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一人勝手に回顧シリーズ#フランシス・F.コッポラ編(9)#タッカー/自動車王

【映画のプロット】
▶︎タッカー
"プレストン・トーマス・タッカーの名を、耳にした事は、ないだろう。彼は、夢想家で発明家。時代の先を行く男だ。凄いだろ。タッカー氏の車は、フル装備だ。前方脱落式ガラスに、リアエンジン。おっと、話を飛ばし過ぎた。彼が、初めて、自動車を見たのは、子どもの時だ。彼は、興奮し過ぎて、その車に足をひかれた。ぬかるんだ道だったので、怪我はせずに済んだ。彼は、first view その機械にはまり、その後、彼は、人生の大半を自動車に捧げた。車の製造を学ぶため、彼は、デトロイトに移った。そこで、電話会社に勤めるヴェラ・フクシに出遭った。二人は結婚し、間もなく子どもが、生まれた。でも、誰よりも優れた車を作りたいという夢をなくしては、いなかった。彼は、インディアナ・ポリスのサーキット場に通い、偉大なレーシングカーのデザイナーで、自動車業界の巨匠ハリー・ミラーと、タッグを組んだ。1936年、タッカー氏は、戦争が差し迫っているのを感じ、高速の戦闘車両の仕事を始めた。防弾でエアコン付きで、電動式の砲塔を搭載していた。しかし、その車は、軍部に却下された。Too fast というのが、その理由だ。当時の陸軍省の方針では、戦闘車両は、時速55km以下と定めていたのだ。しかしながら、砲塔部分は、すぐに生産が開始された。多くの勇気ある若者が、タッカーの砲塔で、命を救われた。砲塔が製造されたplace? タッカーに都合のよいplace. ミシガンの自宅の隣の倉庫だ。"
1935年。ミシガン州イプシランティ。
" Oh my god. "
屋敷に車がつき、沢山の犬が、飛び降りる。
"虎を捕まえろ。虎を捕まえろ。"
"さあ、おいで。What's this? "
タッカー(ジェフ・ブリッジス)が、車から、荷物を下ろす。
"お前か?"
" No. "
"お前か?"
" Open it. "
"何それ?"
"これは、凄いぞ。歴史的瞬間だ。"
"その前に、この犬たちが、何なのか、説明してよ。"
"ああ、古いパッカードと、交換したんだ。12頭だ。"
"12頭も、どうするの?"
"大した事ない。こんな取引、見逃せないだろ。見たくて、仕方がないんだろ?"
"見たい?"
"うん。"
"終戦した今、アメリカ人が、一番欲しい物は、何か?87%が、新しい車と答えた。Now 世間は、どちらを選ぶ?戦前から、型が変わらないデトロイトの車か、the car of tommorow. Today. "
タッカーは、新車のラフ・スケッチを見せる。
"かっこいい。"
"145キロ、出ると思う。"
"誰が造ると思う?We are. 5年以内に、ビック3は、廃業だ。"
"誰が買うんだ?未来人か?"
"フードを開けると、荷物を収納できる。エンジンは、後ろだ。トルクコンバータが、左右に付く。"
"あり得ない。これじゃ、トレッドが、1.8mは、必要だ。"
"お食事ですよ。"
" All right. Let's go. "
" How many? "
" Anyone. アメリカ陸軍分だ。腹減ってるか?お前も、食ってけ。"
"虎を捕まえろ。虎を捕まえろ。"
屋敷の中。
"話すのか?" 
"全部、話す。"
"危ないよ。お皿が通るよ。"
"こけるなよ。"
"フェンダーとライト。"
"キャラッツ?誰だ。"
"ビジネスマンだ。通勤列車内で知り合った。Financeだ。"
" Finance? "
"おいで。"
" Who's that? "
"今、話していたエイブ・キャラッツだ。" 
"頑張ってね。"
"書斎にいる。"
"見ろよ。"
"怖そう。"
"NYの人だ。怖くはないよ。"
"エイブ。来てくれて、ありがとう。時間は大丈夫か?" 
"田舎暮らしが、好きなのか?夜中に、コーヒーが欲しくなったら、死ぬしかないな。"
"キッチンで、自分で淹れるよ。"
"夜中に飲まないよ。新聞読んで、ウエイトレスと世間話するんだ。自然以外、本当に何もないな。"
"もう、抜け出せない。コーヒーは?"
"都会式で。"
タッカーの家族は、テーブルで、団欒する。
"また5が、2つ出た。"
"Cars? You brougt me to cars? "
"車に見えるかな?これは、金鉱だよ。"
"諦めろ。You got no chance. "
"まだ、僕のアイデアを聞いてもいない。"
" Ideas? アインシュタインか?彼は、犬しか聞き取れないような数字を作った。だが、かかった元手は、紙1枚と鉛筆数本くらいだ。車の製造には、何百万ドルもかかる。そのためにウォール街がある。株式を発行するために。"
" Who are you? " 
"商売は、分かっているのか?ウォール街の経験は?"
キャラッツは、辞去する。
"考えてみてくれ。"
"そうだな。"
" Drive safe. "
" Yes sir. "
タッカーは、窓から覗く妻に、微笑んで見せる。車が去り、タッカーは、激しく、アッパーをかまし、家と反対の方向に歩き出す。
"プレストン?"
タッカーが、戦闘車両を出す。
"アイスクリームを食べに行きたい奴は、乗れ。"
"砲塔は、僕だよ。"
"配置につけ。記録を更新する。Com'on, 早く。皆んな乗ったか?"
車は、疾走する。
"魅かれているのに、見てるのが、哀れだったよ。心が動いていないフリをして、見ているこちらが、恥ずかしい。この話に飛びつきたい癖に。当分は、ヤキモキさせておくさ。加速するぞ。"
"工場は職を。職は保証を。"
"またタッカーか。奴だ。行くぞ。"
白バイは、サイレンを鳴らして、タッカーを追う。あまりの速さに、白バイは、追跡を諦める。
タッカーたちは、町に着く。
"アイスクリーム欲しい人?"
"チョコがいい。"
"ドク。元気か?"
"元気さ。お前が、無茶な注文しなければな。皆、ソーダにするか?"
"3段アイスだ。"
"3段。" 
"チョコ、ピスタチオ、ストロベリーあるぞ。混ぜるか?"
''チョコがいい。"
タッカーは、雑誌を読む。
"プレハブ住宅"
"それ、凄いよな。"
"誰か、実際に見たのかい?本当にいいのか?まだできてやしない。"
"そう書いてある。"
"やめなさい。"
"こぼしたな。" 
"住宅建設のアイデア特集"
"  Stop ジョニー。"
"誰か、イチゴ味食べる?"
"虎を捕まえろ。"

"宣伝で資金を得る。ライターと協力して、タッカーは、PIC誌に車の記事を書いた。タッカー・トゥービート。しかし、予想もしない事態となった。" 
"50年振りの新型車"
"1週間で、全国から、15万通もの手紙が届いたのだ。タッカーが見たい。タッカーが欲しい。タッカーは、どこで買える?タッカーを取り扱いたい。一夜にして、タッカー旋風が、巻き起こった。"
フロイド・D.サーフ投資銀行。
"タッカーは、倉庫で、生産している。大量生産はできない。"
"だから、どうしたらいい?車がない。"
"車はある。"
"試作車か?"
"雑誌に書いてあった。"
"デトロイトから、誰か呼んだ方がいい。趣意書の提出のために。" 
"誰がいる?"
"長年、フォードの副社長をしていたロバート・ベニントンだ。今は、プリスマの社長をしているが、第一線から外されるらしい。彼なら、頼めるだろう。"
"箔を付けるためか?経営に、口を挟むかな?"
"彼なら、経営に回るだろう。"
"タッカーが、納得するかな?"
"株を売るためだ。信用がなければ、株は売れない。何て名前だった?"
"タッカーだ。"
"厄介な奴だ。なかった事にしてもいい。"
"心配ない。彼は、good manだ。"
"工場だ。"
"車はある。ベニントンは、任せる。"
"工場は、俺が。Thank you. "

