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ポケモン対戦がつまらなくなった理由

たまにはポケモン対戦について。

僕は剣盾から本格的なポケモン対戦を始めたので、経験年数で言えば2年ほどになる。これを多いと捉えるか少ないと捉えるかは自由だけど、「それなりにはやってる」くらいの部類には入ると思う。少なくとも、「ポケモン対戦が好きだ」と言っても「ああ、そうなんだ」と納得してもらえる年数ではあるはずだ。


その程度のプレイヤーが書いていいのかわからないけど、僕は最近になって「SVのランクバトル、つまらんくね?」と感じるようになってきた。剣盾の頃は勝てても勝てなくても毎日のようにレート戦に潜っていたのに、SVになってからは「義務マスボ上げ」さえ達成してしまえば、そのあとはあまりやる気が出てこないのだ。


最初は偶然か気分の問題だと思っていたけど、どうやらSVの対戦システム・環境の根本に関わるものかもしれないと考えるようになったので、今回は「なぜ僕はSVのランクバトルをつまらないと思うのか?」について原因を分析してみようと思う。



テラピース集めがたいへん


言わずもがなといったところだけど、今作の対戦システムの目玉であるテラスタルに関連して、テラピース集めがたいへんだという点は、まず間違いなくあると思う。


テラピースがなぜ50個になったのかについてはどこかの記事に書いたけど、たとえ合理的な理由があると分かっていても、やっぱりたいへんなものはたいへんである。変態はやっぱり変態であることと同じだ。


テラスタイプを変えるたびに「ああ、苦労して集めたテラピースが」「変えたいけど、うまくいかなかったら最悪だな」といちいち考えるのって、結構ストレスが溜まるものだ。


えいやっ!と思い切ってやってしまえばいいのだろうけど、けちん坊の僕はテラピースの所持数が減ってしまうのが惜しくて、テラスタイプを変えるために勇気を奮い起こさなければならない。そして、なんでゲームごときに勇気をかき集めなきゃならんのだ、と面倒臭くなる。まあ、勇気なんて手元に置いてたって、使う場面はないんだけど、それはそれとして。


環境のバランスが良すぎて使えるポケモンが少ない


結局のところ、これが一番の原因なのじゃないかと思っているのだけど、SVの対戦環境はあまりにもバランスが取れすぎていて、かえって使えるポケモンの幅が狭まってしまっているのではないかと思う。


たとえば剣盾の時代はサンダーやザシアンが圧倒的な使用率で、構築を組む時にはまず環境トップのポケモンの対策枠を考えるくらいだった。逆にいえば「こいつらに役割を持てるだけで採用可能」というポケモンが一定数存在していた。あるいは、ザシアンの取り巻きに強い型が考案できれば、(最上位を目指すのでなければ)マイナーポケモンでもそこそこ活躍させることができた。


それから第8世代はダイマックスによる実質耐久2倍化や、「ダイジェットゲー」と言われるほど飛行技が強い時代だったこともあり、不利対面でも強引にダイマックスで撃ち合ったり、飛行タイプの技を覚えるというだけでダイジェッターの役割を担うことができたので、今から振り返ればマイナーポケモンを活躍させやすかったのだろう。


もちろん毎試合のように閃電鳥やパスタ犬の顔を見ると「またかよ」とは思った。あいつらがいるせいで活躍できなかったポケモンだっていた。その反省を活かしたのかどうなのかは知らないけど、SVではそこまで覇権を握っているポケモンはいなくて、〇〇一強のような時代ではなくなっているように思える。


では、覇権ポケモンがいなくなって色々なポケモンを活躍させられるようになったかと聞かれれば、答えは「うーん」となるのではないだろうか。今の環境はだいたい上位30匹くらいのポケモンでガッチリ固められていて、そこに割って入るのはなかなか難しい気がする。


たとえばディンルーにめっぽう強い型を思いついても、他のポケモンに弱かったら意味がない。特に、ハバタクカミやパオジアンのような「受け不可能」なポケモンの存在が大きい。不利対面での引き先を用意しようにも、火力アップアイテムやテラスタル込みでこいつらを安定して受けられるポケモンなんて、ほとんど数が限られる。初手でカミとの不利対面を作ってしまった時点で、挽回するのは難しくなる。


加えて大きいのがサーフゴーというポケモンの存在。マイナーポケモンにありがちな搦手も、こいつの特性でシャットアウトされてしまう。今作の新ポケモンたちは数値が高く配分も良い「戦闘民族」なので、ただでさえ正攻法=数値の撃ち合いでは勝てないのに、搦手も不安定となれば、型の選択肢が大幅に狭まることになる。

素早さラインの上昇


これは剣盾以来続いている現象だけど、この2世代で素早さラインが著しく上昇してしまった。それまでは130族と称されるように、これ以上のラインのポケモンの数はほとんどいなかった。150族のマルマインさんだって、他の種族値が微妙だったり地面タイプ相手に仕事ができなかったりと、速さはあれどそれ以上のものはなかった。

