ルカリオの評価を考察するやつ

この2記事の合計閲覧数が20.000viewに到達いたしました。

このような未熟者の拙い文章が書かれたnoteがこんなに読まれる、ないしはクリックされるのは、スマブラSPというコンテンツが人気であるという何よりの証でしょう。

お読みいただいた方々には改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございます。


さて、上の2つの記事には共通点があります。

「スマブラSPのルカリオについて」であることと「ネガティブな見解」であることです。

残念ながらスマブラSPのルカリオは「弱キャラ」のレッテルが貼られるほどにまで評価が下がってしまいました。

一応、優秀な独自システムである「波導補正」と、それによる荒らし性能があるおかげで戦えなくはありません。実際、オンラインの大会では結果を残しているルカリオ使いのプレイヤーもいます。

所謂「bottom tier」とまではいかないものの、上位プレイヤーのキャラランクでは下の方に位置していることが多く、プレイヤーが記すキャラダイヤでは「五分~有利」、または「試合数が少ないのでよくわからない」とされることがほとんどです。

「いやこいつつえ~だろ」「どこが弱いんだよ…」という声もちらほら上がるルカリオ、今回は物凄く真面目にルカリオというファイターについて考察しようと思います。

一応Xとforでほぼずっとルカリオを使っていた身ですのである程度はルカリオについての知識はあるつもりです。どうぞチラシの裏の落書きを見るような軽い気持ちでご覧ください。



まず最初に、Xの頃は中堅、forの頃は上位に位置づけられていたルカリオの評価はどうしてここまで落ちてしまったのでしょうか。

個人的には「参戦当初から技に変化が少ないor弱体化している」のと「一芸特化なのにその一芸へのメタが多すぎる」辺りが有力な説だと思っています。


まず「参戦当初から技に変化が少ないor弱体化している」点。

※横Bと上Bには当てはまりません。

当たり前と言えば当たり前なのですが、技の基本的な使い方は全作品を通じて大きく変化はありません。

しかし、裏を返せば「使う技はずっと使われてるけど使われない技はずっと使われていない」ということです。

一番顕著なのは最近アプデで強化されたのにどうにも恩恵を感じづらい「弱攻撃」でしょうか。

この技、Xの頃から使いどころに困ります。5~7Fという平凡な発生F、リーチも長いわけではなく判定も強くない、どこで止めても反撃確定、持続もなく連射系でもないので置くことはできない、撃墜はおろかリターンも微弱、ガーキャンから出すなら似たような発生でリターンの高い掴みや空下があります。

何より、立ち回りにおいて主軸となる飛び道具があるルカリオがそんな至近距離で戦うこと自体稀であり、そういう場面のほとんどは回避で逃げたりガーキャン掴みや空下で対応します。本当にただの「ワンボタンで出せる弱い攻撃」程度でしかありません。

……どうしても愚痴っぽくなってしまって申し訳ありません。

要は立ち回りや撃墜がXの頃からほぼ変わらず、他の歴戦のファイターの強化点についていけていないことが問題なのです。

同じXからの参戦組では、

大幅にリメイクされて帰ってきたウルフ

ワンチャンスの反射程度にしか存在していなかった横Bが大幅強化されて撃墜の幅が増えたロボット

ゲームの仕様変更やシステム面で大幅に追い風を受けたうえ、3ファイター全てが高水準にまとまって強キャラにまで躍り出たポケモントレーナー

辺りが出世組として挙げられるでしょうか。

一方のルカリオ、かつて強技として頼りにされていた技の数々はリーチも判定もマイルドになったうえ、使われない技は放置されたまま、折角貰った強化もファイターのコンセプトにそぐわなかったり強化の意図が不明だったりで微妙扱い。

尖った仕様や優秀な技はギリギリ残っているので何とかそれで食いつないでいるのが現状です。多分これがもっと酷いのが「bottom tier」と呼ばれてるファイター達です。ルカリオはきっと恵まれているのでしょう…えぇ…。


