ニンジャスレイヤーTRPGソロシナリオ【身に覚えのない借金を背負ったタキを救え！】
はじめに
このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版の1人(ソロ)向けシナリオです。
基本的に控えめで邪悪ではない、成長の壁突破前のストリートニンジャがプレイすることを想定していますが、導入やエネミーデータを改変するとこでソウカイヤや邪悪なストリート、フリーランスニンジャ、壁超え後のニンジャでもプレイ可能となっています。
導入
あなたはニンジャにしては控えめで、ソウカイヤやザイバツ、アマクダリのニンジャのように邪悪ではないある程度の人間性と善良さを持ったストリートニンジャだ。
そんなあなたに、ある日タキから助けを求める緊急IRCメッセージが届く。
#TAKI@EMERGENCY：ともかくやべえことに巻き込まれた！詳しいことは俺のアジトで話すから助けてくれ！ただ事ではないと思ったあなたは、タキのアジトであるピザタキへと向かうことにした。
あなたがピザタキへたどり着くと、店の入口には『本日休業な』の張り紙がされていた。
それでもお構いなしに店に入れば、青い顔をしたタキがあなたを出迎える。
◆タキ （種別：モータル）
カラテ 1 体力 1
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 3 脚力 2/-
ジツ - 万札 5
攻撃/射撃/機先/電脳 1/3/6/8
回避/精密/側転/発動 4/-/-/-
◇装備や特記事項
▶︎▶︎生体LAN端子LV2、違法トロ粉末、ウィルス入りフロッピー
『◉kill-9』、『◉サモン・クローンヤクザ』、『◉交渉：駆け引き』、
『◉知識：ハッカーの流儀』、『◉知識：電子ウイルス』、
『◉知識：犯罪』、『◉知識：セキュリティ』タキはあなたの姿を見るや、とりあえず座ってくれと言ってラップトップUNIXの画面を向けてきた。
あなたがその画面を見ると……おお、ナムアミダブツ！そこには【万札】100のふわふわローン電子借用書と、その返済催促メッセージ！
聞けば、タキにはこんな多額の金をふわふわローンから借りた記憶は一切ないとのこと。
もしタキが嘘をついていないかどうかを調べたいならば、【ニューロン】のNORMAL判定を行うこと。
失敗した場合は嘘をついているかどうかも断定できないが、成功した場合はタキが嘘を一切ついていないことが分かっても良い。
そして、このふわふわローンの返済期限は明日！もし明日までにタキが利子を含め【万札】120を返せなかった場合、タキはカニキャッチ漁船に乗せられて二度とネオサイタマの大地を踏むことはないだろう。
タキは、誰かが自分の個人情報を何処かから盗み出して成りすまし、ふわふわローンから金を借りたのではないかとまでは推理できているが、焦燥感が強くこれ以上は手につかないとのこと。
そんな時に浮かんだのがあなたというニンジャの存在。
虫がいい話ではあるが、もはやあなたしか頼れる者が居ないとタキは藁にもすがる思いでIRCメッセージを送ってきたのだ。
報酬に関しては出るかも分からないが、タキが居なくなるとあなたの仕事を探す宛が一つ消えてしまうよりはマシだろう。
あなたはタキの明日を守るため、調査に乗り出した。
調査開始
ピザタキを出て、情報集めを開始したあなただが、あまりにも情報がなさすぎる。
ここは地道に足で情報を稼ぐか、IRCを巡って情報を集めるかのいずれかしか無いだろう。
地道に足で情報を集める→【ワザマエ】のHARD判定
IRCなどで情報を集める→【ニューロン】のU-HARD判定
最も適した知識スキル（＋２）：『IRCネットワーク』『ハッカーの流儀』『セキュリティ』
次に適した知識スキル（＋１）：『犯罪』『電子ウイルス』『テックガジェット』成功した場合は、以下の情報を得ることができる。
