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一人勝手に回顧シリーズ#ポール・バーホーヴェン編(2)#トータル・リコール/火星への憧れ

【映画のプロット】
▶︎火星の夢
ダグラス・クエイド(アーノルド・シュワルツネッガー)は、女と手をつなぎ、赤い火星の岩山を歩く。ダグラスが、踏み外し、崖を転落する。フェイスシールドが割れて、ダグラスの顔が膨張する。声を上げて、ベッドで目覚める。妻のローリー(シャロン・ストーン)が、"火星の夢を見たの?“と声を掛ける。夢には、いつもブルネットの女が出て来る。女が誰かは、ダグラスにも分からない。ローリーは、謎の女に嫉妬する。二人は仲直りして、ベッドで🛌じゃれ合う。
ダグラスは、朝食をとりながら、TVニュースを見る。火星で暴動が起こり、軍隊が介入したとのこと。 
ローリーは、悪夢の原因だとして、TVを消す。
ダグラスは、ローリーに、火星に移らないかと持ちかけるが、拒絶される。
またTVをつけたダグラスに、ローリーは、抱きつき、どこかへ旅行をと、提案する。
ダグラスは、仕事に行くが、今の仕事は、物足りないと、こぼす。
▶︎リコール社
ダグラスは、地下鉄Ⓜ️に乗り込み、車内のモニターで、''記憶を売る"リコール社のCMを目にする。
ダグラスは、建設現場で、岩盤を砕く。同僚のハリーに、"リコール社"の評判を聞くが、ハリーは、"植物人間になりかけた"のを知っていると、言う。
ダグラスは、仕事終わりに、リコール社を訪ねる。職員から、土星🪐旅行を勧められるが、"火星“と、希望を伝える。料金やプランなどを説明され、植物人間うんぬんの話は、大昔のことと、一笑にふされる。更に、最近始めたプランとして、別の人格になって、旅行するプランを勧められ、ダグラスは、興味を示す。
ダグラスは、施術を受ける。女医に、好みの女性のタイプを聞かれ、"ブルネット、筋肉質、奔放、従順"を選択する。相手の女性が決まったようだ。ダグラスは、眠りに落ちる。
接客中のマクレーンが、女医に呼ばれる。施術台の上のダグラスが、二人に押さえつけられている。ダグラスは、"みんな殺される"とうめく。女医によると、まだ施術前で、火星に行った記憶を誰かに抜かれていると言う。マクレーンの首を絞めるダグラスは、精神安定剤を注入されて、眠りにつかされる。マクレーンは、とにかくダグラスにリコール社の記憶を残すなと、指示する。
ダグラスが気付くと、ロボットが運転するタクシーに乗っている。タクシーは、🚕駅に着く。ハリーが出迎える。リコール社に行っただろと、聞かれるが、ダグラスに記憶はない。一杯付き合えというハリーを振り切ると、男3人に、体の自由を奪われ、人気のない所に連れ込まれる。ハリーは、銃をかざし、"火星のことをしゃべっただろう"と喚く。ダグラスは、力尽くで、男たちを振り切り、銃を奪い、一人を射殺する。ダグラスは逃げる。
家では、ローリーが、3D画像を呼び出して、テニス🎾のレッスン中。帰宅したダグラスは、電気を消して回り、スパイに殺されかけたと、語る。今日、リコール社に行ったと、正直に話し、スパイの親玉は、ハリーだと言う。両手に付いた血🩸を見せ、医者に電話するローリーに、"誰も呼ぶな"と言う。
ダグラスが、血を流して、洗面室から出て来ると、銃で狙われる。椅子を投げつけて、電気を点けると、ローリーだった。銃を奪われた後も、包丁で切りつけ、パンチ・キックを繰り出す。ようやく押さえ付けたローリーは、結婚は、植え付けられた記憶、自分は、"妻"という役割だが、実際は監視役、ダグラスの一生は、"機関"に植え付けられた記憶と語る。最後にと、ベッドに誘うローリー。モニターに、追っ手が映っている。ダグラスは、"あばよ"とローリーを殴りつけ、銃を持って出る。
追っ手は、ダグラスのいない家に入る。ボスとローリーは、顔見知りのようだ。ローリーは、"ドジった"と言う。
家のモニターに、ダグラスの所在が映される。追っ手は、地下鉄に向かう。
