【小説】V6 不思議な船旅1 第19話~

第19話
俺は、一人になった。
だが・・それは、組織の作戦だったのか・・・・
背後に・・・・組織の仲間がいるとは気づいていなかった。組織がまさか俺の存在を知っているなんて・・・・。
気を付けろって言われたのに・・・。

組織の仲間「・・・ヒソヒソ・・あいつはたしかコードネーム・・・番」
アミ「・・・・・?」
アミが苦しそうな表情で、彼らが口にしている言葉を聞いた。
そんな中、俺は、指輪を転がしてしまい・・・・
岡田「・・・あっ!指輪!」
それを、大事そうに拾う、彼の姿・・・。
アミ「・・・・えっ?ジュン?」
彼らが明らかに狙おうとしているのは・・・

組織の仲間「・・・コードネーム22番・・ジュンイチ・・・・やつの体の中に・・クリスタルが・・・」

岡田「無くしたら、アミにしかられるな・・・」
岡田は、アミさんに謝りに行こうとしていたのだ。
岡田「えーっと・・・たしかこの近く・・・・」
アミさんの家の地図を見て、背後に気づかない・・・

アミ「彼らは、ジュンを、狙っているの?」
組織「・・いたぞ!間違いない!」
アミ「・・・・」
アミは、苦しそうな表情をして医者の言葉を思い出していた・・・

担当医「・・いいか?アミ・・・もう無理をするな・・・・・・走るなよ?走ったら・・・
今度、発作が起きたら・・・・君の命は・・・・」
医者に注意されていた。だけど、構わない・・・・
ジュンが、助かるなら・・・
ジュンが、生きているなら・・・・・
岡田「えーっと・・・」
アミ「ジュン!!ハァハァ・・・逃げて!」
アミが、岡田の目の前にたった。
岡田「アミ?アミ!ちょうど良かった・・・
この前のことを・・・・」
アミ「ダメ!!逃げて!!伏せて!」
岡田「えっ?」

バン!
聞こえたのは、銃声・・・・
そして、撃たれたのは・・・・
アミ「・・・・・・」
岡田「アミ!!」
アミだった・・・
アミは崩れるように倒れた。
組織の仲間「ちっ、外した・・・・」
岡田「アミ?なんでや!」
岡田は、アミさんを抱き止めた。
アミ「・・・あ・・・あなたを狙っているのが見えた・・・・」
弱々しく答えるアミ・・・・
岡田「えっ?嘘や・・」
・・・俺は周りを見渡すと・・・
ささっといなくなったやつらの姿が・・・・

岡田「(そ、そんな・・・やつらは俺の正体を知っている?)・・・アミは、どうやってその事を・・・・」
アミ「・・あなた・・・の体内に・・クリスタルを、どうとか・・・って・・・・ハァハァ・・」
岡田「・・・アミ・・もう、しゃべらんくてもええ・・・今すぐ医者に・・いや、医者を呼ばなきゃ・・・」
けれど、携帯が通じるかわからずにいたから・・・持っていなかった
岡田「・・・なんてアホなんや・・じゃあ!つれていかな・・・」
アミ「・・・もう・・・いいの・・・」
岡田「そんなはずはない!このままじゃアミが・・・・」
アミ「私は・・・・助からない・・・から・・わかるの・・・」
岡田「アミ・・・ごめん・・・ごめん😢💨💨」
岡田は、アミさんの手を握り・・・・
岡田「君のこと、迷惑って言ったこと・・・・」
アミ「・・・良かった・・・ジュンに嫌われなくて・・・・」
岡田「・・嫌いになるわけないやん!!」
アミ「ジュンが・・・生きてて・・よかった・・・・」
岡田「アホ!お前だって助かるわ!だから、頼むから治療を・・・・」
アミ「・・・ジュン・・・かおをよく・・・みせて・・・・」
岡田「😭」
アミ「・・・なかないで?笑ってよ・・・」
岡田「・・・こんなときに何言うてるんや・・・・誰か呼ばなきゃ・・・」
アミ「さいごに・・・あなたが笑うのを・・・みたい・・・・」
岡田「・・さいごって・・・そんなことできるわけないやん」
アミ「役者・・・なんでしょ・・・?」
岡田「・・・・わかった・・・・」
岡田は、アミさんの言うとおりにした。
微かな笑顔を彼女に見せた・・・・。

