僕と亡くなった祖母とさだまさし『償い』

今朝、祖母が亡くなった。90年以上祖母は生きていた。

祖母には僕を含めて孫が9人と2人いた。(その2人は母の幼馴染の娘と、私の妻だ)

盆暮れ正月には映画『サマーウォーズ』のように祖母を囲んで一族が集まり、やいのやいのやるのが恒例であった。

祖母は四半世紀ぐらい前に祖父を亡くしていたが、母の妹夫婦と一緒に暮らしていたし、僕の家も20kmも離れておらず、しょっちゅう会いに行っていたので、寂しい、という言葉とは無縁の生き方だったと思う。


運転免許証を取るのに必要な費用を祖母に出してもらった大学生の僕は、免許を取った報告をしに、祖母の家に行った。

祖母はもちろん喜んでくれたのだが、ちょっと来なさい、ということで部屋に呼ばれた。呼ばれたほうへ行くと、祖母はカセットデッキを出して、カセットで音楽を流した。

それがさだまさしの『償い』であった。

祖母がどうやってその音源を手に入れたのかはわからない。(祖母はCDとは無縁だったし、おそらくカセット同士のダビングだと思うのだが)音質も悪く、どんな歌詞だったのかはあまり聞き取れなかったが、

「交通事故だけは起こすんじゃないよ」という気持ちが当然あったと思う。


免許を取ってから10年近く経つが、車を日常的に使う仕事であっても、今のところ僕は無事故無違反で車を運転し続けている。(壁には何度かぶつけて実家の車を凹ますこともあったが)


祖母との思い出はもっとあるし、今もそれらのことを思い出して涙を流しているのだけれど、今回はこのことをここに記しておきたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?