見出し画像

一人勝手に回顧シリーズ#フランシス・F.コッポラ編(11)#ゴッドファーザー最終章 ドン・コルレオーネの最期/シリーズ完結編

【映画のプロット】
▶︎バチカン
"ドン・コルレオーネ。I need your help. "
聖職者が、マイケルに、懇願する。
"ローソク代ではない。私は、人を説得するのが、上手く、大勢の信者から、献金を募って来た。その腕を買われて、バチカン銀行の要職に。だが、本来、banker ではない。それで、迂闊にも、友人を信用した。"
"友情と金は、oil&water だ。"
"そのとおりだ。その友人たちは、教会の美名を利用して、懐を肥した。もし、金が戻らなければ、私の責任だ。祈りの力で、7億ドルの穴埋めができるものなら。"
"7億6,900万だろ?法王庁は、大企業の株を、25%持っている。『インモビリアーレ』という企業だ。" 
"世界最大の不動産会社です。資産は、60億ドル。"
" That's true. "
"バチカンの票が、動かす企業だ。"
"そう、簡単な話ではない。1人の人間の票で、動かせるものじゃない。他の企業と同じだ。取締役会もあり、定款もある。法王ご自身の承認も必要だ。" 
" We sold casinos. ギャンブルとは、手を切った。その他、合法でない組織とは、一切、無関係だ。"
"インモビリアーレの支配権と交換に、5億ドルを、バチカン銀行に振り込みます。"
"前例のない事だ。ヨーロッパのコングロマリット、そこまで手を出した。ファミリーはない。
"現代の社会では、贖罪の力より、金の力が、大きい訳だ。頼む。6億ドルを。"
"贖罪の力に、それほどの価値が?"
"インモビリアーレを、手中に収めれば、あなたは、世界一の大金持ちだ。コルレオーネ家と子どもたちの歴史を飾る輝かしい偉業だ。"
"6億ドルを。"
マイケルは、小さくうなずく。
"この世の中で、一番の宝は、富や権力でなく、子どもだ。You are my treasure. 教育は、お前らの母さんに委ねて来たが、私は、お前たちに会いたい。我々の間に、親しい関係を築こう。母さんを説き伏せて、是非、出席して貰いたい。"
マイケルは、手紙をしたためた。
ホテルのパーティー会場。
歌のマイクが、回される。
"ヴィンセント。名前がないわ。"
"ヴィンセント・マンシーニと、母親だ。書けよ。"
"名前がない。"
"押し掛けは、断る。帰ってくれ。"
ヴィンセント(アンディ・ガルシア)は、男の胸を突き、いさかいが、起きる。
"ヴィンセントだよ。入れてやれ。ヴィンセント、よく来たな。"
ヴィンセントは、パーティー会場に入る。
"久しぶりだな。"
"お久しぶり。主人よ。息子のアンソニーよ。"
"カトリック教徒に与えられる最高の勲章です。歴史を遡ると。"
"ベガスのカジノとの関係は?"
"写真を見てください。"
"今も、その方面と?"
"殴られたいのか?法王が、彼を祝福した。あんたは、法王より物知りだと言う気か?" 
"ヴィンセント。" 
" Yes. "
"ラブレターよ。"
" Love you, too. "
"ヴィンセント。お久しぶりね。"
メアリーが、話し掛ける。
"どこで?"
"パーティーで、会ったわ。"
"クラブで?"
" No. Wedding. "
" Wedding? "
"私は、8つで、あなたは15。"
"15の時は、もてもてでね。8歳の子にね。"
コニーが、メアリーを探す。
" Where's メアリー?聖メアリーは、どこ?Excuse me 神父様。"
メアリーとヴィンセント。
"親戚なのに、私にキスもしてくれないの?"
"君と親戚?" 
"あなたの従妹よ。"
"父親は?"
" Give you a hint. Italian. "
アル・ネリが、メアリーを迎えに来る。
"メアリー、皆が待っているよ。いいね。声は、低くていい。笑顔を忘れるなよ。"
ファンファーレが、鳴る。
"緊張するわ。"
"皆さん。ビト・コルレオーネ財団の名誉会長、娘のメアリー・コルレオーネです。
一同拍手する。ヴィンセントも、メアリーを見やる。
"父から、スピーチ好きを、受け継いだようです。ビト・コルレオーネ財団は、貧しい人々を助け、芸術家を援助し、医学の発展に寄与。特に、シチリアの復興に、貢献しています。ギルディ大司教。ビト・コルレオーネの名で、シチリアの貧しい人々に、1億ドルの援助を。無駄使いしないで。"
"スペシャル・ゲストを、ご紹介します。"
ギルディとマイケル。
"シチリアから、感謝を。"
"金が、必要な人々の手に渡る事を祈る。"
"アーメン。"
"ジョニー・フォンテーン。"
"ありがとう。皆で、共に祝したいと思います。栄誉ある叙勲者、マイケル・コルレオーネ。我らのゴッドファーザーに、彼が愛するこの曲を。マイケル。どこへ?"
"台所で、トニー・ベネットの曲を。"
"あんたの好きな曲だ。"
"歌ってくれ。すぐに戻るよ。"
"♪バラを咲かせるのは 太陽の光と雨
 それがなければ 花は開かない
 人の愛も同じ事 "
ケイが、マイケルと映った古い写真を見ている。
マイケルが、声を掛ける。
"ケイ。"
"大変な名誉ね。おめでとう。Too expensive. "
"ケーキを。"
" No thank you. "
" Long time. "
" Yeah. "
"8年ぶりだ。"
" Yeah. "
"元気そうだ。"
"アンソニーから、あなたに話があるの。"
ジョニーは、歌う。
"♪恋の炎は燃える 明るい輝きを放って
 心の扉を閉めず 鍵を開けて
 君なしでは生きられない
 僕を見捨てないで "
マイケルは、アンソニーと面会する。
"法律は?"
"法律より、音楽で身を立てたいと言うの。"
"私も、音楽は好きだが、初志貫徹って事がある。"
"自分の道を。"
"自分の道? "
"歌手に?"
" Right. "
" What happens? You fail. "
"成功するよ。"
"皆、そう言う。法律の学位は、一種の保険だ。後は、私の仕事を。"
" Never work for you. 嫌な思い出が。"
"それは、どの家庭にもある。"
"僕は、息子だが、仕事は無関係だ。"
"アンソニー。大学だけは、卒業を。"
" No. "
アンソニーは、部屋から出て行く。
"あの嫌という返事は、あなた譲りよ。"
"君からも、説得を。" 
"説得する?何を説得するの?"
" What? 人生を捨てるなと。力を捨てるなと。"
"こういう力を?社会的地位を得たあなたは、昔より危険だわ。マフィアの一員だった頃の方が、まだマシよ。"
"ケイ。常識で、話し合おう。"
" All right. "
" OK. "
"あの子は、フレド殺しの事を。" 
"それを言いに?"
"息子を守るために、ついて来たのよ。金で買った儀式など。"
"俺は、息子を守って来た。ファミリーを守り続けて来た。"
マイケルは、激昂する。
"冷静になって。あなたの主義でしょ?冷静に、邪魔者を殺す。"
"そうか。心底、俺を憎んでいるのか?"
"憎しみでは、ないわ。忌み恐れている。"
"仕方ない。腐った世の中から、君らを守るためだった。" 
"そして、恐ろしい男に。"
ケイは、部屋を出ようとして、言い残した事を言う。
"子どもたちは、愛してるわ。特に、メアリーは。"
"嬉しいね。それを土台にしよう。彼らのためにね。協力を。"
"アンソニーに、干渉しないで。好きな道を。"
"分かった。"
" Thank you. "
ヴィンセントが、グレース・ハミルトンに声を掛ける。
" Hi. "
" Hi. "
"目の毒だぜ。仕事は、忘れろよ。"
"マイケルに、取材を?" 
" No. 俺は、身内だが、それは無理だな。" 
"役立たずね。ギャンブルを。"
"じゃ、俺の縄張りのアトランティックシティーへ。" 
"負けるのは嫌いよ。"  