アミ「あ・・りがとう・・・・」

そう言って繋いでいた手から、アミさんの手がスルッと抜けた・・・・
目を閉じてしまったアミさん・・・・

岡田「・・・・・アミ・・・?」
しゃべらなくなってしまったアミさん・・。

健「・・!?」
長野「・・・?」
坂本「・・・!」
なにこの切ない心・・・
メンバーに流れ出すとてつもなく悲しみの心・・・・。
いのっち「・・・・・!?誰?」
剛「・・・・?」
岡田「アミ!なんでや!俺は君にまだ、言いたいことたくさんあるんや!君のことを守るって・・・イオンさんと約束したばっかりなんや!!」
抱き締めるアミさんは、もう何も答えない・・」
命の灯火が消えたからだ・・。

岡田「アミ・・・頼むから・・・目を開けてくれよ!
アミ~!!!!」

俺は、アミを抱き締めて、町の真ん中で叫んだ・・・・・

いのっち「・・・・・誰の心?」

そう、心に流れる誰かの悲しみの感情は、誰のものかはわからなかった。
メンバーは、戸惑っているなんて・・・・。俺の心が、どう届いていたのか・・・・。
俺はまだ、聞かされてなかったんや・・・・

クリスタルの秘密を・・・。

長野「くそ・・・また、逃げられたか・・・・」

女「・・フフフ、甘いわね」
長野「えっ?」
女は、離れた場所から矢を放った!
長野「!?」
けれど、
ミミ「・・長野さん!」
長野君を、かばってくれたのは、さきほどいなくなったはずのミミさんで・・・
長野「えっ?ミミさん?」
ミミ「に、にげて・・・」
長野「ミミさん!そんなあなたをおいて逃げるなんて・・・」
キキ「・・ミミ!」
坂本「長野!」
長野「キキさん・・・坂本君」
坂本「やっぱり、長野だけじゃ心配だから、追いかけようってことになって・・・」
来てくれたのは、紛れもないキキさんと坂本君だった。
倒れてるミミさんを見て・・・何も言えずにいる・・・

長野「キキさん、ごめんなさい。俺のせいで・・・」
キキ「ミミ!しっかりしろ」
長野「やつは、俺のことを狙ってた・・・なのに・・・」
坂本「・・・・・」
長野「俺たちは、狙われている・・・
それに、まだ、城の中にいるはずだ・・・だから、追いかけなきゃ・・・」
坂本「だったら、俺も行くよ・・・やつらの狙いは、俺たちのクリスタルだろ?」

キキ「でも・・・」
長野「キキさん、こんなときにごめんなさい。ミミさんの手当てをお願いします。僕にはなにもできません。そばにいてあげてください」
キキ「まさか、二人で追いかけるのか?」
長野「はい・・・この国の人を守ると約束したので・・・」
キキ「・・・あんたは、私を軽蔑しないのか?正体を知ってるんだろ?」
長野「・・・なんで軽蔑する必要が、あるんですか?」
坂本「えっ?なんのこと?なんの話だよ」
長野「あなたの声がミミさんに届いたから、ミミさんが、もとに戻ったんじゃないですか」
キキ「・・・・ありがとう」
そう言って、長野君たちは、敵を追いかけに行った。
坂本「心のクリスタルが繋がっていた・・・ってことだよな」
長野「あぁ、そうだね。恋人同士、友人、仲間同士・・・
信じあっていれば繋がる・・・ってことだよな。」
坂本「まぁ、そういうこと。だけど、その心のクリスタルを、敵が狙うなんて・・」
長野「・・・俺たち以外の人を狙う必要なんてあるのかな・・・」
坂本「そこなんだよなぁ~」
長野「あんなに純粋に恋をしているのに・・・」
坂本「・・組織を操っているのは“女”なんだよな?」
長野「俺たちの正体を、すでに知っている・・・」
坂本「その女は、そういう生き方しか出来ねぇのかな」
長野「えっ?」
坂本「誰かを思いやる心とか・・・強く思う・・・とか・・・大切に思う・・とか?言葉は通じるのに・・・同じ人間の言葉を話すのに・・・」
長野「そういえばさっき、流れ込んできたものすごく悲しい感情・・・一体誰のだろうね・・・」
坂本「・・・・そうだな。なんか、切なすぎる感情だな」
その感情は、いまでめまだ、誰のものかはわからずにいた・・・。
とうの本人は・・・・
岡田「・・・😭もう、イヤや・・・人が死ぬのは見たくない・・・見たくないんや・・・・」
1人、アミさんを埋めて供養し・・・涙を流していた岡田は・・・
無事に城へたどり着いた。
いのっち「あれ?岡田・・・お帰り・・イオンさんと別行動したの?」
岡田「・・ただいま・・。うん、寄りたいところあったしな・・・」
さっきのできごとは、黙っておこう。
俺は、無事なメンバーを見て、ホッとしていた。

