マガジンのカバー画像

映画の心

18
Amazon Prime Videoで見れる文芸映画を中心に映画が訴えていることを映画の評論ではなく、作品論として独自の視点で捉え、思ったこと、感じたことを綴っています。取り上げ…
運営しているクリエイター

2023年12月の記事一覧

『あいつと私』(原作:石坂洋次郎 主演:石原裕次郎 1961年9月10日公開)個人の感想です

吉永小百合が写真に写っていたので、観てみるか、という程度で観始めた映画であったが、コミカルな中にもこの時代の変化をてんこ盛りにしたとても面白い映画だった。リリカルとかニヒリスティックと評されていたけど、そんな感じではなく、十分に世相を反映していて、とても面白かった。ちなみに吉永小百合は、主演女優芦川いずみ(藤竜也の妻)の妹役にすぎなかった。ドテッ! 時代は、1960年、戦後15年、安保闘争の時代、まさに学生運動の始まりのころである。登場人物の年代も恐らく明治、昭和一桁、戦中