"俺に任せろ。" 
"気味の悪い男ね。ここで、何しているの?"
"不思議だな。" 
"知り合い?"
"ああ。アントニー・スキギラーロ。あだ名は、蟻。酸で、銃弾を洗う。"
マイケルの部屋。
"ドン・アルトベロ。敬意を表しに来た。"
" Graze. 親父の友人だ。"
"俺の名づけ娘は?コニー。この手に抱いた。赤ん坊だったのに。マイケル。この年になると、毒気やアクは、抜けちまう。女にも、用はない。無欲な目で、物事を見られる。神にも、仕えたい。そこで、折り入って、頼みたい。俺の名を、加えてほしいのだ。ビト・コルレオーネ財団に。気持ちと名前の両方で、君とつながりを持ちたい。100万ドルだ。"
小切手を渡す。
"あなたは、心の広い方だ。"
マイケルと抱擁する。
"さあ、向こうでワインを。"
ギルディ。
"バチカンは、株主に疎い。"
"それで、安心しました。うちの力が大きくなっただけ、心配でね。"
"心配性だな。私に、任せてくれ。"
"白髪が、増えましたよ。"
" Mr.コルレオーネ。2つお話が。児童プールへのお礼と、サム・ウォレスの判事選挙出馬に、支援を。"
"いいとも。" 
" Thank you. "
"アンドリュー。トム・ヘイゲンの息子で、私が名付け親に。聖職に就き、既に3年。司教の助手を。いずれバチカンへ。"
"楽しみにしているよ。"
"母親です。ギルディ大司教だ。"
"光栄です。"
"グレース・ハミルトンです。ヴィンセントから、インタビューの話を?"
"追い払え。"
"グレース。出てくれ。注意しただろ?Twice. "
"ジョーイ・ザザが、玄関に来ています。あなたに会って、お祝いを言いたいと。"
"どうしても?"
"あなたに敬意を表したいと。"
ヴィンセントとコニー。
"来たのね。ヴィンセント。嬉しいわ。"
"叔母さん。"
"例の件、マイケルに話すわ。"
"祝賀会と知っていたら、背広を。"
"メウッチ記念会から、これを。"
"あなたの功績を讃えて。"
"メウッチ?メウッチって?"
"グラハム・ベルより1年前に、電話を発明したイタリア人です。"
"このために、わざわざ?"
"靴の中に、邪魔な小石が。うちの組のチンピラで。本人は、あなたの親戚だと。クソ野郎です。"
"ヴィンセント・マンシーニ。今日、来てます。"
" Bring me. "
"話合いが、必要です。話し合って、はっきりさせたい。私の問題か、あなたの問題か。"
"君の職場は、君が仕切れ。私が、口を挟む事ではない。"
" Good. My problem."
コニーが、ヴィンセントを連れて、入って来る。
"マイケル。ソニーの息子のヴィンセントよ。"
" Mr.コルレオーネ。お元気で?Good party. もぐりの客で。" 
"道理で、服が。"
"それで、お前と彼のトラブルとは?"
"別に、どうって事は。"
"馬鹿はよせ。"
"馬鹿はよせ?馬鹿は、この野郎だ。 Right?  Right? "
"父親に似て、血の気が多いな。ヴィンセント。ジョーイは、うちのNYのシマを受け継いだ。お前は、私の反対を押し切り、彼のファミリーの一員になった。私は、お前をまっとうな仕事に就けたかった。それが、今更トラブルだと。どういう事だ。私は、ギャングか?"
" No. "
"パパが、苦労して築いたシマが、滅茶苦茶に。"
"過去の話だ。"
"俺の腕を認めて、幹部界が、俺にくれたシマだ。"
" Yes. "
"叔父さん。こいつを殺りゃ、すぐ片付く事だ。"
"じゃ、殺せ。俺に、何の関わりが?"
"裏で、あんたの事をクソ呼ばわりしているのに?面と向かって、言ってみな。"
" Mr.コルレオーネ。ゲス野郎は、嘘をつく。シェイクスピアも、書いています。"
"こいつをほっとくんですか?"
ヴィンセントは、声を荒げる。
"ジョーイ。この町に、そういう奴がいたら?俺を、クソと呼ぶ奴だ。そういうゲスを、どうするね?イヌ野郎だ。そうだろ?"
" Yes. It's true. そんな奴は、友達じゃない。イヌ野郎です。"
"ジョーイは、友達だ。"
"叔父さん。それは、間違っていますよ。"
"黙って。助けてやって。マイケル。"
"あんたの下で、働きたい。"
"俺の下で?タフガイなど要らんね。弁護士は必要だ。友達だという事が分かった。挨拶を気持ちよく、受け入れよう。ヴィンセント。ジョーイ・ザザと仲直りしろ。"
"覚えていろよ。"
ヴィンセントは、耳に噛みつき、ザザの体を締め付ける。
"ヴィンセント。馬鹿はよせ。"
ザザは、耳から血を流す。
"コニー叔母さんが、あんたに会って、話せと。俺は、あんたを守りたい。弁護士に、それができるか?俺は、できる。"
"私が、奴を警戒する?" 
"幹部会での出世を阻まれ、恨んでいる。奴を消せと、俺に命令してくれ。"
"お前に?"
" Yeah. "
"数週間、come with me. どうなるか、様子を見よう。"
" OK. "
"見て、学べ。その先は、改めて考えよう。"
"頑張ります。"
"それで?" 
"ザザの野郎の耳に噛み付いてやったよ。"
コルレオーネ一家は、記念写真を撮る。
"待て。"
"ヴィンセント。お前も入れ。"
"いい革ジャンね。"
ケーキが、運び込まれる。
"見事なケーキだ。"
"ゴッドファーザーのために、作りました。"
マイケルは、孫に手を添えて、ケーキにナイフを入れる。マイケルは、メアリーと踊る。
"永遠の幸せに。"
ヴィンセントは、グレース・ハミルトンと寝る。
"何だい?"
" Do you love me? "
"寝ろよ。" 
"言ってよ。"
"寝ろよ。I love you. "
" I love you, too. 猫がいるの?"
"喉が渇いた。水を。"
"さあ。女をこき使う男なのね。あたしに、命令するなんて。水の次は、ケーキを焼けと言うの?"
ふと、窓のそばに寄ったグレースに、潜んでいた男が、口を塞ぎ、喉元に、ナイフを突き立てる。男は、二人組。もう1人が、ベッドを撃つが、隠れていたヴィンセントが現れ、殴りつける。男の後ろを取る。
"どうした。阿保たれ。そっちへ歩け。"
ヴィンセントは、グレースを拘束する男と向かい合う。
"女を放せ。"
"かっ切るぞ。"
"何だと?"
"殺っちまえ。"
男を拳銃の尻で、叩き、グレースを捕まえた男に、拳銃を向ける。
"銃を捨てろ。かっ切るぞ。"
"行きずりの女だ。殺りたきゃ、殺りな。"
"出鱈目だろ。お前の負けだ。"
"2人とも、ぶっ殺すぞ。ナイフを捨てろ。"
"女を、殺っちまえ。"
"俺の言うとおりにしろ。何もしないから、下手に動くなよ。"
1人の男を射殺。
"ナイフを捨てろ。捨てるんだよ。"
グレースが、解放される。
"座れ。いいから、座れ。顔を見せろ。一服、吸うか?言え。誰に雇われた?言えよ。誰だ?"
"知るか。"
"こうなるぞ。吐け。"
"ジョーイ、ジョーイ・ザザ。"
ヴィンセントは、ためらわず、引き金を引く。
" No. "
ベッドに腰掛けるグレースの元へ行く。
" Are you OK? "
"なんて事を。ブタ野郎。死んじまえ。"
"君の好きなギャンブルさ。警察を呼べ。"
"2人とも殺したの?"
" My turn. 正当な殺人だ。警察に電話を。写真は、よせ。"
マイケル。
"お前は銃、相手はナイフ。警察に、突き出せた筈だ。"
"ザザに、返事をしてやったんです。"
"礼が来るぞ。"
"礼を寄越す?奴が、礼を寄越す?"
"ザザの名を吐かせたのよ。"
"ザザが何だ。奴は、ただの間抜けだ。あんな奴。やった事は、仕方ない。お前の性格だ。俺に付いてろ。何もするな。目は開き、口は聞くな。俺の言うとおりに、動け。幹部会と揉めているんだ。"
"知ってます。"
" Yes. 気を付けろ。"
"俺が、おっ始めた訳では。"
"分かっている。"
"マイケル。"
" Yes. "
"彼は、恐れているわ。"
"お前をだろ?"
"大司教から電話が。"