でも・・・・

その夜、再び集まった部屋で・・・
長野「・・・レンさんの居場所がわかったみたいだよ」
坂本「長野、本当か?」

イナン「・・健・・レンの居場所が、わかったわ」
健「・・本当?」
イナン「この城から、南へ五キロ・・・
ちょうど湖の・・・・
えっ?」
急に黙りこんだイナン。
健「どうしたの?イナン」
イナン「そんな・・・まさか・・・」

その頃・・
坂本「よし、出発は、明日だ」
岡田「あ、あのさ・・・みんな・・・」
長野「どうした、岡田」
なぜか、話を、遮る岡田・・。
様子が変だ。
剛「なんだよ、岡田。」
岡田「・・みんな、いっちゃダメだよ・・・・」
長野「えっ?」
岡田「だってさ・・・・」
剛「そんなこと、出来るわけないだろ?」
岡田「だって、僕ら・・・もともと関係ないじゃん!」
坂本「岡田、何言って・・・」
剛「ふざけるな!!」
健「・・・?なんか言い合い?」
声は、廊下に響いていて・・・
健「みんな・・・どうしたの?」
バシッ
僕が見たのは、剛が、岡田の頬を、叩いているところで・・・
な、なにがあったの?
健「・・ど、どうしたの?外に丸聞こえだったよ?」
長野「・・・・健」
坂本「・・・・」
いのっち「・・・・」
健「なんで、剛が岡田を?」
長野「明日、レンさんを、みんなで助けに行こうって話になって・・・」
いのっち「岡田が急に、いっちゃダメだっていいはじめて・・・」

剛「岡田・・・てめぇ1人の問題じゃねぇんだよ」
剛は、岡田の胸蔵を掴んでいる。完璧にキレてる・・・・。
剛「ここの世界の人の命がかかってんだよ!」
岡田「・・・(そ、そんなのわかってる・・・)」
健「訳を話してよ・・・岡田・・・なんか、理由が、あるんでしょ?」
岡田「理由は・・言ってもわからないよ・・・これだけは・・・」
剛「・・・俺は、謝らないからな・・・」
岡田「ええよ!別に・・・」
そう言って、部屋の隅にうずくまった。
みんなが助かるなら・・・・!

これは、剛と岡田が初めてやった最大のケンカだ・・・。
トニセン「・・・・・・」
トニセンのみんなは、なぜか黙ったまま何もいってくれなかった・・・。
坂本「・・・・とにかく、明日出発する。きっと、一晩たてば岡田の気も変わるよ」
健「だといいけど・・・。いいの?岡田のことをほっておいて・・・」
岡田は、
「・・みんなに危険な目にあってほしくないだけや・・・」
そう呟いていた。
坂本「危険を覚悟で行くんだ」
剛「関係なくはないんだよ。俺たちの使命だから」
健「みんな、落ち着こうよ・・・岡田も・・・剛も・・・」
剛「何があったか話してくれないからわからねぇだろ?頭冷やせよ!」
岡田「・・剛君には、一生俺の気持ちなんかわからないんだ・・・😭」
剛「あぁ、わからねぇよ!わかりたくもねぇよ!」
岡田「・・・頭冷やしてくる!」
そう言って部屋を出ていった岡田・・・。
そして・・・
剛「俺も、頭冷やしてくる・・・このままの気持ちじゃ・・・俺もいきたくねぇよ」
そう言って出ていった。
健「岡田・・・剛・・・・」
一体なにがあったの?