もし失敗した場合、少しだけ持ち直したタキからIRC通信が入ってきて成功時の情報を教えてくれるが、【6,6】と【6,6,6】成功時の情報は手に入らない。
・タキだけではなく、他にもニンジャやモータルを問わず同様に身に覚えのないふわふわローンの債務を抱えた者が居る。中には身に覚えがないからと踏み倒そうとしてカニキャッチ漁船に載せられたり、取り立てニンジャに殺された者も居るという。
・更に詳しく調べていくと、インポースというハッカーニンジャとそのアジトの情報を手に入れることができる。
※以下はニューロン判定【6,6】で成功した時の情報
・インポースは、何らかの手口でニンジャやモータルの個人情報を手に入れ、その個人情報をを使って成りすまし、ふわふわローンから無尽蔵に金を借りていることが分かる。
※以下はニューロン判定【6,6,6】で成功した時の情報
・インポースの口座情報を手に入れられる。預金残高は【万札】300はくだらない。成りすます時に被害者の口座情報も手に入れていたらしく、一旦入金させてから自分の口座に振り込ませていたようだ。
インポースのアジト
あなたは手に入れた情報を元に、カスガ・ストリートの廃倉庫群にやって来た。
どの廃倉庫がインポースのアジトかはまだ分からない。
かと言って地道に調べている余裕もない。
となればやることはただ一つ、ニンジャソウルの気配を探ることだ。
ここで【ニューロン】HARD判定を行う。成功した場合はインポースのアジトを難なく見つけることができるが、失敗した場合はアジトを探すのに時間がかかって【精神力】1を消費する。
居場所を特定できたあなたはアジトへ乗り込む。幸い廃倉庫を使っているためか防犯設備はそこまでもない。
しかし、アジトの中にはふわふわローンで成りすまして借りた金で買ったのだろうか、クローンヤクザが2人1組で巡回している。
◆クローンヤクザ（Y-12型） （種別：モータル/バイオ生物/クローンヤクザ）
カラテ ２ 体力 １
ニューロン １ 精神力 １
ワザマエ ３ 脚力 ２
ジツ – 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 ２/３/１/１
◇装備や特記事項
チャカガン： 銃器、連射1、ダメージ１クローンヤクザの巡回ルート的に、奥へ行くには倒さなければいけないだろう。カラテで叩きのめしてもいいし、ワザマエでスリケンを投げる、あるいはジツで攻撃して排除しなければ。
攻撃難易度はすべてNORMAL、もしクローンヤクザを片方しか倒せなかった場合、残った方からチャカガンで反撃を受けるので回避しよう。難易度は同じくNORMALで失敗すると1ダメージを受ける。
もしクローンヤクザの攻撃で【体力】が0となった場合、あなたのニンジャは爆発四散(キャラロスト)し、タキは返済期限に間に合わずにカニキャッチ漁船へ乗せられ、二度とネオサイタマの大地を踏むことはないだろう。(ゲームオーバー、エンディングへ)
インポースの部屋
あなたが廃倉庫の奥までやって来ると、そこは廃倉庫の中とは思えないような高級オフィス家具や最新型UNIXが置かれた事務所のような部屋になっていた。
そして、その部屋の真ん中でLAN直結したまま項垂れているサラリマンスーツめいたニンジャ装束のニンジャが居た。このニンジャがインポースだろう。
カスガ・ストリートは世辞にも治安が良いとはいえないが、好き好んでヤクザやアウトロー他犯罪者が訪れる場所ではないため比較的静かということもあり、警備はクローンヤクザ程度でも十分だったのだろう。だがこれはあまりにも無防備すぎる。
あなたがLANケーブルを引っこ抜こうと近寄った瞬間、突然カッと目を見開いたかと思えば慌ててカラテを構えるインポース。それと同時に、合成マイコ音声で『侵入者ネギトロ重点モードドスエ』と発せられたかと思えば、事務所の床からセントリーガンが2台せり上がってきたではないか！
「ド、ド、ドーモ、インポースです」