"新聞は、あなたを善行の人と。サインを。"
"時代の差だな。親父は、財団など。施しは、手から手へ、直接、与えたものだ。"
"今は、企業と同じです。政府は、無関係。法人税の恩恵を受け、巨額の資金を動かす。"
マイケルが、電話を取る。
" Yes. "
"ゴッドファーザー。"
"アンドリュー。"
"色々お世話に。"
"一緒に朝食を。"
"残念ですが。"
"イタリア語は?親父は、うちの弁護士でね、今日のこいつを見せたい。玄関まで、見送ろう。''
"バチカンの情報を。"
"よせ、聖職者だぞ。"
摩天楼。上から臨む。
"次の話題は、コルレオーネ・グループの動きです。"
新聞。
"コルレオーネが、インモビリアーレ入札"
"同グループが、新株1億株の買収を行う模様"
"投資の目標は、国際的な大企業インモビリアーレ社です。"
"帝国への道 コルレオーネ、インモビリアーレに新提案"
"伝統あるヨーロッパ企業で、コルレオーネ氏は、社の中心である不動産部門のより一層の拡張を狙っています。"
"インモビリアーレの買収は、株式への痛手"
インモビリアーレ社株主総会。マイケルが、演説する。
"政治イデオロギーとは、無関係に、生産性と能率に焦点を絞って。"
"コルレオーネさん。Excuse me. インモビリアーレの大株主であるバチカン銀行に、2億ドルを?
"悪いかね?"
"この時期に投資するのは、タイミングとして、微妙なのでは?"
ハリソンが、答える。
"コルレオーネ氏の娘メアリーが、会長を務めている財団が、1億ドルを寄付しました。これは、一族の財産で、法王庁が管理します。"
"株主諸君。ヨーロッパとアメリカが、手を握り、資産を合わせ、市場を共有すれば、世界中、どこに出ようが、競争に打ち勝てます。今日は、わざわざどうも。我々の申出が、諸君に受け入れられる事を。"
拍手。
"マイクを貸せ。奴らに、我々の会社を譲るのか?シチリアのマフィアだぞ。マフィアに、会社を乗っ取らせて、いいのか?"
ギルディが、マイクのスィッチを切る。
" Chairman. 我々、バチカン銀行は、インターナショナル・インモビリアーレ社を、コルレオーネ氏に委ねても、安全と考える。"
"ローマで、会計監査と最終裁可を行います。我が社の新メンバーに拍手を。"

"メアリー。財団は、realだ。からくりはない。本当は、アンソニーも参加させたかった。お前が求めない限り、俺は、口を出さない。"
"でも、財団の本当の目的は?なぜ、私を関わらせたの?" 
"俺の子どもたち、またその子どもたちのためさ。"
"世の人々のためにも?"
" Of course. 正規の事業だ。本当だ。I swear. "
"じゃ、パパのために。" 
ハグする。
"お前のためなら、地獄も怖くはない。"
   
"China Bowl"
中から、男たちが出て来る。
"俺は、マイケルの車に。"
車の中。マイケルと古参マフィア。
"君の古い仲間は、君に感謝しとる。君に儲けさせて貰った。だが、今は、悲しんでおる。君に捨てられたと言ってな。今回の買収に、乗せてくれれば、インモビリアーレを通じて、金を浄化できると。"
"それは、駄目だ。あの会社は、合法的な組織だ。"
"分かっとるが。仲間は、不満に思っている。" 
"あんたは?" 
"俺には、もう欲などない。もう、この年だからな。仲間の繁栄を願うだけだ。君の親父は、話の分かる男だった。親父から学べ。" 
"親父からは、色々学んだ。皆を招集してくれ。借りや不満がないよう、話をしよう。俺とあんたの務めだ。

