ほつれが生じています

ほつれが生じています。

30代半ばまで結婚相手が居なかったら結婚しようと約束した人と。私の1番の友人と。

彼女は怠け者で、内気で、私のナポリタンの染みを誰よりも早く拭いてくれます。そういう優しい人なのです。

勉学を共にした6年間の後、違う大学に進学し顔を合わす事が必然と減り、互いの生活に自分達が居る事が減りました。

家族でも恋人でもない私達は、何を拠り所として一緒にいるのか分からなくなりつつありました。

会える距離ほど残酷なもので、会おうとしなければ会えないこの距離ほど私達の首を絞めるのです。

残りもの結婚の口約束を18の夏にした時の私はたったの2年でこんな事になる想像すら出来ていなかったと思います。絶対に離さないと心に決めた人だから。

彼女は私が変わってしまったと言いました。「他の子みたいにして欲しいのか？」と聞かれました。私がそんな事を望んでいないのを彼女は多分知っていて聞いている。凄く生々しい。

腹を割って話し始めたら、幾つものほつれが見つかり、編み直そうと手をかけるも言葉は見つからず。

「ぁあ。多分これダメなやつだ。」と一言。

今までどんな事をされても、思いやりストックがあったため、彼女が謝り、私が許し、元通りがお決まり。しかしドタキャン、嘘、隠し事、私のストックの底が見え始めました。

残り滓をかき集めても取るに足らないこの気持ちに今、一生懸命名前をつけている最中です。

確かに会って話さない期間が長くなると気まずくなったり、相手の変化に微妙に嫌悪感を感じたりしてしまうのは分かります。そして彼女はそのタイプどんぴしゃだというのもも承知済みです。けれど、「それ私にも適用されてるんですか！？」となってしまう私をここでは肯定させてもらいたい。

他の友人に彼女の事を相談してみると必ず「優しいね」と言いい、見捨ててもいいんじゃないか？と私を肯定し、慰めてくれます。
まぁでも、私が優しいことはとっくに知っています。

私の心のスペースに彼女はいつも居座っています。本能のうちに彼女の事を考えさせられています。流石にやめていただきたいとこちらも言いたいぐらいに。

だから多分これからも離しちゃいけない人なのです。

彼女は怠け者で、内気で、私のナポリタンの染みをいち早く拭いてくれます。優しい人です。だから私は彼女が編み直してくれるを待ちたいと思います。

彼女と私が、私達だけにしか分からない理由で一緒にいられるために。

彼女が私の1番であるために。