「どうやってここを嗅ぎつけたかは分からないが、お前の個人情報も抜き取って【万札】1000の借金を押し付けてやろう！」
セントリーガン2台にニンジャ1人、やや慌てた様子だが数の理では向こうが勝っており、あなたは圧倒的不利だ。
だがここであなたのIRCに通信が入る、タキからだ。
「クソッタレ、ようやく連絡ついたか」
「このままやられっぱなしじゃ、怒りがこみ上げてくるってもんだ」
「いいか耳の穴かっぽじってよく聞け、今監視カメラを通してお前の状況を見ている。このままじゃあお前は穴開きチーズだ。俺が援護してやるからまずは時間を稼げ」
どうやらタキがハッキングで援護してくれるらしい。
だがそのためには、インポースの注意をこちらへ引き付けてタキがハッキングできる時間を稼がなければ。
「何をコソコソと話していたかは分からんが、お前の個人情報も頂くぞ！」
セントリーガンがキュイイインと音を立てる、一触即発アトモスフィアだ！
インポース （種別：ニンジャ）
カラテ 3 体力 5
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 4 脚力 2/N
ジツ 0 万札 0
攻撃/射撃/機先/電脳 3/4/7/9
回避/精密/側転/発動 5/4/4/-
セントリーガン攻撃×2：『ダメージ1』『連射1』
敵との距離が隣接状態でも射撃可能。
射撃ダイスはインポースのものを用いる。
◇装備や特記事項
▶︎▶︎生体LAN端子LV2
『◉kill-9』『◉頑強なる肉体』
『予測外への対応』：このニンジャはまさか自分のアジトにほかのニンジャが来ると思っていなかったようだ。
動揺によりハッキング判定と射撃判定の難易度に+1の補正、回避判定『U-HARD』固定となる。この戦闘ではグリッドマップを使用しない戦闘を用い、インポースはあなたが生体LAN端子を持っているか否かで攻撃方法を変えてくる。
・生体LAN端子を持っていない場合
セントリーガンによる攻撃のみを行う、判定は射撃ダイスを2,2で分割。
回避はサツバツがない場合は2つ、サツバツもしくはナムアミダブツの場合は3つで回避する。
・生体LAN端子を持ってる場合
◉kill-9→セントリーガン攻撃のローテーションで攻撃を行う。
セントリーガンの判定は射撃ダイスを2,2で分割。
回避はサツバツがない場合は2つ、サツバツもしくはナムアミダブツの場合は3つで回避する。
1ターン目を終えたところで、以下のイベントが入る。
インポースは意外なしぶとさを見せてくる。
ハッカーニンジャということもあり、あなたの攻撃をいなす度合いも高い。
しかし、突然インポースが頭を抑えた。
何事かと思えば、インポースは「誰かが俺の頭にハッキングを仕掛けてきやがる！」と怒鳴った。
あなたはタキの仕業だとすぐに確信するだろう。
以降、毎ターンあなたとインポースの手番終了後にタキがハッキングダイス8個で◉kill-9での攻撃を試みる。
なお、インポースは基本的にあなたしか狙わないが、よりデッドリーにしたい場合はタキを狙うことにしても良い。
ただし、タキがインポースの攻撃により殺された場合エンディングが変わるので要注意！
借金を帳消しにせよ
「モハヤコレマデー！サヨナラ！」
死闘の末、インポースは爆発四散した。
あなたがザンシンしてこれからどうするかを考えていると、タキからIRC通信が入る。
「ようやく片付いたか、ちょっとやつのUNIXを確認してくれ」
もしタキがインポースのハッキング攻撃で殺されていた場合、あなたは何の迷いもなくインポースが使っていたUNIXデッキへ近づく。
どちらにせよ、あなたがUNIXを調べるとそこには大量の口座情報を含めた個人情報が！インポースはこの情報を使って成りすまし、ふわふわローンから金を借りまくっていたようだ。
そしてタキはあなたに続けて言う。