バチカン。 
"ローマ法王庁によれば、法王パウロ6世は、病気のため、日曜の祝福を中止。当分は、絶対安静が必要で、他の行事も中止されました。"
アル・ネリが、車に乗り込む。
"記者会見がありましたが、かなり重体のようです。"
インモビリアーレ社取締役会。
一同は、起立し、祈りの言葉を述べる。
"本日は、NYの株主総会で可決された動議を、最終的に裁可したい。"
取締役の1人が発言する。
"我々は、カトリック系の実業家グループで、コルレオーネの買収には反対だ。"
"法王庁の票を得て、買収は、既に決定されている。" 
"法王庁の票は、このローマで、法王自身の裁可を得る規則になっている。" 
"法王は、重い病の床にあられる。回復なさるまで、私は無力だ。"
"死去されたら?"
" The americans say 話は、パーになる。"
"まあ、落ち着いて。ほんの少々、delay が出るだけだ。" 
マイケルが立ち上がる。
"大司教、お集まりの諸君、法王のご回復を念じて、皆で祈りを捧げよう。"

ハリソンが、激昂する。
"総会では、合意を。この会議は、形式的なものの筈だ。" 
" Please sit down. "
"今更、どういう事だ。誰か、説明してくれ。"
"ヨーロッパの業界には、しきたりがある。Please 
understand. "
"分かったよ。あんたのやり方は、汚い。"
"じゃ、コルレオーネのやり方は?" 
"やめたまえ。ここは、バチカンですぞ。Please. "
"どうしろと言うのだ?"
" Yes. あんたに代表権を与えよう。あんたは、我々の艦隊の旗艦だ。だが、艦隊は、同じ方向に進まねばならん。でなければ、あんたの地位は、保証できない。個人への非難でなく、ビジネスだ。理解を。ゴッドファーザー。"
" Very well. ビジネスか。ビジネスで行こう。" 
マイケルらは、出て行く。
"マムシどもめ。" 
マイケル。 
"まるで、ボルジア家だ。"
" Uncle マイケル。" 
"アンドリュー。"
"お目にかかりたくて、ここへ。"
"アンドリュー。元気か?" 
"ボルジア家とは、何の事です?"

"あそこだよ。おじいさんのオリーブ油会社。"
ヴィンセントとメアリー。
"週3ドルの使い走りで、3年で、会社を持った。" 
"アメリカン・ドリームね。" 
"ヴィンセント。戻ったのね。いなくて、困っていたのよ。" 
"なぜです?"
"ザザが、子どもにヤクを。"
"昔と違って、夜が物騒で、出歩けないのよ。"
ヴィンセントらは、パブに入る。
"今に、殺られるぞ。"
"ヴィンセントだよ。"
"任せて。"
"お願いよ。" 
"分かった。"
"街の連中さ。"
"彼らの面倒を?"
"まあね。" 
" Four me? "
"君の面倒も。"
"会いたかったわ。" 
"俺もだ。Cousin. いとこたちを知らずに育って、寂しかったよ。"
"パパ達が若かった頃の話を聞いている?" 
"聞いているよ。"
"ソニーの話を。"
"親父は、街のプリンス。俺の生まれる前に、死んじちまった。"
"私のパパは?"
"偉い人だ。一家を救った英雄だ。"
"パパは。"
" What? "
"実の兄さんを殺したの?" 
" No. "
"じゃ、嘘なの?"
"ただの噂だ。OK? "
"いいわ。ありがとう。"
"会えて、嬉しいよ。"
2人はキスする。
"なぜ、キスを?"
"なぜでも。" 
▶︎粛清の始まり
ヘリコプターが飛ぶ。
ヴィンセントが、言う。
"ザザを突き落としてやりたいよ。"
マイケルが、言う。
"あんな奴はnothing. かっこつけて、脅して回るだけのチンピラだ。腹の底まで、読めるよ。"
"早く殺りたいよ。" 
" No. 敵を憎むな。判断が鈍る。"
ヘリは、ニュージャージー州アトランティックシティのビルの屋上に着く。
"ようこそ、コルレオーネ様。"
パーティー会場に、友好関係にあるマフィア幹部が集う。マイケルが、入場する。ザザが、見やる。
"女どもは、下がれ。"
ヴィンセントは、ザザに顎をしゃくって見せる。
"カジノの上がりの運営を、あんたに任せて、まだ20年にもならん。あんたは、カジノを手放し、我々は、大儲け。あんたのお陰だ。" 
一同、拍手。
" Thank you. Friends, 私は、今日、君らとのビジネスの終わりを告げに来た。そろそろ、関係を解消すべき時だ。残念だ。だが、君らを驚かせる餞別がある。カジノの配当金だ。面倒を省いて、ここで、分配する。"
皆、封筒を開ける。
"驚いたな。5,000万ドルだ。"
"金額は、まちまちだ。投資額と投資期間を考えた額だ。"
"マイケル。君は、generous. "
"素晴らしい。""Graze. "
"お前は、幾ら投資を?"
"忘れた。"
"マイケル。君に祝福を。"
ザザに配分がない。 
"うちのファミリーは、命を張って、働いて来た。それで、あんたらは、肥えてきた。"
"ジョーイ・ザザだ。なかなかの人物だ。NYタイムズ・マガジンの表紙になった。一流誌では、『ギャングのベスト・ドレッサー』。子分に、黒人を雇い、差別のない親分だと、新聞に、褒められた。He is famous. お陰で、いつかあんた達の人気も上がるかもだ。"
"確かに、俺は、あんたらよりbeautiful だ。生まれつきでね。だが、俺も、合法的な商売に、鞍替えして、法王の勲章が欲しい。黒人でも、ヒスパニックでも、俺は、大歓迎。Because that's America. "
" You garranty 奴らに、ヤクを売らせないと?" 
"ヤクを売った者を、殺すって事なら約束しよう。"
"俺が、言って聞かせる。"
"いいとも。ドン・アルトベロ。"  
"ジョーイ。聞け。"
" No! あんたらの態度は、頭に来る。No respect. 俺が、あんたらをデカく稼がせた。どんな礼をくれた?礼をくれなきゃ、I'll take. 今夜のドン・コルレオーネを見て、分かった。はっきり分かったよ。彼は、my enemy. 俺か、彼か選択を。"
ザザは、部屋を出る。
"ジョーイ。よせ。俺が、話を。マイケル。Please. "
三々五々、円卓を囲む。
"マイケル。もう誰もが知っている。インモビリアーレは、完全に、君の物だ。"
"既に、ペルーやナッソーで、金を洗っているって噂だ。"
トレイが回され、おのおの自分の宝飾品を取る。
"独り占めは、水臭いぞ。"
"教会の聖水で、洗ってくれ。"
テーブルのグラスが、振動する。シャンデリアが、小刻みに揺れ、部屋が振動する。ヴィンセントは、マイケルに駆け寄る。
"逃げよう。"
扉に、錠が掛けられ、ヘリコプターから、銃撃される。続々と、マフィアが、倒れる。ヴィンセントとマイケルは、柱の陰に逃げ込む。
"コートを。幸運のコートだ。" 
コートを抱えた男は、撃たれる。
"俺が、守る。"
ヴィンセントは、マイケルの前に立ち、巧みに弾をよける。ようやく、銃で扉をこじ開け、部屋の外に逃れる。
"マイケル。早く。"
マイケルとヴィンセントは、車で去る。
破壊されたパーティー会場。亡骸の山。
マイケルの家。
"お前は、命の恩人だ。"
"大方のドンは、殺られ、生き残った者は、ザザの味方に。"
"アルトベロは?"
"無事です。今は、娘の所にいますが。シチリアに引退すると。"
"ザザが、独りで、こんな事をしでかす筈はない。奴は、下働きの使い走りだ。ヘリを使い、幹部皆殺しを謀るタマじゃない。腰抜けだ。"
"あの野郎、Out! "
"12人が死亡、10人が重症。"
"考えを、言葉に出すな。"
ヴィンセントは、軽くうなずく。
"ザザにメッセージを送れ。君に敬意を払う。新旧の交代は、世の習いだ。"
"あんな野郎。"
"私は、ビジネスマンだ。厄介事は、避けたい。"
"おっ死ねと伝えなよ。"
"ヴィンセント。 Shut up. "
"送れ。ジョーイ・ザザ1人の仕事ではない。足を洗えたと思ったら、また逆戻りだ。背後にいる黒幕は、まだその顔を、見せていない。"
外では、空がゴロゴロ鳴る。マイケルが、発作を起こす。
"マイケル。"
"薬は?"
"早く探して。水を飲ませて。" 
マイケルは、はあはあ、息をする。
"もういい。大丈夫だ。雷なんか。雷なんか。"
マイケルは、大声を上げる。
"ただの音だ。手を放せ。アルトベロめ。裏切り者は、あいつだ。フレド。"
意識を失い、マイケルは、救急車で運ばれる。
"ケイを呼ぶわ。"
ホテルの前。タクシーが、止まり、ハリソンが降りて来る。 
" Good evening, sir. "
"すぐ戻る。車は、そのままに。"
ギルディに会う。
"ハリソンさん。私に急用とか。急に、懺悔でもする気に。"
"マイケルが、糖尿病の発作で倒れました。"
" Oh no. "
"危険な状態です。例の件を、押していただきたい。"
"法王も、依然、重体だ。君と同様。私も difficult position なんだ。"
"一刻も早く、正式契約を。"
"合意は、変わらんよ。"
"では、病院へ。"
"神に回復を祈ろう。"
" Thank you. "
"お大事に。"
議長が、顔を出す。
"奴が死ねば、すべて、白紙に戻る。時を稼ごう。カウンジック。"
"大昔から、その効果は、実証されとる。"   

