小さな望み
知らない土地を歩くことが好きだ。
僕の顔を見ても誰も声をかけてきたりしない。
誰とも繋がっていないというだけで心が安らぐ。
半端な繋がりを強引に断ち切って違う土地に来た。
残された人達はどう感じただろうか。
そんな事を思いつつも、それ以上の感情は湧いてこない。
終わった事や終わらせた事が今はまるでは他人事のように思える。
もう僕は別の世界に立っている。
この世界でも僕は、何かと繋がり何かを築いていく。
そしてまた最後には全てを壊していくのだろうな。
けれど
全てを綺麗さっぱりと無くすことなんて出来るだろうか。
壊されたもの達の残骸が塵や灰と形を変えて僕に付着する。
そしてその付着したものこそ僕自身。
洗い流すことは出来ないもの。
無理に消そうとしなくて良い。
もしそれらを排除すれば、僕は何者でも無くなる。
今はこんなことを思ってる。
たとえ塵や灰のような存在だとしても、それを必要とする人は居るはずだと。
誰かの為には僕の為に。
そうやってこれから生きていく。
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