見出し画像

一人勝手に回顧シリーズ#クリント・イーストウッド編⑤#ダーティーハリー4/正義について又は光と陰の効果

ダーティーハリーシリーズは、5まであるが、イーストウッドが監督まで務めたのは、この4のみです。ハリーが発する『Go ahead! Make my day(さあ、やろうぜ)』というセリフは、一時期流行ったとのこと。

サンフランシスコ市警の刑事、ハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、腕は立つが、強引な捜査手法で、上層部から睨まれている。身内からも命を狙われるようになって、ハリーの行く先々で事件が起こるとされ、上司から、休養を取るよう促されるが、これを断る。

女性画家のジェニファー・スペンサー(ソンドラ・ロック)は、10年前に女子大生だった頃、女友達のレイ・パーキンズにだまされ、妹と共に、若者の不良グループにレイプされ、妹は、いまなお廃人状態にある。ジェニファーは、コルト38型で、サンフランシスコの海を臨む公園に停めた車の中で、犯人の股間を撃ち抜く。その後、更に残りの者を追って、田舎町サンポーの海を臨む家に一人で暮らしている。

ハリーは、休職の代わりに、サンポーに、事件捜査のため、派遣される。
サンポー到着早々に、カフェの強盗事件に遭遇し、街中でカーチェイスと銃撃戦を行い、犯人を捕まえるが、警察署長のジャニングスには、疎まれる。間もなく、ジェニファーが手を下した2件目の死体が見つかる。手口から、ハリーは、連続殺人事件と断定する。
そんな折、ハリーが、同僚からもらったブルドックの散歩中に、自転車に乗ったジェニファーと遭遇する。
その後、ハリーは、署長室に飾られた写真に、銃殺事件の被害者が写っているのに気付く。また、所長の息子が、被害者の友人であることを知る。息子は、罪の意識に苛まれ、自殺を図り、今は植物人間だ。
また、レイも、自分たちが狙われていることを仲間に警告する。

ハリーは、偶然、カフェでジェニファーと再会する。ハリーは、ジェニファーが起こしている事件の捜査でサンポーに派遣されていることを明かす。

ハリーは、不良グループの一人のタイロンの自宅を訪ねるが、既に遺体となっている。
レイは、弟のミック・パーキンズと、ジェニファーを待ち受け、返り討ちにする計画を練っている。そこへハリーが訪れ、襲いかかるレイとミックを殴り返し、ミックをしょっぴく。ハリーが、正面からレイを殴りつけるシーンに胸がすく。
ジェニファーは、一人になったレイを襲い、復讐を果たす。
ハリーは、海辺でジェニファーと再会し、そのままジェニファーの家でベッドを共にする。夜中に、目覚め、帰宅しようとするが、パーキンズ家に停まっていた不審車が、ジェニファーのものだったことに気付き、ジェニファーを疑う。そして、パーキンズ家に急行し、レイの死体を発見する。
その頃、ミックはクルーガーの義兄弟によって釈放され、ハリーとジェニファーへの報復を企てている。ハリーのモーテルで待ち伏せするが、代わりに同僚のホーレスが現れ、3人は、ホーレスを殺害する。その後、クルーガーの家に来ていたハリーを襲撃して、カーチェイスの挙句、車ごと海に突き落とす。

ジェニファーは、署長の息子を訪ねるが、そこにジャニングスが現れ、植物の人間になった経緯と息子を守ろうとしたことの後悔を語る。更に、ミックらが現れ、ジェニファーのコルトを奪って、ジャニングスを殺害し、かつての現場でレイプしようと遊園地に連れ去る。
ミックらは、ジェニファーの激しい抵抗に遭い、逃走・追跡が始まる。そこへ、ハリーが現れる。今度は、44マグナムを手にして。ハリーは、ミックらを一人一人撃ち殺し、最後はミックを撃つ。高台から転落したミックは、回転木馬のユニコーンの角で腹を刺し貫かれる。

ハリーは、ジェニファーに殺人容疑で逮捕しなければならないと告げるが、ジェニファーに、被害者の正義は守られないのかと問われる。
捜査官から、武器は、ミックが持っていたコルト38との報告を聞き、ハリーは、連続殺人の犯人に違いない、事件は解決したと告げる。

C.イーストウッド作品の魅力は、勧善懲悪が賛美され、正義が貫かれるところでは、ないか。
その点、本作は、胸がすく骨太の佳作である。
いつ、ハリーらが襲われるか、はらはらしながら、効果的に暗闇が使われ、その中での光と陰のコントラストがまぶしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?