"忘れろ。ヴィンセント。"
"なぜだ?簡単な殺しだ。"
"俺だって、あの腰抜けをぶっ殺してえよ。だが、無理だ。人前では、TVカメラに囲まれていて、自分のシマを出ねえ。"
"それが、狙い目さ。奴が、おじ貴を生かしておくと、思うか?"
"病気で、先に死ぬわ。"
"方法は?"
" I do it. Do it myself. "
" Do it. " 
コニーが命じる。
"必要な物は?"
"2〜3人、若い者を。"
病院にケイがやって来る。
"マイケル。ケイよ。"
"ケイ。来てくれたのか。"
"そうよ。意外でしょ?でも、来たわ。"
"嬉しいよ。"
"弱々しいあなたは、初めて。"
ケイは、祈りを捧げる。
"これも、悪くない。俺も、少し利口になった。" 
"病気のお陰で、利口に?"
"死ねば、もっと利口になる。"
"マイケル。"
" Yeah. "
"アンソニーの、事は、ありがとう。有望な歌手として、注目されてるのよ。シチリアのパレルモで、オペラにデビューを。 So thank you. "
"シチリアで?そいつは、名誉だな。俺も、必ず、聴きに行くぞ。必ずな。"
"メアリー、アンソニー。挨拶を。"
"早く治って。"
" Hi, dad. "
"アンソニー。"
" How are you doing, here? "
"母さんから、全部、聞いたぞ。"
"父さんも、是非来て。"
"行くとも。キスしてくれ。"
メアリーは、ヴィンセントを家に訪ねる。
"いないよ。アパートの留守番電話に伝言を。従妹だよ。入れろ。"
扉が開く。
" Thank you. Hi, カズ。"
" Hi. "
"顔を見に、寄ったの。"
"俺は、そこまで。"
"ここには、来るなと言っただろ?すぐ、帰れよ。OK? " 
"素敵だよ。"
"ここが、隠れ家なの?"
" Yeah. "
"中を見せて。うちは、コニーおばさんと、私だけ。あなたが、いれば。"
"どうした?" 
"パパの事が、心配で。"
"大丈夫さ。"
"救急車が、来た時は、死んだのかと。"
"大丈夫。よくなるよ。Don't worry. OK? "
"私が、小さい時、出入りが。兄さんと私は、連れ出され、よそへ避難したわ。Is it happening, again? "
"起こるものか。"
"じゃ、なぜこんな所へ隠れているの?"
"君は心配するな。何も起こらないよ。"
"私も、ここに。"
"皆の食事を作れるか?"
"料理は、下手だけど、手伝うわ。"
ヴィンセントは、作っていた手ごねパスタを作らせる。
"教えて。"
ヴィンセントが、見本を見せる。手を止め、互いの手を重ねる。
" I love you, cousin. "
"俺もだ。カズ。さあ。"
2人は、抱き合い、キスをする。
"抱いてくれ。"
イタリアの縁日。屋台が、軒を連ね、人手で賑わう。 
ザザが、客寄せをする。
"マスコミは、すぐマフィアと。奴らの考え違いだ。俺たち、イタリア系は、立派な市民だ。この町のビル建設に携わり、メウイッチは、電話を発明した。くじを買って、新車を当ててくれ。うまいソーセージだ。さあ、食ってくれ。"
ザザらは、通りを歩いて回る。
"ザザさん。"
"皆、くじを買えよ。"
サッカーボールが、ザザの胸に、当たる。 
"済みません。うちのガキで。ザザさんに謝れ。"
"ジョーイ。ご機嫌だな。ジョーイ・ザザ。早くくたばりな。"
"あいつは、何だ?"
"お前のくじは、どうせインチキだろ?"
"貴様のような奴が、イタリア系に、恥かかすんだよ。" 
"ジョーイ。くたばりな。" 
"黙って、くじでも買って来い。"
"何がくじだ。笑わせるな。"
賞品の車に、傷を付ける。
"こうしつやる。"
ザザの手下が、近寄る。
"消えねえと、その首をへし折るぞ。とっとと消えな。"
仮装パレードに紛れ込んだ刺客が、ライフルを向ける。手下を、1人撃つ。銃撃戦となり、人々が逃げ惑う。
"逃さねえぞ。"
刺客を追う。ザザは逃げる。店の扉を叩く。
"開けろ。"
"ジョーイ。"
近くにいた騎馬警官に扮したヴィンセントが、ザザを撃つ。 
"ザザ。"
マイケル。
"勝手な命令は、二度と下すな。俺の生きている間はな。Understand? "
ヴィンセントが答える。
"あなたが、ずっと病気の間は、ネリとコニーおばさんが、同意したんです。"
"コニー?"
"正しい決断です。"
" Wrong decision. うちのファミリーを動かすのは、俺だ。馬鹿な真似しやがって。Do you understand? "
ヴィンセントとネリは、うなずく。
"分かった。"  
コニーが、言う。
"でも、マイケル。"  
ヴィンセントとネリを見る。
" Yes. "
"よし、ヴィンセント。ベッドまで、手を貸せ。2人きりで、話したい。"
マイケルとヴィンセント。
"お前を、いつも気に掛けていた。You know? お前の父親、つまり兄貴と俺は、正反対だった。よく喧嘩したが、俺を愛してくれた。心底から。だが、血の気が、多過ぎて、理性を失った。同じ間違いをするな。それに、お前と同じで、女にもてた。どうだ?"
"まあね。"
"俺の娘に、何を?何する気だ?It's dangerous. よせ。OK. "
マイケルをベッドに横にする。
"覚えとけ。敵は、愛する者を狙いに来る。"

