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必要十分な答案を作成するには?最終回(答案の作成法4)

皆さんこんにちは!今回で答案の作成法パートは最終回!

そんなわけで、学部入試から拡張して例題2つと院試の問題2題と合計4つを扱っていく!難易度はたぶん易しめ

問題すべて線形代数だが、数学科以外での院試を見た限り、必要十分の答案を要求されやすいのは線形代数が(感覚的に)圧倒的。

院試例題は名古屋大、阪大、東大の院試からピックアップして改題したものである。

まずは自力で必要十分や同値変形を意識して解いてみてください。

以下が答案例

例題1,2

院試例題1,2


最後に

これまで、問題が与えられ、それを解くとき、「よし、答えを出そう。」と思ってペンを動かし始める人が多かっただろう。

「答案を作ろう!」と思って書き始められる人は、本当に数学ができる人である。

何が言いたいかと言うと、試験はもちろん、家で問題を解く際に、

「結果を得るための計算を書いていく」のではなく、

「与えられた条件から、論理によって結果を導出する思考過程を記述する。」のができる人が、数学が本当にできる人なのである。

その論理的思考の過程を、

「正しい数学的な表現(言語、記号)を使い、」

「同値変形を用いて、」

「必要性、十分性を明確に意識しながら、」

行うことが、数学の根本である。

ちなみに、これは自分が浪人時代に東大理Ⅲ生に数学を教えてもらったときのメッセージである。ぶっちゃけ、もしその人に出会わなかったらおそらく東大の院試をクリアできなかったと思う。

今思えばまさにそうである。

学部時代の数学科にいたとき、これができている人ははっきり言っていなかった。学科同期で教員になる人は結構多いにもかかわらず、それを意識してできていない、かつ本質を理解できていないまま卒業して教員になっている人が大多数いた。はっきり言ってその状態で生徒を教えるのはいかがなものかと今でも思う。

ぶっちゃけ、教採の筆記試験(数学のみ)は難しくはないというかむしろ簡単で、そんな連中でも受かる。(学科内では中間層以下でも受かる)

言い方が悪かったが、これを意識しないといい加減な答案になりかねないのは事実である。


そう、答案は書くのではなく作るもの!

頭にできあがった事実をただ書くのではなく、精巧な船を建築するように、まずは設計図といった全体像(問題文)を把握し、土台を定め(解法の選択)、柱を何本かを立て(論理の大筋)、寸分の狂いも無いように作り上げる(正確な計算)。

途中で柱を忘れると、完成してもグラグラして不安定、論理の崩壊で大幅減点。

途中で固定を一部忘れると、完成しても欠陥があり不完全、条件不足で減点。

途中で長さを測り誤ると、完成しても別物ができ、計算ミスで減点。

減点ポイントはもちろん他にもいくつかあるが、そのすべてをクリアしたものだけに与えられる満点は、アドバンテージが他と10倍あってもおかしくはない!

学部数学なら、他の科目の1問分の10倍はある20~30点。

「数学ができる=学部入試突破または院試でごぼう抜き」

なのかもしれない!


ここまで見てくれた方やそうでない方も含めて、必要十分な答案の作成法は全パート8回分ではあるが、必要最低限のことは書いたつもりである。

院試ではある程度過去問を解いているか、初めてでもこのnoteを活かして解いていただけたら幸い!

これで、「必要十分な答案を作成するには?」のコーナーは実質最終回ではあるが、演習0~3回は別のコーナーにするか、特別編を設けたいと思う。

それでは!by リッター



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