ボスは、ローリーてキスをし、"ここを出ろ"と指示する。"彼は戻って来る?"と聞くローリーに、ボスは、"帰るもんか"と切り捨てる。
地下鉄Ⓜ️のセキュリティチェックゾーンで、ダグラスの銃が引っかかる。ダグラスは、ゾーンの壁を破って、逃げる。地下鉄Ⓜ️ホームに向かうエスカレーターで、銃撃戦になり、ダグラスは、人混みを盾に、追っ手を射殺する。追っ手は、残り二人。ダグラスは、発車した車両に、窓を破って、転がり込む。
取り逃がした追っ手の一人は、ボス、リクターに、恋人をやられて、と同情する。本部から司令が入り、黒幕は、"なぜ、ダグラスを殺そうとする"と問い掛ける。"ダグラスには、記憶を植え付け、ローリーと暮らさせろ"と指示されるが、スルーする。
追っ手は、ショッピングセンターに向かう。
ダグラスは、"ホテル リッツ"に部屋を取る。部屋の電話が鳴る。男が、つけられている、発信機は頭の中だ、濡らしたタオルを頭に巻けと言う。それから、指示に従い、窓から下を見下ろすと、男が電話をしている。預かったスーツケースを、ここに置くから、取りに来いと言う。名前を尋ねると、火星の"機関"で一緒だったろうと言われる。スーツケースを取りに行くと、先に見つけた老婦人と取り合いになるが、力づくで奪う。
その頃、追っ手たちは、ダグラスを見失う。
スーツケースを手に、歩いていたダグラスは、追っ手の車と出くわす。ダグラスは、ロボットタクシーに乗り込むが、行き先を指示しないとタクシーは動かない。ロボット🤖を取り外し、ダグラスは、手動でタクシーを動かす。ダグラスは、廃工場に逃げ込む。客を降ろしたタクシーは、自走し、壁にぶつかり、炎上する。
ダグラスは、工場を上がり、スーツケースを開ける。キャッシュ、カード類、3D画像を投影する端末、妙な危惧、モニター端末。モニター端末を起動すると、ハウザー(=ダグラス)が現れる。ハウザーは、火星で、コーヘイゲンの下で働いていたが、追われる身となった。ハウザーとなり、コーヘイゲンを倒せと命じられる。
そして、モニターの指示どおり、鼻に妙な器具を突っ込み、発信機を取り除く。ハウザーは、すぐに火星に行けと言い、手順を説明する。
▶︎火星へ
その頃、追っ手たちは、廃工場で爆発があったのを感知し、現場に向かう。配下がより集まり、多数が廃工場に🏭集結する。発信機を頼りに、中へ踏み込むが、ハウザーは、逃げた後。発信機は、食べ物に埋め込み、ネズミが🐀もてあそぶので、追っても、見当違いばかりとなる。
ハウザーは、火星に到着する。リクターらも到着し、コーヘイゲンの手下に迎えられる。ハウザーは、大柄な女性に変装しているが、入国口で、引っかかる。"滞在期間は、2週間"と繰り返して、おたおたしていると、リクターに、見抜かれる。ハウザーも変装を解き、機械仕掛けのマスクを一味に放って渡す。マスクは爆発する。一味が放った銃で、窓が割れて、人々は吸い出される。ハウザーは、柵に捕まり、耐える。係員が仕切り壁を操作して、危難は去る。ハウザーは、壁で仕切られたスペースの中に逃げ込む。
ハウザーは、列車に乗って、🚃移動する。
リクターは、コーヘイゲンの下に行く。コーヘイゲンは、火星における鉱山開発は、順調だが、反乱分子が気掛かりだと言う。それなのに、"ダグラスを逃しやがって"と、リクターを叱責する。そして、"クアトー"が欲しがっているのは、ダグラスの頭の中だと言い、協力を迫る。
ハウザーは、ヒルトンホテルに部屋を取る。フロントで、カードを示すと、違う名を告げられるが、"いつもの部屋"を取る。預かり品を受け取るが、"最後の楽園"のチラシに、"メリーナを指名して“と書いてあるのみ。ハウザーは、タクシーに乗り込むが、🚕ゲリラによる爆破・銃撃が、近くで始まる。運転手は、よくあることと、意に介さず、タクシーを走らす。すぐに、“ヴィーナス街"に着く。店までの道すがら、顔が崩れた未来読みなどが立っている。
店に入り、メリーナを指名すると、バーテンに仕事中と言われるが、金を握らすと、すぐに"メリーナ"と呼び掛ける。テーブルに着いたブルネットのメリーナが、やって来て、"ハウザー"と呼ぶ。テーブルの客が、"ハウザー、よくも帰ってきたな"といちゃもんをつけるが、仲間が取りなす。
