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【東京楽所】今日行ったコンサートの感想:令和05年(2023年)01月14日(土)【春鶯囀一具】

出演:東京楽所

『振鉾三節』
 省略されることの多い『振鉾』をきちんと三節まで聴けるとはありがたい。絶対見た方が良い。左舞の龍笛、右舞の高麗笛が、ただでさえヘテロフォニーでカオスなのに、三節では同時に演奏される。ミヨーの絃楽四重奏曲に、第14番と第15番を同時に演奏することで絃楽八重奏曲になる、というものがあって、それを思い出した。舞は、左舞の赤、右舞の緑が良い対比になっていた。左右が同時に舞台に上がるって、他には無いよね。面白いものを見ました。

『春鶯囀一具』
 余りにも心地良くて寝落ちしてしまった。耳で聴いてはいたんだけどな。舞いのおぼろげな印象は、6人の所作を揃えるのって大変だな、ということ。舞台の中で、ひしめいていた。70分舞い続けるって大変だろうな。演奏は5管編成。私が普段作っている雅楽は3管編成なので、今回は豪華。ところで、管絃舞楽、やらない? 舞楽でも琵琶と箏がいてほしいな~。大編成主義なので。
 楽章のタイトルに「序・破・急」が隠れているというのに初めて気付きました。「序」「入破」「急声」がメインの楽章としてあって、それを繋ぐ中間楽章があるということでした。
 旋法を気にしながら聴いてたんですけど、壱越調だからレが主音、ラが属音で、篳篥の最高音がラ、ドミナントで最高音が鳴る仕組みになっています。呂旋法だけどファにナチュラルが付いてて、長3度感は無かった。まあ現行の雅楽が本当に律旋法・呂旋法の対比になっているかというと、唐から輸入した当時はそうだったのかも知れないけど、1000年の伝承の内に日本化が進んで、全部都節音階に聞こえるようになったという変化があると思うんですけど。