"フィラデルフィア、ペンシルベニア。"
"ノーフォーク、バージニア。"
"ノーフォーク、バージニア。"
"オハマ、ネブラスカ。"
"オハマ、ネブラスカ。"
ヴェラは、読み上げられた都市を、地図でマークする。
"わぁ。アラスカのアンカレジから。"
"アラスカは初めてね。"
"エイブ、遅いな。"
"列車は、いつも遅れるでしょ?"
犬が騒ぐ。
車がやって来る。
" Who's that? "
"少々、お時間いただけますか?"
"予定がある。"
" Just 5minites. "
"パパ、行って来ます。"
"何だ?"  
"買っていただきたくって。"
"何を?"
" Me. "
"5minites. "
"ありがとうございます。アレックス・トムレルスです。間もなく、空軍を退役する予定です。自動車工学を学んでいました。記事を見て、もう居ても、立ってもいられなく、なりました。立体的に描いてみました。よろしければ、ごらんください。この流線形のボディが、fantastic. しかし、一歩踏み込み、空気力学を応用して、宇宙船をfamily car にするには。"
" Changed the doors. "
"はい。ヘッドルームが、78cmしかなかったからです。ファミリーカーでは、91cm は、必要です。乗降の度に、頭をぶつけてしまいます。それで、天井を広くして、飛行機のように、しました。"
"5分経ったぞ。時間切れだ。"
" More 2minites. " 
"仕事が欲しいのか?You got it. "
2人は、握手する。
"設計部ですか?"
"お前が、設計部だ。"
エイブが、タクシーを乗りつける。
"エイブ。You find it? "
"タッカー。話す事が、山ほどある。会合は、上手く行った。"
"ジミー。"
"ジミー・サクヤマ。パートナーのエイブ・キャラッツだ。"
" Hi, nice to meet you. "
" How do you do? "
"エディが来たら、ダイニングルームへ。"
"了解。"
"ジャップは、強制収容所じゃないのか?"
"ジャップじゃない。"
"何?"
"エンジニアだ。"
"でも、ジャップだろ。"
"ジミーとは、15年来の付き合いだ。砲塔を作るために、彼の後見人になった。でも、彼の両親と12歳の妹は、コロラドの強制収容所にいる。満足か?"
犬の群れが、家を飛び出す。
"どうかしている。"
"こんにちわ。"  
"やあ。"
"軍需工場が、3か所あるが、どれも、競争率が高くて、入手は困難だ。でも、試す価値はある。そのうちの一つが、小さめで、理想的だ。もう一つは、大き過ぎる。設備に、倍かかる。必要なら、手配する。"
"3っ目は?"
"無理だ。" 
"ダッジが、B29を生産していたシカゴの工場だ。"
" What's wrong that? "
"19万ヘクタールの土地に、16棟も建物がある。2万9,000ヘクタールの建物もある。一つの建物でだ。世界最大だ。"
" Perfect. "
タッカーは、工場を手に入れる。
"シカゴは、いい所よ。デパートもあるの。世界最大のデパートの一つよ。皆、そこで買い物するのよ。楽しみね。"
" Fantastic. "
タッカー一家らは、伽藍堂の工場内を歩く。
"ここなら、夢だったものが、何でも作れるぞ。スポーツカー、ファミリーカー、コンバーチブル、トラック、飛行機だって。後は、政府と話をつけるだけだ。政府は、何と?"
"ワシントンの戦時資産管理とようやく話ができる。"
"いつ?"
"月曜の3時だ。"
"ダメだ。"
"え?"
"ランチがいい。"
"ミーティングを設定するのに、どれだけ苦労したと思っているんだ。" 
"ローストビーフがいい。レアの。生に近いレア。"

"25秒に1人。交通事故で、人が、亡くなっています。夜間の事故の60%は、カーブで起きています。ハンドルを回すタイミングと、ヘッドライトが、前方を照らす間に、2秒の誤差があるからです。タッカーなら、ハンドルを回すと、フェンダーとヘッドライトも動くので、進行方向が、見えます。この女性は、フロントガラスを突き破って、放り出されました。タッカーなら、フロントガラスは、前方脱落式です。更に、顔を怪我しないよう、飛散防止のガラスです。シートベルトも付いています。そこで、質問です。なぜ、デトロイトのビッグ3は、安全性を無視した車で、何10億も、儲ける事が許されているのでしょう?私も、ここにおられる方も世間も、気付いている。彼らは、人の事など、考えていない。利益の事しか、頭にありません。いいですか、はっきり言って、アメリカの自動車産業は、過失を犯しています。過失致死で、有罪判決を受けるべきです。お時間を割いていただき、ありがとうございました。"
エイブが、声を掛ける。
" Congratuations. 君は、完全に嫌われたね。こんな馬鹿げた事に加担させられて。"
"オスカー・ビーズリーだ。特別補佐を務めている。明日の午後3時に、私のオフィスに来てくれるか?"
" Sure. " 
" Good. それじゃあ、明日。"
"  Excuse me. "
"気に入られたぞ。そうだろ?"
"ここは、ワシントンだ。本気にするな。"
"会う理由は?"
" Polytics. 何か罠がある。信じてくれ。諦めろ。"

"誰が、私たちに、融資してくれると言うの?借金だらけで、どれも支払期限を過ぎてる。"
"君が結婚した天才は、どうするのかな?いくら稼いでも、その倍を使っちまう。"
"そうね。"
電話が鳴り、ヴェラが出る。
" Hello. "
'' やっと出たか。"
" How do you go? "
"食いついてきたぞ。帰る前に、カリフォルニアとアラスカにも打診する。"
"気を落とさないで。"
"まだ、終わりじゃない。明日、別の会合もある。"
"エイブの反応は?"
"関係ないさ。融資は?"
"検討するって。"
"嘘が、下手だな。"
" Please soon come home, プレストン。Please. "
"分かった。I love you. "
" I love you, too. "
" Soon be later. "
" Great. Bye. "
▶︎新車の開発
戦時資産管理を訪ねる。
"シカゴの工場建設の件で、委員会は、採決を取った。君が、1万5,000ドル以上の資産を有している前提で、製造業者として、認可されるには、工場取得1年内に、50台以上を生産しなければ、ならない。よろしいかね?"
"ええ、勿論結構です。"
"署名用の書類は、明日午後5時に揃います。"
" Thank you. ありがとうございます。エイブ、ビーズリー氏は、お忙しいぞ。"
タッカーとエイブは、退出して、廊下で声を上げる。 
"やったー。"
ヴェラに電話する。
"繋いでくれ。"
"分かった。"
"夫のプレストンだ。"
"おい、タッカー。全米自動車労働組合が、ルーズベルトに、次期選挙に、労働者票が欲しければ、自動車工場を作れと、言ったそうだ。"
"なぜ、俺で、フォードやGMじゃないんだ?"
"大企業は、嫌なんだと。"
"訳分からん。"'
"あそこで自動車を作ろうなんて、馬鹿はお前だけだけどな。"
"ヴェラか?" 
" Yeah. "
"彼は、今、ここにいます。"
"虎を捕まえろ。"
"何?"
"虎を捕まえろ。"
"ちょっと待ってて。いつNYに車を運べる?月曜日?火曜日?いつ?"
" Hold on. "
"業界一の広報係と電話している。株式公開前に、証券取引所の前で、車をお披露目したいそうだ。楽団にラインダンスで、派手にやる。国中の投資家を、ひざまづかせるんだ。"
" Do you hear me? "
"聞こえた。"
"やったぞ。世界一でかい工場を、手に入れた。"
" Oh, that's wonderful. "
"後は、1万5,000ドルと車だ。"
"それだけ?"
"それだけだ。You love me? "
" I love you. "
"俺も、愛してるよ。"
"じゃあね。"
"車がいるんだろう。"
"祝杯を上げに行こう。"
"車はあるんだよな?"
"いや、ないが。" 
"フランク、call you back. "
"大丈夫か?"
" Anything to tell me?"
"ああ、資金が全くない。Are you right? "
"意思あらば、道あり。"

