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老後にセントジェームス計画

 思えばストレスMAXだったのだ。依存症手前なほどに洋服ばかり買っていた時期があり、なかでもセントジェームスのウエッソン(ボートネックのボーダー)は色違いを狂ったように購入していた。ネット販売がまだない時代、白金や代官山の直営ショップに足繁く通ったものだ。
 
 直営ショップで販売されているレディースサイズが「0」と「3」、1と2がないのは変わってるなーと長年思っていたけれど、単に日本代理店が仕入れていないだけと知ったのはだいぶ後の話。「0」と「3」はXSとLくらいの開きでどちらかに寄り添うしかないのだがほんと熱病のようにあらゆる色味を収集していた。20代のころは最小の「0」が着られたが年齢とともにサイズアウト、ただ「3」はやや大きい、そんな感じだった。楽天の平行輸入ショップで「2」を手に入れた時のフィット感たるや!日本代理店に文句をいいたくなったものだ。今では公式に「1」が販売されているが「2」の展開はない。話は逸れるが韓国ソウルのセントジェームスを訪れた時、日本とラインナップが異なりサイズ展開も豊富で羨ましかった(毒)。

 閑話休題。40代になり一転好みが変わってきたので、手持ちの洋服を大・断捨離することにしたものの、セントジェームスは処分できず実家へ避難して寝かすことにした。なんとなく、定年後婆さんになったらボーダー生活も良さそう!思ったのだ。およそ30枚。
年齢を重ねるにつれ体重が増加し昔の服がぜんぜん入らなくなっていた。ウエッソンは猫背のおばさん体型にはまるで似合わない代物。とくに首~肩のラインがキレイでないと目も当てられない。シンプルゆえに恐ろしい服なのだ。なんとあろうことか、すごいハードルを課していたのだ、私は。

実家で出番待ちのセントジェームスたちを前に一大決心をした。リタイアまで幾年、自分に投げた超難題に取り組むべくスリム化計画スタートだ。近所で評判のボーダー婆になるべ!


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