音楽の教科書

生まれくる前の
光の温かい
水の降る水面の
静かな でさえ
掻きむしっていた
言葉で 遠くの
また傷ついた気もしてた

呑まれる あなたの
すべて愛おしい
読み直したい
この身から溢れる
悔しさをわたしは見れないでいる

感覚で泳いだ
あの橙のように泳いだ
両腕を抱きしめた
羽化した時そうであったように

周回遅れの わたし 置いて
おいてかないで
南京錠の x軸で
花になった 楓になるわ

10階 おさげの わたし 昨日のままの
キッチンペーパー
指の奥で
まだ
高鳴っている アルペジオを
弾いて
すべてを試みて
試みては弾いて
すべてを試みて

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