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青春片想い3

他にも当時を振り返ってみると、告白する前に彼女のことが好きすぎて、一個上の女子の先輩にそのコの写真を撮ってきてくれと頼み込み、一枚撮ってきてもらったことがあった。

所在なさげな少し顔が強張っている写真。
そりゃそうだ、誰が欲しがっているか分からないんだもの。

僕はその写真をいつも眺められるようにと、自分の部屋の机の正面の壁に貼っていた。
親は息子の行く末に不安を感じたことだろう、、

またその写真を何故だかしおりの様に教科書に挟んでいた時があり、教室で教科書を開いた時に床に落ちて、ビビりまくったこともあったけ。。

そんな大好きだった彼女と、真夜中に手を繋いで歩いているのである。

あまりにも夢のようで、状況を飲み込めてない感じ。。

そのときはそう、手を繋いで、必死に「暗くてこわいよね」とか、なんとか適当に間を埋めるだけの会話を交わし、部屋に戻った。。
それだけである。。(くーっ!バカバカバカバカッ)

それから男子女子別々にふすま一枚で仕切られた部屋で、女子も交えてエロ本を回し読みし、一つの座敷部屋ではあったが、ふすまを閉めて男子女子別れて眠ったのである(うぶだー)

そして僕とその彼女は、同じ高校に進んだのだがクラスも違い、自然と疎遠になり、彼女は別の男子と付き合っていたが、たいして気にすることもなく高校時代は過ぎた。

あれから幾年が過ぎ、ある瞬間にふと思い出すのである。

あれはホント素敵な瞬間だったな。
自分はなんてもったいないことをしたのだろう。
あんなロマンティックな瞬間になぜ勇気を出して、気の利いた一言も言えなかったのだろう。
そしてなぜ彼女から気持ちが離れてしまったのだろう。。

きっと今は立派におかあさんしてたりするんだろうなぁ。。

叶うことのない恋だったけれど、僕の中では、あのひと時を味わうだけでも生まれてきた甲斐があると、うっかり口にしちゃうくらい、それはそれは美しい瞬間だったのであります。

おわり







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