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【PANCRASE】上田将勝「これが最後の精一杯です」=5月20日(日)「PANCRASE 296」でハファエル・シウバと“最後の戦い”へ

5月20日(日) 「PANCRASE 296」新木場スタジオコースト大会で、バンタム級暫定王座決定戦としてハファエル・シウバ(ブラジル)と対戦する上田将勝(パラエストラ東京)が11日、東京・中野のゴールドジムで公開練習を行った。

3分4Rという公開練習としては異例のミット打ちを新井誠介打撃コーチと行った上田は、ワンツー・フックのみならず、オーバーハンドフック、ミドルキック、レベルチェンジからのテイクダウンも織り交ぜた動きを見せた。

TEAM OTOKOGIの盟友で王者・石渡伸太郎がRIZINでの連戦のダメージにより長期休養中のため、今回の暫定王座戦が決定した上田は、「この試合が最後のつもりで戦おうと思っている」と、現在の状況と心境を告白した。

2008年の岡嵜康悦戦で修斗世界フェザー級(-60kg)王座戴冠後、マルコ・ロウロを相手に初防衛。以降もエドゥアルド・ダンタス、ホイラー・グレイシー、堀口恭司、ジェンス・パルヴァー、ケビン・ベリンゴン、ビクター・ヘンリーら、国内外の錚々たる強豪に勝利してきた上田は、ハファエル・シウバとの再戦に向け、「これが最後の精一杯です」と、語った。

僕が最初に覚えた技、スピニングチョークを極めて勝ちたいで

──5月20日(日)「PANCRASE 296」でのハファエル・シウバ戦が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

「ちょうど廣田(瑞人)さんのUFCの試合(2月10日UFC221豪州vsロス・ピアソン)のセコンドから帰って来た時に、このオファーをもらったので、聞いてすごくびっくりしましたけど、すぐにやりたいと思いました」

──それからどんなことを課題に練習に取り組んできましたか?

「……この試合が最後のつもりで戦おうと思っているので……、覚悟を決めてやりたいです」

──「最後のつもり」というのは、ハファエル・シウバ戦が決まって考えたことだったのでしょうか。

「いえ、その前から次が最後のつもりで戦おうとずっと思っていました」

──現在、4連勝中(福島秀和、ビクター・ヘンリー、TSUNE、アラン・“ヒロ”・ヤマニハに勝利)ですが、なぜそのように考えたのでしょうか。

「……最近は怪我が多くなってきて、なかなか自分の思うようには練習ができなくなってきたので、去年ぐらいから、『次が最後で頑張ってみようかな』と思っていました」

──怪我は何度かあったのですか?

「前回だけでなく、試合前には必ず大きな怪我があったので……、それが決め手になりました」

──40歳という年齢は区切りとして意識しましたか?

「同級生でも頑張っている選手もいるので年齢は意識しないのですが、やっぱり、僕の場合は怪我が理由です。練習が思うようにできなくなってきたので。昔から今もやっていることは変わらず、それをひたすら──打撃も寝技も走りも何でも──やってきたのですが、それが怪我でだんだんとできないことが多くなってきて……」

──「次が最後で」と考えていたなかで、ハファエル・シウバという強豪と対戦することが決まって、どのようなモチベーションでしたか。

「最後のビッグチャンスなので、絶対に勝ちたいです」

──2016年7月24日に対戦したときは判定負けでした。リヴェンジ戦になりますが、ハファエル・シウバという相手をどのようにとらえていますか。

「一度、負けているんですけど、パワーがあって上手いです。手堅く確実に判定で勝とうとしてくる選手なので、前回のようにやると負けちゃうので、最初から全力でタックルを切って、寝技になったら動いて逃げて、ずっと動き続けて相手を削っていこうと思います」

──前回は、上田選手がバックを奪われてもデフェンスの上手さがあるため、逆に受けに回ってしまったような印象を持ちました

「そうですね。寝技になっても(正対して)上を取り返すことは出来たんですけど、そこからの展開が思っていた以上に上手かったんで……もっと手堅く行こうと思ってます」

──前回は3Rで挽回のチャンスが少なかったのですが、今回は5Rの王座戦をどのように戦おうと考えていますか。

「確実に相手が疲れるというのは分かっているんですが、でも、1、2Rを落とすとあとがキツいので、1Rから取るつもりで5R戦い抜きたいと思って、いまからスタミナをつけています」