"車1台に、5万ドル?"
"試作車だ。手作業だって事をdon't forget. "
"開業に、いくら必要なんだ?"
"開業に?"
"最低1万だ。"
"6,000用意する。上手く行ったら、代理店を売って、金を作る。正気の沙汰じゃないがな。ありもしない車に、まともな人間が、金を出すと思うか?正気じゃないと言いながらも、俺は、今、小切手を書いている。One thing. 絶対に、60日で、車を完成させろ。Absolutely. Any ploblem? "
" Plobles? 不可能だよ。"
"60days. "
"決裂するか?"
" Why? "
"株が売れていないんだぞ。"
"手紙が、沢山来てただろ?"
"車を買う人と、株を買う人は、別だ。現時点で、注目している投資家は、いない。"
"何で、60日なんだ?" 
"60日後の6月1日に、工場の所有権を得る。その日に、その世紀の自動車が、姿を現すんだ。"
"エイブおじさん。"
" Yeah. "
"なんで、いつも鼻をそんな風にしているの?"
" What is my nose? "
"ウサギみたいに、動いている。"
" OK.  Everybody upstairs. " 
"つまんないの。"
"勉強しなさい。"
"じゃあね。"
"ウサギみたいに鼻を動かした?"
"そんな事、してないさ。"
"フォードでも、9か月かかります。模型から、試作車まで、9か月です。"
"知り合いの整備士全員に、連絡しろ。キャリガン、ミルトン、タリーも。明日までに連れて来い。"
" All right. "
"作業開始だ。模型用に粘土を使え。鉄は?砲塔の残りで、十分か?"
"ぎりぎり大丈夫。1日24時間ある。この部屋の中で、俺の目を見て、無理だと言える者は、いるか?"
" I can't do it. " 
"お前以外でだ。"
"仕事にかかれ。"
" I can't do it. "
"パパ、実は。'' 
"タッカーさん。"
"ごめん。"
"大学の事。"

スクラップ場で、クルマの部品を探す。
"パパ、前から話したい事があるのに。話そうとする度。Look. "
"何だ?"
"ノートルダム大学に受かったんだよ。"
" Congratuations. "
"行かない。パパから、車の事を学びたいんだ。僕は、the President of United states of Americaになりたい訳じゃない。"
"誰が、大統領になれと言った?"
"言ったよね?"
"俺が知る限り、この世で一番詰まらん仕事は、弁護士と大統領だ。大統領なんて、望む訳ない。大統領は、大抵、政治家か弁護士だぞ。"
" It's OK.? "
" Sure. Stay whth me. I depend on you. "
2人は抱き合う。

"粘土を売ってくれないんだ。模型が作れない。試作車が作れない。"
"落ち着け。人生は、驚きの連続だ。ダグ、クリス。彼はアレックス。設計主任だ。彼らは、業界一のボディ制作者だ。お前の絵だけで、鉄を形にするさ。だろ?フレームは、これでどうだ?"
"とりあえず大丈夫だ。"
"こっちを見てくれ。エンジンが問題だ。"
"僕たちの。"
"1から説明だな。彼が、一度決心したら、絶対変えられない。" 
"リアエンジンは、この車の要だ。何とかしてくれ。エディ、お前なら、できる。"
"エディ、お前なら、できる。"

エイブは、カーディーラーにセールスする。
"一生に、一度のチャンスだぞ。新しい車だ。自動車史に、革命を起こす車だ。タッカーって車だ。" 
"お待ちを。"
客を待たせる。 
"安全性は、抜群だ。トルクコンバータが、2つだ。"
設計の打ち合わせ。
"トルクコンバータ2つは、無理だ。"
" We need a transmission. "
"なぜだ?"
"時間が足りない。コードのトランスアクスルを覚えているか?そのトランスミッション以外は、考えられない。If I find one. "
"選択肢は、ないだろ?シカゴの工場が、手に入る。車を完成させるんだ。"
"そうだな。"

エイブとカーディーラー。
"7,500ドル。完成が楽しみだな。"
予約票に記入する。

試作車で、走行テスト。
"ハンドルの動作に合わせて、フェンダーは、動きません。"
"なぜだ?"
"ロックハードのスタッツを覚えてますか?高速時に、方向舵のように動いて、彼は、事故死しました。Very dengerous. 代わりに、中央に、ライトを付けました。それで、進行方向を照らすので、安全です。"
"今度、俺の言う事を聞かなかったら、給料を上げてやる。"
"おい、バックできない。"
"直せるか?"
"月曜までは、無理だ。"
"頼む。ジュニア、手伝え。動かすぞ。Push. "

"副社長R.O.ベニントン プリマス部門"
"俺は、納得していない。"
"必要な事だ。デトロイトから、経験者が必要だ。株を売るためだ。"
"経営は、やらせない。"
ベニントンが、戻って来る。
" Mr.タッカー。リスクを恐れぬ革新的な方には、いつも感心しますよ。私も、ナイロン製のシートカバーを導入したんですよ。 So. その車は、いつ見られるのかな?"
"間もなくです。"
"そう願うよ。お披露目まで、1週間もないんだろ?"
タッカーとエディは、苦笑いをする。

車の製造が、進む。
"ピストンによる圧縮は、普通のファミリーカーの3倍だ。それには24ボルトのバッテリーが必要だが、どこにもない。"
"これは、何ボルトだ。6か?トラックのバッテリーは12だ。2つ使え。それで24だ。"
"ヴェラ、このカタログの写真、どう思う?"
" I want to talk about that with you. "
"役員たちが、うるさくて。ベニントンが、本当に役に立つのか、分からない。"
"プレストン。試験に何年?15年?"
"構想だけなら、15年以上だけどな。"
"構想と試験は、違うわ。"
"宣伝だよ。信じる必要はない。キャンディの宣伝に、虫歯になりますって書くか?" 
ヴェラが、タッカーのそばに来る。
"驚かそうとした?"
"クラーク・ゲーブルの真似して、微笑んでみせて。" 
"真似なんて、した事ないぞ。"
"練習していたくせに。見てたのよ。Oh, this smile here. "
ヴェラは、カタログの写真を指差す。
"私は、これに弱いの。本当のあなたよ。満足気で。"
2人はキスする。
"キスしたくなる笑顔?"
"そうよ。毎回。この笑顔を見ると、何したくなると思う?パンチよ。" 
"満足気でいたいな。" 
2人は、抱き合ったまま、カタログの上に、倒れ込む。 

"役員の皆さん。One major problem. "
"どんな問題だね?"
"Well 圧力をかけて来ました。デトロイトが。粘土も鉄も、何も買えません。ミニカーすら、作れません。"
"想定内だ。"
"ファーガソン上院議員に会います。直接対決です。"
" Wait. "
"邪魔をされているんです。"
"にっこり笑って、肩を叩けば、彼が立場を忘れるとでも言うのか?車は、シカゴで作るんだぞ。"
"私の議員でもあります。"
タッカーとエイブは、ファーガソンを訪ねる。
"どうぞ。"
"ありがとう。"
"こっち?"
"そのドアです。"
"上院議員。プレストン・タッカーです。"
" Mr. タッカー。"
"キャラッツです。"
"綴は、KARATZか? Sit down. "
"はっきり言います。あなたは、政治において、相当な力をお持ちだ。特に力を入れているのは、ビッグ3の。"
"リムジンが到着しました。"
"面白いところだったのに、申し訳ない。予定が、変わってしまってね。いつも、ころころ変わるんだよ。そう言う訳で。あれは、やってくれたか?" 
"朝一番でやりました。"
"ありがとう。"
"車まで、一緒に?"
"お荷物を。"
"上院議員、4時に、ミラー下院議員と会合です。"
"分かった。" 
" Sanator. "
"メモして、飛行機に持って来てくれ。"
"ジャック・ベニーは、好きかな?"
" Sanator. "
"私のお気に入りは。" 
" Tickets. "
"ありがとう。"
"障害は、労働者にとって、好機である。私の友人、カイザーの言葉だよ。"
" Afternoon, sanator. "
"あの件は?"
"連絡ありました。"
"ティムに伝えておいてくれ。" 
"ワシントンで、証券取引委員会のマクドナルドに会ったか?"
"いえ、まだ。"
"いい奴だよ。好きなコメディアンは?階段か。スタイルが、いい筈だ。"
"それだけでは、なくてよ。"
"ありもしない車を、代理店に売るとは。凄いアイデアだよ。"
"この歌、覚えているか?音楽が、流れるよ。ほら、ここにも。ビッグ3は、過失致死罪で、告訴されるべきか?面白い。"
ファーガソンは、車に乗り込む。
"何だ、ありゃあ。奴は、何言ってたんだ?"
"自動車産業に手を出すな。ちんこ切り落とすぞって言ったんだ。"
"さあ、どうする?''
"インジェクションがない。"
"インジェクションがない?"
"間に合わせるには、ツインキャブレーターが、必要だ。"
タッカーは、物に当たり散らす。
" Where's my car? 何が残っている?" 

