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あっという間

この14年間、家事、育児に追われていつの間にかこんなにも年月が過ぎ、世の中の空気も曇天の嵐の前の静けさのような感じに思えるこの頃。
今ではすっかり社会から取り残された気分になっている中年真っ只中の私。これまで夫が仕事に集中できるようにサポートし、子育てもほぼワンオペ、自身の謎の体調不良の時期もあったけど自力でなんとか切り抜けて来た。
頼れる親族も近くにいなかったので自分が倒れるわけにいかないといつも気が張っていた。家で子供のお世話をしている時や遊んでいる時に、ふと今ここで私が心臓発作で倒れたら?突然死したら、目の前にいる我が子はどうなるのか?自力で生きることが出来ない子供を前に当時の私はものすご〜く大きな責任感に押し潰されそうになることが時々あった。幼児期はすごく大変だったけど反面、我が子は可愛かった。かわいい時期の成長を心身で感じることが出来て幸せだった。でも平穏で幸せだなと心底感じると逆に怖くなって来てしまうという悪い癖があった。この幸せを失いたくないという防御反応なのか、あらゆる妄想が出てくるのだ。こんな悪い癖が付いたのも親から子供の頃に精神的な愛情をもらえなかった事があるように思う。両親とも仕事に忙しく、日中は祖父母と過ごしていたが祖父母からも愛情をもらった記憶はあまりなかった。母は仕事から帰ってからも家の仕事に祖母からこき使われていたらしい。姑(祖母)からかなりキツい事を言われ、度々私は母から八つ当たりをされた。まぁ今では私も人生半分ほど過ぎ、長かったけれどやっと母も辛かったのだと思えるようになった。まぁそうは言っても相性が悪いので仲は良くないのだけど、自分がしんどくない距離を保っている。

そんな私の所に生まれてきてくれた我が子の無垢な眼差しや天使のような笑顔という「無償の愛」を初めて受け取った私の心はこれまでに感じたことのない「幸せ」に満ちていた。
子育ては悩んだり慌てたり余裕のない時も多々あったけれど我が子からもらえた幸せは他のどんな幸せよりも尊いものだった。
今は私よりも背が高くなり、すぐに反抗する難しい年頃になったけどなるべく小言を言わないように気をつけようと自分に言い聞かせた。


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