アルトベロが、語りかける。
"君も、別の人生を。すべてを手に入れた者は、引退を考えるべきだ。"
マイケルは、答える。
"まだ色々仕事が。"
"インモビリアーレか?"
マイケルは、うなずく。
" Too difficult now. You should get out, now. "
" Do you know about あの政治屋ども?"
"ああいう新しい人種は、分からん。オリーブとトマトを育てている老ぼれでね。"
"そんな年では。"
"君は、病人だ。マイケル。私も手伝うよ。方の荷を軽くするのだ。"
"あんたの友情は、重みがある。"
"私も嬉しいよ。"
"ザザの事は、あんたが間違っていた。"
"人を信じ過ぎるのが、悪い癖でね。マイケル。裏切り者に、用心する事だ。"
"あんたは、今も、紐を操っている。今後も、相談を。"
"マイケル。シチリアでな。"
"シチリアで。"
2人は、手を握り合う。ヴィンセントも招き、3人は、手を結ぶ。

シチリア島バゲリア。
白バイに先導され、マイケルが、車で、庁舎に乗りつける。吹奏楽隊が、歓迎する。ヴィンセントとメアリーも車から降りる。
トマシーノの屋敷の庭先。
"お前に会わせたい古い友人で、後見役だったドン・トマシーノだ。ドン・トマシーノ。アルトベロの事を。"  
車椅子のトマシーノ。
"なかなかのやり手だ。シチリア人とアメリカ人の間を取り持った。分別がある。"
"例の血の襲撃以来、NYは、四分五裂。ザザは、少なくとも、皆をまとめていた。うちの力で、何とかするほかない。"
"うちの力で?"
"中国人やコロンビア人が、狙っている。"
"ヤクに手を出さなかったから、地盤が弱まった。"
"敵は、抜け目なく、そういう隙を狙う。"
"ドン・トマシーノ。あのような血の襲撃を、裏で画策して、バチカンにも影響力を持つ人物は?"
"ルケージなら、その両方の世界を動かせる。"
"同じ方向を目指して、進む艦隊。それが、イタリアの政治家だ。奴らこそ、true マフィアだ。" 
ハリソンが言う。
"問題は、大司教とバチカン銀行です。"
"大司教と銀行は、しっかり繋がっている。Powerful friendsも、大勢いる。手を出せない。法王庁に、味方になってくれる人は?信頼できる人は?" 
"ランベルト枢機卿だな。頭が切れて、信頼できる男だ。それに、顔も広い。行けば、会ってくれるよ。"
"その枢機卿に会って、解決の道を探ってみよう。"
ヴィンセントが言う。
"あんたは、筋を通すが、相手は、悪党揃いだ。"
"恥知らずだ。私の決定だ。"
"政治と犯罪。コインの裏表さ。"
歓迎パーティー。マイケルがスピーチする。
"今日は、皆さんに、祝ってもらいたい。息子が、オペラにデビューする。"
ヴィンセントとメアリーらは、別室で、カードゲーム。
"ポーカーを。セブンカードで、スペードのジャックが、切り札よ。"
"『カバラリア・ルスティカーナ』だ。"
"『カバレリア・ルスティカーナ』だよ。"
"別のオペラの切符を買ったかな?NYに住み過ぎた。君らを招待する。皆、来てくれ。"
アンソニー。 
"父さんに捧げる物が。コルレオーネ村に伝わる古いシチリアの歌だ。父さんのために。"
リュートを奏でながら、歌う。
"♪空に燃える月 僕は愛に燃える
 心のごとく激しく 燃え上がる炎
 僕の心は痛みに泣く
 静けさのない 何と恐ろしい夜
 時は過ぎても 夜明けは訪れない
 彼女が戻らなければ 太陽はないも同じ
 我が地を焼き 我が心を焼く "
マイケルは、最初の結婚を回想する。
"♪彼女は渇きに水を欲し
 僕は渇きに愛を欲す
 彼女のために 僕の歌を歌う
 もし誰もバルコニーにいなければ..."
"美しくて、素晴らしい娘が、死んだ。部下が裏切って、車に爆弾を仕掛け、彼女がエンジンを。"
"こんな美しい国に、血生臭い事が。"
マイケルと子どもたち。
" History. "
"昔は、大学の試験だけが、悩みの種だったの?"
"ママが話したか?"
"今のパパは、大変。"
"メアリー。お前は、心が優しい娘だ。"
" I love my family. "
"ヴィンセントも?"
" I love him. "
"従兄だぞ。"
"でも、好きなの。"
"あいつと付き合うのは、よせ。"
" Right. He is dangerous. "
"あいつとそういう関係を持っては、いかん。Please, promise me. "
" No. "
マイケルが、髭を剃る。
"お呼びで?"
ヴィンセントが、やって来る。
" Yeah. 一つ頼みがある。dengerousな仕事だ。"
" Good. 言いつけてください。"
"私を裏切って、アルトベロに、身を売るのだ。"
"奴が、信用しませんよ。" 
"そこだよ。"
" Sit down. "
" I have an idea. 上とのコネを探るのだ。奴と会い、私に支えているが、一つ悩みがあると、彼に相談するのだ。"
"悩みとは?"
"娘との駆け落ちだよ。本当にやったら、お前は、私の敵だ。"
"そんな事は、しません。" 
" I know. 結婚したいから、力になってくれと頼むのだ。"
"いとこ同士か。マイケルは、頭が古いからな。"
"自分のファミリーを持つのが夢だと、言うのだ。"
"ザザのシマを引き継ぎます。叔父を、説得してください。一生、恩に着ます。コルレオーネ家の人間は、恩を忘れません。"
"俺の下で、働くか?"
" Si. "
“奴が、裏切りをほのめかしたら、見損なうなという芝居をしろ。"
"何か、腹に隠しているな?マイケルに、何かあったら、娘が後を継ぐんだろう?"
"娘は、関係ない。"
"そうか。相思相愛だったな。"
メアリーは、アルバムをめくり、マイケルの最初の妻の写真を見る。
"本音を隠す事は、ない。"
"あんたの目は、騙せない。色々学べます。"
" powerful friends こそ、一番の宝だ。お前に、紹介しておこう。ドン・ルケージだ。"
"骨のあるしっかりした若者とか。信頼できると。"
"ザザを墓に追いやった英雄です。あの時、彼がいたら、ザザに肩入れなど。"
"ザザは、失敗だった。仲良くやろう。有力な人間にも、友人は必要だ。"
"光栄です。あなたと違い、金融とか政治に弱くて。"
" Guns に強いだろ。Finance is guns. いつ、引き金を引くか、それが政治だ。"
" What can I help? "

