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一人勝手に回顧シリーズ#マーティン・スコセッシ編(12)#ディパーテッド/マフィア対警察

【映画のプロット】
▶︎サリバン
ボストン数年前
若者たちが、揉み合う。
"俺は、環境の産物じゃない。環境が、この俺の産物なのだ。昔、教会があった。"
道路側に隊列をなす警備車両。
"少なくとも、役には立っていた。"
警察と対峙する群衆。
黒人が、語る。
"差別は、憎しみを産むだけだ。"
"コロンブス騎士会は、イタリアンマフィアだ。街の一角を牛耳っている。"
"アイルランドのあの男が大統領になるまで、俺たちは、20年も仕事がなかった。黒人は、分かっていない。俺たちアイリッシュは、そこが違う。誰も与えない。自分で奪うんだ。"
カフェ。
店主が、男に金を渡す。
"俺に、こんな真似させるな。"
"2度としません。"
"カーメンは、いい女になった。自慢の娘だな。"
カーメンを呼ぶ。
"月のものは、来たか?"
今度は、耳元で、何やらささやく。カーメンは、微笑む。
"サリバンの息子か?" 
少年はうなずく。
"今は、祖母と?"
" Yeah. "
"こいつに食パンを。牛乳とソーセージ、チーズ。ハムとマヨネーズもだ。コミックは?"
少年は、大きな紙袋を持たされる。
"勉強は、できるか?"
" Yeah. "
" That's good. "
"俺もだ。人は、paradoxだ。"
"釣りは要らない。化粧品でも買え。"
少年の手を取り、小銭を握らせる。
"小遣いが欲しくなったら、L通りに来い。場所は分かるな?"
"いい子だ。"
フランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)は、サリバンを送り出す。

教会。
サリバンは、牧師を補佐する。
"アルフォンサスの魂を委ねます。彼は、死にました。この世で犯した罪をお許しください。"
"アメン。"
"教会は儀式ばかり。ひざまずいて、立って。"
自動車整備工場で、サリバンは、フランクの話を聞いている。
"儀式が好きなら、文句はないが、男なら、自分で道を切り開け。誰も与えない。自分で奪え。『我は、服従せず。』。"
"ジェームズ・ジョイス。"
"いいぞ。イタリアの奴らが、俺に指図しようとした。黙っている訳にはいかん。詰まり、そういう事だ。"

海岸で、海に向かいひざまずいた男女が、フランクらに、銃で撃たれる。
"見ろ。Funny. "
"分析医に診て貰え。"

"何者かには、必ずなれる。教会では、教えない。餓鬼の頃、言われた。警察か犯罪者になるとな。俺なら、お前にこう言う。銃と向き合えば、違いはねえ。そうだろ。"

サリバン(マット・デイモン)は、長じて、警察学校に進む。
"弾道学では、弾丸が、どう被害を与えるかを学ぶ。例えば、9ミリのホローポイントは、命中すると、先端がキノコ状に、変形。ひしゃげた部分が、何枚ものカミソリのようになる。"
射撃訓練。雨中のラグビー。
"内臓でも、肺でも、被弾個所は、えぐられ、銃のブローバックだ。"
ラグビーの試合が終わる。
" Fuck you. "
"オカマ野郎。"
"消防士は、火遊び好きばかりだ。猫でも助けていろ。"
試験。 
"鉛筆を。"
" Begin. "

戸外のベンチで休むサリバン。
"何見ている?"
サリバンは、黙って缶ビールを飲む。 
"やめとけ。警官がお似合いだ。" 
"消防士は、ホモ野郎だ。" 
"だろ?"

隊列を組み、ランニング。 
隣のずんぐりした男がサリバンに、話しかける。
"まだ半人前だし、卒業までお預けと、言われた。卒業したら、フェラして貰う。"
"立派な母親だな。" 
"うるせえ。"
"ボストンの黒人なら、差別は慣れっこだろ。"

"伝統あるマサチューセッツ州警察。今日から、君たちは、この一員となる。我が国でも、屈指の法執行機関だ。州知事として、一言。君たちを信じている。誇りと誠実さを胸に、奉仕したまえ。"
" Cngratuation. 諸君。これにて解散。" 
"サリバン。凄いな。私服刑事とは。飲み会は?"
"後から行く。"
サリバンは、車のリアシートで、小箱を開け、相好を崩す。運転席のフランクが、振り返る。
"卒業だ。"  
" Thank you フランク。"
"よくやった。ペンも教科書も、もう必要ない。"
" All right. "

射撃訓練。
"いいか。我々は、州警察だ。現場で、違いが出る。"
"州警察だ。開けろ。"
"何が違う?"
扉を蹴破り、サリバンは、中へ突進する。
"分かるか?"
"伏せるんだ。"

▶︎ビリー
" Congratuation. 今日から、君は、特別捜査班だ。" 
"ちびりそうか?"
"君の上司は、エラービー警部だが、会っておきたかった。努力して、身を立てろ。"
"チンポもな。" 
"どうも。" 
" My pleasure. "
" Thank you sir. "
" Good luck. "
女性秘書が声を掛ける。
" Congratuation. "
"どうも。"
"どうぞ、中へ。"
ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)が、代わりに中に入る。 
"座れ。"
"どんな部署か、分かるか?"
"自分の考えでは。"
"お前は、考えなくていい。OK? 何も考えるな。ゼロだ。None. 仕事の邪魔になる。ドジったら、署の恥さらしだ。"
"ディグナム流だ。慣れてくれ。"
"父親は、ボストン南部の人間だよな。伯父のジャッキーは?"
"カーペット業者です。"
"いいや、バーテンで、ノミ屋だった。'95年に殺され、空港で発見された。"
" That's right. 葬式に出ました。"
"棺は、閉じられていた。"
" That's right. "
"友達に話したか?教師を、椅子でぶちのめし、退学になる前に。お前、どれくらいイカれている?"

サリバンは、自部署に行く。同僚の男が、口笛を鳴らし、女性職員に睨まれる。
" Hi darling. "
"もう出世を?次は、巡査部長か?"
" SIUだ。いい国だよ。"
"完璧だな。" 
"俺は、上を目指す。お前だって、出世できるさ。"
"俺たちは、同じ警官だろ?"
"お前はやる気がある。力になるぞ。"
"スーツと兵隊ルック。どちらがいい?"  
警部のデスク。
"大した血筋だ。トミー・コスティガンまで伯父とはな。捜査官に銃を売り、逮捕。世間からはみ出た連中ばかりだ。" 
"何の関係が?"
"なぜ、警官の振りをする?"

"今回、新チームを組んだ。君たちは、知性と適性で選ばれた。いわば、エリート組だ。組織犯罪を叩き潰す。一部だけでも。助っ人にも、来て貰った。FBI捜査官のフランク・ラツィオだ。必ずやり遂げる。この街のブラック・リストだ。J.コスティガン。昇天前の写真だ。これが、昇天後。コステロの手下だ。フイツイ。同居している母親は、アイルランド丸出し。デラハント、右腕のフレンチ。組織のボスコステロだ。作戦を練ってくれ。私の案として、採用する。この部署で頑張れば、出世も早い。かかれ。" 
ビリー。
"父親は、まるで駱駝だ。空港の荷物係だった。だろ?父親以外は、皆、犯罪者だ。"
"神父が1人います。"
"タイで、12歳の少年と結婚した奴か。ダニみたいな一族だな。ボロ家がお似合いだ。だが、お前は、北部で育った。すました顔で、二重生活って訳だ。顔を使い分けていた。普段は、裕福な北部暮らし。週末は、顔を変え、『サウシー』で、父親とつるんでいた。言葉も変えて。別人になりすますカメレオン野郎だ。"
"精神分析を。"
"なぜ、年収3万ドルの警官に?フロイトでも理解に苦しむ。お前みたいのが、警官になって、何する気だ?"
"家族は、浮沈を繰り返す。"
"誰の言葉だ?"
"ホーソン。"
"次は、シェークスピアか。"
"なら、聞くが、警官になりたいのか、警官に見られたいのか、どっちだ?TVの警官を真似たがる者も多い。"
"黒人をぶちのめしたいか。"
”私は、警部に呼ばれた。何をしろと?"
"警部は、助けない。分かっているぞ。お前が、何者か。俺は、親友だ。だから、教えてやる。You know fuck'in cop. "
"そうだ。人を欺くのが、任務だ。だが、自己欺瞞ではない。5年間、別人になって貰う。州警察の警官ではない。" 
"本気ですか?"
"勿論だ。"
"保証するよ。学力テストは、満点。宇宙飛行士にもなれる。"
"家族も少ない。"
"家族はいない。"
寝たきりの母親を見舞うビリー。
病院の廊下で。
"ステファニーが、お前が警官になると。"
"親父の葬式に来ていたあのステファニー?"
" That's ステファニー。" 
"関係ないだろ。"
"家族を見返したいのか?" 
" You say family, who do you mean? Exactly you? "
"質問ばかりだな。"
母親が苦悶する。
"伯父さんも、自分に質問すればいい。自分は馬鹿か?餓鬼は、不良か?女房は、強欲のあばずれか?いい質問だろ?死に行く妹によくしたか。心配は、振りだけか?"
"葬式の費用を出そう。"
"お袋が死んだら、縁を切る。"