" Hi. エイブ。"
"やあ。"
"入って。" 
"エイブおじさん。"
末の娘が、抱きつく。
"おっと、驚いたぞ。お土産がある。シカゴ用だ。"
" For me? "
"ああ、気にいるといいんだが?"
"まあ、素敵。"
"大丈夫?女性の服は、分からないから。"
"着てみていい?" 
"勿論。"
ノーブルが、銃で打つ真似をする。
"やられた。ノーブルに土産だ。"
書き物をしているタッカーに、声を掛ける。
"静かに答えてくれ。車はできたのか?"
"見せたい物がある。"
"広告の絵に、少しは、似ているのか?"
"多分ね。"
"では、なぜ、そんな顔をしている?"
"マティーニは、どう?" 
" Drink. "
"車に乾杯。"
娘が、着替えて、やって来る。
"素敵でしょ?"
"ありがとう。"
"どういたしまして。"
"ありがとう。素敵でしょう?"
"綺麗だよ。"
"パパ、パパはどこ?パパ。やあ、エイブ。パパ、すぐ来て。ヘッドガスケットのオイル漏れだ。壊れちゃうよ。"
"どうしたんだ。1ふん離れる。エディは?エディ、何があった?"
"思ってたとおりだ。"
"何なんだ?"
" You OK? All right? 危なかった。"
"サスペンションが、いかれてる。"
" All right. "
"重さのせいだ。ダッチはどこだ?"
"新しいアームが、4本要る。できるか?"
"任せろ。"
"何考えている?アレックスの脳味噌が、潰されるとこだったんだぞ。分からないのか?こんなガラクタのために、もうお仕舞いだ。"
アレックスに、水を差し出す。
"聞こえるか?ちゃんと聞こえるか?俺たちの夢の車を完成させる。思い描いたとおりに。"
タッカーは、激しく、壁を叩く。周囲に、取り押さえられる。
"落ち着け。"
"分かるか。"
"大丈夫か?元気出せ。"
"大丈夫だ。"
" Cheerful? "
"あるよ。"
"あるさ。"
"中年親父が、キレるのを見て、元気出たか?それよりも、俺がシカゴで、晒し者になるのを見たら、もっと元気が出るぞ。"
別の日。工場にて。
"こちら、広報係のフランクだ。" 
"広報係のフランクだ。"
"フランク。Please. "
"彼らは、警備員?"
"3交代で、警備している。"
"誰も、車に近づかせるな。"
"言ってある。"
フランクが、車のカバーを少し、持ち上げる。
"フランク。悪い子だ。"
"違う。下だ。"  
"彼は、スタン。プロモーションの撮影をする。"
"よろしく。"
"派手な、プロモーション映画に、なるぞ。販促会議や代理店も撮影する。"
"家族のアルバムから。"
"写真を。ホームビデオも。" 
"黙ってろ。写真やホームビデオ、使える物があれば。"
"なぜ?"
"株のために。"
"株には、家族は関係ない。"
"売るのは、車だけじゃない。君のイメージも大事だ。"
"つまり家族も。"
"ホワイトハウス用のフィルムを誰が用意したと。大統領自らが、見たいと言ったとでも、思っているのか?Com'on. そんな宣伝、意味ない。"
"あるよ。"
"ああ、勿論、金のためだ。"
"お前の言う事は、いつも意味が分からん。"
"君の喋りが、下手だからだ。" 
"タッカーさん。看板を見上げている姿を撮らせてください。堂々と。威厳たっぷりに。業界のリーダーらしく。" 
新車お披露目。
"タッカー自動車工場より、中継でお伝えします。世界最大の駐車場が満車です。大勢の人が、集まっています。ワシントンD.C.や、NYから。家族総出で、噂のタッカーのクルマを見るのを、皆、楽しみに集まっています。300名が招待され、1,000人以上が、集まっています。" 
工場の入り口ホールでは、楽隊が演奏をし、ステージには幕が下り、お披露目を待つ。
"13歳で、キャデラックで働き、彼は認知され..."
"ノーブル。ここに座って。"
"これは、何だ?"
"自動車史に残る日になるよ。"
"どういう事だ。聞いてないぞ。"
"見てのお楽しみだ。"
ステージの裏では、まだ車を調整中。
" OK, push it. "
"どのくらいかかる?もう既に、1時間遅れている。"
"車輪が、引っかかっている。" 
"何とかしろ。"
"ジミー、行くぞ。"
"動かせ。"
"ほら、そっち側も。"
"動かせ。"
"もぐらないと、ダメだ。エディ、ソケットを取ってくれ。" 
"問題が起きているみたいだな。"
"徹夜で、やっているよ。ガラクタをまとめるのに、必死だ。バックもできない。嘘じゃない。"
"ジャッキで上げろ。"
懐から、紙幣を取り出す。
"あの車の事、詳しく教えてくれるかな?"
紙幣をねじ込む。
ホール。
"車がみたい。車が見たい。"
"まだか?"
"どうなっているんだ?"
"役員たちが、イラついている。"
スパイは、電話する。
"ファーガソン上院議員。"
"プレストン。早く始めろ。出て来て、何でもいいから、やれ。ベニントンが怒っている。"
"エディ、準備ができたら、あの角から、合図してくれ。"
" That corner? "
" Yeah. "
"重量を減らさないと。"
"車が見たい。車が見たい。"
タッカーが、ステージに立つ。
" Ladies&gentlemen, プレストン・タッカーです。お待たせしました。では、タッカーレッツで、気分を盛り上げていただきます。"
" What's タッカーレッツ?"
" The girls. "
緞帳の切れ目から、女たちが、出て来る。
"後ろに重心がかかり過ぎて、後輪が動かない。"
"ジュニア。"
"使え。"
厚い木の板を渡す。
観衆は、しばしタッカーレッツに、目を奪われる。
"ジュニア、パパに言って来い。"
" Let's go. "
"美しいですね。"
"パパ。"
" Dad here. 後ろ。用意できたよ。"
" Now, ladies&gentlemen お待たせしました。歴史的瞬間です。"
"よし、押すぞ。"
"待て、エディ。またオイル漏れだ。"
"パパに、ちょっと待つように、言え。"
" Dad. Dad. ちょっと待って。Hold it. "
"その前に、私の家族を紹介します。"
"なんだよ。"
"妻のヴェラです。娘のマリリン・リー。可愛いでしょう?"
舞台裏。
"はんだごてを取ってくれ。"
"長男は、back stage にいます。"
" Sleeping in the car? "
"皆さん、タッカーという呼び名は..." 
"よし、Let's go. "
"最初に。"
"パパ。いいよ。"
"車を見たいか?"
"待て。火が。"
床が燃えている。
"消火器だ。"
"その前に、車の機能について、ご説明を。模型を。"
"足を踏んでいる。"
"早くしろ。火を消すな。"
撮影班が、ボヤをカメラに収めようとする。
"タッカーの革新的なリアエンジンは..." 
観衆は、イラつき、声を上げる。
舞台裏では、鎮火できた。
"もういい。火は消えた。なぜ、こんなに時間がかかってるんだ?ゲームでも、してるのか?"
"どんな腕の悪い整備士でも。"
タッカーは、タッカーレッツに手伝わせて、模型で、機能紹介をして、間をつなぐ。
"タッカーのエンジンなら、20分以内に交換できます。"
"馬鹿な。そんな事、実現しない。何を言ってるんだ。"
"タッカーレッツです。"
"早くしろ。" 
"車が見たい。"
"早くして。"
"ご辛抱いただき、ありがとうございます。"
"車が見たい。車が見たい。"
車が、スタンバイする。
" Dreams come true. Ladies&gentlemen お見逃しなく。"
観衆は、足踏みする。ファンファーレが鳴る。車が、披露される。かたわらを、タッカーレッツが、固め、ステージは、緩やかに回る。
"素晴らしい。"
観衆も、歓声を上げる。"
" Com'on. 上がっておいで。"
タッカーは、家族を舞台に、招く。
" Com'on. "
一家は、肩を組む。
"皆さん。ご紹介します。私の最愛の妻、インスピレーションの源ヴェラです。"
2人はキスして、歓声を浴びる。 
ヴェラが、車のフロントで、シャンパンを割り、しぶきが、タッカーにかかる。
"おい、見ろよ。"
"普段は、土曜まで、シャワーを浴びないんですがね。"
タッカーは、メカニックたちに、担がれる。車は、ゆっくり前進し、舞台の下に降りる。
"なんと、この新型車は、燃費がリッター8.5km以上で、時速210kmで走行可能です。それだけじゃない。シートベルトにリアエンジン、そして、衝撃を緩和するパネルも装備しています。タッカーを買って。あなたも未来へ。"
▶︎栄光からの天楽
"このタッカーという男は、何をしでかすか、分からない。経営というものを、分かっていない。技術的な事もだ。" 
ベニントンがぶちまける。
" You are right. これじゃあ、期日に間に合わない。"
"新聞に、彼の記事を載せよう。彼には、しばらく宣伝キャンペーンに出て貰おう。"
"悪くない。"
" I like it. "
タッカーは、新車を連ね、キャンペーンに出る。飛行機に、車は乗り込む。地方のホテルのホールに、車を展示する。
"プレストン、こちらはメロン夫人。"
"初めまして。"
"こっちへ。"
別の町。歓迎のセレモニーが、執り行われる。
"タッカーさん。我々の町へようこそ。こちらは、成功を祝して、記念の額です。"
"ありがとう。"
タッカーは、ウインドウから、身を乗り出し、笑顔を振りまく。
"タッカーを買って 未来を追い越せ"