長野「健、驚かせてごめん・・・実はさ・・・岡田が町から帰ってきてから様子がおかしくて・・・なにか聞いてないか?」
いのっち「そうなんだよ。しかも、1人で帰ってきたし・・・・」
坂本「あいつ、すぐ隠すから・・・・」
健「残念ながら、何も聞いてないよ・・・・」

岡田「・・・・・」
(どうすればよかったんや・・・・)
あのままアミのことを、話してしまえばよかったんだろうか・・・・

アミ・・・・ごめんな・・・ごめんな・・・・

岡田「😭😭😭😭😭」
その夜、岡田が1人で泣いていたなんて思わなかった。

むしろ、その気持ちがみんなにどう、届いているのか・・・・想像がつかないからだ。
ただただ切ない気持ちが流れ込んできた・・・
これは・・・・誰が流している気持ちなんだ?
健「もしかして、岡田なのか?やっばり、あいつ・・・・泣いているか?」
少なくとも僕は、そう思っていた・・・。
長野「・・・・岡田・・あいつ・・・何も言わないから・・・」
長野君も、部屋にいない岡田を見て察したようだ。
岡田「・・・😭」

みんなに心配かけたくなくて・・・・
でも、みんなと一緒にいたくて・・・・

俺は1人・・・泣いていた。


第20話~それぞれの出発~
次の日、
なぜだか健君に見つめられた・・・
岡田「お、おはよう・・・健君・・・」
健「おはよう、岡田。よく眠れたか?」
岡田「も、もちろん💦」
健「嘘つけ。なんかあったんでしょ?目が腫れてる」
岡田「ほ、ほんとになんでもないんや」
健「お前は、嘘つくの下手すぎだよ」
岡田「じ、実はさ、目の前でショックなことがあってな・・・・。パニクっていただけなんや・・・・」
健「ふ~ん。また、関西弁・・・・」
剛「・・・・・・」
今度は、剛が、部屋から出てきた。
岡田「だからな・・・・」
長野「あぁ、剛・・・おはよう。健、岡田も、おはよう」
健「・・・剛」
剛は、まだ、怒っているのだろうか・・・。
岡田「剛君・・・」
岡田がなにかを、言おうとして
剛「・・・・・」
なにも言わず、通りすぎた・・・、
岡田「剛君、ごめん・・・・
俺・・・・」
振り向いた岡田に、剛は足を止めて振り向かずに呟いた。
剛「・・・お前が欠けたら俺たちV6じゃないだろ?」
剛「えっ?」
剛「あと10年、20年続けるんだろ?」
岡田「そ、そんなの当たり前やん?
俺が、V1やもん。」
長野「ハイハイ、二人ともそこまでだよ。イオンさんが、ビックリしてるじゃん・・・」
そこには、俺たちを、呼びに来てくれたのか、イオンさんがいた。
岡田「剛君なら、許してくれるって信じてたよ」
剛「許すって俺は・・・・」
岡田「わーい!それでこそ、剛君だ❤やっぱり、優しい」

岡田は、剛に抱きついている。
剛「なんだよ、それ💢調子いいよな」
岡田「だってさ・・・」
剛「こんなことでダメになりたくない・・・だろ?」
岡田「わかってるじゃん」
剛「お前がなんも言わないから、俺だって心配してんだよ!何年の付き合いだよ!」
岡田「ありがとう、剛君・・・・でも、もう大丈夫だよ?だから、張り切って、長野君と、行ってらっしゃい!」
剛「はぁ?なんだよ、それ・・・」
長野「そっか、そうだよな」
剛「・・えっ?」

長野「それじゃあ、岡田はイオンさんのことを、頼んだよ?」

岡田「ラジャー😆👌❤任せといて」
剛「いやいやいや・・岡田まだ、話は・・・・」
長野「行ってくるよ、岡田」
岡田「ヤバくなったら呼んでよ?絶対行くから」
剛「まだ、話は・・・」
剛は、話足りないみたいだったけど・・・
長野「とにかく、行ってくるよ。時間ないから・・・・」
剛「ムググ・・・・」

剛の口を封じながら行く長野君・・・
さすが!
岡田「健君が、イナンさんのことを守るんやろ?俺だって男やし、守らんわけにはいかんやろ?」
その頃・・・

剛「ったく、心配させやがって。昨日は、行かないって言ってたくせに・・・どういう心境の変化だよ・・・・」
剛は、文句をいいながらも・・なんだかんだ反省してるみたいだ。