"高い天井。寄木の床。広いバスルーム。冷蔵庫は、食べ過ぎ防止のアラーム付き。"
サリバンは、住まいを探す。
"笑えない冗談です。議事堂の眺めも最高。セレブ気分を味わえる。警察官とか。"
"州警察の刑事だ。" 
"刑事さん。結婚されているんですか?"
" No. "
"この部屋は、広いですし。"
"連署人がいる。"
"それはいい。同居人がいるんですね。"
"契約書を。"
"ええ。"

葬儀。
"永遠の安らぎを与え、絶えざる光で、照らしたまえ。安らかな眠りを。彼女とすべての departed の魂が、憩われますように。"
母親の墓の前に立つビリー。花束に、F.コステロのカードが添えられているのを見る。

警部のデスク。
"どうすれば?"
"特別報酬を支払う。ボーナスも含まれる。Tax free. 警察学校の経歴は消せない。まず、crime になれ。罪は、暴行傷害でいいだろう。"
"地でいける。"
"念のため、刑務所に入ってくれ。その後、保護観察となり、精神分析を受ける。"
"社会奉仕のチャンスだ。君が必要だ。南部のビリーの顔だな。"
"週末の顔です。"
" Perfect. "
"もう一度、見せてくれ。"

ビリーは、刑務所にいる。
"ビリーだろ?"
"何か用か?"
" L通りのショーンを知っている。"
" My cousin. "
"コネはあるが、トロい。"
" I know. "
"悪気はねえ。"
ビリーは、出所し、伯父の家を訪ねる。
伯母が出て来る。
"ビリー?"
"久しぶり。"
"よく来たわね。嬉しいわ。お入り。"
食事を振る舞わられる。
"警官になるんだってね。"
"学校を追い出された。"
"新聞で見たよ。"
いとこが立っている。
"そうか。"
"それで、何故、我が家に?"
"写真を持って来た。"
"この笑顔。"
"お袋も持っていたが。Mother's dead. "
"済まなかった。ダチの葬式があって。マイケル・カネフィック。同級生だ。まだ若いのに、可哀想にな。"
2人は、2階のベランダで語り合う。
"すげえ夜だった。"
"手元に3万ドルある。生命保険の金だ。お袋が掛けていた。お前は、売人だろ。1万ドル預けたら、いくらになる?"
"おい、その前に、言う事があるだろ。"
" What? What? ふざけんなよ。聞きたいか?俺は、cop じゃない。All right? Fucki'n cousin. "
"悪党め。やっぱり俺のいとこだ。"
2人は、金を取り立てて回る。
"頭にのりやがって、プエルトリコの田舎者が。プエルトリコのPは、豚野郎のPだ。"
"少し黙っていろ。"
"やっぱり元警官だ。"
"仕事中は、ヤクを控えろ。"
"ウースターには、近づくな。ここは、やばい。"
"何で?"
"コステロのシマだ。特に、お前は、まずい。"

ビリーは、2人の男と向かい合う。
"サツじゃない。刑務所に入っていた。"
"サツだ。"
"いや、かっこつけてるけど、いい奴だ。"
"親父を知っている。ジャッキーは、伯父だ。"
"最高だった。"
"男の中の男さ。"
"イタリア人め。"
"ジャッキーに。"
"クランベリー・ジュース。"
隣の男が言う。
"利尿作用がある。女が、生理の時に飲む。生理中か?"
男の頭を、ガラス瓶で殴る。
父親の知人ともみ合いになる。
"体に触んな。"
" You know me? "
"知らねえよ。"
"殴っていいかどうかは、俺が決める。奴は、クソ野郎だが、殴られる程じゃない。ここでは、俺がルールだ。お前には、殴らせない。"
"ああ、分かった。"
" I fuck'in know you. お前の家族も。馬鹿ないとこと、今度、ヤクをさばいたら、婆様への恩は、忘れる。玉を切り落とすぞ。いいな。"
"分かったよ。"
"飲み物は?"
"クランベリー・ジュース。"
"生理中か?クランベリー・ジュースを。"
殴られた男に声を掛ける。
" Jacky's nephew. "
" What? 文句あんのか。"
殴り倒す。
"消え失せろ。"

▶︎それぞれの日々
警察。ミーティング。
"済まない。ディグナム上級巡査部長。おとり捜査担当だ。始めてくれ。"
"覆面警官は、世間に紛れる。クイーナン警部と俺以外は、接触できない。ここのトイレは、漏れやすい。"
"乗り過ぎだ。"
"奥さんに?"
"お袋だろ。"
" Fuck'in my father. "
"それより、問題はマイクロチップだ。マイクロチップ20個が、マス社から盗まれた。チップを、巡航ミサイルに使うと、数100キロ先の駱駝も狙える。チップの価値は、1個10万ドル。ある男が、チップを持って、会社を出たのが、火曜。水曜に高飛びの筈が、木曜にゴミ箱から発見。ゴミ野郎の出身は、『サウシー』だ。"
"男の名前は?"
"マイルス・ケネフィック。大卒と偽って、就職し。"
"南ボストン?"
"あんたも、学歴詐称でFBIに?"
"男の父親は、酒屋を経営している。"
"いいか。我々の狙いは、コステロだ。"
"奴は、このチップを中国に売る気だ。すべて奴が仕組んだ。クソの時も、目を離すな。"
"覆面の情報をくれ。捜査が楽になる。"
"覆面は、既にコステロの元に?"
" Maybe. Maybe not. だが、教えない。FBIは、キノコだ。暗い所に生える。頑張ってくれ。"
”普段は、いい男なんだ。嫌わんでくれ。"

サリバンが聞き込みをする。
"ケネフィックさん。私は、息子さんと知り合いだ。同じ学校に通っていた。協力してください。犯人を捕まえたい。彼は、利用され、殺された。"
"みたいだね。"
"みたい。"
"ドジでも踏んだのさ。"
"盗みは、成功した。心当たりでも?"
赤い車が、停まる。
"手でも振ってやれ。"
"帰っとくれ。"
"メモしたか?"
"『帰っとくれ』と。"
"聞き込みだ。" 
"ここは、別世界だ。コーヒーを。"

サリバンは、乗り合わせたエレベーターで、女性に声を掛ける。
"往診を?"
"どこかで診た?"
" No. でも、知っている。警官は、拳銃を使ったりすると、君に、どんな気持ちか話す。効果はある。セラピストだ。"
"この階で、予約が。"
"イカれた連中ばかりで、楽しいよ。僕は、上の階。"
"偉いのね。"
" That's right. "
"州警察?"
"ああ。ロースクールにも通う。"
"サーフォーク大?"
"ハーバードは、夜学がない。"
"調べたの?"
"だから、サーフォーク大。"
"私は、マサチューセッツ大卒。"
"やっぱり、食事でもどう?" 
"人を撃ったら、患者として来て。"
"食事できるなら、人を刺すよ。"
エレベーターの同乗者が不平を漏らす。
"住所なら調べられる。"
"冗談だ。貰っておく。"
名刺を受け取る。
" Nice to meet you マデリン。"
携帯電話が鳴る。
" Hi daddy まさか尾行は知らなかった。いや、部下もいたし。青のセダン。落書きのある白のバンは、マイクで音を拾っている。気をつけて。Have a nice day. "
コステロは、車で移動中。
"振り切れ。"
赤信号を突っ切る。尾行車は、まかれる。
"馬鹿野郎。" 

カフェ。
"これ以上、待てねえ。手ぶらじゃ、帰れない。頼むよ。"
"金曜まで待ってくれ。"
アムステルダムは、食事をしながら、様子を伺う。
"今日が金曜だ。バブー。"
"バブーじゃない。私は、シンだ。Mother fucker."
"助けたいんだ。"
"友達と言うが、私の名前を知らない。"
"払わないと、痛い目に遭うぞ。こいつを見ろ。金なんか関係ねえ。お前を殴り殺したいとさ。" 
"客も1人。どうしろと?"
"この辺は、アイルランド人地区だ。薄汚ねえ連中に、ポテトでも売れ。"
ビリーが、男たちに近づく。
" Excuse me gentlemen. "
"プロビデンスから?"
"関係ねえだろ。"
"ピザでも配達していろ。"
ビリーは、2人を殴る。倒れた男を蹴り付け、もう1人を、商品棚に叩きつけ、殴る。
"店が壊れる。"
♪何で、皆んな憎み合うんだ
"クソ。"
手を痛めると、木のポールで、突く。
"出てってくれ、出てってくれ。"
ビリーは、手をかばいながら、店を出て行く。

サリバンとマデリン。食事をとる。
"保護観察の仕事を?"
"暴力犯罪者の。" 
" Bad guys. "
" Not necessary. "
デザートが運ばれる。
"鴨がなくて、残念だ。"
"不味かった?"
" No. でも、フレンチなのに、鴨がないなんて。"
"(ケーキを)切り分けて。"
"ケーキが逃げたら、撃ってやる。参ったな。" 

ビリーは、病院で、手の手当てを受ける。

サリバン。
"『自分探し』の患者を診るのは、どんな感じ?気疲れしない?"
"つまらなかった?"
" No no no. 僕は、患者じゃない。"
"フロイトの言葉を?"
" Yeah. I do. "
"正解なら、また会ってあげる。"
"会いたいと言った?"
" Don't you? "
"その顔。"
"どうなの?"
"会いたいさ。フロイトは、『精神分析は通じない』と。『アイルランド人に、精神分析は通じない』と。"
"知っていたの。"
"まあね。警官は、アイルランド系ばかり。頑張ってくれ。なぜ、分析医に?"
"人助けのため。"
"なるほど。"
"悩みや仕事の事を忘れる事も大切よ。"
"犯罪者も?" 
"仕事がなくなる?"
"いいや、無実の人間でも逮捕する。"
"問題ありね。"
"今すぐ君を逮捕する。僕は、警官だ。"