続いて「一芸特化なのにその一芸へのメタが多すぎる」という点。

ルカリオと言えば「波導弾」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

スマブラのルカリオもこの通常必殺技に割り当てられている波導弾はまさにルカリオの要。ガードの強要からフィニッシャーとしての役回りまでこなせる波導弾はルカリオというファイターの強さの7,8割を占めていると言っても過言ではありません。

この波導弾、強いです。間違いなく強いです。全ての飛び道具の中でも最強クラスだと思っています。

しかし、SPというゲームの都合上どうにも使いづらさを感じざるを得ません。波導弾は悪くありませんがゲームが悪いです。

†数値で見る波導弾†

まず、ルカリオが通常状態(65%、ランク補正なし)の時の最大波導弾は基礎ダメージ17.25%です。これにOP相殺一発目の補正1.05倍が乗ると18.1125%です。

相殺判定のある技にはルールがあり、差が9%未満の場合は互いに相殺し、9%以上ダメージに差がある場合は高い方が一方的に打ち勝つ(ただし1on1補正は受けない)という性質があります。

小数点を丸めた最大波導弾は18.1%なので、OP相殺の一発目補正を含めて9.2%以上の技であれば波導弾を相殺できます。

ちなみに、同じ溜め飛び道具代表としてサムス/ダムスの最大チャージショットを同じように計算すると29.4%になります。最大溜め同士だと波導弾をぶち抜いてきます。

あくまでも65%でストックイーブンの時のルカリオの波導弾が相殺するダメージです。実践になると%やストックは増減しますし、OP相殺の兼ね合いもありますから目安程度に覚えておくのがいいでしょう。

†数値で見る波導弾† 終わり-NHK-

ここで問題になるのはOP相殺や波導弾を咎める各行動。

ルカリオの立ち回りは波導弾にかなり依存するので、必然的にOP相殺がかかりやすいです。なので、数値以上にダメージは落ちて相殺されやすくなりがちです。

さらに、波導弾の溜め部分の攻撃判定をぶつけた時にも波導弾にOP相殺がかかるというXからある仕様と、ガードに技を当ててもOP相殺がかかるという新たな仕様が合わさり、OP相殺のかかりっぷりは加速しています。

それを解消するためにはトップクラスに速い掴み打撃が有効だったのですが、SPから標準的な速さになったので少し心許なくなりました。

また、SPからはガーキャン掴みの弱体化により空中攻撃での攻めをガードで咎めにくくなりました。切り返しをガーキャン掴みに依存していたルカリオは以前までの「波導弾を嫌がって空中から攻めてくる相手をガーキャン掴みでいなす」という戦法は取りづらくなっています。

さらに、反射吸収持ちに加えて波導弾を一方的にかき消す飛び道具やその場に居残る設置物が増えたことにより、「波導弾による圧力で待つ」戦法も分が悪くなりがちです。

長々と書きましたが要は、波導弾に頼りたいのに波導弾がSPのインフレについていけてないのです。

波導弾があるからガードを掴めるんです。波導弾があるから相手は飛ぶんです。波導弾があるから技が通るんです。

とにかく強い波導弾の圧力を活かして戦うのがルカリオなのに、その波導弾の障害が多すぎるのです。環境が向かい風真っ只中なのが波導弾もといルカリオというファイターなのです。


以上の観点から、「相対的に見た時に弱くなりがち」なのかなという印象を受けました。

実際、良くも悪くもルカリオ自身に大きな変化はありません。波導弾を打って浮かせて掴んで横スマでバコーンみたいなスタンスは安心感すらあります。

これが通用しにくくなるぐらい環境がちょっと変わったり周囲がどんどんパワーアップしているだけなのです。

最初の方にも言ったように結果を出しているプレイヤーはいます。運動性能は上位ファイターにも劣らないほどに高いのですから、きっとポテンシャルはあるのです。

ちょっと辛い相手が多いから使うのに疲れてしまうだけなんです。みんなでこの苦労、分かち合いましょう。

ルカリオ使いに幸あれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?