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良いギターってなんじゃい

■「あんま変わんなくない?」

それは鍵盤奏者の友人との会話の一コマ。

"エレキギターってなんか新品がザコ扱いで、ビンテージとかすごい金額してるけど、そんなに差があるの?"

ということだ。

おそらくこの話は2万年くらい言われ続け、
で毎回大した結論も出ないまま
「ま、みんな元気が一番だね!」
と、まるでなかったかのように忘れられていく話だ。


なにも一万円もしないような安物をどうこう言うわけじゃない。
10万〜くらいの新品ギターについての話だ。
それと100万に迫るようなビンテージギターに、果たしてどれほどの差があるの?
という疑問が、
我が国🎸へと、隣の国🎹から訪ねられているのである。

知恵ぶくろさんなんかじゃ「ギターは最低20万は出せ。それ以下は楽器じゃない」
とか言われたりする始末。
これはこれで怖い。情熱大陸。

🎸

この「そんなに変わんないんじゃないですか?」論は扱いが意外とデリケートで、
話し相手にするギタリストを間違えると、

「は?」

と道端に落ちた💩でも見るような目で見られることになる。💩も拾ってくれる、ある種のマニア的な優しさがありそうなギタリストを探して話さないといけないのだ。


■そもそもなにが大事なのだろう

ギター国🎸の国民はギターの音が好きだ。
少しの違いも気付く。
だからこそビンテージの良さも分かる。
実際ビンテージギターは良い。良い物が多い。

しかしこれは我が国🎸での話。
外に出れば、色んな意見がある。
そしてまた、音楽を演奏する時というのは、色んな国🎸🎹🥁🎤の人が集まっているのだ。

鍵盤奏者の人と話すと「ギターの良さ、およびギタリストの腕前を感じるポイント」として、まぁ度々出てくるワードがある。

「カッコよさ?音の良さ?ソロの凄さ?
なんだろうなんだろう」

ふむふむとギタリストたちも顔を向ける☺️

それは、

「ピッチ(音程感)の良さ」

だそうだ。もう何回でも話に出る。

💩

ポップスに興味のないギタリストならもうこの時点で遠く離れて姿も見えない。次の店に移ろうとしている。
わかる。いかんせん話のネタとして華が無い。

しかし、何回も現れるワードなのもまた事実…。

🎹

(調律された)ピアノってのは、基本的に音程がズレることはない。「ドミソ」を弾けば「ドミソ」がバッチリ鳴る。綺麗に和音になる。

ギターの場合、これがかなり大雑把だ。
「ドミソ」と鳴らしても、左手が強く押さえすぎるだけで簡単に音程はシャープする。別にドがド♯になってしまうような変化ではない。1/4音かそれにも満たないような差だ。しかしながら、これが結構違う。特にロックから少し歩いてポップスに行くと、結構に違う。


なぜならそこには「絶対ズレないマン」鍵盤がいるからだ

🎸「円周率は3でオッケー👌」とか言ってる場合じゃない。
🎹「3.14っていうか、3.141592までは覚えてこい、暗記」と怒る鬼教官。
限界突破小学生👶阿鼻叫喚。

チューナーを親の仇のように見つめながらチューニングを終えても、弾き方ひとつ、簡単なことで音程は揺れてしまう。それがギター、というか弦楽器の良い所でもあるが、時と場合によって邪魔になる。

🎹「なんか微妙に音ズレてない?」
🎸「(チューナーON)いや、合ってるよ」

ドンドンドン〜♪

🎹「でもなんかズレてる?」
🎸「いや合ってる。押さえてるトコも合ってる」

ドンドンドン〜♪

🎹「なんかコーラスかけてる?」
🎸「かけてない」

…こうなってしまうとどちらかが果てるまで解決しない。
ギターは基本的に瞬間瞬間で凄く音程がズレやすい。ギュイーンとスライドする時に強く押さえこんでたりすれば、簡単に音痴になる。そういう楽器なのだ。

ギター🎸ベース🎸ドラム🥁のスリーピースバンドなら別にそんなに問題じゃない。
そこに鍵盤🎹が入ってきた時!音程へのシビアさはグォーーーーッと上がっていく…

で。

これをクリアしているギタリスト、
およびギター。
そこにハッキリとした腕前を感じるらしい。


「高価なギターじゃなくても、バチッと良いピッチで演奏されてるなら良いギターに感じる」

「チューニングの緩いギターは、高価なヤツだったとしても、なんか大したものに感じない」

ということだ

「えっ?そんな地味なこと?」

と思いますよね、そうですよね。

この視点から、つまり、

「音色じゃなくて音程」

の視点でギターを見れば、我が国🎸で議論される違いは確かに吹っ飛ぶ。
ビンテージ話はそのほとんどが「音色」についての物だからだ。

■結局

あのギターの音が良い、このビンテージが良い、
と盛り上がるギタリストたちの横で、
隣の国🎹の方々は違うところを見ていたりする。
「音程、合ってますか」って。

これは、ほぼすべての教則本の初項目にあるアレだ。

「まずはチューニングをしてみよう!😀」

そうだ。
誰もがまるで空気のように、
YouTubeのスキップ広告のように読み飛ばすアレだ。
アレは、その先を予言していたのだ…。

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