Books : 圏論の道案内
【主任】課長さん、課長さん・・・
【課長】・・・ん、何?
ものすごく苦しそうな顔して本を読んでましたが、どうしたんですか?
本の内容が全くわからないんだよ。
・・・そんなのよくあることじゃないですか〜
何か、うれしそうだね。
全然そんなことないですけど・・・なんの本読んでるんですか?
「ケンロン」に関する本だよ。
・・・犬の話ですかぁ〜
んなわけないだろっ
本の内容が理解できてないのに、どうして犬の話ではないと断言できるのですか?
うるさいな〜、なんでうざ絡みしてくんだよ。
いや〜、何が原因であれ、課長さんが苦しんでる姿は心を打ちますねぇ。それより、なんでそんな身の丈にあわない本を読んでるんですか?
なんか表現に悪意があるね・・・ビジネスシミュレーション用のDSLをPythonで作ってたら、プログラミングの師匠にHaskellを使ったほうがいいって言われたので、勉強し始めたんだけど、関数型の言語に馴染がなくて全く理解できないから、参考の資料をいろいろ辿っていったらいつのまにか圏論の本を読んでいたんだよね〜
何をおっしゃってるのか一片たりともわかりませんが・・・無理して馴染みのないプログラミング言語を使う必要はないのではないでしょうか・・・
主任さんの言うとおりで、Haskellを使うのは早々に諦めたんだけど・・・圏論が何かの役に立ちそうなんだよねぇ・・・
何の役に立ちそうなんですか?
物事をシステマティックに考えるときの、構造化や抽象化や推論みたいなものをまとめて扱えそうな気がするんだよ・・・
何も産み出さない森の中に入っていく課長の後ろ姿が見えます。
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