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一人勝手に回顧シリーズ#ポール・バーホーヴェン編(1)#ロボコップ/サイボーグ警官の苦悩

【映画のプロット】
▶︎犯罪都市デトロイト
TVのニュース番組が流れる。デトロイトで、複数の警官が殺傷された事件、警察業務を請け負う"オムニ社"の副社長ジョーンズは、犯罪組織との対決姿勢を明らかにする。亡くなった警官の記録から、首謀者は、クラレンスと知れる。

デトロイトの警察署に、マーフィー(ピーター・ウェラー)が赴任してくる。すぐに、着替えて準備するが、近くのフレデリックのロッカーが片付けられる。犯人との銃撃で、危篤となり、息を引き取ったのだ。マーフィーは、案内されて、署の受付に来るが、逮捕された男が暴れている。それを女性警官がのす。女性警官アン・ルイス(ナンシー・アレン)が、マーフィーの相棒として、紹介される。二人は、パトカー🚓で巡視に出る。 

オムニ社の会議室。半年後の"デルタシティ"の建設が発表される。しかし、犯罪の撲滅が課題だとし、ジョーンズは、治安ロボED-209を披露する。会議参加者を犯人役として、ロボットに銃を向けさせると、ロボットは誤作動を起こし、銃を捨てた犯人役を蜂の巣にする。ED-209の計画は、中断される。そして、この機に、ボブ・モートンは、自身の"ロボコップ"の計画を売り込む。

