かぼちゃの誘引資材の話
こんにちは、今日はかぼちゃの誘引資材の話をしようと思います。
誘引資材について
普通のカボチャの作付けでは、稲わらを敷いたり、わらいらずという資材を敷きます。
これはカボチャのヒゲが稲わらやわらいらずに巻きつくことでつるが地面に固定されます。そうすると、たとえ強風が吹いてもつる全体が動かないようになります。
かぼちゃは葉っぱが結構大きいので、風を受けやすく簡単につるが動いちゃうんですよね。つるが動くとつる、果実に傷がついて病気になったりします。
ということで、つるの固定が栽培において重要である事がわかりますね。
僕の圃場の場合
僕の圃場ではこの方法はあまり適しません。ここはもともとは雑草畑だった土地だったので、結構な量の雑草が生えてきます。
防草剤を撒いても草は完全には抑えられません。かぼちゃは生育期間が長いので、栽培中に効果が切れてしまいます。
雑草が生えるとわらいらずの間から生えてきます。こうなるとわらいらずを無傷での回収は不可能です。回収にも体力がかかりますし、絶対やりたくありません。
それに、わらいらずって高価なんですよ。価格は200メートルで23,000円ぐらいです。僕の農場ではそんな高価な資材を毎年買ってられないので、僕はわらいらずは使いません。
稲ワラならどうでしょう。仮に雑草が生えてきても稲ワラなら回収しないでそのままトラクターで鋤き込めます。
ただ、稲わらを並べるのは大変なんですよね。畝間に敷き詰めるだけでも結構な量の稲わらを用意しないといけません。面積が大きくなればなるほど負担が増えます。
そもそも稲わらなんて大量に入手なんてできません。近年は稲農家も稲わらを有機物として田んぼに鋤き込みます。
今年の作付けはムギを利用
さて、このような問題を抱えたカボチャの作付けですが、
今年は畝と畝の間にムギを撒きました。
以下の写真をご覧ください。
先日ウリハムシにやられた例のカボチャの圃場です。ウリハムシの被害はあれ以降無しのため、とりあえずはひと安心です。
写真に写っている緑色のカーペットはカネコ種苗のマルチムギ系です。
このマルチムギですが、30cmぐらいの大きさになったあと、地面を覆うように倒伏します。これにより、雑草に光が当たらないので他の雑草の生育を抑制してくれます。
これは昨年11月にハウスで試験的に導入したときのマルチムギの様子です。地面が完全に覆われていますね。
雑草の出始める3月ぐらいまで様子を見ましたが、出穂もなく雑草もそれほど無かったので、あとは草刈機でカットして緑肥としてすき込みました。
この栽培中に気になったのは、株元でてんとう虫が大量に越冬していたことですね。アブラムシの敵対生物保存として冬季の住処を用意してあげるのに有効のようですね。
このテントウムシ達は春作のトマトにもたびたび出現して見回りしてくれています。
こんな感じで倒伏してくれれば、雑草抑制効果、かぼちゃの誘引効果、更に栽培後の植物性有機物の補充と一石三鳥です。
ここまでメリットばかり述べましたが、今年ムギを撒いて見てデメリットも見えてきました。
ムギ使用のデメリット
ムギは種なので普通に鳥に食べられます。ムギは播種量がそこそこあるので、糸を張るなど鳥害対策をうっておけば被害は抑えられます。
しっかり灌水しておけば発芽までは1週間ぐらいなので、そうそう致命的な状況にはならないと思います。
ムギ自体はバラマキでも発芽してくれますが、鳥害の影響が大きくなるので薄く耕す程度には覆土した方が良さそうです。
まとめると
わらいらずのアンチ記事になった感じがありますが、草が生えない所ならわらいらずも普通に使えますよとフォローしておきます。
金沢では砂地でのかぼちゃ栽培が行われていますが、もともと雑草が抑えられる場所ならデメリットもありませんし、わらいらずも普通に10年以上長持ちします。
植物性有機物として、防草目的として、誘引効果として一石三鳥のマルチムギにはマジで期待しています。
今年はマルチムギを数種類撒いて生育差を見ているので、栽培が終わったぐらいでまた記事にまとめようと思います。
やっぱり倒伏のタイミングがキモかな。
今日はここまで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?