ルーフに荷物を載せた車が、歩道に付ける。
"タッカー様の到着です。どうぞ。"
"シカゴに着いたぞ。"
"100階くらいありそうだ。"
"こちらです。"
エイブは、タッカーの家族を新居に通す。
" How do you like? "
"凄いわ。" 
"いい買い物だろ?"
"やあ、ミリー。ご機嫌よう。"
"こんにちわ。" 
"ここが、キッチンだ。エレベーターが、付いてる。全部小さいから、安く手に入ったんだ。裕福な家族なんだが、小人なんだ。"
移動の飛行機の中。
"鉄工所を、手に入れたいんだ。"
" Steel? "
"必要なんだ。"
"戦時資産をチェックする。ほかに、工場がないか。"
"どうやって、手に入れるんだ?"
"最高値入札者に会う。" 
"いいか?"
タバコの火を求める。
"いいライターだ。"
工場。
"ベニントンからの新しい仕様書だ。高さを、140cmから160cmに変更だ。ホイールトラックは..." 
"待て。Who? You, that. "
"私は、上の階の技術担当だよ。これを見てくれ。"
"クソ。クソ。"
" What's the matter? こっちの方がいい。"

"リアエンジンは、絶対、無理だ。できない。"
"できない?できないだと?"
"機能しません。"
"できないのか。"
 
"タッカー氏の代理で来た。重要な件だ。"
" I'm sorry. 彼は、外出中です。"
勝手にドアを開けると人影が見えるが、すぐに閉じられる。
"次に外出する時は、体を持って行けと、伝えろ。"

ヴェラが、役員室の扉を開ける。
"タッカー夫人。これは、嬉しいサプライズだ。お会いできて、嬉しい。"
ベニントンが、迎える。
"よかったら、私の妻に電話していただけますか。社交目的の訪問は、すべて妻が仕切っていますので。"
"そんな積もりで、来たんじゃないわ。皆さん、お掛けになって。社交ダンスは、いつでもできますから。What is this? これとこれと、これも。馬鹿にしてるわ。"
"ご主人の仕事に、鋭く目を光らせて、感心な事ですな。"
"なぜ、主人の設計を変更したの? And colors. ワルツ・ブルーは、私のドレスにヒントを得たのよ。"
"タッカー夫人。ご主人のリアエンジンの車は、夢物語だ。実現は、不可能だ。残念ながら、実現の可能性は、極めて低い。実に残念だ。"
" What's about this? プレストンは、1台1,000ドルと公約しているのよ。営業部に出したメモでは、倍になっている。"
"よかったら、近いうちに、うちで、夕食をいかがですか?"
"自分の夕食は、自分で支払います。ベニントンさん。Anser the question. "
" Steel. 入手できないんです。ビッグ3の倍の仕入れ値だ。申し訳ないが、大事な会議の途中なんです。"
ヴェラは、タッカー車のイラストを手に取り、床に撒いて、出て行く。

女性トリオが歌う。
"♪タッカーに乗る時は 
 タッカーに乗る時は 
 タッカーに乗る時は 
 未来の車が 今ここに        
 未来の車が 今ここに "
コマーシャル音声の収録。
"やあ、プレストン・タッカーです。自慢するのは、よくありません。だから、音響に任せましょう。" 
音響が、区切りごとに、効果音を鳴らす。
" Seriously. 誰が書いたんだ?自分で考えて、喋るよ。" 
" Phone Mr.タッカー。"
"かけ直す。" 
"奥様です。大事な用だと。"
" All right. これより上手くできる。Hello. "
"すぐに戻って来て。"
" Dad, ベニントンが、設計を変えている。フロントエンジンの普通の車に。外観まで、全て。"
"心配するな。大丈夫だ。"
"奴が、1940年のプリマス用に、工場機械を設置したら、手遅れだ。"
"今は、株を売る事以外、気にしなくていい。売れなきゃ、作れない。ベニントンの事は、ほっておけ。帰り次第、ベニントンは、ほかの連中と一緒に、クビだ。"
"後もう一つ、車の値段を、倍にすると言っているわ。鉄の値段が、倍だからって。"
"音量、下げてくれ。"
"それに、ワルツ・ブルーもなしよ。"
" What? "
" Our colour. "
"今から戻るよ。"
"分かったわ。"

"リアエンジンは、無理だ。技術者たちも、589エンジンは欠陥だと認めている。議長として、この件は、これ以上討論しない。"
"議長?誰が、あんたを議長に任命した?"
"ディスクブレーキも、燃料噴射器も、ハイドロリックバルブリフターも却下だ。シートベルトも。"
"シートベルト?なぜ、シートベルトが、却下なんだ?"
"マーケティング部は、車は安全でないと、示唆している。"
"人間が安全でない。もし、あんたが安全機能を却下したために、死亡事故が起きたら、神にかけて誓う。"
"再度、申し上げておきたいんだが、君は、経営方針に口出しできない。この会社の経営責任者は私だ。"
" What company? My company? "
"契約書には、そう明示されてるよ。"
" Is that true? "
"株を売るには、彼の名前が必要だった。知っていただろ?経営の経験者が必要だった。でも、神に誓って、言う。契約書にうたわれているとは、知らなかった。"
"フォルスタッフを痩せさせる事は、できないんだよ。"
" What's that mean? "
"小さな舟は、つないでおけって事だよ。"
" Fortune cookie みたいな話をする男だな。会社は、俺のものだ。シートベルトも、ディスクブレーキも、燃料噴射器も、リアエンジンも採用する。"
"どうなるかな?"