▶︎マーフィーの死、ロボコップの誕生
マーフィーらのパトカー🚓が、無線を受ける。クラレンス一味が近くにいる。
クラレンスは、現金輸送車の中で、"カネを焦がしやがって"と怒っている。運転手が、パトカー🚓の追跡に気付きぼやくが、クラレンスは、スピードを落とせと指示する。現金輸送車の後方扉から銃撃する思惑だ。果たして、犯人らが、後方扉を開けると、パトカー🚓はなく、横につけられ、銃撃される。マーフィーらは、犯人らと撃ち合いになり、犯人の一味の足を撃ち抜かれた男が、パトカー🚓のフロントガラスに投げつけられ、犯人は逃げる。しかし、廃工場に、車がつけたのを見て、マーフィーらも後を追う。
ルイスは、立ちショーベンしている黒人に銃を向けるが、隙を突かれ、拳銃🔫を失い、2階から突き落とされる。一方、マーフィーは、TVを見て寛ぐ一味に拳銃🔫を向け、一人を射殺、一人を逮捕しようと、ルイスに応援を求める。しかし、ルイスは、気を失い、反応できない。そうこうするうちに、クラレンスほか一味が集結し、形勢が逆転する。マーフィーは、手を吹き飛ばされ、一味に蜂の巣にされる。クラレンスが、とどめを刺す。
マーフィーの遺体は、ヘリコプター🚁で空輸され、病院🏥で応急処置を受ける。
コップもののTVを見るマーフィーの息子。見送る妻と息子。
マーフィーの死亡時刻、6時15分。
マーフィー視線のモニター、医療従事者が、入れ替わり立ち替わり。モニターが切れる。ボブが現れる。"腕を落とせ"と指示する。
チタンの腕が取り付けられ、完成を祝うチーム。そして、"ロボコップ"として紹介される。
警察署に、ボブらが設備を運び込む。ロボコップは、自立歩行をしている。ボブが、ロボコップの使命を尋ねると、すらすらと答える。
射撃場。ロボコップは、一人、大きめな銃を連射している。的を外さない。アンは、ロボコップの銃捌きを見て、マーフィーだと感づく。
ロボコップが、パトカー🚓に乗り、巡視に出る。
老夫婦が経営する雑貨屋に、押し込み強盗が入る。ロボコップが現れる。銃弾をものともせず、強盗の銃をグニャっと捻る。逃げる強盗の首に手を掛け、冷蔵庫に叩き付ける。
次は、婦女暴行の現場。女を羽交い締めにし、ナイフを突きつける暴漢に、女のスカートを通して、股間を撃ち抜く。
最後は、市長らを人質に取った市庁舎立て籠もり現場。犯人と交渉するのをしり目に、ロボコップは、市庁舎に立ち入り、サーモグラフィーで、犯人の居場所を感知し、壁越しにつかみ、窓から放り出す。
ニュースショーで、ロボコップが紹介される。
ショーは、デルタシティの建設に触れ、旧市街の治安に対する懸念が付け加えられる。今や、オムニ社の副社長となったボブが、取材に答える。"犯罪を撲滅します。ロボコップで。"
ボブと同僚が、オフィスのトイレで、ジョーンズ副社長をこき下ろす。周りの用を足していた者たちが、そそくさとトイレを出る。個室にいたジョーンズが、洗面台のボブの後ろに立つ。
お前は、先輩に敬意を払わず、"一線を超えた"と断じる。"お前の汚いおもちゃが、ドジを踏まないよう、祈れ"と言い残して、ジョーンズは、去る。
▶︎クラレンスへの報復
ロボコップが、署内で、心電図を取られている。特に異常はなく、係員も目を離している。
ロボコップが、クラレンス一味に銃撃されたことを思い出し、体をビクッとさせる。次第に、反応が大きくなり、ロボコップは、立ち上がる。そして、クラレンスにとどめを刺されたときを思い出すと、部屋を出て行く。
廊下ですれ違ったルイスが、自己紹介する。そして、"マーフィー?"と問い掛けるが、ロボコップは、"行かねばならない"と言って、前に進む。ロボコップは、パトカー🚓に乗り込み、出動する。
ボブが署に呼ばれる。ルイスは、名前を呼んだだけと言う。ボブは、やつは、プログラムだ、メカだと言う。休まして、様子を見たいという意見に、ボブは、"夢見たくらいでは"と言い、署長に、"警察が口を挟むことではない。"と釘を刺す。
バイク🏍に乗ったクラレンスの手下が、ガソリンを入れるついでに、強盗を働く。ロボコップが、駆けつけ、手下に中を向ける。手下は、マーフィーだと感づく。ガスリンのホースを開けたままに、タバコの燃えさしを🚬放り出して、手下は逃げる。ガソリンスタンド⛽️が炎上爆破する。ロボコップは、逃げるバイク🏍に、銃弾を浴びせ、バイクは、駐車している車に突っ込み、手下は放り出される。ロボコップは、手下に、お前は誰だと呼び掛ける。
署の立ち入り禁止のデータセンターに、ロボコップが現れ、昨夜捕まえた手下の情報を照合する。共犯者を手繰ると、クラレンスが出て来る。容疑に、マーフィー殺しとあり、マーフィーの情報を手繰って、マーフィーの住所を知る。
ロボコップは、マーフィーの住所を訪ねる。家は、売りに出されている。仲介業者の案内ビデオが流され、家の中は、がらんどう。居間で、コップもののTVを見る息子、キッチンで、3人で過ごしたハロウィン🎃の夜、妻が記憶に蘇る。価格を伝えようとする業者のモニターに、パンチを見舞う。
ロボコップは、ディスコに🕺、クラレンスの手下を捕まえに、向かう。手下は、銃を払い除けられ、股間を蹴り上げるが、逆に足を痛める。
手下は、髪の毛をつかまれ、引きずって行かれる。
ボブは、ガールフレンド二人と、ラリっている。シャンパン🍾が届いたと思って玄関を開けたボブの前に、クラレンスが立つ。女を逃し、ボブの両足を撃つ。持参のCDを再生すると、ジョーンズのメッセージが流れる。クラレンスは、時限爆弾を置き、去る。ボブの家は、ボブもろとも吹き飛ぶ。
