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嫌いだけど嫌いじゃないよ

私、今、絶賛月に一回来る嫌ーな日を送っているんですけれども。最近歳を取るとともに痛さも涙腺もガバガバになっているんです。(まだまだ若いんですけどね)

先日友人と2人でずっと行きたかった古本屋に念願かなって行くことが出来ました。そこのマスターはとても気さくな方で一年に2回旅行をするように本の移動販売をしているようで、窓から見える開いてるか開いてないか分からないそのお店は大抵いつもcloseの看板が下されていました。

そこで、カウンターの前に「占わない」と書いてある占いらしき箱を見つけた友人が、占いをやりたいと言っていたのを思い出したかのように、やりたいと言い始めました。私は大抵物事を大雑把にしか認識していない為(占い?本屋で?)と思い友人が占いらしき物にキラキラした目で取っついてるのを見ていました。その占いらしきものと言うのは、箱の中にあるキーワードの書かれた沢山の割り箸の中から3本取り、引き当てた3つのキーワードの中から1つだけ話せそうな事をマスターに話すと言う雑談紹介のようなものでした。友人が引いた後に、マスターに「是非」と言われたので私も引いてみる事に…。私が引いたワードは「好き」「嫌い」「ハッピー」の3つ。うわっ、これ面白い話しないとつまんないワードだ。と思い何を話そうかしばらく考えた後、私は「嫌い」というワードで話し始めました。

あの時の自分が「嫌い」というワードで1番最初に浮かんでくるのは父でした。ここまで育ててくれたのに本当に申し訳ない。でも正直言って父は苦手だ。父は内向的で言葉数が少なく、何を考えているか分からない亭主関白な人間だ。そしていつも角刈り頭の職人でつまらない。しかしお客さんの前では底なしのコミュニケーション能力を発揮する父がよく分からない。そのため、新しい物好きでお喋りでうるさい私には父がいつも理解できなかった。ついでに趣味も合わない。
ついでに言っておくと、年を越す前に私は顔に大きな吹き出物が出来てしまい、たまらず母に見せた時に隣にいた父が私の顔を見て「キモい」の一言を浴びせてからは、さらに父のことを毛嫌いするようになりました。何故そのような事を自分の娘に言えるなっと思い私もたまらず暴言を吐きまくりました。

私は父に叱られると必ず泣いてしまいます。父の一言は母の一言よりも重く、嬉しい事を言われても悲しい事を言われても、怒られても一日中考えてしまうのです。母も母で、悪い事をしたら父に言いつけ、いう事を聞かないときは父に私を怒らせたりしていたせいもあるんでしょう。でも一日中彼の言葉に左右されたり、泣いたり、逆ギレしたり結局彼のことを父親だと思っており、認めてほしい、優しい言葉をかけて欲しいと心のどこかで思っている自分がいるから涙が出てしまうのだと思います。

一月、成人式の日に父と母が送っていってくれるという事で、車で会場に向かう事になりました。私は振袖でのキツさと車の酔いと父のタバコの匂いで三途の川岸を反復横跳びしていました。そんな時に父がいきなり「大きくなったんだな、お前も」と言い少し微笑んでいました。私は動揺と吐き気が隠せないまま父の顔をもう一度見ようとしましたが何故か見ることが出来ませんでした。

あの時の父と私は多分日本で1番親子をしていたと思います。あんなに毛嫌いしていた父のことを今では少しだけ、ほんの少しだけ、いいやつじゃん?と思っておます。でも嫌いよりです。嫌いじゃないけど好きではないです。
とここまでの事をマスターに話すと、「多分お父さんも何を言っていいか分からないし、日本のお父さんの大半がそんなものだよね。過ごす時間がどうしてもお母さんの方が多くなっちゃうから」と言い、また来てねと言ってくれました。

今日を持って私の結婚するまでの目標は、あの角刈り頭と胸を張って、腕を組んで、めちゃくちゃの笑顔でバージンロードを歩く事です。そしてついでに泣かしてやります。占い師さんによると私は32歳にはイケメンで素敵なパートナーと結婚する予定なのであまり時間の猶予はありません。

お父さんのこと嫌いじゃないけど嫌いだよ。でもお父さんの言葉が1番効くから、優しくしてね。
私どっか行っちゃうんだからね?

あと、フルーツと野菜食べろよ!トマトジュースばっか飲んでんな

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