必要十分な答案を作成するには?Part4(等号について)
Hello, there! 前回は同値変形による式や条件の処理の仕方について、一部の例題を通して解説したわけだが、今回は等号について扱う。
等号
いつものように当たり前に使われている等号には、実は3種類あることを知っているだろうか?
もしくは、以下のような表現を日頃、平気で書いていないだろうか?
・x²-4=(x-2)(x+2)=0 より、x=±2
・関数 f(x) を、f(x)=x²-x-2=(x+1)(x-2) と定義する。
上記の二つとも、かなり不自然な表記方法である。
はっきり言って、同じ式中に複数の種類の等号が入っているのは、正確な答案とは言い難い。
等号の種類
・方程式 ・・・ x²-3x=0 のように、ある特定の未知数が成り立つ等式
・恒等式 ・・・ x²-4=(x-2)(x+2) のように、変数にどんな値を代入しても常に成り立つ方程式
・定義式 ・・・ 『f(x)=x²-x-2 とおく。』 のように、書く人の都合に合わせて勝手に決定した等式
(ちなみに、定義式として”≔”を用いることが多い)
先ほどの間違った例を正しく表記すると、
・x²-4=0
⇔ (x-2)(x+2)=0
⇔ x=±2
(こうすることで、式中の”=”はすべて方程式のイコールだが、元の変形では、恒等式のイコールと方程式のイコールが混ざっていた。)
・関数 f(x) を、f(x)=x²-x-2 と定義すると、
f(x)=x²-x-2
⇔ f(x)=(x+1)(x-2)
である。
(元の式変形では、定義のイコール、恒等式のイコールが混ざっていた。)
以上のように、等号は一つの式中に1種類になるようにすることが望ましい。
というより、~~=~~=~~=・・・のように、同じ式中に複数のイコールを入れるのは、今後やめたほうがいい。むしろ見にくい。
ここまでは、必要十分な答案の作成に向けた基本的なルールを示したが、次回からはより具体的に答案の作成法や日本語(または英語)で書く重要性のついて述べたいと思う。さらには、演習も行う予定。
それでは!by リッター
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