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MORRIE 還暦記念ライブに参加して

今年ももう3月。
3月にしてはまだまだ寒い3月第一週の土曜日。
後世のV系バンドに多大なる影響を与えたDEAD ENDのVocalにして、孤高の存在、MORRIEの還暦記念スペシャルライブ
「MORRIE 60th Birthday Celebration  FLESH FATE FESTIVAL」
に参加してきたので、感想を書いておく。

MORRIEは3月4日に還暦を迎える。
ここ最近はコロナの影響もあって無い年もあったが、記憶にある限りでは2012年頃からソロライブを再開したのを期に、毎年ソロライブでの誕生日
ライブを行っている(CREATURE CREATUREの年もあったはず)。
今回はその定例の誕生日ライブであるが、還暦仕様のスペシャルライブとして企画され、最初からかなり大人数のゲスト出演が発表されていた。
そして、その中に見過ごせない出演者が。

「湊雅史」

ついに。ついにである。
言わずと知れた、DEAD END黄金期のドラマーにして天才である、
湊雅史がMORRIEのとライブステージ上で一緒になる。
まあこの2人、2005年にCREATURE CREATUREとしてMORRIEが活動再開し、2006年に1stアルバムを出した時からCREATURE CREATURE、そして復活後のDEAD ENDのアルバム「METAMORPHOSIS」など、
音源上での共演は度々あるのだが、同じステージ上に立つ機会はほぼなかったはず。
DEAD END復活直後の「JACK IN THE BOX 2009 SUMMER」くらいかな?
残念ながら、MIORRIE、YOU、JOE、湊と言うラインナップでの黄金期DEAD ENDは、YOUが逝去してしまったことにより、この時が最後となってしまった。
ただ今回は、湊雅史に加え、"CRAZY" COOL-JOEの参加も表明されており、YOUを除いたDEAD ENDメンバーが揃う貴重な機会となる。というか絶対この3人一緒にステージ立つだろ、と言うことは容易に想像された。
湊雅史が叩くDEAD ENDを見る機会がこのあと訪れるかわからない。
だからこそ、この機会を逃すわけにはいかないと、参加を決めた次第だ。

場所はEX THEATER ROPPONGI。
先日摩天楼オペラのライブでかなり久々にきたこの会場だったが、意外と早く戻ってこれた。争奪戦が酷いとされる都内のライブ会場確保にあって、誕生日近くの土曜日を確保できている時点で、かなり、前から会場を押さえていたのだろう。
この日は16:30開場で、17:00開演の予定だった。
が、16:30になっても入場が始まらない。16:40に少し中まで入れたのだが、メインの客席階層であるB2Fに入ることが出来ず、客席に入れたのは16:50を過ぎてから。
流石に出演者が多く、色々転換が多いため、リハーサルが押しまくったことが、御大のMCで語られている。

結果的に、ライブが開始されたのは17:40。
以下、ライブは全4部で構成されていたため、それぞれに感想を書いていく。

【Ballad Dパート】
<Vo.MORRIE、Ba&percassion.岡野ハジメ、Gt.平田崇、Gt.森永浩之>
Embryo Burning
I'm In A Coma
Heaven  feat.土屋正巳
冥合  feat.土屋正巳
Luna Madness

スタートは2022年にリリースされた、DEAD END楽曲によるセルフカバーアルバム「Ballad D」の楽曲再現によるパート。
アルバムのプロデューサーであり、DEAD ENDのプロデューサーであった岡野ハジメ氏が演者として出演し、Ballad Dの編曲に関わった2人のアコースティックギタリストである平田氏と森永氏を加えた4人編成でのライブ展開である。
アコースティックと言っても、アルバム自体かなり楽曲のイメージを残した面白い楽曲が並んでいるため、演奏自体は2本のアコギを主軸としたものでありながら、かなりアグレッシブで手に汗握るものだった。
途中土屋正巳をゲストとして呼び込み5人編成の部分もあり、DEAD ENDバラード楽曲の奥行きを広げるような素晴らしいギターを披露していた。
(土屋氏はぎっくり腰でスタッフに支えてもらいながらの登場)
このBallad Dのような演奏形態でのライブ、凄くいいなぁ。
ソロでの位置付けではあるが、これはこれで別プロジェクトとして進めていいんじゃないかと思うくらい。
それくらい今のMORRIEに合っているスタイルのような気がする。

【MORRIE Solo Band】
<Vo.MORRIE、Gt.黒木真司、Ba.FIRE、Sa.yukarie、Vi.Heather Paauwe、key.秦野猛行、Dr.エノマサフミ

