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映画の心

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Amazon Prime Videoで見れる文芸映画を中心に映画が訴えていることを映画の評論ではなく、作品論として独自の視点で捉え、思ったこと、感じたことを綴っています。取り上げ…
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#母親

『風のある道』(原作:川端康成 主演:芦川いずみ 1959年9月13日公開)個人の感想です

いよいよ川端康成作品である。アマプラで無料で観れる数少ない川端康成作品を観ることにした。もちろん、文学音痴の私は川端康成と言えば、『潮騒』とか『伊豆の踊子』の名前は聞いたことがある程度の知識。鳥羽から渥美半島に渡るフェリーに乗ると、船内アナウンスで、「あちらに見えます島が、潮騒の舞台となった島です。」と紹介があるので、「へー」って思った記憶はある。興味がある方は、乗ってみられるのも良いかも知れない。 さて、アマプラに書かれているこの映画の紹介は、『美しき三人姉妹の心に去来す

『陽のあたる坂道』(原作:石坂洋次郎 主演:渡哲也 1967年3月25日公開)個人の感想です

石坂洋次郎の作品で石原裕次郎主演の『あいつと私』がとても面白かったので同じ石坂洋次郎の『陽のあたる坂道』も観たくなった。石原裕次郎主演、渡哲也主演の2つあったが、渡哲也主演を観てみることにした。 『あいつと私』は、大学生のその時代の風俗を面白おかしくコミカルに描いたもので『陽のあたる坂』というタイトルと写真からさわやかな恋愛ドラマを想像したけれども、まったく違っていた。 物語の途中までは重苦しく、裕福なながらも訳ありなお金持ちのお家騒動的なお話であるかのように思えたが、終