ところが剣盾では119族エースバーンなんて可愛いもので、142族ドラパルト、148族ザシアン、150族黒バド、そして200族レジエレキのように、高い素早さだけでなく高火力を備え持つアタッカーが次々に現れた。


SVは、121族マスカーニャはまだしも、135族カミ・パオ、136族ツツミといった130族を置いてけぼりにする素早さのポケモンが現れ、攻撃性能も高い上にブーストエナジーでさらに素早さを上げられてしまう。その辺のマイナーポケモンがスカーフを持ったくらいでは抜くことができないほど、素早さラインは急激に上昇してしまった。


何が言いたいかというと、順当に殴り合ったら撃ち負けるのに、スカーフでの奇襲もできないので、これもまたポケモンの型の選択肢を狭めることに寄与しているのである。


テラスタルは強いポケモンで使った方が強い


当たり前じゃねえかと怒られそうだけど、結局のところテラスタルというシステムは「強いポケモンのためのシステム」だった。数値は高いのにタイプが良くないポケモンや、技範囲が致命的に狭かったポケモンの救済になるシステムかと思いきや、実際にはマイナーポケモンでテラスタルを切るという動き自体がそれほど強くないことが分かってきた。


そりゃ、グレイシアでテラスタルするよりは、サーフゴーのタイプが変わる方が、相手をしていて厄介なのは間違いない。数値が高く優秀な耐性を持つポケモンはただでさえ処理方法が限られるのに、テラスタルで別の処理ルートを迫られれば、場合によっては一瞬で詰みかねない。ちなみに僕はBD残飯テツノカイナでパオジアン見れねえかなと思ったら、フェアリーテラスHBゴツメパオジアンに詰まされた。いや、地震のPP増やしてないのと剣舞覚えさせるのを忘れていたのが悪いのは分かってるけどさ。しかもその直後の試合でカイナを後出ししたら珠フェアリーテラスパオで粉砕されたから首にしたんだけど。

結果として、「マイナーポケモンは動かしづらい」ということになる。


数値が複雑すぎる


ここからはマイナーポケモンから離れよう。

SVのランクバトルが途端に難しくなったと感じたのは、いわゆるパラドックスポケモンが現れてからだった。ブーストエナジーの補正である1.3倍という数値になかなか馴染めなくて、しかも4災が現れてますますややこしくなってしまった。


1.5倍ならなんとなくわかる。でも1.3倍とかその逆数になると、「ああ、ええと、ダメージ足りてるか?」としどろもどろになってしまう。普通に生きていたら1.3で乗除することなんてないから、ただでさえ頼りにならないダメージ感覚が余計にアバウトになってしまう。


ダメージ計算ツールを使えばと言われれば確かにそうなのだけど、ダブルバトルになると話がややこしくなる。僕が剣盾時代から愛用している計算アプリでは、災厄と同じ場にいるポケモンの特性を変えていちいち「わざわいの〇〇」補正をかけなければいけなくて、これが忘れやすくて面倒くさい。


ダブルは2匹分の技を選ぶ都合上、実質的に選択時間が短くなるので、「あ、じしんのダメージ、間違ってシングルで出してたわ。ええとこれから3/4かけて。あ、災だからさらに3/4かけて。あれ、テラスタルしたらどうなるんだ?え、時間ないじゃん、大人しくツールで入力すればよかったうわああああ」となってしまう場面が何度もあった。


要は、「どんだけ1.3の計算すりゃええねん」という話なのだけど、直感的に理解できない数字が出てくると、人間は計算するのが嫌になるのでないかと僕は思ってしまう。


テラスタルは難しすぎる


ラストは「テラスタルというシステム、難しすぎる問題」。だってさ、目の前の相手がどんな型なのか、どの技を選んでいて、自分はどう対応すべきなのかを考えるだけでも膨大な選択肢になるのに、テラスタルまで考慮したら大変なことになる。テラスタルするかしないかはもちろん、どのタイプに変わるのかまで考えていたら、頭がぐちゃぐちゃになってくる。


テラピース問題の記事でも書いたけど、テラスタルは本質的に不確定要素が多くなるシステムである。平たくいえば、「考えることがめちゃくちゃ増える」バトルシステムなのだ。


玄人にとっては、こんな面白いシステムはないと思う。でも、僕みたいなアマチュアにとっては、はっきりいって「難しくてわからん」と投げ出したくなる。


だってさ、初手セグレイブ相手にキノガッサが鋼テラスしてきて胞子撒き散らされたら、誰だって嫌になるでしょうに。強くなるためにはそこまでケアするのが当たり前と言われても、こっちはグレイシアを抱えているからどうしても対策が手薄になるんじゃ(言い訳)。


「ちょっと息抜きにランクマやるか」にしては、テラスタルはあまりにも難解なのではないかと僕は思う。だから、気軽に対戦をやろうと思い立っても、わけわからんテラスタルで初見殺しされて、「ええい、やってられるか」と放り出してしまうプレイヤーもいるのではないだろうか。


終わりに


半分くらい愚痴みたいな内容になったけど、言いたいことは分かってもらえるのではないかと思う。特に「テラスタルは複雑怪奇なり」については。



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