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悲しいとき~

20年位前の電車の中の出来事

俺は端の席でウトウト寝ていた
大きな声で言い争ってる声で目を覚ますと
俺の真正面に座ってる大学生って感じの若者と
横の50代のサラリーマン風の人が揉めていた

ゲームをやってる若者の腕が当たっているのを
注意したら 逆切れしてサラリーマンに文句を言ってる感じ
まぁよくある風景って感じで見ていた

段々と熱くなっていく2人
サラリーマンの方が正論を言ってるので優勢なんだが
若者も負けじと精一杯睨んでる
でも自分に非があるのが分かってるのと
童顔なのもあって全然迫力がない
そんな若者にサラリーマンが言った

「お前なんかが凄んでも全然怖くないんだよう、怖いってのわなー」
と言って俺を指差しながら

「あの人みたいな 顔だ!」


若者は俺を見た後黙って下を見てるし
俺の隣に赤ちゃんを抱っこしてる女性が小さい声で
「本当だ」って言ってるし・・・

電車が止まりドアが開くとサラリーマンは立ち上がり
俺を見て「後はよろしく」みたいな感じで頷いて降りて行くし
下を見続けてた若者も逃げるように降りちゃうし

残された俺はどうすりゃいいんだよ

無意識に言ってしまった

「悲しいとき~」

その瞬間横の赤ちゃんが泣きだした

「泣きたいのは 俺の方だよ」

ありがとうございました。


今度生まれ変わったら
千葉雄大君みたいに 可愛い顔になりたい

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