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必要十分な答案を作成するには?Part5(答案の作成法1)

 皆さんこんにちは!というか久しぶり!前回Part4までは必要十分な答案を作成する上で知ってほしい事柄として、必要十分条件、同値変形と実際の処理の仕方、おまけに等号の扱いについて紹介した。今回からは本格的に答案の作成方法を話したいと思う。

答案の作成法

学部入試や院試で出題される問題は、

「Aのとき(について)、BならばCである。このとき、Dを求めよ(証明せよ)。」

というのがほとんどである。

そして、根本的な考え方として、すべての問題に共通する考え方は、

「A, B, C, Dを、同じ表現で表す。」


この考え方は、普段は無意識でやっていることなので、当たり前な感覚でいるが、難易度が高い問題ほどこの考え方を必要としているにもかかわらず、実際にこの考え方を使いこなせていないのがざらにいるのだ。

理由は簡単で、普段から無意識でやっている分、意識して体系化したことがないために、難易度が高い問題が出るとパニックになり、この考え方が浮かぶことすらないからである。

ここにいる読者の方も、わざわざこれを答案上で行ったことはないのではないか?

言っていることは簡単なので、絶対に身に着けてほしい。


さて、この「同じ考え方」に変換していく際に、「同値変形」をすることがカギである。

つまり、「A, B, C, Dを、同値変形を用いて、同じ形にする。」と言える。


すべての問題でこれを使いこなせれば、本当の意味での数学力、論理力が飛躍的にアップするし、自分の場合、学部受験では現代文の評論の読み方や英文読解とも結びついて、総合的な論理的思考力が上昇したことを実感した。さらには、院試数学では細かい条件の整理ができるようになった。

(余談だが、それを感じたのが、仮面浪人時に理Ⅲを受けていたときで、ボロボロだった現役時や1浪時よりも桁違いに上がっていた。残念ながら0.5点差で不合格になったが、そのために仮面時に籍を置いていた大学で、キャンパスライフを犠牲にして得たものは今でも大きな財産であり、院試合格に役に立っていた。詳しいことはいつか話す。)

そう、実は「数学は論理的思考力を問う科目である。」と言われるのは、微分ができるとか補助線が引ける、閃くのが速いとかではなく、数学全体に共通するこのあたりの考え方のことを指しているのだと思っている。

微分は論理的に考えなくても、ある程度の公式がわかれば処理できなくはない問題もあるし、補助線も必要に応じて使うようなものである。

この考え方がどれくらい数学において重要か、わかっていただけたら幸い。


最後に、上でのA, B, C, Dそれぞれを「条件」、「BならばCである。」を「命題」といい、条件を満たす、満たさない、条件の否定、命題が真である、偽である、待遇、逆、裏、などの論理用語も使いこなしていただきたい。

次回は具体的な例を挙げて紹介する。

それでは!by リッター

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