「いまそいつのUNIXにバックドアを仕掛けた、後はお前が外付けファイアウォールを操作して無効化すればバックドアが動作して俺がハッキングできるようになる。それでふわふわローンにこいつが成りすまして金を借りていたという情報を送信できるんだ」
さあ、最後のひと仕事だ。
あなたはUNIXの近くにあった外付けファイアウォールのコンセントを抜こうと電源ケーブルに手をかけた！
ここで【ワザマエ】HARD判定、成功すれば難なくコンセントを抜いてファイアウォールの電源を落とすことに成功するが、失敗した場合感電して【体力】と【精神力】にそれぞれ1ダメージを受ける。
なお、失敗した場合でも無理にコンセントを抜こうとしたことでファイアウォールがショートして爆発するため、無力化自体は可能だ。
もしタキが死亡していた場合は、直接あなたがUNIXを操作してふわふわローンにインポースが成りすましして金を借りていたという情報を送信しなければならない。
その場合、外部からのハッキングではないので外付けファイアウォールを無力化せず次の判定へ進む。
ファイアウォールを無効化すると、タキはインポースのUNIXに仕掛けたバックドアから侵入し、ハッキングを開始する。
「ワームやら何やらを使って情報集めてたみてぇだが、一体どうやったらこんなに情報が集まるんだ？ソウカイネットから抜いたと思われる情報まであるぜ……もしやこいつソウカイニンジャじゃねえのか？」
ここでタキは【ハッキング】U-HARD判定を行うが、タキのダイスはあなたが振らなければならない。
成功すればふわふわローンへインポースが他人に成りすまして金を借りていた情報が送信され、タキを含め成りすまされていた被害者の借金はすべて爆発四散したインポースのものとなるが、失敗した場合タキはニューロンを焼かれて死亡し、UNIXも爆発四散して情報を送信できなくなる。
また、タキが持っているウイルス入りフロッピーを使用するとハッキングダイスが+3される。
タキが死亡していた場合はあなたが【ハッキング】U-HARD判定を行わなければならない。
なお、成功及び失敗した場合の結末については、タキが生存していた場合と相違点はほぼ無いが、失敗時はニューロンを焼かれて【精神力】に1d3のダメージを受け、UNIXも爆発四散して情報を送信できなくなる。
エンディング
タキのハッキングにより、ふわふわローンへインポースが他人の個人情報を使って成りすまし、金を借りていたことが送信された。
これでもうタキは大丈夫だろう。
安堵した直後にまたあなたにタキからIRC通信が入る。
「ヒュー……これでカニキャッチ漁船に乗せられるなんてことはないな」
「どうなるかと思ったが助かったぜマジで。安心してまたエッチプログラムが楽しめる」
「それか酒でも一緒に飲みに行くか？俺のおごりだぜ？」
あんまり懲りた様子がないタキをあなたはどやしながら帰るだろう。
なお、後日あなたの口座にタキから報酬が振り込まれた。
タキが死亡していた場合、ふわふわローンからインポースの件の謝礼としてあなたの口座に万札が振り込まれる。
リザルト
Ａ：インポースを爆発四散させ、タキも生存した状態でふわふわローンへ情報を送信して借金を帳消しにした。
【万札】20【名声】＋2
Ｂ：インポースを爆発四散させたが、タキが死亡した状態でハッキングに成功し、ふわふわローンに情報を送信して借金を帳消しにした。
【万札】10【名声】+1
C：インポースを爆発四散させたが、タキが死亡した状態でハッキングに失敗し、ふわふわローンに情報を送信できなかった。
【万札】10(インポースの隠し金を発見したのだろう)、名声変動なし
D：タキが死亡あるいはカニキャッチ漁船へ乗せられてしまい、かつインポースを爆発四散させられず、ふわふわローンに情報を送信できなかった。
報酬なし【名声】-1
余暇日数：4日
利用規約
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