ビリー。パブで食事している。左手にギプス。
"女と式場で、踊っていたのよ。誰かが、『ひとり親の会に行け』と。そしたら、あいつ、『負け犬の集まりだ』って。"
コステロが、ビリーの隣に座る。
"いつもの。"
"俺を知っているか?"
" No. "
"フレンチには、この前、遭ったな。"
雑貨屋で痛めつけた男がいる。
"フレンチは、本名?"
" No. "
" Come on me. "
"俺は、サツじゃねえ。いいから来い。"
"サツは、プロビデンスに肩入れしている。お陰で、大迷惑だ。"
店の事務所に入る。
"お前がシメた2人組は、マフィアの手下だ。仲間を連れて、お前を殺しに来る。お前は、殺される。俺が止めない限り。止めてほしいか?"
"俺の問題だろ。"
"調べるぞ。"
"何を調べる?"
"ご禁制の品だ。靴を脱げ。"
"靴だ。"
" I know your father. "
" You know he is dead. "
"泣き言は、言ったか?"
"一言も。"
"問題だな。"
"誰にとって?"
"俺が、そう言っているんだ。大物になれた。"
"小物だと?"
"空港の荷物係だった。"
"持っていない。"
"腕もだ。"
"来い。"
"マジかよ。"
"見せろ。裏も。"
ギプスをした手を、テーブルに打ちつける。
"なぜ、この街に現れた?"
" It's clean. "
ビリーは、痛みに、肩で息をする。
"ここは、俺が築いたシマだ。土足で荒らされるのは、心外だ。それに、クイーナンみたいな腐れ警官が、お前を送り込んだのかも。分からんが。奴らのやる事は、理解できん。"
コステロは、靴で、ビリーの手を叩く。
"お前は、警官か?"
" No. "
また、叩く。
"お袋さんの墓に誓えるか?"
"俺は、警官じゃない。"
また、叩く。
"馬鹿ないとこと、売人ごっこは、やめるか?"
"ああ、やめる。" 
"それでいい。よし、分かった。これで治せ。"
紙幣をよこす。
" I'm sorry. Neccesary. マフィアの件は、任せとけ。流れた血は、元に戻らん。"
コステロは、店に戻る。
"誰が、IRAを入れた?"
"冗談だ。お袋さんは?"
"死にそうだ。"
"誰もが通る道だ。"
女が現れる。
"言われたとおり、来たわ。"
"見せたい物がある。"
"勿体ぶって。"
"車に乗れ。"

コステロ。
"信用できるか?"
"信用できる奴など、最近、いるか?"
"ジャッキーだ。失う物がない奴は、信用できん。"
"俺は、相棒だろ。"
"お前は、100万人に1人の友だ。"
"1,000万人に1人さ。"
"お前の女房は?"
"信じていた。"
"だが、裏切った。"
"いい女だった。"
男が、女の首を、ワイヤでは締める。
"うるさい。黙っていてよ。"
女が、文句を言う。
"邪魔が入ったな。"
"酔っ払い女め。出ろ。"
"♪銀色に輝く その愛しい髪 優しいあの指
 疲れた心をなごます "
マフィア2人組の死体。
"どうか、幸あれ。マザー・マクリー。"

サリバンは、死体を検分する。
"どうやら2人は、プロビデンスの人間だな。"
"リン市警だ。お引き取り願いたい。"
"私の現場だが、譲るよ。"
携帯で、電話する。 
"死体を見た。PTSDになりそうだ。ランチどう?じゃ、後で。"
サリバンは、携帯に部品を組み込む。

コステロが電話している。
"現場の責任者は?そうか。間抜け野郎だ。犯人は、ジミー・パパスだ。勿論、本人は、やってない。"
サリバンが、電話を受ける。
"銃は、奴の車の中だ。登録はプロビデンス。"
"トランクか?" 
現場検証。
"死体を見るか。"
ジミーが、連行される。
"夕方のニュースに間に合う。"
"これで、昇進だ。"

コステロとビリー。
"座れ。ジョン・レノンの事は?"
"リンカーンの前の大統領。"
" レノン said 『I'm artist. 』、『チューバでも、ヒット曲を作れる。』"
"俺なら、こう言う。『金を捻り出す』"
"口が達者だ。Too bad. 取り入りたければ。"
"何だ?"
"聖歌隊の練習。"
"聖歌隊か。"
コステロは、ビニール袋から、切り取られた手を取り出す。
"言いたかったのは、何か見たら、そこから何を引き出すかだ。例えば、お前を見て、こう思う。何に利用できる?捨てろ。フレンチ。"
警部が盗聴する。
"下の階に捨てて来い。仕事をやろう。女房に送ってくれ。"
切り取られた手から外した指輪を掲げる。
"マスかく方の手を、残してやったのに。震え上がるぞ。"
フレンチが言う。
"そんな女じゃない。"
ビリーは、服に仕込まれ盗聴器を、プールに捨てる。
"早いな。もう死んだか。"

ビリーは、警部と連絡を取る。
"もう無理だ。盗聴器なんか、つけていられない。"
"マイクロチップだ。"
"マイクロ...What? "
"チップだ。中国と戦争になりかねない。軍事技術を、中国に売る気だ。プロセッサー、チップ、何か聞いたら、知らせろ。"
マフィアの死体。
"誰が殺した?"
"パパスです。"
サリバンが答える。
"奴に、何があった?"
"酷いもんです。刑務所で心臓発作。病院に運ばれ、ナイフで自殺しました。新聞に出ていた。"
"嬉しそうだな。"
"結果が出た。"
"そうだが、誰が得する?"
"兎に角、事件は解決した。"
"いい警官になれる。"

"免許は、持ってんのか。舐めやがって。ボスの承認の事だ。"
フランクは、男の胸ぐらをつかみ、脅す。ビリーは、戸口に立ち、様子を見ている。
"他の奴に仕切りを任す気か?コステロのシマで、勝手は許さねえ。"
もう1人の男が、拳銃を取り出そうとしているのを見て、ビリーは、男の横つらを張る。
"タバコだよ。"
"ノミ屋だぞ。"
"でも、手を。"
"何やってんだ。"
"週に2,000じゃ、赤字だ。"
"だったら、稼げ。This's America. 稼げねえ奴は、くずだ。"
"稼ぐよ。"
"それでいい。"
2人は、引き揚げる。
" Fuck. "
"歯が欠けても、生きていける。"

サリバン。
"監視班を組む。チーフは、俺だ。ドジ踏む気も、踏まれる気もない。君らは、俺が直接、選んだ。いわば精鋭部隊だ。"
警部が、会議室の窓をノックする。
"警部。"

コステロたち。
"ジミーの歯を折りやがった。"
"奴が。"
"タバコに手を。"
"あいつが、紛らわしい真似するからだ。ノミ屋と知らなくて。"
"ノミ屋の役目は、分かっているな?"
"あんたに金を払う。"

サリバン。
"SIUの細分化は、いい事だ。向こうは、信用できない。実は、問題が起きた。コステロのネズミがいる。"
" Really? "
"残念だが。"
"覆面に接触は?"
"今は、無理だが、何とかする。"

コステロ。
"ビリー。これを使え。"
携帯を渡す。
"マイキーを呼び出せ。だが、マイキーはいない。お前は、待て。連絡する。いいな。"
"分かった。"
"聞こえねえ。"
" I got it. "
" Good. "

サリバンが電話する。
" Dad. 昇進した。じゃあ。"

コステロとビリーが、レストランで休む。
車から盗撮される。
神父たちのグループ。シスターが立つ。
"失礼。"
"なあ。お前の親父が、俺たちを見たら、きっと怒りまくる。7人殺してでも、俺ののどを裂く。そういう男だ。お前が知らない父親の一面だ。"
"親父は、絶対に屈しなかった。"
"意志が強い男だった。金も望まない。そういう奴は、難しい。ジャッキーも、一緒にいるのを見たら、皆殺しにするだろう。そういう事だ。"
"何の話だっけ?"
"学校に戻る気は?"
" School? あんな所へ戻る気は、まったくない。"
"きっと後悔するぞ。"
コステロは、席を立つ。
"神父さん。"
"やあ、コステロさん。"
"噂になっている。少年が、神父にチンポをしゃぶられたって。神の使いなのに。いいか、神様は、ビンゴで金集めはしない。"
"お言葉だが、『奢れる者は久しからず。』"
"シスターは、元気か?昔は、俺とやりまくっていた。"
紙を裏返して、テーブルに置く。
"またな、cock sucker. "
"帰るぞ。"
トイレから戻って来るシスターとすれ違う。
"元爆撃手に1杯やれ。"
神父が、神をめくると、汚いイラストが描かれている。

