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一人勝手に回顧シリーズ#アルフレッド・ヒッチコック編(19)#見知らぬ乗客/殺人マニア

▶︎殺人への誘い
列車の中で、テニスプレイヤーのガイ・ヘインズ(ファーリー・グレンジャー)は、見知らぬ乗客のブルーノに声を掛けられる。ブルーノは、言う。自分は、厳格で、くちやかましい義父を疎ましく思っている。一方、ガイは、妻と離婚したがっている。ガイが、ブルーノの義父を殺し、交換に、ブルーノが、ガイの妻を殺せば、互いに動機なき完全犯罪が成立するというのだ。
食堂車に移り、ガイは、検討を促すブルーノを煙ったく思いながら、次の駅で降りるまで話を聞くが、実際、ガイは、国会議員の娘のアンと恋仲で、妻のミリアムと離婚したく思っていた。ブルーノは、疎ましい存在は、殺してもいいという考えだ。ガイは、交換殺人の提案をきっぱり断って、ブルーノと別れる。
ガイは、テーブルに、アンから送られたライターを忘れる。ブルーノは、ライターをガイに渡そうとするが、思い直して、手元にとどめる。
次の駅で降りたガイは、雑貨屋に入る。雑貨屋のレジが、妻ミリアム。ガイは、代理人と話したいと言うが、ミリアムは、気が変わった。離婚はしない。二人の子でない子を産むと言う。二人は、店の奥の部屋で、激しく口論する。ガイには、交換殺人のことが、頭をよぎる。
▶︎一人目の殺人
ブルーノは、殺人を実行に移す。二人の男と、遊園地に遊ぶミリアム。ブルーノは、一人つきまとい、ミリアムと視線を交わす。三人はボートに乗り、薄暗い対岸に渡る。ミリアムの前に、ブルーノがスっと立つ。ミリアムの首を絞めて、殺す。割れたメガネを持ち去る。
警察は、確実なアリバイがないガイを疑うが、ガイが有名なテニスプレイヤーであり、国会議員の娘と交際中なのを考慮に入れて、密かに見張ることとする。
▶︎二人目の殺人の要請
ブルーノは、神出鬼没。帰宅したガイの前に現れて、ミリアムのメガネを差し出し、ブルーノの父親の殺害を迫る。ガイは、警察に通報すると言うが、共犯で二人とも捕まると諭される。ガイは、もう会わないと言う。
夜更けに、ガイは、アンの下に行く。父が、話しをしたがっていると言い、面会する。殺害当日のアリバイを確認する。アンの妹のバーバラは、結婚に障害がなくなったと祝う。
有力なアリバイと考えた列車で乗り合わせた大学教授と、警察で再会するが、教授は前日のことを覚えていない。ガイに、"護衛"と称して、警察の監視がつく。
ブルーノが、手紙を送り、殺人を改めて促す。翌日、ブルーノが外出先に現れる。速達で、ブルーノの家の見取り図が届く。
テニスの練習を終え、クラブハウスに行くと、ブルーノが、アンらと談笑している。殺されたミリアムと酷似したバーバラが挨拶すると、ブルーノは強い関心を示す。
遂に、銃が送り付けられる。
アンの家でパーティーが開かれる。ブルーノもやって来る。殺人に強い興味を示す発言で、ご婦人がたと話が弾み、婦人を相手に、絞殺を実演する。ブルーノは、気を失い、婦人は恐怖に怯える。ガイは、ブルーノを気が狂っているとののしる。ガイは、アンに交換殺人の提案について説明する。誰も巻き込まないことを誓う。
ガイは、予告して、ブルーノの屋敷に忍び込む。父親を殺害する気はなく、警告を発するつもりだ。しかし、父親のベッドに、ブルーノが寝ており、今日は、不在だと告げる。
▶︎ブルーノ死す
なかなか殺人に踏み切らないガイに業を煮やしたブルーノは、腹いせに、ガイを殺人犯に仕立てるべく画策する。ガイが、列車の中に忘れたライターを、遊園地の殺人現場に置きに行く。  その日、ガイは、テニスのマッチ。競り合いを制したガイは、遊園地に向かう。
ガイは、ブルーノを追い詰め、メリー・ゴーラウンドの上で揉み合う。メリー・ゴーラウンドの操作手が警官に誤射され、メリー・ゴーラウンドは、猛スピードで回転する。最後は、メリー・ゴーラウンドに急ブレーキがかかり、ブルーノは、回転台の下敷きになって死ぬ。その手には、ガイが忘れたライターが握られており、ガイの無罪が明らかとなる。
【感想】
ブルーノという殺人に囚われた異常者が、ガイほか、周囲を巻き込んでいく狂気が、畳み掛けるように描かれている。

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