長野「でも、やるって決めてくれた・・・なにがあったかは、わからないけど・・・・」
剛「そうだけどさ・・・」
長野「大丈夫、あいつを信じようぜ。理由は、どうであれやるって決めてくれたわけだし・・・・それでいいじゃん。きっといつか理由は、話してくれるかもしれないしさ。」
剛「・・・うん。わかったよ。信じるよ・・・」
長野「よし、行くぜ」
二人は、グータッチをした。
その頃、岡田はイオンさんと二人きりになり・・・会話が出来ないでいた。
岡田「・・・・・・・」
イオン「・・岡田さん・・・もしかして・・・アミが・・・・」
イオンさんは、なにかを察していたが・・・
岡田「イオンさん、買い物にいきましょう」
イオン「・・・・・」
その話を遮ろうとした。
岡田「あ、あの・・・イオンさんと、イナンさんの誕生日プレゼントを、選んでやれとか言われたんや・・・
で、代表してイオンさんに、選んでもらおうかなって・・・
ええかな?」
イオン「はい・・ありがとう」
俺は隠しておきたかった。
イオンさんと、アミを守るって約束したばかりだったのに守れなかったなんて・・・・・

しばらく会話がない俺に、しびれを切らしたのか・・・
イオンさんが口を開いた・・・・。
イオン「岡田さん・・・・」
岡田「・・・・・」
イオン「アミ・・・亡くなったのね・・・・」
岡田「・・・えっ?どうしてそれを・・・・・」
イオン「辛かったでしょう?隠すなんてあなたらしくないわ」
岡田「なんや、やっぱりイオンさんにはバレバレか・・・・」
イオンさん「・・・・・・」
俺は、悲しみをこらえながら、話すことにした。
岡田「・・・・・謝るつもりで・・・1人になった・・・・。イオンさんとわかれた後で・・・偶然アミに会ったんや・・・・」

アミ「・・ジュン!逃げて!」
岡田「俺が誰かに・・・いや、組織に狙われていると知ったアミは俺を庇って・・・・」
イオン「・・・・」
岡田「・・・俺は、アミにひどいこと言うたのに・・・・アミは・・・アミはほんまに俺なんかといて幸せやったんやろか?あんな形で人生終わらせて・・・俺、アミに対してどう謝ったらええんか・・・どうしたらええのかわからなくなって・・・昨日、剛君とケンカしてしもたんや」
イオン「・・・・😭岡田さん・・・」
イオンさんも、悲しみをこらえている・・・
イオン「アミはね・・・・」

イオンは、アミの言葉を思い出していた。
アミ「イオン、お願い・・・これだけは言わないで・・・」
イオン「・・・・幸せだって言ってたわ・・・・岡田さん、あなたは・・・」
岡田「・・・・・」
アミ「すごく幸せなの」
イオン「きっと彼女の最後の恋の相手だったのよ」
岡田「えっ?最後?」
イオン「アミには口止めされていたけれど・・・この際話しますね・・・
アミ、許してね?」
岡田「?」
イオン「・・・彼女、アミはね・・・重い病に犯されていて・・・あと数ヶ月の命だったの」
岡田「えっ?うそや・・・・」
イオン「それを知られる度に、好きになる人には逃げられてしまって・・・
あの船のパーティーの夜・・・死ぬつもりだったみたい。誰にも邪魔されずに・・・」
岡田「・・・・・・」
イオン「でも、あなた方の歌を聞いて・・・もう少しだけ生きてみようと思ったみたいなの」
岡田「・・・・」

回想
岡田「月がきれいやな」
アミ「・・・・・・(さっき、歌ってた人?」
イオン「そして、あなたと出会った。」
岡田「・・・・・」
イオン「あなたと一緒にいるために彼女は、自分の事情を、隠した。少しでも長くあなたと一緒にいるために・・・・・」
岡田「・・・俺が、その振った奴らと同じで逃げると思ったんやな・・・・」
イオン「祭りの日に、一緒にいた彼覚えてる?」
岡田「な、なんでそれを・・・め、メンバーに聞いたんですね」
イオン「・・・アミのことを抱き締めていたと・・・・」
岡田「・・・俺、じつはそいつに嫉妬してたんや・・・・」
だから、あんなひどいことを・・・・。
イオン「彼は、彼女の担当医でね・・・・彼女の命を救ってた1人なの」
岡田「そうやったんや・・・」
イオンさん、ほんまにアミと友達やったんやな。
イオン「アミはね、もう立つのも辛いくらい重い症状になっていたの。
その彼も、アミを愛していたから・・・支え続けようとしていた。
でも、アミは・・・・」

