10月13日

手術当日の朝。
やっぱり緊張感のないまま点滴を打たれ、手術室へ。
私のこの細い血管に一発で入れた彼女は凄かったが、手術後も気の利かせ方が超絶にうまく、相当助けられた看護師さんだ。

この日も夫と義母、両親と大人数で来てくれた。
コロナ禍ではNGだろうが、先生がOKを出してくれた。
家族に見送られ手を振りながら入ったオペ室。
すぐに笑気麻酔。
が、やはりすぐには効かず。
酸素だけなのかな?
と思っていたらしばらくしてふわっとしてきた。

「痛いですか?」と聞かれたので、ふわっとして来た、と言おうと思って言えずに落ちる。
麻酔って恐ろしい!
不妊治療の時のように、「かかれ!」と思いながら過ごしたのとは訳が違う。

3時間が3秒

通常全身麻酔は笑気麻酔を入れてから静脈麻酔を入れる。
そして麻酔が効いてから挿管を行う。
という流れらしい。
いつ静脈麻酔を入れたのかは分からず。もちろん挿管なんてされている記憶もまったくない。
3時間が数秒だ。
オペ室から出る前に麻酔から覚める。
挿管のせいで声はあまり出なかったが、頭は比較的クリアだった。
思わず「もう終わったの?」と当たり前の事を聞く私。
色々先生と話をしながら頭は完全に覚めてきていた。寝起きと違うのは、目覚めが早い事だ。

「麻酔の覚めはいいなあ」と思わずこぼす先生。
そうなんですか?
ただ、オペ室出る直前の私に「テグレトール今まで飲んでた量が多かったら、今日から1日100mgは飲んでね」と言うG先生。
え、今この状態の私に言う?

ただ、この時こんなに少なくていいのか?
と一瞬不安になる。
Y先生に言われた「しばらく要る」はこんな分量で良いのか??

そんなわけで頭を二回りくらい大きくした私は無事SCUへ。(脳外科専門の集中治療室)
家族に無事覚醒した事を確認してもらってからT先生に
「いやあ、かなり変わった状態だったね。
100人中3、4人くらいじゃないかなあ。
あれは動脈硬化とかではなくて生まれつきだね」
と言われた。
手術は予定より1時間オーバーしたものの、かなり上手くいったようで、後から家族から聞いて話では、T先生。
術後すぐ家族に説明をした後、去り際に振り返って
「この病院で、私だからできた手術です!」
と言って去っていったらしい。
格好いい!
と思うのは手術を受けた私だからだろうか。
実際後で手術映像を見せてもらったが、想像していた以上にしっかり静脈も離してくれた。

術後そんなやりとりがあり、後はゆっくり休むだけ。
ほら何も怖いことなんてないよう〜。
と思いきや。
ここからが地獄の始まりだった。
それもこれまでの人生で1位2位を争う程のしんどさだった。

地獄の術後24時間

まず、ベッドが不快。
いつもの病室のベッドの上に防水シート。
どう考えても通気性が悪い。
おまけに発熱していたので、余計に蒸れて不快。
体もだるく、ぐるぐる巻きにされた頭は思うように動かせない。
というより頭と首に力が入らない。
寝返りを打つ事も困難だ。
そして、頭を固定してあるヘアバンドみたいなものの継ぎ目が後頭部に食い込んでいて、超痛い。
そりゃ神経痛の痛みと比べたら足元にも及びませんが、知らない人だったら絶対に「激痛」と書いただろう。

ここで24時間。
今まで患者は寝てるだけだもん。
先生の方が大変だよね。
と思って来たが、今日訂正する。
手術で頑張るのは先生はもちろんだが、患者も頑張らなくてはならない!
患者もしんどい。
ただ寝ているだけがこんなにしんどいとは思わなかった。

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