歓喜へ
視線の快楽
パラドックス
破壊しよう! feat.清春
眩暈を愛して夢をみよ
あとは野となれ山となれ
Into My Eyes feat. Boris

次のパートはMORRIEソロバンド。
ラインナップ自体はお馴染みの面々といった感じ。最近はArche4といったMORRIE、黒木、FIRE、エノのみのバンドスタイルによるライブもあるし、
そもそも音源自体、最近の作品は大分バンドサウンド寄りの作風になっているのだが、
90年代に出ているソロ楽曲の世界観を存分に披露するには、やはりこのラインナップがいた方がいい。「眩暈〜」や「あとは〜」なんかは、その事を象徴する曲かと。
冒頭、「歓喜へ」「視線の快楽」の二曲は、超久々に聴いた気がする。
視線の快楽なんかはシングルのみでベスト盤にも入っていないから、
音源自体がレアなわけだが、MORRIEソロでは結構頻繁に演奏されている印象。
というか、アルバム、シングル含めて、サブスクで全部配信してくれんかね。

途中、破壊しよう!では清春が参加し、ツインボーカルに。
MORRIEを崇拝している清春は、誕生日ライブはほとんど出演している。
記憶が正しければ、MORRIEが活動再開後初めてのソロライブを赤坂BLITZで行った際に、ゲスト出演した清春と一緒にやったのがこの「破壊しよう!」だった。
当時の清春はかなり原曲に忠実な歌い方をしていた印象があるが、
今回は大分砕けた、と言うか清春節の歌い方で歌っていた。
この辺りは毎年参加していることと、何年もの交流からくる信頼関係が故なのだろうと思うところ。
ただ同期トラブルなのかわからないが、冒頭のヴァースで清春が大分音とズレてしまっていたのは少し残念だった。
ソロパート最後には、Borisの3人が総出演。
流石にドラムゲストが多い回なので、Atsuoはドラとかタンバリン担当だったが、他二人はギターとして参加したため、黒木含めて3ギター体制で、かなりラウドでカオティックなInto My Eyesを演奏。
見ている限り、Wataがシンセギターか何か使ってたのかな?
ギターソロとシンセギターパートでピックも変えていたように見えた。

【新バンドパート】
<Vo.MORRIE、Vo.BAKI、Gt.SUGIZO、Ba.ウエノコウジ、Dr.湊雅史>
絶望クライム
悲恋
The Last Battle

第3部はサプライズパート。
なんと上記メンバーで新バンドが発足され、今回は初お目見えという回だった。現状、名前はまだ無いそうだが、秋くらいにアルバム&ライブを行うという告知も。今回のイベント用というわけではなく、正式なプロジェクトだというのが驚きだ。というか、SUGIZO働き過ぎじゃない?w

上記の通り、MORRIEとBAKIによるツインボーカルスタイル。
楽曲は割とストレートなラウドロックだが、妙な変拍子やテンポの緩急があるあたり、やっぱMORRIE、そしてSUGIZOがいるバンドだなぁという感じ。
ただこのバンドに湊雅史がいるのがやはりポイントで、存在感は圧倒的。
MORRIEと湊が新バンドというだけで胸熱である。
Baがウエノコウジというのは意外だった(というか、ゲストメンバーとして名前が出ていた時点で、どういうつながり?とは思っていた)が、
湊とウエノがここ最近ずっと吉川晃司のバックバンドをやっていることもあって、湊からの推薦なんだろうな。
このバンドパートを見ていて何より印象的だったのが、なんだかMORRIEが楽しそうに見えたということ。
MORRIEとBAKIは昔からの盟友だし、直近の年末にはジョイントのソロライブも行っている。
良い信頼関係が続いていてこういうプロジェクトにつながっているのだろうから、この2人としても楽しくて仕方ないんだろうな。
いずれにせよ、正式プロジェクトということで、続報を待ちたい。

【DEAD ENDパート】
<Vo.MORRIE、Ba."CRAZY" COOL-JOE、Dr.湊雅史>
I Want Your Love  feat.HIRO
Dress Burning  feat.HIRO
摩天楼ゲーム feat.咲人
I Can Hear The Rain   feat.咲人
Danse Macabre  feat.SUGIZO
Psychomania    feat.SUGIZO、SAKURA
Serafine    feat.SUGIZO、SAKURA

