花冠

引かれたら押すしかないと彼は言う
目眩く一瞬に巡ってきた正に千載一遇
薔薇の花束は腐ってからが好きなのに
あの人のことは今日のうちに棄てておきなさい
共鳴で壊せるのは居間の小窓くらいだから
本当に幸福が欲しいのなら鍵を探すべきだって
本当に?

眠れないのは片頭痛のせいじゃない
ラム酒を少し混ぜたココアに酔う程度の夜
横暴な態度では白馬だけが逃げて平凡な王子
知った気になどなれる筈もなく何も知りません
夜道は冷えるから逃げなさい
最終公演の頃にきっと思い出せなくても
二度焚きは許せない今そう思ったから真実よ

溝鼠は白鳥になれませんとは無情な人ね貴方も
そうですねとは答えない慈悲深さを褒めてくれ
曲がりなりにも曲がらずにとかなんとか
ああ落とし物なら管理室に届けておいたよ
いよいよ夢が叶うのだ高らかに笑うといい
すぐに良くなるさ君は僕の星だもの
線に線を重ねて少しずつ完成形を探していく
そうして僕らは大人になった
プロモーションとして連れて来られた涙袋は
拷問器具にしか見えないのだけれど

ここで頂いたものは血となり肉となります。どうぞよろしくお願いします。