"大司教を信頼して、乗ったのです。彼の誠心に、露ほどの疑いを持たず。ところが、結局、騙されたのです。私から、大金をせしめて、政界に流しています。バチカン銀行が、保証人に。"
"もし、それが本当なら、大変なスキャンダルだ。ここに、石がある。長い事、水に浸かっているが、水は、中まで染み込んでいない。"
ランベルトは、石を割る。
" Look. 中は、乾いている。ヨーロッパも、これと同じなのだ。キリスト教に浸かっていても、精神は染み込んでいない。Christ の心は、伝わっていない。"
マイケルが、苦しがる。
" What happens? "
"済みません。何か甘い物を。ジュースか、キャンディを。糖尿病なのです。血糖値が下がって。"
マイケルは、ジュースを飲み、菓子を食べる。
"緊張したせいです。"
" Understand. "
"こんな大それた事を。あなたに、大司教の不正を訴え出るなどと。"
"心が苦しむと、肉体も苦痛で叫ぶのだよ。"
"そのとおりです。"
"どうだね?confessin をしては?"
"枢機卿。懺悔など、もう何年も、どこから、始めたら。もう、30年もご無沙汰で、お忙しい時間を取る事に。"
"魂を救う時間はあるよ。" 
"私の罪は、神の救いを超えています。"
"ここの僧侶も、私の所へ、懺悔に来る。気持ちを抑えられなくてね。その瞬間が、大事だ。"
"悔い改めもせず、懺悔する事に、何の意味が。"
"君は、practical man とか。懺悔して、どんな損が?"
"私は、妻を裏切りました。"
" Go on, my son. "
"自分にも、偽りを。人を殺し、人を殺させました。"
" Go on, my son. Go on. "
"やはり無駄です。"
" Go on, my son. "
"兄を。人に命じて、私に背いた兄を、殺させました。私の母の息子を。私の父の息子を。"
マイケルは、啜り泣く。
"恐ろしい罪だ。だから、苦しむのだ。神は、救ってくださるが、君は、それを信じないし、改めないだろう。父と子と聖霊の御名によって、あなたの罪を許す。"

"カトリック界に君臨する法王パウロ6世が、昨夜、9時40分に逝去されました。81歳の高齢で、この数か月、病状が、取り沙汰されていました。"
"コニー。俺の人生は、這い上がりの人生だった。上には、綺麗な世界があると。だが、上に登れば、登るほど、汚れていた。どこまで続くのか。この国の殺し合いの歴史。金のため、名誉のため、ファミリーのため。権力者の食い物に、ならないために。"
"懺悔をしたよ。神に罪の告白を。"
"あなたらしくないわ。見知らぬ他人に告白を?"
"他人ではない。Good man. True priest. 何かが、変わったよ。"
"時々、湖で溺れ死んだフレドの事を。神に召されたのよ。悲しい事故だったけど、過去の事よ。マイケル。I love you. これからも、力に。"
コニーは、マイケルの胸で泣く。

モスカが、アルトベロを訪ねる。
"パレルモから、わざわざお訪ねいただいたとは。"
"あんたの息子か?小さな子どもだったのに。"
"ロバの真似を。"
青年は、ロバの鳴き真似をする。
"最後に仕事を頼まれて、随分になる。"
"君は、アメリカで言う、俺の最後の切り札だ。靴の中に、小石が入ってな。それを取り除いてほしいのだ。"
"石は、1個かね?"

コルレオーネの駅に、列車が到着し、ケイが降り立つ。
"ケイ。元気そうじゃない。"
"メアリー。I miss you. "
"マイケル。"
"ママ。Look. "
"カバレリア・ルスティカーナ"
マッシモ劇場の演目を告げるポスター。
"ご主人は、残念ね。"
"来たがっていたのだけれど、重要な法廷が。" 
"だろうね。"  
"これで、息子は、一人前のアーチスト。"
"そう、君のお陰だ。"
"どうして?"
"君が、僕を説き伏せた。"
"やっと、シチリアの土地を踏んだわ。"
"一緒の写真を。"
メアリーが、写真を撮る。"
"パパ笑って。"
"まだ、ボディガードを?"
"車の乗り降りに、必要なのさ。鞄持ちも。"
"相変わらず嘘を。"
"本当のシチリアを見せよう。うちの歴史が分かる。"
"いいえ、もうenoghよ。"

モスカは、カモフラージュ用の衣装を見繕う。

"アンソニー。ずっと昔、お前が私に、くれたものだ。お守りだ。"
車の絵に、"パパ、好きか嫌いか答えて"と添えられている。"
"驚いたな。持っていたの。ありがとう。"
"いい息子だ。"  