今まで応援してきてくれた人たちへの感謝の気持ちを力に変えて、頑張ろうと思います

──新井誠介コーチとの公開練習もかたちだけではなく、3分4Rのミット打ちのパートをそのまま公開したようでした。

「はい、いつものようにもってもらいました」

──前回の試合では、前がかりになると組み付かれるという展開もありました。自分の得意な形に持っていくために、打撃という点ではどのように考えていますか。

「今まで積み重ねてきたものを出したいと思います。また、今まで応援してきてくれた人たちへの感謝の気持ちを力に変えて、頑張ろうと思います。気持ちで絶対負けないように」

──チャンピオンで盟友の石渡伸太郎選手がRIZINでのダメージにより長期休養中のため、今回の暫定王座戦となりました。

「石渡くんとマネージャーと3人でその話をして、結果チャンスをもらったんですけど……、石渡くんも年末に命がけで戦っていたので、僕も頑張ってチャンピオンになりたいなと思いました」

──前回の石渡選手のハファエル・シウバとの防衛戦(2017年5月28日)を上田選手はどのように見ましたか。

「3Rの途中まで、あぁ、ヤバいんじゃないかと思って観ていたんですけど、やっぱりあそこから取り返したのは石渡くんの強い気持ちだったので、あの気持ちを見習って、自分も頑張りたいと思います」

──最初にハファエル・シウバと戦ったとき(2016年7月24日)と、石渡選手が戦ったとき(2017年5月28日)と比べて、ハファエルの違いは感じますか?

「僕がやったときより、石渡くんとやったときはより身体を絞ってきたな、と感じました。向こうも1年試合をしていないので、大きくは変わっていないと思いますが、僕はその間に2試合やっているので、僕の方が有利に戦えると思っています」

──TEAM OTOKOGIの仲間や石渡選手からアドバイスも?

「はい。OTOKOGIの練習を中心に、新井さんのジムでも練習しているのですが、石渡くんからは、寝技になったときのアドバイスを最初にもらいました。また、植松(直哉・OTOKOGIコーチ)さんと新井さんが石渡くんの試合をセコンドで見ているので、いろいろなアドバイスをいただいています」

──上田選手が上を取って、ハファエル・シウバがハーフガードを取ったときの上田選手のバランスが重要になってきますか。

「前回は上を取れたんですけど、そこからパスしよう、パスしようと思って、フックガードで返されたので、今回はまずはしっかり固めて削って、それからパスを考えていこうと思っています。上を取れば絶対に固められると思うので」

──「固める」というと困るプロモーターの顔が思い浮かびますが(笑)、そこは今回は構わず徹すると。

「固めながら削って作っていきます。最後には極める形にしたいと思っていますので」

格闘技人生の集大成なので、勝って終わりたい。それだけです

──もし勝てる技が選べるなら、上田選手がこれまでやってきた動きのなかでどの技で極めたいですか

「あぁ……一番の得意技、僕が最初に覚えた技がスピニングチョークなので、スピニングチョークを極めて勝ちたいです」

がぶりからあるいはトップからオーバーフックでダースチョークも得意とする上田。2007年修斗での田澤聡戦、2013年にはONEでジェンス・パルヴァーを極めている。(C)ONE

──あらためてですが、今回の試合は上田選手にとってどんな意味合いを持つ試合になりそうですか。

「格闘技人生の集大成なので、勝って終わりたい。それだけです」

──暫定王者になったとしても、これで最後ですか?

「勝っても負けても、これで最後だと思っていますけど、それはいまは……やりたい気持ちはあるんですが、もう体がついてこないので、これが最後の精一杯です」

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◆『PANCRASE 296』
5月20日(日)東京・新木場スタジオコースト
ビー内OPEN 12:00 (予定)
開場15:30 (予定)  開始16:00

▼第11試合 メインイベント キング・オブ・パンクラス・バンタム級暫定王座決定戦 5分5R
上田将勝(パラエストラ東京/1位)
ハファエル・シウバ(ブラジル/ASTRA FIGHT TEAM/2位)

