堪えられなくなった。
そうだよね、泣けるよね。
私の20年。
20年も経ったんだな。
そう水香さんの鑑賞歴と自分の時間を重ね合わせて涙が出た。
この日のボレロが一番素敵でした。
きっとまた観られる日を願って。

その後義母と私の前で夫はボレロを真似して踊ってくれた。
大爆笑だ。

ああ思いっきり笑えるって幸せだ。

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