100ワニを見た

 色々話題になっていたこの作品がAmazonプライムに登場していたので見てみた。

 前半30分では丁寧に原作の100日間が描かれていた。
 原作の方を知らないと、意味が分からなかったり話が飛び飛びだったりすると思うが、読んでいれば十分に分かる内容だった。
 雰囲気も優しく、原作を壊す様子もない。
 前半だけであれば、アニメ化作品としてちゃんとしたものであろう。

 僕が問題に感じたのは後半部分だ。ワニの死後、それぞれ(特にネズミ)が立ち直っていく話であったのだが、そこに強く関わる新キャラ、カエルがヤバかった。
 人との距離感がバグっている。終始馴れ馴れしい態度で接してくるのだ。
 物語途中で、うまく馴染めないとカエルが悩むシーンはある。しかし、だからといって自分の行動を省みてはいない。
 落ち込んだカエルは、ネズミに励まされました。ネズミもそれでカエルと仲良くなり、明るさを取り戻しました。
 話にすると以上の通りでしかない。カエルの振る舞いはその後も変わらず馴れ馴れしいまま。周囲が優しかっただけだ。
 ネズミを立ち直らせるキャラクターとして配置するのであれば、もっと嫌悪感の少ないキャラクターはいたはずである。そこでなぜカエルのようなキャラクターを配置したのか。しかも、新キャラとして。これが甚だ疑問である。

 言われているほど悪くはないが、とにかくカエルはヤバかった。そんな感想を持つ映画だった。 

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