▼第10試合 セミファイナル フェザー級 5分3R
田中半蔵(FUNS/5位)
上迫博仁(チームクラウド/和術慧舟會HEARTS/第7代DEEPフェザー級王者)

【上迫博仁コメント】

▼第9試合 女子ストロー級 5分3R
藤野恵実(FIGHT FARM)
シャロン・ジェイコブセン(米国/TRIPLE THREAT GYM)

【藤野恵実コメント】

※19時開始
▼第8試合 ライト級 5分3R
トム・サントス(ブラジル/チーム ブラジリアン タイ/3位)
冨樫健一郎(パラエストラ広島/7位)

▼第7試合 ウェルター級 5分3R
奈良貴明(パンクラスイズム横浜/6位)
村山暁洋(GUTSMAN)

▼第6試合 バンタム級 5分3R
藤井伸樹(ALLIANCE/3位)
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル/ブルテリア・ボンサイ/9位)

▼第5試合 ストロー級 5分3R
井島裕彰(GUTSMAN/1位)
北方大地(パンラス大阪稲垣組/2位)

▼第4試合 ウェルター級 3分3R
高木健太(リバーサルジム川口REDIPS/3位)
中村邦夫(パンクラスイズム横浜)

▼第3試合 フライ級 3分3R
上田将竜(緒方道場/5位)
倉岡幸平(蒼天塾)

▼第2試合 バンタム級 3分3R
清水俊一(宇留野道場)
林 大陽(CAVE)

※17:00開始
▼第1試合 ライト級 3分3R
網潤太郎(和術慧舟會AKZA)
小林 裕(フリー)

【プレリミナリーファイト

▼第4試合 第24回ネオブラッドTフェザー級準決勝 3分3R
亀井晨佑(パラエストラ八王子)
小島勝志(STYLE PLUS GYM)

▼第3試合 第24回ネオブラッドTバンタム級一回戦 3分3R
小川隼也(フリー)
平田純一(DAMM FIGHT JAPAN)

▼第2試合 ライト級 3分3R
上田厚志(総合格闘術骨法烏合會 矢野卓見道場)
高橋 弘(パンクラスイズム横浜)

※16:30開始
▼第1試合 ストロー級 3分3R
三谷敏生(総合格闘技道場コブラ会/NASCER DO SOL)
杉浦弘幸(NEVER QUIT)

【スケジュール】

12:00-ロビー開場 
15:15-当日券発売開始/FC会員優先入場
15:30-客席開場 
16:30-プレリミナリー開始 4試合 
17:00-メインカード開始  第7試合終了後19:00まで休憩
19:00-第8試合開始
21:00(予定)-メインイベント/第11試合  終了

【チケット】

VIPバルコニー(バルコニー隣接の室内で喫煙可/ストアもしくは選手経由のみで販売。限定40枚):20,000-
SS: 15,000-
A: 11,000-
B: 8,500-
2F: 7,900-
C: 6,900-※完売
立見:6,200-
※未就学児は無料。
※当日券は一律500円増し。
※ワンドリンク制(税込み500円)客席入り口でドリンクチケットを要購入。

チケット発売所
パンクラス ストア
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード 594-040)
ローソンチケット 0570-000-777 (Lコード 32065)
イープラス(PC&携帯)
チケット&トラベルT-1 03-5275-2778

【大会中継】

AbemaTV「格闘チャンネル」
実況解説は日本語放送 (16:30~プレリミナリーから21:00まで)
解説:大沢ケンジ
選手解説:青木真也

UFC FIGHTPASS
実況解説は英語放送(16:30~プレリミナリーから21:00まで)
解説:スチュワート・フルトン
ゲスト解説:ガイ・デルモ

TOKYO MX
ゲスト解説:福田 充徳 (チュートリアル)
実況解説は日本語放送 (19:00(MX地上波とエムキャス放送)~21:00)
※19:00~20:00=MX1 20:00~21:00=MX2
※メインイベントまで終わらなければ、エムキャス配信をメインイベント終了まで。

主催:パンクラス
特別協賛:skyticket/(株)アドベンチャー
オフィシャルパートナー:(株)ドローンネット、(株)メイクブイ・ホールディングス
後援:SAKURA BLOOM、STC GROUP、DPS、マーシャルワールドジャパン、鰓呼吸
問合せ:パンクラス 03-5339-9198

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