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持ち家か借家か、それが問題だ

借家の方が楽に決まってる。稼ぎに合わせて住み替えれば人生の変化にも機敏に対応できる。俺もそう思っていた。が、指輪より土地がほしいと騒ぐかみさんと口げんか。つい「家などいつでも買ってやる」と啖呵を切ったものだから、離婚を切り出されてついに30歳で土地購入、その4年後にローコストではあるが注文の木造2階建てのマイホームに住むことになる。このときの資金はわずかな手持ちと親からの借金。もちろん金銭消費貸借契約書 を交わして2%の金利を乗せ低毎月11万5000円を返済し続けた。
さらに49歳のとき、住み替えを前提に近隣に気に入った家屋付き土地が出たので、手持ちの資金プラスかみさんと俺がそれぞれ住宅ローンを組んで購入。結局、51歳のときに前の自宅を売ることができ、それを原資に2軒目の自宅を建てた。
そんな事が出来たのは、夫婦共稼ぎで、まさに働き盛りであったから。
その経験から「持ち家か借家か」の回答は以下のとおり。

・あなたが経営者を目指すならば担保となる土地は必須なので持ち家
・夫婦の目標設定がマイホームならばそれもよし
・かみさんが指輪より土地が好きならそれもしかたない

持ち家をローンで買うのは負債を背負うこと。その負債に見合うリターンといえば、上記3つぐらいじゃないか。特に経営者の場合、いざというときに自宅担保でお金を借りることができる。事実、倒産直前まで追い込まれたとき、その手段を使って急場をしのいだ。かみさん、今でも「私が土地と騒いだおかげと感謝しなさい」と様々な局面での切り札に使うので、俺、ぐうの音も出ない。その他はまさに「好みと懐具合」で決めればよろし。
また、持ち家を選択したあなたには以下のアドバイスを。

・住宅ローンはなにがなんでも繰り上げ返済
・建売よりも注文住宅
・建築家に頼めば満足度10倍
・リセール価値も考えて購入

持ち家はそうそう住み替えできない。世の中の変化に機敏に対応したければ借家がいい。それでもマイホームを選択したのなら、上記4つを参考にしてほしい。
かみさんと俺、必死に働いて賞与などまとまったお金が入れば脇目も振らず繰り上げ返済に回した。その効果は大きく、59歳のときにすべてのローンを返済できた。60代は収入が激変するライフステージ。その前に借金ゼロの状態に戻せたのはよかった。正直いえば、遊ぶ金が増えた(^0^)
土地付きの建売は割安な印象だが、これが曲者で住むにつけて不満が出てくる。なぜか。自分たちが家に合わせることになるから。
その点、建築家が入るとなにが起こるか。彼らはまずこちらの理想とする暮らしのあり方からスタートする。あなたは家になにを期待しますか。そこでどういう生活をどのぐらいの期間しますか。まさに尋問に近い(^_^; 夫婦の関係、子供の成長、そして老後までを見据えて今必要とされるマイホームのカタチを設計図として見せてくれる。深層に潜む欲望が表出して、えらいバトルになることもあるが、それでも設計料を払うに値する仕上がりになることは間違いない。俺の場合、かみさんと子供を優先しすぎて、2人の部屋はあるけれど、自分の部屋を作り損ねたという失敗をしたけれど、まあ、よしとしよう。
さて、人生には最後のときが必ず来る。そのときも見据えてのマイホームである。自宅で死にたいという気持ちは今のところない。なので、息子たちがこの家に住まないのならば人生の幕引きの前には、売却だろう。そのときに「売れる」ことも条件としたい。大都市圏ならばまずは以下の2つか。

・都心から電車で30分以内
・駅から徒歩7分以内

今、東京近郊には親の代に建てた家が空き家となるケースが多い。そうならないためにも、買うときに売ることもイメージして計画したほうがいい。俺の場合は、RCで作ったものだから、安心・安全ではあるが、建て直しをしたいという買い主はむずかしい。木造に較べて撤去費用が高額になる。そのまま住んでくれる人、今から募集しないとね。

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