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「上手い」は「良い」とイコールなのか?

今回は(今回も?)仕事ベースではなく、写真表現ベースでの話。またまた雑記的に、ツラツラと思ったことを書き記しておくだけなので、お付き合いいただければ幸いです。

写真を始めて間もないころは、とにかく撮ることが楽しくて日常の些細なものを記録しまくった経験はないだろうか?
道端の草に当たる光、信号機が作り出す影、車のフォルム、階段下の薄暗い世界などなど・・・
そうこうしているうちに、他の人がどんな写真を撮っているのか、ということも気になり出してくる。

(今の時代、多くの人がSNSや画像投稿サイトに、自分が日々撮った写真をアップしているので、他の人の写真を見る機会を得ることは簡単。)

そして、「あっ、この人上手い」となるわけである。

ここで今日の本題、「上手い」は「良い」とイコールになるのだろうか?という話。

上手い写真とはなにか

人それぞれ基準は違うだろうが、私が思う上手さとは以下の点である。

1.水平垂直がとれている
被写体に対しての均衡がしっかりととれているのは、上手い写真の最低条件だろうと思っている。

2.光の読み方が上手い
どの方向から、どのくらいの距離(強さ)で、光が被写体に当たっているかを読めている写真は上手い、と思っている。

3.ブレていない
意図したものならよいが、意図していないにも関わらず手ブレや被写体ブレが起きているのは、上手いとは言い難い。

4.ピントが正確
人物ポートレートであれば瞳にピントを合わせる、物であればその対象にピントが合っていること。背景や関係ないものにピントが合っているのは、上手いとは言えないだろう。

おおよそこの点が正確であれば、私は「あ、この人は撮るのが上手だな」と思うだろう。

一方で、良い写真とはなにか

私が思う良い写真は、上に挙げた上手い写真の定義をほぼ覆す写真である。

1.水平垂直じゃなくたって良い
水平線が傾いていたって、そこに撮影者の意図があれば良いと思うのである。

2.光に関しては、写真の根本なので上手かろうが良かろうが、同一であると考える。その為、これに関しては共通している必要がある。

3.ブレてたって良い
ブレることで生まれる臨場感というものもある。もしくは撮影者が酔っ払って手元がフラフラな時に撮られたのかもしれない。それも良し。

4.ピントが合ってなくても良い
ピントとは、自分が対象物のどこを見ているのかを示している。
対象物にピントがいかないということは、その時の撮影者の意識が一点には向いていない、というだけの話である。それでも、その場の空気感やピントが若干ずれていることで生まれる生々しさみたいなものは確かにあり、それはまたそれで良いと思うのである。


まとめ

「上手い」=「良い」ではない、ということが文字にした事でより明確となった。これを書いていて思うことは、写真を読む人(読者)に委ねられている部分が多いということである。
「ブレている写真は許せない」という人からすれば、その様な写真を撮って世に出している人は「コイツ素人かよ」となっておしまいだろう。
しかし一方で、ブレを一つの表現として捉えている読者からすれば「あぁ、こういう意図があるのかな?」と、より一歩深く写真表現を味わえるかもしれない。


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