帰宅したタッカーは、怒り狂う。電話を壁に、叩きつける。
"あんなクソ野郎に、会社を乗っ取らせない。"
"パパ。"
"落ち着け。"
"ごめん。"
"もしもし、お待ちください。Dad, you. ハワード・ヒューズだって。"
" Hello. 冗談なら。I'll be there. "
"行くぞ。"
タッカーは、息子を連れて、指定された空港の倉庫に赴く。
"やあ、ハワード・ヒューズだ。What do you think, kid? "
" Big. "
"皆、そう言うよ。ピスタチオは好きか?Lawyers, 飛ぶかどうか、それしか頭にない。そんな事は、問題じゃない。それに、スプルース・グースは、なぜ、そのように呼ばれるのか?おかしいかな?もう私には、分からない。人々を、私が変えたのか?宇宙レベルのユーモアなのか?以前、人々が笑っていた時、私も笑っていた。ホーマー・ファーガソンという最低の男がいてな、私も、奴にマークされているんだ。奴は、私を議会の調査の証人に召喚し、行かなければ、刑務所に送ると言って来た。既に、刑務所にいるのと、一緒さ。鉄だ。その事で、電話した。シラキュースに、ヘリコプターの工場がある。エアクルドモーター社だ。政財界とつながりのない企業だから、政治家に邪魔される事もない。このヘリコプターの会社が、君に必要な、十分の鉄を持っている。それに、経営難に陥ってるから、急げば、取引に応じるだろう。それに、高性能のアルミニウムエンジンも作っている。だが、いいか?頼むから、君は。あれ?いつの間に血が。" 

タッカーらは、ヘリコプター工場の件を検討する。
"どう思う?"    
"ヘリコプターのエンジンだ。このエンジンは、水冷式から、空冷式に改造する必要がある。At a starting point, maybe. これは、小さいのが利点だ。 Simple. エディ、分解してくれ。図面を起こす。" 
" Time, time. 裁判所でのベニントンとの戦いは、何年もかかるよ。この間、奴は、可能な限り早く、工場の設備を一新している。このエンジンは、ここで作るしかない。奴にバレないようにな。"  
"ファーガソン上院議員率いる議会の戦争調査会は、航空機設計者のファーガソン氏を召喚しました。調査会は..."
"新しいカムシャフトが、必要だ。インテークマニフォールドは、やら直しだ。"
"ヘリコプターのエンジンは、縦置きじゃないの?"
"横にするから、オイルパンが必要だ。"
"よし、兎に角、フランクリンの生産ラインに乗せられるように。以上だ。" 
" Com'on. エディ。Com'on. 明日までに、これをどうにかしないと。"

"回せ。"
"もう一つ、バッテリーを。"
エンジンが、回る。
"やった。"
車に積んで、テストコースを走らす。
"行け。やったぞ。"
"白鳥のような滑らかな感じで。どいてくれ、全く。邪魔だ。"
撮影班が、怒る。
"エディ、行け。"
タッカーとヴェラは、成功を喜ぶ。
"順調だ。エディ。交代で運転する。24時間、ノンストップで走らせる。限界までやる。" 
"頑張って。"
"うまく行くといいが。"
"いいぞ。" 
速度を測る。
"ランシング・スピードウェイ"
"素敵ね。"
"楽しんでる?"
"ええ。"
"何時間だ?17時間半だ。"
"残り?"
日が暮れ、スタンドで様子を見ている男が、電話する。
ベニントンが、電話を受ける。
"クソッ、分かった。そのまま見張れ。"
電話を切り、また電話をかける。
"チャーリーか?タッカーの野郎、とんでもないものを作った。まだ完成はしていない。しかし、現時点で、奴に追い付くには、何10億ドルもかかる。心配ない。俺に任せろ。"

タッカーが言う。
"やったぞ。"
しかし、車は、サーキットの内側の縁石に乗り上げ、横転する。
"エディ。"
皆が、車に駆け寄る。 
"カメラを回せ。"
"エディ。"
"エディ。大丈夫か?"
"救急車だ。"
" Watch out. 気をつけて。持ってて。"
エディが、よろよろと、中から出て来る。
" You OK? "
"ああ。窓が脱落した。宣言どおりだ。見ろよ。信じられん。まだ走ると思うぞ。"
"やってみろ。"
エンジンがかかる。
"ほらな。"
"すげぇ。"
"いいぞ。"
"全く、とんでもねぇ車だよ。"
"最高の走りだったぞ。撮れたか?"
"ああ、ばっちりだ。"
"撮れていないのかと、思ったよ。"
"撮れたよ。"
"ほんと?"
"撮れたよな?"
"撮れてません。" 

"そうだ。最初の図面に戻す。"
設計部で、指示を出すタッカーの下へ、ベニントンらがやって来る。
"全て、同じにする。リアエンジンも。これらの数字だけ変える。"
"タッカー。What are you going on here? リアエンジン車の製造を再開しているのか?誰の権限で行っている?"
"俺の弁護士によれば、あんたが署名した車は、あれだ。"
"許されると、思っているのか?"
"孔子は言う。小さな舟もいい。老いた漕ぎ舟は、うるさくて、どこにも行けないと。"
"私の弁護士から、説明させよう。楽しみにしておけ。 Good morning, sir. "
"誰も止められない。"
"私の弁護士から、説明させよう。"

"グリルが、美しいんです。サイドもまた美しいんです。この角度、最高でしょう。ほら、店員が、出て来た。彼にして、良かった。太った男より、ずっといい。これを見てください。"
タッカーらが、映写を見ている。タッカーの運転するタッカー車が、ガソリンスタンドに入る。
"いいでしょ。布で拭いて。タイヤのシーンは、カットした。ここが、最高なんです。見てください。"
店員が、ボンネットを開け、エンジンがなく、トランクが数個あるのに、驚く。
"見て、この表情。ほら、見て。指をズームしようかと。"
"何で、タイヤをカットした?"
"ハンサムですよ。指はどうするか。"
"指じゃなく、タイヤだろ?"
"エイブ。君も見ろ。プロモーション映画だ。"
" Come here. "
" All right. オーライ。止めてくれ。戻ってから、続きは見る。What? "
"あの驚くシーン、良かったでしょう?"
タッカーとエイブ。
"スパイみたいな真似しやがって。"
"オフィスも、会議室も、工場も盗聴されている。トイレも。テスト走行して以来だ。40人もの捜査官が、24時間、お前をつけ回している。"
"なぜ?"
"車の性能が、良過ぎた。"
"そういう事か。罠を仕掛けるか。"
"逆に、罠にかかるぞ。"
"何の話だ。I did it. 勝ったんだ。2週間後には、1日に100台生産する。"
"広告係のフランクと話した。2週間後には、お前は、ビッグ3に抹殺される。これを。辞表だ。受け取ってくれ。"
"逃げるのか?"
"船と共に沈むのは船長で、ビジネスマンじゃない。"
"俺の目を見ろ。商売上手だな。客の目を見ない。"
"駆け引きじゃない。"
"そうだろ。何を心配しているんだ?なぜ?"
"言わせるのか?"
"言ってみろ。"
" OK. 銀行詐欺で、3年、服役していた。"
" So, what? "
"奴らは、それをネタに脅す積もりだ。"
"それで、こんな小さな紙切れを出せば、大丈夫だってか?"
"私の事は、放っておいてくれ。服役から10年、前科を気にした事は、一瞬もなかった。その必要は、なかった。誰も、気にしていなかった。でも、君たち、家族に知られるのは。I'm shame. "
"なんなんだよ。"
"俺が、ガキの頃、多分5歳くらいだ。田舎で、母がよく言ってた。人と親しくなり過ぎては、ダメよ。人の希望を貰ってしまうからと。数年後、間違いに気付いた。母は、希望じゃなく、病気を貰うって言ってたんだ。聞いてくれ。タッカー。君と商売を始めたのは、金を稼ぐためだ。That's all. 分からなかった。親しくなり過ぎたら、君の希望を失ってしまうことを。"
2人は、抱き合う。
"明日の夜、ドリュー・ピアソンのラジオを聞けば、分かる。"
エイブは、歩み去る。

"ノーブル。早くしろ。"
"怒鳴らないで。"
"こんばんわ。ドリュー・ピアソンです。話題のタッカーのニュースです。彼は、宣伝上手で、自称天才。革新的な車の設計士です。彼は、証券取引監視委員会のinvestigationの対象となっていました。そして、結果が明らかになりました。非常に巧妙で、sinical 数100万ドル規模で、国中を巻き込んだ詐欺です。宣伝にある革新的な機能が装備されていないばかりか、ガラクタを手で繋ぎ合わせただけなのです。ブリキのグースなどと揶揄する声も上がっており、更に面白い事に、『未来の車』は、バックする事もできません。タッカー氏も、後戻りできないでしょう。戦用余剰品委員会のファーガソン上院議員は、調査を行いらタッカーが集めた2,600万ドルについて、明らかにしていく方針です。車の製造費用にしていない事は、明らかです。ちなみに、地方議会周辺の噂では..."
ラジオを切る。
"何であんな事を。ぶっ殺してやる。言わせたままにしておくの?" 
"俺を、誰だと思っている?意気地なしか?奴らは、パンとドーラの箱を開けた事を分かっていない。"
"パパ、愛してるわ。でも、パンドラの箱よ。"
  