取調べ。
"誰だって?"
"巡査が、免停中の男を。ところが、捜査リストに。"
"コステロの幹部だ。"
"今、令状を。ただ、住所を言わないし、弁護士も来ていない。"
"誰だ?"
"さあ。番号だけです。ポケベルの。"
"来ていないんだな?何回かけた?"
"2回です。"
"携帯を切るんだ。カメラを切れ。奴は、弁護士を知らない。誰のだ?"
スーツケースを持ち上げる。
"切ったか?"
"ああ。"
"フィッツギボンズさん。"
サリバンが、取調室に入る。
"まずいよ。"
"手遅れだ。"
"弁護士か?"
フィッツギボンズが言う。
"どう思う?"
"私に、伝言か、電話をかけたか?"
"あんたのポケベルに。カードを貰ったから。"
"そうか。"
"そうだ。" 
携帯をデスクに置く。
"母親に電話して。夕食に遅れると。"
フィッツギボンズは、監視カメラを見上げる。
"切ってある。電話しろ。もうすぐガサ入れがある。これは、間違いない。お前もやばい。電話するんだ。"
"俺の事は、どうでもいい。兎に角、電話しろ。" 
電話をかける。ビリーが持たされた携帯をが鳴る。
" Mam 夕食までに帰れない。色々あって。先に食べていてくれ。それじゃ、また後で。OK. Bay. "
フランクたち。札束やヤクをカバンに詰めている。
"引き揚げだ。急げ。"
部屋のカーテンに、火がつけられる。
サリバン。 
"よし。" 
"誰だ?"
"別の弁護士が来るまで、頑張れ。"
"いつ出られる?"
"最後の履歴から、住所を割り出せ。"
携帯を捜査員に渡す。
"判事には、適当に誤魔化す。これで、令状が出る。"
"なぜ、私の携帯を?"
"外にいたろ。"

フランクが、男を殴打し、ビリーが、金目の物を物色する。
サリバンの家。サリバンとマデリン。
"朝日がまぶしい。夕べの事、気にしないで、疲れていたのよ。"
フランクたちは、車の下に、火炎瓶を転がす。
"よくあるわ。"
"仕事へ行く。
車は、爆発し、ビリーたちは、逃げる。

ビリーが、カウンセリングを受ける。
"嘘をつく?"
" Why? あなたは?"
"先生に聞いている。"
"誠実が、真実とは、限らない。"
" You lie. やっぱり。嘘も方便ってやつ?それとも単なる嘘?"
"必要な嘘というのも、あると思うけど。"
"親は、酔っ払い?"
"あなたは?"
" No. "
"話を戻すわ。どう感じたか、話して。"
"俺が、どう感じたって。"
ビリーは、古い写真を眺める。
フランクと男の食卓の扉を開ける。男は、手近にあったおもちゃを投げ付ける。
"諦めろ。"
フランクは、ガソリンを撒く。
"頼む。助けてくれ。"
"すぐ済む。"
銃で撃つ。
ビリー。
"そばに、殺人鬼がいる。Mass murder. 心臓は、ばくばくしている。だけど、手は、震えない。ムショで、気付いた。俺の手は、震えた事がない。Never. "
死体にたじろぐビリーの頬を、フランクが叩く。
"しっかりしろ。"
"警官とすれ違った。"
"なぜ、警官だと?"
"ダサい髪形、センスのない服。偉そうな態度。警官も診るの?"
"仕事だから。警察学校退学者は、見ないけど。"
"もっといい仕事があるだろ。"
"そう?"
"警官は、ここに来て、話して、泣いたりするの?"
"そうね。そういう人もいるわ。家庭の悩み、武器を使用した時。"
" Weapons? いいか。皆、銃を撃ちたくて、警官になる。武器を使った時、泣くのは、TVの影響さ。警官なんて、偽善者だ。警官役の方がまし。"
ビリーは、鎮痛剤のボトルを手に取る。取り出し、呑む。
"ファイルを見たわ。" 
"保護観察"
"暴行歴があるわね。"
" Yeah."
"刑務所は、どうだった?"
"シャワーの時に、何かあったかって事?"
"何かあったの?"
" No. "
" OK. 脚を広げろ。"
"お前、何様の積もりだ。"
ビリーは、川べりで、警部らに、身体チェックされる。
"殴られたジミーは、市警の覆面警官だぞ。"
"おかしくもなるさ、うんざりだ。もう1年だぞ。"
"皆、別の顔を持って、生きている。"
"俺は、皆とは違う。"
"お前は、誰でもない。そういう契約だ。正体を知っているのは、俺たちだけだ。個人データを消してやろうか。お前は、コステロの手下。指名手配犯だ。そうしよう。"
ビリーは、激昂する。
"ぶっ殺してやる。"
"冗談だ。"
"いいか。お前は、気取ったクソ野郎だ。" 
ビリーは、ディグナムを殴る。
"2人とも、やめるんだ。"
"ふざけんな。"
"やめろ。これは、命令だ。頭を冷やせ。人に見られたら、逮捕せねばならん。車で話そう。さっさと乗れ。" 
"いつ逮捕する?どうなっているんだ。奴が、重罪犯なのは、分かっているだろう。人も殺している。Right? 人殺しを、逮捕もしない。俺が殺されて、ゴミ箱に行くのを待っているのか。"
"起訴できる。"
"黙っていろ。証拠を固めるには、時間がかかる。" 
"おかしいよ。間違っている。"
" Maybe. "
"いいか、よく聞け。マジな話だ。コステロのネズミがSIUにいる。"
" Serious? "
"残念だが。何か聞いてないか?"
" Jesus Christ. "
"辛抱してくれ。もう少しだ。後、これだけ。いいな。"
カウンセリング。ビリーとマデリン。
"ここに来た目的は?"
"命令だから。"
"そうね。でも、今日、ここに来たのは、何のため?"
" You want truth? 鎮痛剤だ。"
"嘘をつけば、楽に手に入るでしょ。"
"医者が言うか。"
"まだ処方箋を書く段階じゃない。"
"パニック発作を起こした。最初は、心臓麻痺かと。ここ来る時も吐いたし、何週間も眠れない。"
" That's true? "
"勿論、本当さ。薬が必要なのに、診察は終わりか?"
"話は、聞いているわ。"
"本当の事を、話に来た。"
"そうね。"
"私生活をさらし、プライドも捨てている。なのに、何だ。通りで、ヤクでも買えか。ふざけんな。" 
錠剤を出す。
" 2 pils? ウイスキーと銃をくれ。この頭を吹っ飛ばす。セラピーは、終わりか?"
"帰って。"
"胸糞悪い。帰るさ。本当に苦しんでいたら?よく考えろ。先生。"
マデリンは、ビリーを追う。 
"最後の患者は、いつも大変。"
"疲れているせいさ。"
" Listen. 会いに来なくても、刑務所には、戻されないわ。でも、苦しいなら、力になるわ。"
紙片を渡す。
"これは?"
"私の名刺と処方箋。"
"自殺できる量?"
"十分だわ。OK? 医者と認めてくれる?あなたは、典型的な薬物依存症よ。聞く耳があれば、いいけど。"
" Thank you. "
" I translate. "
" Good. "
"コーヒーでも、どう?"
警察。
"それは、ここへ。"
"こっちだ。"
"マイクロチップの取引現場を押さえる。取引相手は兎も角、大金が、奴に渡る。その取引現場を、モニターしている。万全ではないが、時間がなかった。"
"知っていたか?"
"サリバンの班は、顔の確認。我々は、待機だ。いいか、例の覆面が、取引を確認する。それまで待て。質問はないな?狙いは、こいつ。"
コステロの写真を示す。
"長かったが、とうとう逮捕できる。かかれ。"
"乗り遅れるな。"
サリバンが声を掛けられる。
"覆面からの指示で、黙っていた。一服するが、吸わんのか?この健康オタクめ。"
サリバンは、コステロに電話する。
" Hi dad. "
"何だ?"
"急な仕事で、夕飯には帰れない。"
" Too bad. 母さんは、お疲れだ。お前と友達抜きで、食べるか。"
"友達は、行く。"
クィーナンが、現れる。
"じゃあ、明日のお昼に。"
"母さんも喜ぶ。"
"それじゃ、父さん。"
"配置につけ。顔を確認しろ。ゲーム開始だ。"
" Thank you. "
コステロ。
"いいか?"
"その前に、教会で、告白させてくれない?"
"ホモ神父に、告白するのか?秘密を守れるのか?怪しいもんだ。"
取引場所のモニター映像。倉庫の脇に、車が停まっている。
"これなら、顔もばっちりだ。"
" FBIの協力で、携帯もトレースできる。"
"パトリオット法。テロ対策法だ。"
サリバンは、モニターを見ながら、ポケットに手を入れ、"携帯使うな"とメールを送る。
"来たぞ。"
車が、やって来る。
"コステロ、フレンチ、フィッツ、デラハント、新入りのビリー。"
コステロは、メールを確認する。
"午後10時46分。"
"携帯の電源を切れ。フィッツは、ブツを。銃を確認しろ。"
一行は、倉庫の中を進む。
"死角がある。"
"どうしてだ?"
"たった2時間じゃ、NASAでも無理だ。"
"裏手にカメラは?"
"裏手って?"
サリバンは、ため息をつく。
"やあ、ロバート。"
"コステロさん。2人、マシンガンを持っている。"
中国人が、中国語でまくし立てる。
"高官がびびっていると。"
"政府高官か。怖いね。中国人は、賢い積もりか。ビジネスの取引なのに、automatic weapon とは。"
"ブルース・リーも、カラテ・キッドも飛び道具はなし。この国では、銃を撃っても、チンポは伸びん。終身刑になるだけだ。"
捜査陣。
"国土安全保障省と組めば、良かった。"
"携帯は?"
"切っている。"
"現場一帯の通信は?"
"807回線使用中。"
"絞り込め。"
"見てのとおりだ。"
"なぜ、携帯を切った?"
"1台、生きている。"
"どこだ?"
クィーナンの携帯にメールが着信する。"$"の文字。
" Buyers there. "
生きていた携帯も、モニターから消える。
"覆面に、直接、連絡させてくれ。"
"断る。"
"誰が、カメラを設置した?"
"あんたは?"
"覆面の上司だ。お前か?。
取引現場。
"今世紀中に、台湾を核攻撃したければ、100万ドルを見せろ。"
"取引は、こうやるんだ。こっちは、ブツを用意する。そっちは、金を払う。No ticket no laundly."
"ブツを。"
チップの入ったスーツケースと札束が詰まったカバンが、床に並べられる。
モニター画面。2台の車が、走り去る。
"誰か、奴らを見たか?"
"なぜ、車に乗っていない?どうして乗っていない。誰か答えろ。"
コステロ。
"船とは、思いつくまい。"
捜査陣。
"裏手にカメラは?"
"話がある。"
"この間抜け野郎。"
捜査員を殴る。
"全部、パアだ。何やってんだ。この能無し。腕を千切って、ケツに突っ込むぞ。"