アミ「・・・・私は大丈夫。」
イオン「彼はね、気づいた。アミの心のなかには岡田さんしか映っていないと・・・・
だから、最期に岡田さんにあえて幸せだったはずよ?」
岡田「・・・アホやな俺は・・・・俺は・・・・」
アミの笑顔に、ほんまは救われていたのに・・・・・。
いま、やっとそれに気づいたんや・・・・。

健「・・いい天気だね!ねっ、イナン」
イナン「・・・・・・」
健「さっきから黙ってどうしたのさ・・・」
イナン「健、今すぐいくわよ!ついてきて」
健「えっ?いきなり?」
イナン「だって、せっかくレンが見つかったんだよ?」
健「ちょっと!待ってよぉ~」
イナンは待たずに走り出していた。

そして、
坂本「・・はぁ~、門番ってこんな暇なんだ」
いのっち「・・いや、そうでもないよ?だって俺、昨日・・・・」
坂本「にしても、長野のやつキキさんと・・・・」
いのっち「坂本君?ちょっといいですか?」
坂本「あー?なんだよ」
いのっち「ごめん!昨日、俺、女の人を城のなかに入れちゃったんだ・・・きっと騒ぎの発端は俺のせいだ」
坂本「マジかよ!お前が組織の人間を入れたのか。」
いのっち「あとで思ったんだ・・・その女から香水の香りがして・・・・」
坂本「お前は、バカか。女なんだから香水ぐらいつけるだろ」
いのっち「いや、だからね?その香水の匂いって言うのが・・・・」
一生懸命坂本君に説明しているいのっちの前に、僕とイナンさんが現れ・・・
イナン「・・・こっちよ!健」
健「うん!」
坂本&いのっち「・・・健、イナンさん・・・」
健「あれ?井ノ原君と、坂本君・・どうしたのさ二人ともそんな恰好をして」
坂本「聞きたいか?😏門番だよ、門番。どう?かっこいいだろ?」
いのっち「いや、おかしいだろ!昨日サボってたくせに」
健「あははー、井ノ原君じゃなくて、坂本君が、サボってたんだ」
いのっち「なに~?😏二人は、これからお出掛けかな?」
坂本「・・・お出掛けにしてはおかしくないか?」
いのっち「・・そんなことより健、お前さぁ~、イナンちゃんの婚約者兼ボディーガードなんだって?」
健「・・・・・!Σ( ̄□ ̄;)あ、あの!坂本君、誤解しないでね?僕が決めたんじゃなくて、イナンが・・・・💦💦💦」
坂本「イナンさんなら、もうとっくにいないけど?」
健「あっ!ちょっと、まてよーイナン!」
坂本「・・・・」
いのっち「🤣」
健「坂本君・・・あのね💦💦💦」
坂本「お前の気持ちは、はじめからバレバレなんだよ」
健「えっ?!Σ( ̄□ ̄;)」
坂本「こうなったら、最後まで責任もって守れ・・・」
健「・・・・・」
坂本「絶対生きて帰れ」
健「な、なんでわかったの?レンさんのところに行くって・・・」
いのっち「健、頑張れよ!」
健「う、うん・・・」
坂本「お前の使命なんだから、気を抜くなよ?」
健「うん!行ってきます」
そう言って走り出した。

いのっち「ねぇねぇ・・1つ聞いてもいい?」
坂本「・・・なんだよ」
いのっち「健ってさ・・・あの事知っていたっけ?俺たちの心にクリスタルがあるって話・・・」
坂本「・・・あ~!( ̄▽ ̄;)忘れてた・・・・」