麻薬の密造工場。クラレンス一味が、取引にやって来る。密造団は、クラレンスとの取引を嫌がり、むしろ消したいぐらいだと言う。すると、双方の手下が、銃を構え、密造団のボスは軟化する。
その時、工場の扉が、ギシギシ音を立てて、開く。ロボコップが現れた。ロボコップは、撃ってくる者は、返り討ちにし、クラレンスが残る。逃げるクラレンスを、ロボコップは、捕まえ、数度、工場の間仕切りに叩きつける。しかし、殺すのは踏みとどまる。クラレンスは、"黒幕は、ジョーンズだ"と白状する。
警官労組と所長が、揉めている。労組は、先週5人が殉職したせいで、ストライキも辞さない。
ロボコップが、クラレンスを警官殺し容疑で、突き出す。
▶︎ジョーンズを追い詰めろ
ロボコップは、一人、オムニ社のジョーンズの下に乗り込む。ジョーンズの手元の端末には、ロボコップの位置情報が。ジョーンズは、待ち構えている。扉を開けてやり、"逮捕してみろ"と両手を差し出す。しかし、ジョーンズに近づいたロボコップは、体をくねらせる。ジョーンズが、語る。オムニ社の役員に逆らうと、回路が遮断されるのだと。そして、ED-209号を呼び出し、ロボコップを攻撃させる。ロボコップの目が見える。劣勢のロボコップだが、相手の片腕を破壊する。部屋を出た二体は、非常階段で向き合うが、ED-209号は、階段の登り降りが不得手。階段を転げ落ち、踊り場で、ひっくり返る。ロボコップは、その間に逃げる。
1階に降りたロボコップは、警官隊に取り囲まれる。さすがに、銃弾の雨を浴びて、ロボコップは、劣勢となる。地下の駐車場に転落したロボコップを、ルイスが拾う。“マーフィー"と呼び掛ける。二人は、ルイスのパトカー🚓で逃げる。
恐竜が現れ、逃げ惑う人々。車のコマーシャルと知れ、恐竜より大きい車が登場する。
TVのニュースショー、警官労組とオムニ社の団交開始が伝えられる。
釈放されたと思しきクラレンスが、オムニ社に、ジョーンズを訪ねる。昨日の乱闘で、オフィスの修理をしている。
ジョーンズは、マーフィーは、サイボーグ警官で、クラレンスの発言も録音された、ジョーンズの立場が不利になったと怒る。ロボコップを始末しろと。クラレンスは、ロボコップは、オムニ社が開発したもので、知るかと言うが、ジョーンズが、デルタシティの裏稼業を全部任せると言うと、態度を軟化する。ジョーンズは、端末を手渡す。
ルイスが、あの工場🏭に、必要な物資を届ける。ロボコップは、自分で、メンテナンスをしている。目や額を覆うカバーを外すと、後頭部をメカで覆われたマーフィーが、現れる。ロボコップも鏡で確認する。
ロボコップは、家族がどうなったか聞く。ルイスは、"葬儀の後、引越した"と答える。ロボコップは、記憶に残っていると言う。
旧市街。ごろつきが、商店を略奪している。クラレンスの一味が集結する。保釈されたようだ。クラレンスは、コブラ砲を取り出す。試しに、手下の車を破壊、炎上させる。コブラ砲を手にした手下は、車や商店を砲撃する。クラレンスは、端末を確認して、廃工場に向かう。
廃工場で、ルイスは、寝ている。ロボコップは、銃を放つ。銃声で目覚めたルイスに、ロボコップは、照準が定まらないと言う。ルイスの修正により、ビンを3本正確に撃ち抜く。
クラレンス一味がやって来る。工場の周りで、タイミングを窺う一味の後ろを取り、一人を撃ち殺す。ルイスは、パトカーを出す。
車でロボコップをはねようとした手下の車は、薬品のタンクに突っ込み、手下は、皮膚がただれる。
ルイスのパトカーが、クラレンスの車を追う。前方の注意を怠ったクラレンスは、皮膚がただれた手下をはね、物に乗り上げ、水溜り横転する。ルイスが、様子を窺うが、クラレンスが急襲し、ルイスに銃弾を浴びせる。
ロボコップがやって来る。クラレンスは、上の方の小屋に、コブラ砲が運ばれるのを見て、降参したフリをする。
迫るロボコップは、クラレンスを逮捕するとは言わない。殺すつもりだ。
上の小屋に忍び込んだ手下は、クレーンを操作して、鉄骨を、ロボコップの上に落とす。倒れ込んでいるルイスが、コブラ砲で、上の小屋を吹き飛ばす。クラレンスは、鉄骨に挟まれたロボコップを襲い、胸を、鉄の槍で突くが、ロボコップが指の間から出した針で、首を突かれる。
ルイスは、"マーフィー"と呼び掛け、私、死ぬわと言う。マーフィーは、反応し、俺と同じように、生まれ変わるさと言う。
その足で、ロボコップは、オムニ社に向かう。
オムニ社の会議室では、ジョーンズが、警察のストで、ED-209号を各所に配置する。本社の門衛として1台配置したと報告している。
正面玄関にパトカーを止め、ED-209号が警告を発するが、ロボコップは、マシンガンで、破壊する。
そして、会議室に入り、"ジョーンズは、殺人者だ"と告げる。
社長が、証拠はあるのかと、尋ねると、ロボコップは、ボブに見せたジョーンズが語る画像を映し出す。
ジョーンズは、銃を取り、社長を人質に、ヘリコプター🚁を呼べと言う。社長がジョーンズに
"首だ"と宣告する。すると、セキュリティが外れたジョーンズを、ロボコップが、撃つ。ジョーンズは、窓を破って、墜落する。
社長が、“いい腕だ。名前は?"と尋ねると、"マーフィー"と答える。
【感想】
実在の人間をベースにしたサイボーグ。だから、生前の記憶、後に残した家族やルイスのことが、かすかに残る。そして、鮮烈な、クラレンス一味から受けた銃撃の記憶。バーホーヴェンは、分かりやすく、ストーリィを運び、雄弁に画面に語らせる。分かりやすいことは、映画の美点にほかならない。

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