"証券取引監視委員会、タッカー社の書類を差し押さえる"
"何て事。"
"お早う。いつだ?昨日の晩?証券取引委員会?"
"誰も、何も触っていません。今朝、すべての部署に通達しました。"
"記事を書いた奴に、電話を。"
" Yes, sir. "
"信じられん。"
"失礼。"
監視委員会が、やって来る。
"待ってください。勝手に、入らないで。"
" Mr. タッカー。証券取引委員会から参りました。一切の書類を差し押さえる。裁判所の許可状です。ご協力いただければ、速やかに作業を終わらせます。"
タッカーが、電話をとる。
"ひどい記事だな。事が起きる前に、印刷されるとは。"
ベニントンらの記者会見。
"私と役員は、即時有効で...辞職いたします。"
会見場に、タッカーが姿を見せる。記者は、タッカーに質問する。
"提訴した、何100もの代理店は、どうなるんですか?"
"検察に、何か言いたい事は?"
" Ladies&gentlemen, please 質問は、ベニントンが受けます。"
"工場は、いつまで?"
"工場は、公式に閉鎖されました。"

並んだタッカー車の前に、タッカーが佇む。1台のタッカー車に乗り、運転する。
"パパだ。"
工場の中を走る。
仲間が、下りて来る。
"免許証を出せ。"
"最高だな。ねえちゃんは、どこだ?"
"1人なんだよ。"
皆、車に乗り込む。 
"内装が、最高だ。"
"1週間後、ボタンを押すだけだ。1日、100台の生産が、開始される。"
"教えてくれ。6月1日までに50台作れば、工場は、取られないんだよな?"
"契約上はな。"
"今、何台完成している?"
"47。"  
"後、3台。誰がやるんだ?タダ働きは、慣れている。"
"4週間で、3台も作れない?"
"この車内で、俺の目を見て、無理だと言える者は、いるか?"
タッカーが答える。
"無理だ。" 
"  Except you. "
"あご髭も、伸ばすか?" 
"私?"
"そうだ。" 
"老けて、部長っぽく見えるぞ。"
エイブが電話をかける。
タッカーが取る。
" Hello. "
"お前か。"
"エイブ?"
"タッカー。Don't home. 警察が、お前を逮捕しようと、待ち構えている。"
" Don't home? "
"警察署には、50人から100人のレポーターやカメラマンやテレビ局まで、大勢、押し寄せている。手錠をかけられるぞ。"
" Kidding me. "
"どこか、見つからない場所へ逃げろ。 Go. "

"ネタが欲しいなら、俺がくれてやる。"
"パパ、何しているの?"
タッカーは、タッカー車に乗り込み、外へ出る。自宅前に付ける。
"ライター、持っていないか?"
近づいた警官が、タッカーと気付き、逃げるタッカー車を追う。雨に濡れる夜の道で、カーチェイス。
"どっちだ?" 
" I don't know. 見失った。"
また、タッカー車が、挑発するように、パトカーの脇を過ぎる。
タッカー車は、アパートの前に、止まる。タッカーに、記者たちが、たかる。
"もういい。下がれ。静まれ。静かにしろ。"
" Thank you. "
" What are you going on, here? "
"時速160kmで、追いかけっこしてきた。このガラクタの寄せ集めでな。"
"時速160km?"
"手錠は?"
"中へ入れ。"

" The local news. プレストン・タッカーが、今朝、出廷します。アル・カポネが有罪判決を受けた裁判所です。タッカーは、25件の郵便による詐欺行為、5件の証券取引違反、1件の詐欺未遂罪に問われています。有罪になれば、保釈金は、2万5,000ドル。最高で、155年の懲役と罰金6万ドルが科されます。"