"どこかで会おう。"
"警部は?俺は、高飛びする。"
"警部はいない。話は、俺が聞く。"
"引き留めても、無駄だ。"
"会う?俺を殺したいのか?間違いなく、ネズミがいる。警部は?"
"いない。"
"奴らは、カメラに気付いていた。ネズミを燻し出すんだ。"
"方法を教えてくれ。お前、天才なんだろ。"
"ニセ情報だ。コステロの家に、盗聴器を仕掛けると。情報を流せ。SIUにだけだ。必ず、こっちに漏れる。漏れ元を探れ。クィーナン警部は?''
" He's not here. 動きがあったら、連絡しろ。"

ビリーは、マリガンをお茶に誘う。
"生活を変えてみたら?とらあえず、何もかも変えるの。"
"彼とは、いつから?"
" My boy friend? "
" Yeah. "
" 4months. "
" 4. 愛している?"
"真面目な付き合いよ。とっても。"
"彼氏は、俺みたいに、いかれている?"
"私ほどじゃないわ。真剣に付き合うと、色々あるけど、疑いとか、悩みとか。でも、一番は、疑惑ね。"
"俺たちの事、彼に見られたら?"
"誤魔化すわ。嘘ついて。でも、必要な嘘よ。All right? 前に話したわ。"

サリバンが待つ部屋に、段ボールを抱えたマリガンが、入って来る。
" Mornin. "
" Morning. 食べる?"
" Yeah. "
"見ていい?"
" Yeah. "
自転車にまたがる少女の写真。
"向こうの部屋へ。"
" What? "
"僕のも、飾らない。可愛いけど、居間に合わない。company も来るし。"
" Company? "
" Yes company. "
"なぜ州の仕事を?"
" Why not? You do. "
"学歴も資格もある。やり手なのに。"
" Yeah. "
"収入も、学校職員並み。"
"公共奉仕の精神を信じているの。"
電話が鳴る。
"僕への嫌み?ふざけてる?いい加減にしろ。"
2人は、キスする。
"何だよ。うるさいぞ。"
"出ないで。"
"君が出ろ。引っ越して来て、初めての電話だ。Your residence. "
マデリンが、電話に出る。
" Mayor サリバン's office. "
"コリンに代われ。"
" I'm sorry. "
"この人、喉が、cancer みたい。"
サリバンが、代わる。
" Hello. "
コステロ。
"何で、携帯に出ないんだ。"
"仕事だ。"
サリバンは、テラスに出る。
"バッテリーが切れて。"
"出たのは、女医さんか?"
"言ったろ。引っ越して来るって。"
"仕事をしろ。"
"俺の情報で、命拾いしただろ。"
" You listening me? "
" Yeah. "
"女医のフェラは、最高か?"
"ああ、いいよ。"
"なら働け。"
"どうやら、組織にサツのネズミがいる。"
"俺も、そう思っていた。"
"州警察。お前の仲間だ。何か情報は?"
"おとり捜査のファイルは、極秘扱いだ。がんばっているが。"
"お前は、背広の販売員か。"
"ピリピリするなよ。こっちも落ち着けない。取引の時、一緒にいた部下の情報をくれ。社会保障番号と。"
"くれ?くれだと?お前、何様だ。"
"俺が、悪かった。I'm sorry. 頼む。情報が欲しい。その情報を、警官のデータベースと照合する。情報さえあれば、必ず突き止める。"
"早漏は、いかんな。部下の情報は、渡す。Listen me. 俺を失望させたら、女医さんのケツに、ぶっといのをぶち込むぞ。"
コステロは、クィーナンらに、呼び止められる。
"よお、フランシス。"
"お袋が、そう呼んだ。"
" I know she did. 父親には、cancer だと。"
"あんたは、何て?Oh yeah, forgot. 父親はいなかったな。"
マデリン。
"ボスは、喉の手術を?"
"ボスじゃない。仕事で使っている人間だ。"
" You are liing me. "
" Not exactly. "
クィーナン。
"マイクロチップを、どこへやった?"
"マイクロチップ?Oh yeah I heard a story. 国境で、中国政府の人間を逮捕したら、ソケットが出て来たと。"
"そのニヤニヤ笑いを消してやる。"
"先に、ケツを拭いてくれ。"
サリバンとマデリン。
"守秘義務だよ。話せない事もある。仕事を、危険に晒す訳には、いかない。君の命も。聞きたいような話じゃない。"
"話してみて。"
"そのうちね。"
呼び鈴が鳴る。
"引っ越し屋さんよ。"
"一緒にいたい?"
" Yes. "
呼び鈴が、連打される。
"今、行く。間が悪いな。"
コステロとクィーナン。
"必ず、捕まえる。"
"いつの事やら。"
天使に扮した少女たちが、行進する。
"警察は、呑気でいいな。失礼するよ。天使とデートなんだ。"
コステロは、天使の後を歩く。
"フランキー。お袋さんが許した。"
アムステルダムが、額装されたキリストの絵で、男の頭を殴る。
"何で、イタリア人に、アガリを納めた?"
"俺の勝手だ。"
"ふざけるな。"
"コステロに払っても、FBIに売られる。"
" FBI? 何の話だ?"
フレンチが、爆竹に火をつけて、中に放り込む。
"おい。フレンチか?"
" FBIって何だ?"
"知らねえよ。"
"とぼけんな。クソ野郎。腐った脳みそ、吹き飛ばされたいか。答えるんだ。"
"よせ、ララっていて、何て言ったか、覚えてねえ。"
膝を、銃で撃つ。
"さっき、何て言った?"
"奴が逮捕されないのは、FBIの犬だからだ。お前も、売られるぞ。痛くねえ筈だろ。ラリっていても、痛えぞ。ちきしょう。"
ビリーは、車で去る。

クィーナンが、帰宅する。
物陰から、アムステルダムが呼ぶ。
"俺だ。"
"何をしている?"
" Come here. コステロは、FBIの犬だ。"
" FBI? "
"仲間を売って、守って貰っている。FBIと通じていたんだ。だから、起訴されなかった。"
"裏口へ。ドアを開けとく。"
クィーナンの家の中。
"水でも飲め。"
"息子のパトリック。大学生だ。女房は寝ているが、夕食はあるぞ。食べて行け。キッチンで話そう。Com'on. "
オペラを観劇するコステロ。女を侍らせている。
山盛りのコカイン。
"欲しいか?"
コステロは、白い粉をつかんで、男に掛ける。
"リズ。痺れるぞ。"
ビリーが、マフィンの拠点に入る。
"入れ。"
"本名を書け。社会保障番号と口座番号もだ。"
"口座はない。"
"俺も、現金主義だ。"
"退職年金か?"
"本名と口座番号を、全部書いたら、ここで待て。"
"冗談だろ。"
" No. "
"これに入れろ。"
封筒が、隣の男に、渡される。
"『市民』のつづりは?まあ、いいか。"
"そうじゃない。"
" 『CITIZEN』と書いてやる。"
"頭、大丈夫か?そうじゃねえよ。ふざけんな。おい、見ろよ。『シチゼン』だ。"
ビリーは、男の書類をひったくり、自分のと一緒に、提出する。
"ここにいろ。"
"伝染病になりそうだ。"
"どこ行く?"
"俺は、帰る。All right? ボスに言っとけ。"
雨の中、ビリーは、マデリンの家を訪ねる。
" Hey. "
" Hi. "
"土砂降りだ。"
"もし、邪魔なら。"
" No. 大丈夫よ。患者じゃないし。"
"引っ越し?"
"契約は、残っているけれど。"
少女の写真を見る。
" It's me. "
"本当だ。"
お湯が沸く。
"まだ迷いが?"
"違うわ。でも、決めなくちゃ。人生は。"
"決断か。"
"一度決めたら、決断に従わないと。"
"彼の所へ?"
" Yeah じゃなきゃ。"
" I know. "
"あなたを傷つけそうで。怖いの。本当の顔?"
" I think so. "
"猫は、いないの?"
" No. "
"良かった。"
2人は、激しくキスする。ベッドを共にする。
ゴルフの打ちっ放し。
サリバン。
"私が?"
"コステロのネズミが、SIUに潜り込んでいる。全員、調べ上げろ。1人残らず。"
"気が重い仕事だ。"
"疑いは、全員にある。君は、信用できる。経歴に染み一つない。私と同じだ。結婚の予定は?"
"医者の彼女がいます。"
"大したもんだ。結婚は、出世にも有利だ。既婚者は、安心感があるし、信用される。女は、こう思う。夜も頑張っていると。"
"頑張ってます。Over time. "
"いい事だ。"
"どうも。"

