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最近読んだ本3冊(夜は短し歩けよ乙女、何者、船を編む)

夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦

すごい綺麗な作品だった。大好き。
以前に同じ作者の四畳半神話大系をアニメで見たことがあったので、
なんとなく世界観のイメージは掴みやすかった。

とにかく作中に出てくる架空の造語と世界観にどれだけハマれるか、で感想が変わって来ると思う。
謎のお酒「偽電気ブラン」、互いに詭弁をぶつけ合うサークル「詭弁論部」
文化祭中の路上で突如開催される演劇「偏屈王」
聞き馴染みがないけど、「こんな世界があったら楽しいな」と思える文化を覗き見ることができるので終始楽しむことができた。

面白かったのでAmazonプライムでレンタルしてアニメ映画版も視聴してしまった。
多少話は変わっていたが私が読んでいた時に頭に浮かべていた世界の通りだったので感動した。
えらいもんで、読んでいる時に想像したキャラクターの見た目はアニメ版に書き換えられてしまった。私の中の李白氏はメガネをかけていたのに。
あと黒髪の乙女の声はずっと坂本真綾で再生されていた。
森見作品を他にも読んでみたい。

何者  朝井リョウ

スターからハマった朝井リョウ作品②。
就活中の友達・知人同士のいや〜な人間関係を思い出させられた。
先に内定した友達の企業の粗探ししたり、つい最近まで一緒に遊んでた友達が
OB訪問とかインターンシップとか行って”就活”をしているあの雰囲気。
私は運良く売り手市場の時就職をすることができたが、それでも友達の話は聞かないようにしていた、自分が就活ってるところを見られたくなかったので。

スターの時も思ったけどこの人の作品は本当に一人の人間から考えられる人格の数が常軌を逸していると思う。

本当にこの登場人物たちが存在していて、エピソードを聞いてきたと思えるくらい人間の解像度が高い。
強いて言うなら大学生同士の会話にしては文字の量が多いなって思えるくらい。
面白かったです。

舟を編む 三浦しおん


国語辞典を作る人たちのドラマの話。
そういえば、国語辞典ってあの項目と説明を人が考えてるの凄すぎるなって思った。
作中では10年単位で時が流れ、携わる人の人生も並行して描かれるので
辞書が完成した時思わずスタンディングオベーションしたくなるほどのめり込んでしまった。
もう大人になってからはほとんど使わない記憶の片隅に追いやってしまった「国語辞典」をテーマにここまで読ませられるストーリーを書けるのめちゃすごい。

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