【後編】農家が地下アイドルのライブに行って人生観が180度変わった話

最推しとの出会い

さて、この話は後編である。
前編では、私が地下アイドルになった友人のライブに行き、友人への懐疑的な気持ちやアイドルへのイメージが大きく塗り替えられた話と一区切りをつけた友人への激励を書いたが、今回はそんな友人を応援し続けた裏で起きあがっていた一つの運命的な出会いの話を書こうと思う。

私は昨年の夏頃から友人のライブを定期的に見に行くようになっていた。ちょうど私が会社を退職したタイミングで時間が有り余っており、どんな形であれ会いに行けるときには会いに行こうと思ったからだ。
さて、彼女はアイドルグループに属している。私が以前、ライブを見に行ったときはソロ活動をしていたのだが、本人の熱い思いもありグループアイドルの道を選んでいたのだ。
しかし、そうとはいえ元々私はアイドルに興味を持たなかった人間である。友人のおかげで、アイドルはとてもかっこよくて素晴らしい人たちであると知ることは出来た。しかし、それとこれとは話が別である。友人以外のアイドルはわからなく、グループメンバーに関しても知ろうとも思わなかったのだ。
ところがそんな私の価値観を覆す出会いが起きてしまったのだ。それはライブやボーリングオフ会などの彼女が所属するアイドルグループのイベントに月1程度の感覚で参加をしていく中で起きた一つの衝撃的な物語である。

ある時、そのアイドルグループはひとつの挑戦をはじめた。毎日配信と言われたその企画はその名の通り、メンバーがそれぞれ日替わりで毎日ネットで生配信をするという企画である。
特に興味もわかなかったのだが、友人に毎日見に行ってあげてと頼まれたのだから仕方がない。時間も有り余っていたため、見に行くことにした。

もちろん、友人の配信の日はおもしろく賑やかでいつも通り楽しませてもらったのだが、他のメンバーの日は正直どうしていいものかわからない。「こんばんわ」等と形式ばったコメントを残し、そんな配信を眺める日が続く中、メンバーの一人が私と同じ県の出身だと知ったのだ。

同郷者ならば話は違う。私は田舎者である。田舎者は同じ出身の人と巡り合うとテンションが上がるのだ。私は地元あるあるなどのローカルコメントを残すのが楽しいと思うようになり、気づいたらそのアイドルの配信の常連となっていた。
そして、他のメンバーの配信も自然と見ていく中で、グループのことを知ることができ、結果としてライブやオフ会でそのアイドルたち全員に会うことが楽しくなっていった。

そんなある日、そのアイドルグループの撮影会があることを知った。
しかし、金額も日にちも都合をつけにくく、さすがにそこまでかけられないよな。
と、最初は思ったのだ。
しかし、運命とは皮肉である。ある晩、その同郷のアイドルが「私の枠まだ余ってます!」とツイートをしていたのが目に入った。

そして思いついてしまったのだ。

アイドルにイモ持たせて写真撮影したら絶対に面白い!

と。

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