コステロが、建物から出て来て、車に乗り込む。封筒を手にしている。尾行するビリーは、停めた車から、様子を伺う。コステロの車が発進し、ビリーも後に続く。メールを確認する。
" Follw the envalope. "
ポルノ映画に付き合う。コステロが、喘ぎ声を上げ、後ろを振り向く。
"何やってんだ?"
"気に入ったか?"
"撃つとこだった。"
"発射しないのか?"
" Sit down. "
"冗談も通じない詰まらん奴になったか。イカれたのか?"
"違う。"
"こんな場所じゃ、逆に目立つ。"
"だったら、何で来た?"
"俺の小屋だ。"
"相変わらずだな。"
"新しい任務に就いたろ。"
"なぜ、知ってる?"
"どんな仕事だ?"
"何と『find myself』さ。"
"いい仕事だな。"
"あんたのネズミを探す。"
"皆んな、保身に走り、お前は、自分探し。見つかる訳ない。"
"俺から、提案がある。身を潜めろ。Right now. "
"消える積もりはない。"
"今は、すべて順調に見える。問題は、この先だ。"
メールが届く。
" Get visual ID. "
"クイーナンは、部署を細分化している。頭がいい。例のネズミは、俺のやり方で探す。"
" OK. "
振り返ったコステロの手に、封筒がつかまれている。例の"CITIZENs"の文字が見える。
"言うまでもないが、クソネズミを見つけられなかったら、苦しむのは、俺じゃないぞ。"
"勿論、分かっている。だから、頑張っているんだ。百も承知だって。信じてくれ。俺を信用しろよ。フランク。人を騙すのは、俺の得意分野だ。だろ?"
"生身の女がいるのに、こんなとこで、マスかく奴の気が知れん。"
"気を抜くな。"
ビリーに封筒を渡す。
"期待しているぞ。お前なら、やれる。"
コステロが、出て行き、映画館に潜んでいたサリバンが、後を追う。ビリーも続く。
"クソ。"
人混みに、サリバンを見失う。路地裏にサリバンを見つけるが、ビリーの携帯が、メールの着信を知らせる。
" Make arrest."
尾行に気付いたサリバンは、物陰に隠れ、ナイフを手に取る。間違って、通りすがりの男を刺す。ビリーは、拳銃を構える。刺された男を人々が取り囲み、ビリーは、拳銃をしまい、尾行を続ける。交差点で、サリバンは、監視カメラを確認する。
署に戻ったサリバンは、監視カメラ映像を分析する。ビリーを捉えた画像を拡大する。
"残業?"
" Hi darling. "
封筒は、サリバンの手に渡っている。
"終わった。"
荷物をまとめ、席を立つ。
"帰るよ。"  
ビリーは、コステロの本拠に戻る。イラストを描いているコステロの向かいに座る。
"ネズミ臭い。" 
ワインを嗅いで、言う。飲んだワインを、イラストにぶちまける。
"何て匂いだ。girl friend は、いるのか?"
" No. 何か問題でも?"
"場合による。気付いているか。ネズミが、1匹潜り込んでいる。Cop. 州警察か市警か、分からんが。"
" Jesus Christ. FBIかも?" 
"いいや。奴らじゃない。元女房、昔の女、馬鹿なダチ。そういう奴らが、足を引っ張る。"
"馬鹿なダチ?俺は、仲間外れだ。"
" Ha ha ha. 昔なら、こんな時は、皆殺しにした。部下全員、殺す。"
"なあ、フランク。あんたの部下は、皆んな、人殺しだよな。俺は、『人を殺せたか』? 答えは、こうだ。"違いはない"。" 
"だったら、殺せ。"
"俺が言いたいのは、疑いも、最初は、我慢する。だが、2度目は、許さない。俺を脅す奴は、誰だろうと容赦なく、弾をぶち込んでやる。OK? "
コステロは、拳銃をもてあそびながら、言う。
"俺に、言いたい事があるのか?"
"あんたは、もう70だ。OK? 狙われて、当然さ。通りで、殺されるぞ。ヤクの取引なんか、もういいだろ。金だって、ほっておいても、入って来る。"
"金は、どうでもいい。小学生の時に、牛乳代を盗んだ時からな。正直な話。女も、もう必要ない。"
コステロは、喋りながら、イラストを燃やす。好物だがな。問題なのは、ネズミがいるって事だ。チーズを齧るドブネズミが。質問がある。お前は、新入りだからな。女友達は?バーで待てと、言ったのに、なぜ、帰った?社会保障番号を、全員に書かせた。"
"質問があるなら、聞け。何でも答えてやる。Right? Look at me. 俺は、ネズミじゃない。OK? I'm not fucki'n rat. "
"詰まり、ネズミは、いると?"
"自分で、そう言った。俺は、あんたを真似しているだけだ。"
"そうか。じゃあ、お前なら、どうする?"
"あんたを恨んでいる奴が、何人いると思う?安い金でこき使う。悪徳企業と同じだ。そこで、問題なのは、誰が、あんたの事を出し抜くか。"
"俺の代わりは、俺だけだ。俺になろうとしても、死ぬだけさ。お前は、どうだ?"
"俺なら、なれるさ。仕事もできる。でも、なりたくない。あんたには。"
"責任がのしかかる。ずっしりと。"
" Yeah. "
"お先に。"
"お疲れ。クリスマスにな。"
コステロは、テーブルを叩く。
"レストランのいい点は?"
"食事が、美味いとか。"
"食べ方を見て、学べる。グロスターに船が着く。フレンチに聞け。ちゃんと食べろ。"
フレンチ。
"指示を待て。しっかりやれ。"
"任せてくれ。"
コステロが、こっそりビリーの背後に回る。
"失礼。忘れ物だ。気にするな。タバコを。何か食えよ。"
警察署。
サリバンの行く手を、ディグナムがふさぐ。
" Problem? "
"俺の回りを、こそこそ嗅ぎ回るな。"
"あなたのポストは、私が引き継ぎますよ。"
"ふざけんな。"
"覆面の情報をよこせ。"
"ホモ野郎に、ポストなどない。"
クイーナンの部屋に入る。
"警部。"
"人気者が来た。"
"嫌われ者です。"
"仕方ない。ネズミ探しは、周知の事実だ。ネズミは、誰なのか?2日前、覆面が、コステロのネズミを追った。見失ったが。"
" Really? 顔を見た?"
"いや。"
"何か手がかりとかは?"
"ない。"
"私にアドバイスがあれば。"
"コステロは、ネズミの情報が頼りだ。敵は、内にいる。ネズミを見つけろ。"
"全員を調べろ。口座取引、通信記録、病院のカルテ。誰にも誘われなくなるが、仕方ない。コーヒー飲むか?"
"州警察に、入らなかったらなかったら、ロースクールに通い、1年で、卒業できた。警官じゃなかったら。"
サリバンは、ベッドで、マデリンに語る。
"引っ越そうかな。他の街へ。"
"他の街。一から出直せるかも。"
"我慢しなくていい。駄目になって出て行くなら、君さ。僕からは無理だ。一生、アイルランドの駄目男だ。"
"他の街へ行くのも、悪くないわ。"
オフィスのサリバンは、"CITIZENs"の封筒から、資料を取り出し、コステロの手下のデータベースを検索する。

手下たち。
"サツを見分ける。"
"どうやる?"
"俺らを無視したら、サツだ。"
"あの男を見ろ。あそこだ。無視している。copだ。"
" OK. "
"簡単だろ。"
サリバン。手下を検索。
"該当者なし。"
"今のは?"
" Cop. "
" Hey その犬の種類は?" 
"無視した。サツだな。"
"警察本部長だ。"
ビリーは、昼営業のバーにいる。
返り血を浴びたコステロがやって来る。
"帰っていいぞ。新入りを使う。"
"俺の仕事だろ。"
"気が変わった。帰って休め。ジミー。モップだ。"
フレンチが、ビリーに言う。
"質問に答えたやつもいる。"
"バケツもだ。"
ビリーが、店を出ると、手下に呼び止められる。
"サツだ。"
" What? "
"無視した。サツだ。"
"いい女は、皆んな警官だ。"
"俺は、帰る。新入りを使うらしい。See you later. "
サリバン。
入手した社会保障番号で、検索するが、ヒットしない。
ビリーは、電話する。
"新入りと何か運ぶ気だ。場所は言えない。罠だ。奴から目を離すな。すぐ会いたい。No no no. Today. "
コステロが電話で話している。
"ヤクの話は?『新入り』とか、『グロスター』は、どうだ?"
サリバン。
"聞いていれば、俺の耳に入っている。"
電話が切られる。 
コステロ。
"ビリーじゃない。あいつは、シロだ。"
サリバンは、電話を掛ける。
クイーナンが指示する。  
"ネズミを見つけろ。"
"サリバンだ。クイーナン警部に、監視を付けてくれ。じゃあ頼む。"