いのっち「ちょっとぉ~!リーダーだろ?しっかりしろよ」

坂本「しょうがないだろ?😒💢」
いのっち「それより、さっきの話の続きしていい?」
坂本「さっきの話の続きって?」
いのっち「昨日、怪しげな女を、城に入れちゃって・・・・」
坂本「だから、女なんだから、香水ぐらいつけるだろ?それが、どうかしたのか?」
いのっち「わかんないひとだな~あのときのするどい坂本君は、どこ行ったんだ」
坂本「😓で?その香水を、着けた女を城にいれたからなんなんだよ」
いのっち「あのとき俺を・・・・」
女「・・あの、すいません・・・通りたいんですけど・・・」
いのっち「・・・えっ?!Σ( ̄□ ̄;)」
またこの香り・・・
坂本「あー、すいませんね。うちのやつが、邪魔して」
坂本君は、井ノ原君をどかし、城に入れようとした。
いのっち「坂本君ダメだよ」
坂本「なにがダメなんだよ。」
女「・・それでは・・・」
その女は笑顔を振り撒き、
坂本「・・なぁんだ。きれいな人じゃん・・・」
坂本君は、なぜかときめいている。
いのっち「ほら、俺がいってる・・・」
いのっちは、必死に坂本君に説明しようとするが・・・
女「きゃあ」
その女はつまずき、転んでしまう(わざとか?)
坂本「大丈夫ですか?いま、助けます」
いのっち「ダメだよ!坂本君」
井ノ原君は、坂本君の手を掴んだ。
坂本「困ってる人を助けるのも、門番の役目だろ?」
いのっち「あの女から、あのとき俺を
投げ飛ばした女と同じ香水かなんかの香りがするんだ!」
いのっち(やっと言えた)
坂本「えっ?・・・ということは?」
いのっち「でも、頭がそう簡単には姿を現さないだろうけど・・・・」
坂本「じゃあ、昨日、キキさんや長野を襲ったり、ミミさんを操ったのも・・・・」
いのっち「そうだ!きっと、仲間だよ」
女「ちょっと、そこの門番!レディが、怪我をしたのよ?助けなさいよ!」
いのっち「悪いけど、2回目引っ掛かるほど、バカじゃないから」
女「はぁ?2回目?」
坂本「悪いけど、悪い女には興味ねぇんだな、俺たち」
女「ちっ・・・気付かれたか」
いのっち「この前の仕返しだ!」
女「ふん。女にそんな真似、できるのか?」
ポイ
女「い、痛い」
いのっちが投げた石が女に命中。しかも、重そうな石が彼女の背中にのし掛かる。
これは、王様がくれた魔法の石らしい。
敵に見事当たれば大きくなるとか。
意外とコントロールいいんだよな。
いのっち「意外とって言うな😒💢」
すいません💦💦(作者)
坂本「だからさぁ~、言ったじゃん?悪い女には、興味がねぇって」
いのっち「まぁ、つまり女って思ってないから」
坂本&いのっち「ほな、いい夢みてね?じゃあね」
女「こら!わたしは、女だぞー!」
坂本&いのっち「そんなんしるか😝😝」
二人は、あっかんべーをして逃げたのであーる。


第21話
健「ちょっとイナン!待ってよ!」
イナン「なに、やってんのよ。遅い!」

健「しょうがないだろ~?こんな、わけわかんないこと、やったことないんだからさ」

イナン「それでも、男なの?」
健「・・・・悪かったなぁー」

僕とイナンは相変わらずだった。
別れの日も迫ってるっていうのに。
健「ねぇ、イナン」
イナン「なに?」
健「王様の言う通り、女の子らしくしたら、どうかな。」
イナン「別にいいじゃない。わたしはわたしだもの。これが、わたしのやり方なの。文句あるならついてこなければいい」
健「何をつっぱてんだよ!」
イナン「つっぱってなんかいないわよ!」
健「っていうか、怒ってんの?」
「別に、怒ってないわよ。健こそ、怒ってるんじゃないの?」

剛「なんかさ、あいつら、ケンカ始めてる?」
その、心に反応しているのは、剛。

長野「しょうがないやつだな~。」
剛「そういえば、健だけだっけ?あの場にいなかったの。あれ?長野君は、どうやって知ったの?」
長野「あー、俺は坂本君から聞いたからね。あと、岡田は、イオンさんから、聞いているのかも。門番してるんだし、坂本君たちから聞いてると助かるんだけど・・・・」
その予想は、すでに外れていた。
僕だけなにも聞かされていない。
健「もっと、落ち着けよ!そうすれば・・・」
イナン「健に、なにが、わかるのよ!」
健「僕のこと、信じてないの?」
イナン「そっちこそ、わたしのこと信じてないんでしょ?」
ケンカなんて、もうしたくないのに。
イナン「レンは、わたしのことなんか、忘れてるのよ。イオンには、助けを求めているのに・・・・わたしには・・・・」
健「・・・・・・」
これ以上なにもいえない。二人の間には、入れないから・・・・
イナン「変に、優しくされたくないの。」
健「僕が、同情して、イナンのボディーガード引き受けたと思ってる?」
イナン「だったら、なに?」
健「僕は・・・・・」
イナン「ほら、もたもたしないで、いくわよ。」
健「待てよ!」
僕は、イナンの手を握った。この手を離してはいけないと思ったからだ。
健「こんなときに、リードするのは男なの。地球では、昔から、男が女を護るのが当たり前なんだよ?」
イナン「・・・・・」
健「ぼくは、イナンのボディーガードなんだよ?最後まで守るって言わなかった?イナンは、黙って守られてればいいんだよ?」
イナン「・・・・・・」
イナンの目から、涙が流れてる
健「あっ!ほら、また泣く!
イナン「へんなの。さっきまで、ケンカしていたのに。」
健の手が温かいから。離さないでいてくれるこの手が温かいから・・・・
健「だから、それはね?💦」
言ってて恥ずかしくなってきた。
イナン「あなたの仲間にバレてるわね」

