『十四歳の母』を楽しみにしていた14歳の僕ら

三浦春馬さんが亡くなった。

僕が彼の存在を認知したのは05年にやっていた『十四歳の母』。


当時、14歳の僕らの頭の中はセックスのことしかなかったといっても過言ではなかった。(まぁ、今も似たようなもんだけれど)

そんな中、テレビで14歳の中学生が母になるドラマがやるというとんでもない情報が男子の中で駆け抜けた。

主演の志田未来といえば、『女王の教室』で主演を張ったかわいいあの子じゃないか、それが「母」になるなんて……

僕と、僕と一緒にスケベなことばかり考えていた小林君は第1話をまだかまだかと楽しみにしていた。


確か第1話の放送は9月で、木曜日だったと思うのだが、僕らは帰宅してからケータイでメールを交換しながらお互い期待をどんどん膨らませていた。

夜8時58分とか、そのぐらい、とにかくドラマが始まる前に送られてきた小林君のメール

「楽しみだね ^-^」

この顔文字、今でも覚えている。僕らは本当に志田未来の濡れ場しか期待していなかったのだ。

僕らは実況しながら今か今かと「それ」を楽しみにしていた。


しかし当然ながら『十四歳の母』はそういうドラマではないので、

志田未来「これっていいことなのかな…」

三浦春馬「わかんないよ…」

そして朝チュン(なんか公園とかだったと思うんだけど詳しくは忘れた)

これで終わってしまった。14歳の僕らの希望は一瞬にして消えたのだ。

当然だが、翌日学校で僕らは顔を合わせるなり悲しんだ。


その後も僕は一応最後までドラマを見続けたのだが、(濡れ場があるかもしれないと思って)小林君と感想を語ったのは最初の1話だけだ。


僕はこれからもあの中学生のしょうもない1ページをずっと覚えているだろう。

そしてその1ページを作り上げてくれた三浦春馬さんのこともずっと覚えているだろう。

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