クイーナンを監視する。
"巡査部長。なぜ、クイーナン警部を?教会でも尾行を?"
"警部でも、疑いがあれば、調べる。君のデリケートな心が痛んでもな。"
"私が、デリケート?心外だ。"
"恐らく、警部は、コステロのネズミだ。いいか。気づかれるな。" 
"目標、接近中です。"
車を、ゆっくり発進させる。
クイーナンは、地下鉄に乗る。携帯電話に出る。 
"今、どこだ?"
"振り返って。見えた?"
"ああ。"
ビリーが、座席に座り、マイクに話しかけている。
"尾行された?"
" No. 尾行はされていない。"
"次の駅で降りて、10分後に。"
"次の駅で、10分後だな。"
クイーナンに、メール着信。
"ワシントン344"
うらぶれた地区のビルに入り、屋上でビリーと落ち合う。
尾行者。
"ビルに入った。ワシントン通り。344番地だ。"
エレベーターを確認する。
"屋上だ。空きビルだ。誰もいない。"
サリバンは、考える。
ビリーとクィーナン。
"どこかで、ヤクの取引が。奴は、イカれている。手が血だらけだったり、正気じゃない。"
尾行者は、車に乗り込む。
"どうする?"
ビリー。
"普段のメンツを外している。いずれ、俺の正体はばれて、殺される。殺されるんだぞ。"
サリバンは、コステロに電話する。
"見つけた。警部と会っている。"
クィーナン。
"おい、聞いてくれ。済まないと思っている。必ず、君を救う。今すぐは、無理だが。"
コステロの手下が、電話を受ける。
"車に乗れ、大仕事だ。"
ビリー。
"FBIは?"
"妥協の産物だ。腐っている。"
ビリーの携帯が鳴る。
"Yeah."
"どこにいる?ネズミを見つけた。始末しに行く。ワシントン通り314だ(344と錯誤する。)。お前も急げ。"
"尾行されていた。奴の手下だ。"
"Impossible."
"ネズミが、知らせたんだ。逃げよう。Com'on."
コステロの手下が、到着する。建物に入って行く。
"奴らも、警部に会いに?"
サリバン。
"Yeah.そいつが覆面だ。"
"助けないと、やばい。"
警部とビリーは、階段を降りるが、手下が上がって来るのが、見える。
"駄目だ。戻ろう。"
エレベーターは、来そうにない。
"逃げろ。非常階段だ。"
警部は、ビリーを逃す。
"正体がバレたら、君を守り切れん。Go. Go."
警部は、十字を切り、タバコをくわえる。
エレベーターが着き、銃を構えた手下が降り立つ。
"火は、ないか?"
"奴は?"
"息子なら。"
"奴は、どこだ?クソ爺い。"
手下らに取り囲まれる。
"奴はどこだ?"
ビリーは、非常階段を降り切る。警部が、突き落とされ、ビリーの目の前に落ちる。
"今のは、何だ?見たか?何か落ちた。"
ビリー。
"何でだよ。"
サリバン。
"落ちたって、何が?"
"上から何かが。近づいて、確認しますか?どうします?"
手下らが、出て来る。
"どこにいた?"
"何なんだ?"
"遅いぞ。車に乗れ。"
サリバン。
"何が落ちた?"
ビリー。
"どうなっている?"
"車に乗るんだ。"
"銃を持っている。追跡しますか?"
"駄目だ。車で待て。"
"待機だとさ。"
"落ちたのは、何だ?"
"待機か。行くぞ。"
ギャングの車に発砲する。銃撃戦が始まる。サリバンは、銃声を聞くが、指示はしない。
"車に乗れ。早く乗るんだ。急ぐんだ。"
ギャングの車は、銃弾を浴びながら、逃走する。
尾行班は、クィーナンの死体を確認する。
"銃撃戦になった。1名負傷。銃で撃たれた。応援頼む。"
サリバンは、無線を切る。
"なぜ、警部は、あのビルに行った?"
エーラビー警部が尋ねる。
"No."
"どうして警部に尾行か?"
でぃ
"私が、内務調査部に頼んだ。"
"Why?"
"仕事だからさ。"
ディグナムは、サリバンを殴る。
"クソ野郎。"
周囲が2人を、引き離す。
"説明の必要はない。誰だろうと、調べる。お前が、何だ。クィーナン警部は、覆面に殺された。"
"Fuck'in lie."
"覆面の情報を見られるのは、彼だけだ。情報開示しろ。"
"パスワードは、駐車場の車の中だ。"
"Fuck'in lie."
"ふざけんな。"
"やめろ。"
エーラビーが、割って入る。
"ファイルを開け。休暇を取れ。"
"休暇?What?"
"クィーナン is dead. 私がボスだ。"
"辞めてやるよ。"
"いいから、2週間、有給で休め。"
"Good.クズ野郎。"
"黙れ。"
"I need the code."
"『ください』だろ。"

"どこにいた?"
ビリーは、尋ねられる。
"ボスが、うちへ帰れと。"
"どうでもいいが、家にはいなかった。どこにいた?"
"携帯は、『圏外』の店だ。その後、連絡が来た。何が聞きたいんだ?"
"ビリー。ビリー。"
ほかの負傷した手下が呼ぶ。
"俺は、思っていた。"
"What's that?"
"来なかった奴が、ネズミだと。"
"Yeah. So?"
"お前は、時間に正確だ。今日、連絡した時、間違えたんだ。住所を言い間違えた。でも、あのビルに、お前は来た。"
ビリーは、拳銃を構える。
"なぜ、黙っていたと思う?Tell me why."
男は、息を引き取る。

手下たち。
"タフな刑事だった。特別料金だぜ。"
"He is dead. 俺は、帰る。"

サリバンは、コステロに電話する。
"やり過ぎだ。"
"死ぬ男が、違ったようだ。"
"覆面の情報は、警部が管理していた。ディグナムも、辞めた。"
"馬鹿な奴だ。"
"辞表を出して、消えちまった。"
"うろたえるな。コリン。あの馬鹿は、俺を狙っている。ケツを見せれば、寄って来る。"
"ああ。"
"俺に、任せておけ。"
"おい。"
コステロは、妻に声を掛ける。
"立たせてくれ。"
"あたしでいいの?ケツ好きの人が、いるんでしょ。"
"口を出すな。"
"No. 出すのは、口の中よ。"

ビリーは、マデリンを待つ。
"電話しようと。"
"I know."
マデリンは、ビリーの髪を指で梳く。
"ねえ。友達には、なれない。"
"Sorry."
マデリンは、行く。
"I know."

サリバンのPCディスプレイに貼り紙。
"クィーナン 殺害"
デスクに、血に塗れた携帯が置かれている。
携帯を取り、"talk"を押す。ビリーの携帯が振動する。ディスプレイに"restricted"の表示。
ビリーは、携帯を取るが、電話を切る。金や拳銃を、カバンに詰め、携帯を睨んで、部屋の中を歩き回る。ビリーは、携帯をつかむ。サリバンの携帯が鳴る。
"Yeah."
"死人の携帯を使ったな。Who are you?"
"良かった。心配していたんだ。"
"Who are you?"
"サリバン巡査部長。警部の後任だ。"
"ディグナムに代われ。"
"ディグナムは、ショックで、休暇を取っている。我々も参っている。できれば、出頭してくれ。署に来られないか?君と。"
ビリーは、電話を切る。
サリバンは、証拠品を検分する。
車のコステロと話をしているエーラビーの写真。手帳を繰る。
"覆面警官が証言"
"コステロは、FBIの情報提供者"
▶︎一網打尽
TVニュース。
"昨日の午後、沼地で発見された遺体は、T.デラハント。市警の覆面警官と判明。現場の映像です。フェンウェイ郊外で、犯人は、現在、警察が調査中です。"
コステロらは、アジトでTVを見る。
"信じられねえ。"
"何が?"
"一晩がかりで、埋めたんだ。早過ぎだぜ。深い沼地で、犬の散歩か。どれだけデカい犬だ。馬鹿デカ犬だな。一晩かけて、埋めた。ショックだ。奴が、警官とは。I can't believe. "
"警察が、警官だって、言っているんだ。ネズミは消えた。お前は、馬鹿か。俺は、死体を沼に沈めろと言ったんだ。お前が、死体を埋めてきた場所は、保険の勧誘が、女にフェラさせるデートスポットか。"
コステロは、激昂する。
"笑うな。『リアリティTV』じゃねえ。仕事だ。"
ビリーは、自分の顔を叩く。
コステロらを乗せた3台の車は、夜の高速を飛ばす。
コステロが、携帯を取る。
"What? "
"尾行されている。"
サリバンが、告げる。 
"後方に2台。忠告しておいた筈だ。"
"やめさせろ。" 
"あんたが行く事はない。"
"尾行をやめさせろ。"
コステロは、叫ぶ。
"All right."
電話を切る。
"いまいましいネズミめ。"
"ここは、ネズミの国だ。"
サリバンは、尾行中止を指示する。
"Stop. Stop. 尾行中止だ。必要ない。"
エーラビーが問いただす。
"どうして?" 
"覆面から連絡があった。尾行がバレている。"
"覆面?"
"警部が死んで、連絡してきた。"
"聞いてないぞ。"
"行き先は分かる。"
"場所を?" 
"Yes. 何をするかも。特別部隊を。今夜、奴を逮捕する。"
"全員出動だ。"
"全車両。尾行中止だ。"
尾行車両は、道をそれて行く。
ビリーは、メールを打つ。
"シェフィールド"
サリバンが、メールを受け取る。
"シェフィールドの倉庫だ。そこで、ブツを積む。よし急げ。"
コステロらは、倉庫に着く。パック詰めされたコカインの山。
警察車両が、到着する。
コステロは、ブツを、試しに舐める。
"積み込め。"
ビリーがコステロに言う。
"尾行は、大丈夫か?"
"見ただろ?"
"あれは、おとりかも。"
"急げ。"
コカインは、車に積み込まれる。
"引き揚げるぞ。"
ビリーは、機転を利かし、車を降り、告げる。
"裏口を調べてくる。"
"行くぞ。"
車は、発進する。目の前に、警察が現れる。
"クソったれ。"
銃撃戦が始まる。
"なめんな。"
"何とかしろ。"
手下らが、次々、撃たれる。コステロの乗った車も、銃撃を受け、バックする。後部が、壁にぶつかり、コステロは、外に逃げる。コステロの乗っていた車は、前進し、プレハブ小屋に突っ込む。
ドライバーのフレンチは、拳銃で、命を絶つ。
"あばよ。"
車は、爆発、炎上する。
コステロは、携帯で連絡を取る。近くで、シンクロするように、着信ベルが鳴る。重機置場で、サリバンと落ち合う。
"一体、どういう事だ。"
"FBIの犬なのか?Fuck'in kidding me? "
コステロは、血を吐く。
"俺は、FBIと通じていた。"
"俺を売ったか?"
"誰を売るかは、ちゃんと考えている。企業秘密だが。"
"フランク。俺を売ったか?"
"子供の頃から知っている。売る訳ない。お前は。"
"息子同然?あんた、何やってんだ。人殺しに、ヤクと女。No sons. "
コステロが銃を向け、サリバンは、コステロを撃つ。コステロは、血を吐き、後ろに倒れる。はずみで、弾が発射され、サリバンは、重ねて銃を放つ。
"ネズミ野郎。"
コステロが手にした携帯が鳴る。
サリバンは、手に取る。女の声。
"フランク。"
"Yeah. "
"Who's this?"
"グウェン。"
"フランクは?"
"撃たれた。死んだよ。"
電話を切る。
"こっちだ。コステロを捕まえた。"