第四部は、待ってましたDEAD ENDパート。
私だけでなく、会場にいた誰もが、湊雅史が叩くDEAD ENDを心待ちにしていたはずだ。惜しむらくは足立祐二ことYOUがここにいないこと。
YOUが存命のうちに実現しなかったことは悔やまれる。
ギターは、YOUを崇拝し、意志を注ぐ3人のV系ギタリストによる共演となった。
HIROはCREATURE CREATUREの上手ギタリストとして不動の位置にいたわけで、DEAD ENDトリビュートではEmbryo Burningの演者として参加していた。
咲人は11月にThe Dead of Night CitYにて、徹底した完コピを披露したという点で実力的に申し分はない。
二人とも、演奏では申し分なかったし、何気に二人とも、黄金期と再開活動後の1曲ずつという、見方によっては音作りも解釈も違う性質の違う2曲を見事に演奏していたように思う。ソロも完コピしていた。
逆にSUGIZOは、他2人とは違ってYOUの意思を汲んだ上での自分のスタイルを披露したといった印象。
ただいつものSUGIZOにしては珍しく、ソロパートが完コピなのはYOU、そしてDEAD ENDリスペクトが故なのはいうまでもないだろう。
途中のMCでも「DEAD ENDは永遠です。皆さんが私の生きる指標です。」と語っていたし。
途中Psychomaniaが始まったタイミングでは、かつて湊雅史のローディを務めていた元ラルク、CREATURE CREATUREのSAKURAがドラム横に設置されていた点数の多いドラムで演奏参加し、SERAFINEでは実質ツインドラムのような形が取られていた。
そもそもSAKURAが入ってくること自体公表されていなかったので結構なサプライズである。
湊の演奏は昔から大分変わってしまっているが、SAKURAが点数の多いドラムを活かして昔のようなスタイルを一部だけだが再現していたような形だ。SERAFINEで湊とSAKURAで手元がシンクロしているように見える瞬間があり、さすが師匠・弟子の関係と言ったところか。
そういえば、JOEと湊がSERAFINE前に勝手に演奏し始めるという場面があった。フレーズ的には間違いなくNight Songだったと思うが、是非それもやってほしかったな。JOEと言えばNight Songみたいなところあるし。


それで、だ。
湊雅史が叩くDEAD END。ただただ、凄すぎた。
まず破壊力がすごい。
ソロで叩いていたエノマサフミの叩くドラムと比べても、嘘だろというくらい音圧が凄まじかった。
その上で、昔とは違い多点セットではなく、1タム2フロアというシンプルセットから繰り出されているはずなのに、何なんだあの彩色豊かなフィルは。
いや、吉川晃司のライブで見ているから凄いのは知ってたけど、
自分が一から作ったフィルだからなのか、リミッターが外れているのか、
ドラムに釘付けにさせる圧倒的存在感。
途中次曲を間違えてフィルを入れてしまい、MORRIEが「おいおいお兄さん」と嗜め、「まあ興奮してるということですね。良いことですよ」と言っていたあたり、MORRIEでも後ろから感じるものがあったのではないかと思う。
DEAD ENDは復帰後すぐの真矢やその後の山崎慶サポートの時のライブを見ているが、正直その時と全然違うと言わざるを得ない。
これが真のDEAD ENDなのか、そう思ってしまうほど、
何か違うものを見せられている感覚になった。
未だ、DEAD ENDのドラマーは湊雅史以外に認めない、という昔からのファンの方の声を多く聞くが、ようやく言いたいことがわかった気がする。

【アンコール】
The Godsend<Vo.MORRIE、清春>
Embryo Burning<Vo.MORRIE、BAKI、清春、Hyde>

DEAD ENDのとてつもないパフォーマンスとんでもないを見せつけられて、呆然としている中、時刻はすでに21:00を回っていた。
最後は出演者ほぼ勢揃いでアンコール。
ドラムは湊とエノによるWマサフミ体制で、ベースはJOEとFIREのツイン。
The GodsendはHIRO、咲人のツインギターで、Embryo Burningでは、
そこにSUGIZOを加えた3ギターという、完全にお祭り騒ぎ。
The Godsendという、結構マニアックな選曲なのは、
DEAD ENDトリビュートで清春がチョイスしていることからの選曲だと思われる。ギターソロは、パートを細かく分けてHIROと咲人で交互にやっていくスタイルで演奏された。

そして最後にまたサプライズが。
なんと客としてきていたL'Arc〜en〜CielのHydeが突然飛び入り、急遽歌うことに。
SUGIZO、清春、Hydeからバラを30本ずつ計60本渡されたのち、
「天国というか、地獄の足立さん、見てますかー」という御大のゆるいMCを挟んだ後、
最後大団円は全員でEmbryo Burning。
御大も言っていたが、最後にお祭り騒ぎでやるような曲じゃないけど、まあこういうのもありでしょw 盛り上がりは凄かったしね。

最後写真撮影した後、MORRIEのMCがあってライブは終了。
気づけば時間は、21:40を回っていた。「60歳まで生きていられるとは、若い時は思っていなかった」とのことだけど、確かに足立祐二をはじめ、ここ最近若くして亡くなっているミュー自シャンは多い印象はある。
そんな中で、長い時を経てこのようなスペシャルなライブを見ることが出来たのは、幸運以外の何者でもないのだろう。
「次は古希ですか?」と言っていたが、願わくば今日の第4部の編成で、DEAD ENDのみのコンサートを数回でも良いからやってほしい。
このまま見れなくなるのは、あまりにも惜しすぎる。
何はなくとも、本当素晴らしい還暦祭だった。













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