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一人勝手に回顧シリーズ#アルフレッド・ヒッチコック編(11)#疑惑の影/悪は戒められたのか

チャーリー・オークリー(ジョセフ・コットン)は、ニューヨーク🗽のアパートの一室で、ベッドに横になって、葉巻をくゆらせている。ふと、思い付いて、外出したチャーリーは、ニュートン家に嫁ぎ、カリフォルニアのサンタ・ローザに住む姉に電報を打つ。「ご無沙汰しているが、木曜日に伺う。詳しいことは、決まればまた。」
チャーリーの姉夫婦は、3人の子どもと暮らしている。長女の名前もチャーリー(テレサ・ライト)だが、羽振りがいい叔父のチャーリーに憧れ、電報を打とうとするが、叔父さんも電報を打っていて、これは、テレパシーだと有頂天になる。
叔父のチャーリーが、サンタ・ローザの駅に降り立つ。家に着き、叔父のチャーリーは、みんなにプレゼントを渡す。姪のチャーリーには、エメラルドの指輪。指輪に、他人と思われるイニシャルが彫られており、叔父のチャーリーは、宝石屋に文句を言うというが、姪のチャーリーは、構わないと言う。

ある日、新聞を読んでいた叔父のチャーリーは、次女らに、新聞紙をちぎり、折りたたんで、家を作るが、子どもたちは、関心を示さない。叔父の部屋を片付けた、姪のチャーリーは、叔父の上着のポケットに、新聞が畳んで入れてあるのを認め、不審に思う。
ニュートン家を、政府の調査員2名が取材に来るという。標準的な家庭の暮らしぶりを知りたいとのこと。叔父のチャーリーは、取材には協力しないと言う。
チャーリーは、姪の案内で、義兄が勤める地元の銀行を訪れて、400万ドルを預金する。
約束どおりやって来た調査員は、ニュートン夫人に取材する。2階に上がった際に、叔父のチャーリーを認め、写真を撮るが、チャーリーに、フィルムを出せと言われ、調査員は、すり替えたフィルムを渡す。
調査員の一人、グラハムは、姪のチャーリーに、夜、街を案内してほしいと言う。グラハムは、自分は刑事だと明かす。そして、未亡人連続殺人事件の容疑者の一人が、叔父で、捜査している、叔父が逮捕されるようなことがあれば、この街では逮捕しないと言い、協力を求める。
叔父に会わないよう、外付けの階段で2階に上がったチャーリーは、叔父の部屋のくずかごから、新聞記事を拾い、中身を見る。しかし、関連する記事は見つからない。妹に、図書館が21時まで開いていると聞き、チャーリーは、夜の街に、またとって返す。無理矢理、21時を過ぎた図書館を開けさせ、新聞を確認すると、未亡人殺しの犯人が東部から逃亡しているという記事があった。
指輪も、未亡人から強奪したもののように思えてきた。
なお、作中、ワルツとそれに合わせて演舞するカップルの一団が、不吉な予兆として、差し込まれる。
夕食のテーブルで、姪のチャーリーは、叔父が誰かに追われている悪夢を見ると、カマをかける。
テーブルで、婦人会のスピーチで、叔父が何を話すかが話題となる。叔父のチャーリーは、未亡人が、のんべんだらりと暮らしていることに、憤りを覚えるとの自説を披露する。人間でなく、ブタだとまで言い切る。そこに、ニュートン夫の友人のハービーが訪れ、ニュートンと毒薬談義をする。姪のチャーリーは、嫌悪をあらわにする。席を立ったチャーリーを、叔父のチャーリーが追う。二人は、バーに入る。叔父から刑事に何を聞かれたか尋ねられ、姪は話をはぐらかす。家族の中心なのだから、気にするなと諭されるが、姪は、プレゼントされた指輪を差し出す。叔父は、みんな夢を見ている。しかし、一枚皮をめくれば、目を背けたくなるような、過酷な現実があり、天罰が下っても仕方がないと諭す。
家の前まで戻り、叔父は、別の容疑者が捕まれば、疑いは晴れる、それまで協力をと懇願し、姪は、早く逃げてと言う。

教会の外でグラハムらが待っている。姪のチャーリーを呼び、別の刑事サンダースが歩きながら打ち明ける。こないだ叔父に差し出したフィルムは、すり替えており、叔父の写真を、殺人の目撃者に見せている、じき判明すると。早く逃がせと。
家の玄関では、叔父のチャーリーが待っている。すると、父とハービーが、連続未亡人殺害犯の容疑者一人が、逃走中、飛行機✈️のプロペラに吸い込まれて死んだ。警察は、真犯人と断定と話しながら帰ってきた。叔父はご機嫌になるが、姪が疎ましい。そこへ、グラハムがやって来て、姪のチャーリーと屋内ガレージの中で話す。事件の叔父の疑いが晴れたことと、グラハムに気があることと。
ガレージの扉が勝手に閉まり、力づくで二人は外に出るが、叔父が手持ち無沙汰に立っている。グラハムは別れを告げるが、プライベートでまたやって来ると断る。
買い物に出かける姪のチャーリーが、外付け階段のステップを踏み外す。叔父が、細工をした模様。
当面、姉の家にとどまることを決めた叔父を、姪はののしる。
叔父がスピーチする婦人会の日。みんなが外出の支度をする。叔父のチャーリーが、人数が多いので、タクシーを呼び、車には、叔父と姪とが乗ることを提案する。一方で、叔父は、ガレージの車のエンジンを始動し、ガレージを排ガスで満たす。
車を出しに行ったチャーリーは、煙に巻かれる。ハービーが、ガレージに誰か閉じ込められていると言いに来る。
助け出された姪は、叔父に気づくと、消えてなどとののしる。
姪のチャーリーは、グラハムに連絡を取ろうとするが、捕まらない。叔父の部屋を探って、エメラルドの指輪を見つける。
婦人会が終わり、客を連れて、ニュートン一家が帰ってくる。叔父のチャーリーは、乾杯のグラスを掲げて、明日、出立すると打ち明ける。
翌日、皆の見送りの中、叔父のチャーリーが去っていく。列車が動き出すまでの間、列車に上がり込んだ姪のチャーリーは、車中に引き止められ、通用口で叔父に突き落とされそうになるが、形勢逆転し、叔父を突き落とし、叔父は向かってきた汽車に轢かれる。

サンタ・ローザの教会で、叔父の葬儀が行われる。姪のチャーリーは、駆けつけたグラハムと、教会の入口で将来を誓い合う。

叔父のチャーリーには、最後まで疑惑が拭えないが、不慮の事故死という形で、禊ぎを終えた。ハッピーエンドとは言えないが、勧善懲悪は貫かれた。

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