法廷。
"着席。"
"タッカー氏の革新的な設計は、詐欺目的の精巧な構想に過ぎなかったのです。何も作る気など、なかったのです。政府は、タッカー氏の目的は、民衆を欺す事にあったと、主張しています。真の目的は、金を騙し取る事です。"
"ママは平気?すごく暑いんだけど。"
"パパなら、温度じゃなくて、嫌な空気だって言うわね。"
"タッカー社は、誠実な意図をもって、設立されました。被告人は、車を大量生産する予定でした。それが叶わなかったのは、資金不足と深刻な外部からの妨害のためです。" 
工場で、生産が再開される。
"私なら、車の供給の保証なしに、車の販売代理店に、7,500ドルの投資は、しない。代理店は、1日、1,000台供給する積もりだった。"
"私は、ガソリンスタンドと中古車販売を業としています。"
"あなたに販売券を売りに来た人物が、この法廷内にいますか?"
"彼だ。"
"証人が、キャラッツ氏を指した事を、記録してください。彼は、銀行詐欺で、3年服役した事を、打ち明けましたか?"
"裁判官。異議あり。本件と関係ありません。"
"却下します。"
"キャラッツさん。あなたは、1935年6月に、資金横領の罪で、実刑判決を受けましたね?そして、連邦刑務所に、3年服役した。"
" It's true. "
"既決重罪犯であるあなたの言う事を、信じる人が、この法廷内に1人でもいると、思いますか?"
" One. "
メカニックたちが、車を組み立てる。
ベニントン。
"経営状態の良い会社は、革新的研究に、金を浪費しません。勿論、競争により、やむを得ない場合は、別です。"
"タッカー氏は、経営状態が良い会社を築く責任があった。彼の世界最大の工場は、鋳造工場が2つと、工具と金型の製造所があり、どんな部品も作れた。では、なぜ、彼は、倉庫でエンジンを作る事にしたのでしょうか?"
"異議あり。"
"異議を認めます。"
"小さなコンロくらいしかなく..."
"質問の意図を明らかにしてください。"
"この裁判は、デトロイトが、金で買ったものだ。奴らが、自分で用意したクリスマスプレゼントだ。10年から15年の刑期でも、ラッキーだ。"
"奴は、法的には、まだ何も証明できていない。"
"何でも用意するさ。"
"私は、証券取引委員会の会計検査官です。"
"試作車のエンジンとトランスミッションに、支払った金額は、いくらですか?すべて、廃品を拾って来て作った事は、立証済みです。"
"22万3,000ドルです。"
" What? 嘘だ。" 
"誰に支払われたのですか?"
"イプシランティ機械器具工業です。"
"イプシランティ機械器具工業?どんな工場ですか?" 
"工場?倉庫だろ。"
"帳簿をでっち上げるために、あそこまでやるとは。"
"レシートも、請求書も、小切手も、銀行の明細書も私が、すべて持っているわ。漏れはないわ。彼らが言っている額とは、全く違うわ。"
"馬鹿みたい。簡単にバレる嘘なのに。"
"世間は、新聞記者を信じる。信じなくても、理解はされない。でも、新聞に、ペテン師だと書かれれば、私も車も終わりだ。それが、奴らの目的だろ?"
"家に戻って、書類をかき集めて来るわ。もっと大きい新聞ネタを、提供してやれば、いいのよ。''
"タッカー詐欺事件"
タッカーの家。ヴェラは、書類を整理する。
" I can't sleep. "
"良かった。手伝って。"
"全ての証拠は、タッカー氏が、株主から集めた100万ドル以上の金を、個人流用した事を裏付けています。
49台目に取り掛かる。
"ここに、デトロイトニュース紙が掲載した、証券取引委員会がタッカー社を調査した記事のコピーがあります。詳細な数字が書かれており、証券取引委員会が、証拠として認めるに値します。この記事の情報の入手元は、分かりますか?"
" I have no idea. "
"ブルーさん。ここに、スーザン・マクナマラんさんの供述書があります。彼女は、あなたの秘書ですね。彼女は、あなたが、デトロイトニュースの新聞記者に、報告書を渡すのを見たと、証言しています。その上、あなたは、その記者に、見返りとして、彼女に、連邦ビルにオフィスを構えさせる手配を頼んだ。こちらが、証拠です。皆さん、なぜ、証券取引委員会は、方針に反しているのに、真偽の分からないタッカー氏の情報を、公表するのでしょうか?"
"異議あり。本件に関係ありません。"
"ブルーさん。証券取引委員会が、中傷目的で、情報を公開できるなら、ブルーさんの先程の証言も、嘘だ。それで、彼が、100万ドルを横領したなんて、信じられる筈がない。"
"カービーさん。これは、容認できません。皆さん、申し上げておきますが、弁護士の陳述は、証言ではありません。カーナーさん。ほかに証人は?"
"以上です。"
50台目が完成する。
"よくやったな。"
"やったぞ。"
"まだ、1週間もある。"
"何て、美しいんだ。"
"明日は、こっちが反撃する晩だ。切り刻んで、キャットフードにしてやる。ファーガソン夫妻を召喚した。黒幕を暴いてやる。理由もやり方も。ここにある50台すべて、明日の朝8時半に、裁判所の前にずらりと並べてやる。"
一同、声を上げる。
"虎を捕まえろ。虎を捕まえろ。虎を捕まえろ。"
翌日。
"皆んなは?車は?"
"これ以上、待てん。"
"今朝のニュースについて、一言。"
"ニュースって?"
"新聞、見てないんですか?Here. "
"ファーガソン上院議員率いる...タッカー社、工場閉鎖。トルーマン大統領が任命した特別委員会は、戦時資産管理に、タッカー社が飛行機工場から退き、低価格プレハブ住宅を開発するラストロン社に譲る事を命じた。"
タッカー車が、連なってやって来る。
" Dad. "
"こっちよ。Around corner. Around corner. Hurry up. Hurry up. Around corner. "
"聞いたか?既に街中の噂になっている。"
"ちょっと、中国まで行って来た。"
新聞を渡される。
"理解できない。今日は、まだ24日だぞ。期限は、1日だった筈だ。"
"待ちきれなかったんだろう。"
裁判所に入る。 
"俺の決定だ。"
"弁護団が、付いているんです。"
"奴らに、工場を奪う法的権利はない。規定を破った。"
"タッカー車は、終わりです。それが、政治だ。ここは、裁判所だ。あなたを見殺しになんて、しない。あなたは、敵の強大さを理解していない。勝手な事は、しないでくれ。タッカー。こっちを見ろ。真剣に言っているんだ。慎重にしないと、刑務所で、20年間、過ごす事になるぞ。"
"プレハブ住宅を、開発します。"
"ファーガソン議員、どうも。"
"低所得世帯のために販売します。"
"初めて見ました。ポケットから、手を出さない政治家がいるとは。"
タッカーは、被告席に着く。
"弁護側は、これ以上、証人を召喚しません。なぜなら、検察側は、本件を訴訟として、成立させていません。最後に、裁判官。弁護側は、タッカー氏本人が、最終弁論を行えるよう、裁判所の許可を頂きたい。本件を、正しく見定めているのは、彼だけだからです。"
検察側の弁護士は、ファーガソンを窺う。
"異議なし。"
"許可します。しかし、不適切な発言があった場合、その時点で、中断します。"
"ありがとうございます。裁判官。ありがとうございます。上院議員。"
"良心的な試みは、罪ではないと言うんだ。"
"検察側は、私が、車を生産する気は、まったくなく、金を持ち逃げすると、主張しています。検察が正しいと、皆さんが判断すれば、私は、有罪です。しかし、法律では、たとえ良い出来栄えでなくても、たとえ完成しなくても、私が、車の生産を試みたなら、私が試みた事を、皆さんが信じれば、私は、無罪です。なぜなら、幸い、間違いを犯す事や、愚かである事は、違法ではないからです。私が、試作車を作成した事は、間違いで、愚かな事でしたがね。でも、この裁判中、誰一人として、私が、公言どおりの車を完成させたとは、言わなかった。その完成車が、たった今、50台、アダムス通りに並んでいるのです。陪審員の皆さん、どうぞ外へ出て、乗ってみてください。以上です。裁判は終わりだ。"
"異議あり。最終弁論に、証拠は採用されない。"
"異議を認めます。"
"陪審員に、窓の外を見せる許可を。お願いします。"
"異議あり。"
"ここから見えます。" 
"弁護側は、発言を。"
"私に車を作る気があったのかが、争点でしょう。"
"弁護側は、慎みなさい。廷吏、被告人を抑えなさい。"
"どうして。話をさせろ。"
"彼の話を、最後まで聞こう。"
"振る舞いを改めなければ、審理無効とします。誰であろうと、この法廷で、これ以上の暴挙は、一切、認めません。"
"済まない。"
" One minitue, Mr.タッカー。"
" Thank you. 私は、子どもの頃、エジソンやライト兄弟やフォードの伝記を読むのが、好きでした。彼らは、my heros. 成功して、お金持ちになる事は、単に本の中の話ではなく、この国の意義でした。アメリカは、自由企業制を、考案しました。生まれも階級も関係なく、誰であろうと、優れたアイデアが、生まれれば、それを無限に推し進める事ができました。私は、生まれるのが、遅過ぎたんだと思います。なぜなら、現在のシステムでは、一匹狼で、破天荒な事を思い付く愚か者は、世間の嘲笑を浴びるだけだからです。後に、それが、世界に革命を起こす事になるとしても。それが、実現する前に、水面下で潰されてしまうんです。なぜなら、官僚は、平静な状態を乱すより、むしろ新しいアイデアを潰すからです。もし、ベンジャミン・フランクリンが、生きていたら、無免許で凧揚げをしたかどで、刑務所行きでしょう。It's true. 我々は、爆弾を発明して、現在、いい気になり過ぎています。投下して、日本やナチを叩きのめしました。でも、大企業が、アイデアを持ったちっぽけな男の行動を妨害したら、進歩の妨げになるだけでなく、この国が、戦い、守り抜いて来たすべてのものさえ、妨害する事になります。One day, 我々は失墜し、その理由さえ分からず、かつての敵国からラジオや車を買う事になるんです。そんな事が起こるとは、信じていません。信じたくありません。Because アメリカ人の常識を信じる事を、やめてしまったら、私は、2度と立ち上がれないからです。Thank you. "
"何でやらせちまったかな。"
"着席。"
"陪審員は、評決に達しましたか?"
"はい。裁判官。" 
"被告人は、ご起立を。"
"陪審員団は、被告人、プレストン・タッカーを、not guilty. "
歓声が上がる。
"皆さん、今、ありもしないタッカーの試乗をしてみては、いかがですか?"
裁判所前は、試乗会場と化す。
" Look. 皆、君の車に夢中だ。"
"気がおかしくなるよ。"
"タッカーmotor conpanies is dead. 永遠に。"
" We made. "
"50台ね。"
"50でも、5,000万でも、構わないじゃないか。That's only machiens. 大事なのは、アイデアだよ。Dreams. "
タッカーらも乗り込み、タッカー車団は、出て行く。
"調子はどうだ?今度は、何?"
"貧しい人々が買えるように、灯油式冷蔵庫を、安くする方法はないかと思って。牛乳2本しか、入らない大きさだ。ほら。That's all. そうすれば、くる病に苦しむ子どもが、いなくなる。"
"さすが。虎を捕まえろ。"
"虎を捕まえろ。虎を捕まえろ。"
タッカー車は、50台しか生産されなかったが、そのうち46台が現存し、現在も走行している。空気力学的形状やパッド入りの内装、ポップアウト型窓、シートベルト、燃料噴射、ディスクブレーキは、デトロイトで、徐々に採用され、現在、我々が乗っている車で使用されている。プレストン・タッカーは、裁判の6年後、病気のため死去したが、彼のアイデアは、永遠に生き続けるだろう。
【感想】
バイタリティあふれるタッカーは、苦境にあっても常に前向きで、車の生産は断念させられるが、最後まで、人生の勝利者であったと言える。ジェフ・ブリッジスが好演し、天才ながらも、時に傲慢に見えるタッカーのひととなりを提示してみせた。物語は、前半は淡々と、タッカーが追い込まれる後半から、加速していった感がある。結果、映画の魅力は別として、ハートフルなストーリーを上手くまとめ、娯楽作品に仕上がっている。 

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