サリバンは、署で、拍手で迎えられる。
"どうぞ。"
カップを渡される。
"Thanks."
"こちらこそ。"
"Long time for you. "
"どうやって彼を?"
"警部の携帯からだ。知り合いか?"
"警察学校の同期です。"
ビリーが、署に来ている。
"やっと会えた。サリバンだ。携帯で話した。"
"Yeah."
"どのくらい、潜入していたんだ?"
"Long time. 本当に長かった。"
"Yeah."
"大きな借りができた。功労章に、君を推薦したい。"
"金色の星が貰える?"
"名誉ある勲章だ。"
"身分を返してくれ。That's all. "
"警官に戻る訳だ。"
"No. No. 警官じゃなく、自分に戻りたい。早く調べろ。無礼は、許してくれ。分析医としか、まともに話してなくて。"
"で、セラピーは?効果はあった?"
"コステロのネズミは?"
"必ず見つける。見つけて、逮捕する。"
"そうか。"
"何か知らないか?コステロが言っていた名前とか、何でもいいから。"
"もう警官じゃない。金を貰ったら、帰る。"
"それは、もっともだ。当然だよ。ただ、パスワードがなくて、調べられない。"
"It's my name. ウィリアム・コスティガン。念のため、聞いておいた。"
"本名か。All right. その手があったか。向こうで、調べて来る。パソコンの調子が悪くて、2分だけ待ってくれ。"
ビリーは、サリバンのデスクに、"CITIZENs"の封筒を見出す。封筒を戻し、ビリーは、署を出る。
"確認できた。金を払うよ。"
ビリーはいない。封筒が見られたのに、気付く。ビリーの登録情報にアクセスし、データを消去する。
ビリーは、オフィスを出るマデリンを呼び止める。
"I know. 会いに来たんじゃない。OK? 違うよ。君に、頼みがある。預かってくれ。For me. OK? "
"What is it? "
"頼めるのは、only you. 俺に、何かあったら、開けてくれ。君しか信用できない。Please."
"いいわ。"
"済まない。こんな真似して。頼める人がいなくて。Noone else. 悪かった。"
ビリーは、去る。
"私は。"
"じっくり考えて、それでも言いたきゃ、2週間後に言えよ。OK?"
マデリンは、封筒に"コスティガン"と記して、しまう。

マデリンは、寝ているサリバンの胸に、手紙を置く。
"死ぬ夢を見た。"
"死ぬのは、大変。生きる方が、ずっと楽。"
"これは?"
"Open it. "
"これ。Really? "
"Yeah."
マデリンは、笑う。
"医者が言っていた。これが。"
胎児のマンモグラフィー画像。
"ペニスだって。"
"Boy."
"男の子は、母親似よ。"
"まだ平気かな?"

マデリンは、郵便物をあらためる。ビリーから、サリバン宛の封筒に気がつく。サリバンは、シャワー中。マデリンは、封筒を開ける。
"聴いてみろ"と添えられたCD。
マデリンは、再生して、ヘッドホンで聞く。
"クソネズミを見つけられなかったら、苦しむのは、俺じゃないぞ。"
"勿論、分かっている。だから、頑張っているんだ。百も承知だって。信じてくれ。例のネズミは、俺のやり方で探す。俺に、任せてくれ。人を騙すのは、俺の得意分野だ。"
ヘッドホンを付けたまま、シャワー上がりのサリバンを見る。
"Why?"
音声を出す。
"サツのネズミがいる。"
"俺も、そう思っていた。"
"州警察。お前の仲間だ。何か情報は?"
"おとり捜査のファイルは、極秘扱いだ。"
サリバンは、CDを止める。
"嘘つきは、私だと思っていた。"
マデリンは、部屋を出る。
"訳があるんだ。"

ビリーは、携帯で話す。 
"会話を録音して、テープを弁護士に預けていた。いわば保険だ。弁護士が、俺の所へ来た。俺を信用していた。音は、クリアだったか?"
"何が欲しい?" 
サリバンが言う。
"俺の身分を返せ。嘘つき野郎。"
"Where are you?"
"今日の午後3時、あのビルに来い。"
マデリンは、鍵をかけて、部屋に籠もっている。
"Open the door. Open. 言った筈だ。This is my job. "

ビリーは、拳銃を手に、ビルの屋上で待つ。サリバンが、やって来る。
"動くな。"
"銃を降ろせ。俺は、話し合いに来たんだ。分かっている。金なら払う。"
"What did you say?"
"金なら払う。"
ビリーは、サリバンを殴る。
"お前を逮捕する。"
手錠を架ける。
"テープが何だ。ネズミは、奴だ。俺じゃない。ネズミは、コステロだ。"
"黙れ。立つんだ。"
"市民が逮捕かよ。警官は、俺1人だ。お前は、名もない。"
"黙っていろ。"
"俺は、州警察の警官。お前は、何だ?身分は、削除した。"
"削除した?"
"撃てよ。どうなる?"
"弾丸が、頭を貫通する。"
"やってみろ。"
"そして、演奏付きの立派な葬式か?Fuck you. Fuck you. 逮捕してやる。"
"馬鹿は、お前だ。"
"黙っていろ。"
サリバンを殴る。サリバンは、横たわる。
"起訴は、関係ない。逮捕できれば。"
太った黒人が現れ、銃を構える。
"銃を捨てて、離れろ。"
"お前を呼んだのは、俺を知っているからだ。下で、待っていろ。"
"銃を捨てて、離れるんだ。"
"ディグナムはどこだ?"
"こいつを撃て。"
"銃を下に置け。"
"ネズミはこいつだ。証拠もある。立証もできる。"
"だとしても。まず銃を捨てろ。"
"コステロとの会話テープもある。"
"撃つんだ。"
"俺の事を、お前は、知っている。下に連れていく。知ってるだろ?"
ビリーたちは、エレベーターに乗り込む。
"陪審員の前で、どう説明するんだ?楽しみだよ。"
"殺してくれ。俺を、殺せ。"
"殺してやるさ。"
1階に着くや、ビリーは、男に額を撃ち抜かれる。
黒人もやって来て、死んだビリーを見て、銃を下ろすが、男に撃たれる。
"ネズミは、自分だけと?売られる寸前だった。俺たちだけだ。Do you understund? 2人で乗り切るぞ。"
"銃を。"
サリバンは、男を撃ち殺す。
"バリガン巡査が、襲い掛かって来たので、発砲しました。それが、頭に命中。私は、すぐに2人の元に。息を確認しましたが、既に手遅れでした。功績を讃え、コスティガンを功労章に推薦します。"
バグパイプが演奏される中、ビリーの葬儀が行われる。
"永遠の安らぎを与え、絶えざる光で照らしたまえ。安らかな眠りを。彼の魂とすべてのdeparted の魂が憩われますように。"
参列したマリガンは、涙ぐむ。
"小隊。左向け左。用意。撃て。"
葬儀が終わる。
"すぐ行く。"
サリバンは、マデリンを待つ。
"子供は?"
黙って、通り過ぎる。

サリバンが、買い物を抱え、帰宅する。
ディグナムが、銃を向ける。
"OK. "
顔を撃たれる。ベランダの手すりにネズミ。窓から、寺院の屋根が見える。
【感想】
共にボストン市南部で育ったディカプリオとM.デイモンは、面識のないまま、マフィアと警察に、それぞれ"ネズミ"として、潜入する。素性が暴かれることに、怯えながら、互いを意識するようになり、最後は対決する。動のディカプリオに対し、肝の座ったM.デイモンは静といった雰囲気をまとう。恐らく、普及期にあった携帯が、盛んに鳴り、またメールを飛ばし、物語を急転直下させる。携帯が、小道具として、巧みに使われている。

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