健「えっ?なにが?なにがバレてるの?」
イナン「なにが?って、知らないの?」
健「えっ?なんのこと?」
イナン「あなたの、心の中に、探しているクリスタルが、入ってるの」
健「えっ?マジで?」
イナン「レンが、解き放ったクリスタルは、6つ・・・・あのひ、あなたたちが、この国へ紛れ込んだ日に・・・・」
健「僕の中に・・・探してるクリスタル・・・・」
そういってるときに、ある、視線を感じた
健「!?」
イナン「どうしたの?健。」
この視線・・・・・
健「ねぇ、近くに誰かいない?」
イナン「えっ?誰もいないみたいだけど・・・・」
この、視線はあのときと同じ青い瞳の視線・・・・・
健「ねぇ、イナン・・・イオンさんと、イナン以外に、青い瞳の人っているの?」
イナン「青い瞳・・・・」
健「いなければ・・・」
イナン「・・・・レンよ」
健「えっ?」
イナン「行きましょ」
レンさん?それじゃあ、さっきのは・・・・・

そのころ、イオンさんと、岡田は、街に出ていた。
イオン「ねぇ、岡田さん。イナンは、レンの声が聞こえないって言ってたけど・・・・」
岡田「レンさんの、声?」

イオン「私にも、聞こえてないのよ?最近は、私とイオンもすれちがってるし・・・・レンとのことで、心が繋がっていないの。力なんかなくても、わたしは、イナンと繋がっていたいの。私と、イナンは、このままなのかしら」

イオンさんが、初めて見せた本音であり、涙だった。
岡田「そんなことない!イナンさんと、イオンさんは、ちゃんと、血の繋がった姉妹やん?ふたりは、同じものをみてるんやろ?」
それは、二人が、レンさんを好きだと言うこと。
双子あるあるや。
岡田「アミを、救えやんかったおれは、偉そうなこといえやんけど、やっぱり、ふたりは、いや、この国の人も、同じ人間なんやなって、感じるんや。」
イオン「岡田さんの言う通りかもしれないわ。イナンはね、きっと、まだ気づいてないの」
岡田「えっ?」
イオン「自分の心に、別の人・・・・、心を許せる誰かがいることを・・・・」
岡田「別の人って、それって、健君?」
イナン「本人も、まだ、気づいてないわね。じぶんにとって、本当に大切な人が、すぐ、そばにいるってこと」
岡田「わかるわかる。お互い気づいてないんだよね。健君は、たぶん、その気なんやけど」
イオン「あの二人は、あった瞬間からかもしれないわ。それか、あのときの、きっかけからね、きっと。」
岡田「あのときの、きっかけ?」
その、きっかけが、きになる、岡田だった。

健「きれいな湖だね」
イナン「もうすぐよ、この湖を、越えたら・・・・」
健「ねぇ?イナン、聞きたかったんだけど、その、クリスタルを、狙う人って、イナンの知り合いなの?」
前を歩くイナンは、ピタリと止まる
健「だって、レンさんのこと、閉じ込めちゃうなんて、普通なら」
イナン「その話はあとよ。いくわよ」
健「ちょっと待ってよ!ったく、人のはなし、最後まで聞けよなー」
だいたいさーと、独り言を呟いていたら・・・・
ガサッって、音がして、現れた人物
健「なんだよ!剛!びっくりするじゃん。あれ?剛・・・、お前は長野君と、一緒に先にいってるはずじゃ?」
?「君は、誰?」
イナン「もう、何やってんのよ、健。」
健「誰って、何いってるの?」
イナン「レン?レンなの?」
健「イナン・・・・。レンって・・・この人が?」
レン「やっと、会えたね」
これが、危険な再会になるなんて思っていなかった。

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