個室に入ったメリーナは、いきなりハウザーの頬を叩く。音信不通だったのをなじり、再会を喜ぶ。ハウザーが、コーヘイゲンに逆らい、記憶を消され、地球で妻と仕事を手に入れたと、説明するが、理解されない。コーヘイゲンを倒すため、協力を求めるが、内部に入るために利用されたと思い込むメリーナは、最後は、銃を突きつけ、追い出す。
TVに、コーヘイゲンが現れ、火星全土に戒厳令を敷いた旨を告げる。
ハウザーが、ホテルで休んでいると、部屋をノックする者がいる。銃を手に、扉🚪を開けると、小太りの男が立っている。男は、ハウザーも自身も、火星でなく、リコール社の椅子に寝ているのだと説明する。メリーナも夢に出て来る女だったろうと。"なぜ、俺の夢の中に出て来る"と問うと、緊急事態のときは、そうするのだと、言う。
更に、部屋の扉を開けると、ローリーが入って来る。男は、オレンジ色🍊の錠剤を手渡し、飲めば、現実に戻れると、勧める。しかし、男のこめかみに汗が流れるのを見て、ハウザーは、男の頭を撃つ。
すると、壁を破って、リクターの一味が現れ、ハウザーに、暴行を加える。最後は、ローリーが殴り、股間を蹴り、ハウザーは、気を失う。
▶︎クアトーに会う
ハウザーは、手錠をかけられ、エレベーターで運ばれる。
酒場でリクターは、ローリーからダグラスを捕獲した旨の連絡を受け、ホテルに急行する。
ローリーらは、6階でエレベーターを待つ。エレベーターが到着し、扉が開くと、武装したメリーナが、一味を撃つ。ローリーとメリーナの女同士の対決。メリーナは銃を失い、素手でローリーと格闘する。ナイフを取り出すローリーの手を、起きたハウザーが、銃で撃つ。"まさか撃たないわね"と命乞いするローリーの額を、ハウザーは、撃ち抜く。そして、その場を立ち去る。
異変を感じたリクターは、階段を駆け上がり、6階の惨状を見る。リクターは、倒れたローリーを見て、復讐の思いを強くする。
ハウザーらは、ドームの鉄骨を降りていく。リクターが、銃を撃つが、鉄骨に当たる。手下が、ドームの壁に穴を開けると、全員死ぬと、警告する。
ハウザーらは、また同じタクシーに🚕乗り込み、"最後の楽園"に向かう。リクターらの車に激しく銃撃され、タクシーは、店に突っ込んで止まる。リクターらの車も、🚙壁にぶち当たり、止まる。
"最後の楽園"では、トニーが、隠し扉に、ハウザー、メリーナにタクシーの運転手を通す。遅れて店に入ったリクターらは、戸惑うが、まず、乳房を三つ持つ女を撃つ。その後は、ホステス、バーテンも銃をとり、銃撃戦になる。リクターは、窓から外へ逃げ、コーヘイゲンの命令を受けて、退散を指示する。 
コーヘイゲンは、G地区を遮断する。
ハウザーらは、懐中電灯を頼りに、地下道を行く。ハウザーが、"愛してる"と言って、キスをしていると、反乱軍の見張りに、出迎えられる。タクシー運転手を不審に思われるが、片手を外し、エイリアンのような手で、自分がミュータントであることを示す。
反乱軍の基地で、トニーが、空気を遮断され、酸欠で苦しいと、訴える。
ハウザーは、クアトーの下に案内される。男は、"ピラミッド鉱山で、コーヘイゲンが、何かを発見したらしい、それが何かを君は知っている"と言う。そして、男は壁に向かい、何やら苦しみ始めると、男の腹に、ミュータントのクアトーが現れる。クアトーは、ハウザーの記憶を取り戻したいという希望を聞き、両手を取り、"心を開くのだ"と語りかける。
コーヘイゲンらは、ピラミッド鉱山を視察する。
掘削機が、反乱軍の基地の壁に穴を開ける。そして、軍隊が乗り込んでくる。ハウザーらは、銃撃で応戦しつつ、逃げる。男の指示で、スペース・スーツに着替えようとすると、運転手のベニーが、マシンガンで射殺する。ハウザーとメリーナを足止めし、リクターらが現れる。クアトーは、"リアクターを開けろ"と言い残して、リクターが額を撃つ。
ハウザーとメリーナは、コーヘイゲンの下に連れて行かれる。
ミュータントが全滅したと、喜ぶコーヘイゲン。"それは、ウソだ"とハウザーは、言う。"俺は寝返ったんだぞ"と、ハウザーは、言うが、コーヘイゲンは、"そう思い込まされた"と言う。リクターが命を狙ったのも、指示に従っただけだと、言う。
コーヘイゲンは、俺の説明だけでは納得できまいと、言って、ハウザーが語りかけるビデオを見せる。ビデオの中のハウザーは、身体を返して欲しいのだと、語りかける。カメラが引いて、ハウザーの隣りに、コーヘイゲンが立っているのが分かる。
▶︎コーヘイゲンとの戦い
ハウザーとメリーナは、記憶を操作する椅子に、繋がれる。記憶を抜かれようとしている。
G地区の酸素が、あと1時間でなくなると、報告されるが、コーヘイゲンは、"ほっておけ"と指示する。コーヘイゲンは、夜のパーティーで会おうと言い残して、去る。
ハウザーは、腕の拘束を解き、職員に危害を加える。メリーナを助けて、一緒に逃げる。エレベーターで乗り込んできた、軍隊を倒し、銃を奪う。
コーヘイゲンの執務室で、リクターは、"決断"を求める。コーヘイゲンは、"殺せ"と命じる。
コーヘイゲンは、金魚の水槽を蹴り倒す。床に撒かれた金魚が、あえぐ。
"最後の楽園"では、客もキャストも、息が絶え絶えだ。
ハウザーとメリーナは、"リアクター"を探しに行く。行き止まりに突き当たる。すると、ベニーが乗る掘削機が動き出し、二人を殺そうとする。ハウザーは、ドリルで、油圧パイプに穴を開けて、動きを封じ、側面から、ベニーを串刺しにする。
衝撃で壁が崩れ、通路が現れたのを、メリーナが認める。
二人の目の前に、"リアクター"が現れる。エイリアンが、築き、火星が大気で覆われるのを知って、コーヘイゲンが封鎖していた。
二人は、梯子を上に昇る。下には、氷河が広がる。
リクターに率いられた軍隊が、ハウザーらを待ち受ける。
ハウザーは、リクターらの近くに来て、一旦止まる。ハウザーは、中に踏み込み、激しく銃撃される。しかし、無傷だ。ハウザーが、ホログラムを利用した。本物のハウザーが、後ろから現れ、銃撃する。メリーナも、援護し、ホログラムも使う。
リクターが、エレベーターに乗り込むのを見て、ハウザーも乗り込む。二人は、素手で取っ組み合い、遂に、リクターがエレベーター🛗のカゴに、両手でぶら下がる。リクターは、建物の床とエレベーター🛗の隙間に挟まれ、墜落する。ハウザーの両手に、もげたリクターの両腕に残る。 
ハウザーは、エレベーター🛗を乗り継ぎ、"リアクター"の前に来る。
ハウザーが、"リアクター"のスイッチに触ろうとすると、銃を持ったコーヘイゲンが現れ、"押すと、火星は融解する。エイリアンは知ってた。"と警告する。そして、ハウザーの命を奪おうとするが、遅れて現れた、メリーナに、銃で撃たれる。ハウザーは、コーヘイゲンの爆弾を奪って、遠くに放るが、外壁に穴が空き、強力に、外に吸い出される。ロープなどにつかまり、ハウザーは、何とかスイッチを押す。すると、周囲の壁が動く。コーヘイゲンは、一番に吸い出され、火星の大地に放り出され、顔が膨張し、苦しむ。
いつしか床の氷河は溶け出し、大地が爆発し、水蒸気を上げる。
街のレストランやG地区のガラス窓が割れ、外に吸い出される。耐えていたハウザーとメリーナも、外に吸い出される。
ピラミッド山が水蒸気を上げ、空が雲で覆われる。大地に空気が満ちて来る。空にも、青空が見える。
人々は、立ち上がり、空を見上げる。
"夢なら嫌だ"と言うハウザーに、"目覚める前に、キスして“とメリーナは、言う。
【感想】
記憶を出し入れするとか、火星が大気を生成する仕組みとか、難しい原理は分からないけど、これは、映画を成立させるための道具に過ぎない。敵対する組織の間を往還する男と、彼を慕う反乱組織の女の物語と見れば、二人は幾多の困難に遭遇しながら、最後は結ばれるという物語。 
若いシュワルツネッガーは、なかなか男前である。シャロン・ストーンも、ここから、次回作"氷の微笑"で、主役を務める。

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