ヴィンセント。 
コニーが尋ねる。
"腕は、確かなの?"
"確かだ。保証する。おじさんの身は、心配ない。"
ケイとメアリー。
"夕食までに戻るわ。" 
"OK. "
"アンソニーを引き留めて。"
ケイは、車に乗り込む。運転席のマイケルが、振り返る。
"奥様。私がお供を。"
何も知らないメアリーは、2人を送り出す。
"パパを探しておくわ。
ヴィンセントとコニー。
"お前は、パパの強さを受け継いでいる。マイケルに、何かあったら、復讐を。"
"全部、任せてくれ。"
" Swear? "
"誓うよ。"
マイケルとケイ。
"親父の生家だ。物心つくまで、ここに住んでいた。"
"待って。これは?"
結婚式を終えたカップルが、教会から出て来る。
"メアリーは、恋を?"
"知っている。"
"身内のハンサムなイタリア人よ。"
"僕は、許さない。間違った関係だ。その上、危険だ。" 
人形劇。
"お父さん、お願いです。神に、祈らせてください。"
"男爵夫人は、夫を裏切って、従兄と恋に落ちたのです。" 
"許す事は、できぬ。"
"父は、娘の胸をグサリ。一突き。" 
劇を見物するマイケルとケイ。
"名誉のため?"
野外の結婚披露宴に、マイケルとケイも加わる。
"初めて、私の家に来た時、あなたは、親兄弟の仕事に、一切、関わりは持たないと誓った。今のアンソニーのように。"
"アンソニーと同じだった。"
"ケイ。済まないが、運転を。最近、時々、目が。トマシーノの家へ。"
自転車で通りかかった男が、ケイに切り花を渡す。
"ボディガードは?"
"今日は、まいた。"

歩いている神父のそばに、車が止まる。
"神父様。どこまで?お送りしましょう。"
"モンテプレ村のモスカ父子だな。昔から殺し屋だ。今もそうらしい。"
"あんたの家に、マイケル・コルレオーネが。送って貰おう。"
車の扉が閉められ、モスカ父子は、銃弾を浴びせる。  
マイケルとケイは、トマシーノの家に帰る。
"ボディガードをしてくれたカロだ。"
"いい所ね。"
"飲み物を?" 
"この部屋で暮らした。君を想って。"
"でも、結婚を。"  
"だが、想っていた。"
"こっちは?"
 
"シチリアにいるのは、危険では?"
"この国が好きだ。"
" Why? "
"大昔から、ここの住人は、辛酸を舐めて来た。不正に怯えた。なのに、不幸でなく、幸せが訪れると、信じている。"
"私達のようね。"
"なぜ?"
"そうでしょ?あれだけの事があったのに、まだ。"
"忌み恐れているんだろ。死ねと命令を。" 
マイケルは、喉に、包丁を向ける。
"それで、恐れが消える?"
"シチリアのオペラさ。OK. これから先は?"
"穏やかに。傷付け合いをやめるの。"
"許してくれ。"
"何を?"
" Everything. "
"神が許すように?"
"聞いてほしいんだ。あの時は、理解されなかった。親父の跡は、絶対継がないと誓ったが、命を狙われれば、子として、親を守る。妻や子どもたちに危険が及んで、黙って見ていられるか?君は、この世で、僕が愛したかけがえのない女だった。だが、結局は、その君を失ってしまった。何のための闘いだったか?俺は、別の未来を夢に見ていた。I'll stop. "
"どうして、そんな話を?"
"僕は、君が考えているような男では。"
"私は、どうすれば。"
" I love you. ケイ。恐れ、憎まないでくれ。毎晩。シチリアに来てから、I dream. My wife and children. 彼らを失ったよ。"
"どう言ったら...つまり...私は、あなたを愛したわ。これからも..."
ドアがノックされる。カロが立っている。
"どうした?"
"ドン・トマシーノが、撃たれて。"
"死んだのか?"
"俺の主人だ。血には血を。手を下した奴に、復讐を。"
"近いうちに、面倒な仕事を頼まれてくれるか?"
"ご命令を。やっぱり、復讐だ。"

法王庁。
聖職者たちは、皆、赤い僧服で、臨む。
"票計を。"
"ロシャイデル1票、シーリ11票、ランベルト99票。"
"あなたは、法王に選ばれた。それを受けるか?"
"神よ。彼らの決定に、光をお与えください。お受けします。"
"法王としての名は?"
"ヨハネ・パウロ1世と。"
選出を示す白い煙が、煙突から、上がる。窓から、紅色のフラッグが垂れる。
"私は、何事も、後からではなく、即刻、行動に移す。" 
"銀行界のドン、カインジック氏が、行方不明に。3日前に、インモビリアーレ社のローマ事務所を出たきり、消息不明。多額の現金と重要書類も紛失。"
ギルディ。
"あの馬鹿ものが。"
"同氏の失踪により、バチカン銀行に対する疑惑が、浮上。同銀行と関連会社に関しては、以前から黒い噂が流れていました。"
ギルディ。 
"ルカージ。頼むから、分かってくれ。私の所へも、一切、連絡がないのだ。よく頭に入れておいてくれ。新しい法王は、先代とは、全く、考え方の違う相手だ。"
棺に収まるトマシーノの遺骸。
"さようなら。友よ。"
"子どもたちの命に懸けて誓います。贖罪の機会をお与えください。二度と再び、罪は犯しません。"
ヴィンセントが、やって来る。
"奴らは、いかさま師で、豚野郎です。" 
"誰の事だ?"
"黒幕は、ルケージ。奴が、アルトベロや大司教を操り、政界の上層部に勢力を張り巡らし、采配を振るっています。"  
"私は、邪魔者か?"
"シチリア人の殺し屋が、雇われました。顔は、分かりません。凄腕とだけ。"
"用心しよう。新法王も危ない。"
"私は、努力した。懸命に。こう、ならぬようにと。だが、不可能だ。この世界ではな。"
"命令をください。"
"後戻りは、できんぞ。私と同じ道を。私は、抵抗した。身内を巻き込むまいと。"
"俺は、違う。力で、ファミリーを守ります。ご命令を。"
コニーが、部屋に入って来る。
"私には、もうできない。"
"大丈夫。ヴィンセントに任せて。心配しないで。こっちへ来て、休んで。Don't think about it. "
"心配だ。"
"息子として、何でも、命令を。"
" Give up my daughter. "
"自分の道を選んだ代価だ。"
ヴィンセントは、小刻みにうなずく。マイケルは、ハリソンら幹部を部屋に入れる。
"私の甥。今日からは、ヴィンセント・コルレオーネだ。"
ヴィンセントは、マイケルの手にキスする。
"かけろ。"
"ドン・ヴィンセント。"
ハリソンが、ヴィンセントの手にキスする。
"ドン・コルレオーネ。"
"ドン・コルレオーネ。"

▶︎アンソニーのデビュー
マッシモ劇場。アンソニーの初舞台。コルレオーネ一家のほか、多数の観衆が集まる。
ヴィンセントは、アルトベロと再会する。
"やはり古巣へ?マイケルは、お仕舞いだ。自分を失っている。終わりだよ。自分の事を考えた方が利口だぞ。どうする?"
"オペラをごゆっくり。Don't care. "
アーマンドとフランシスコの双子の兄弟は、見張り役。
"上の階を見て来る。" 
マイケル、ケイとアンソニー。ケイが、祝電を読む。
"シャワーの中より、上手く歌う事を祈っている。主人よ。"
アルトベロとコニー。
"やあ、コニー。素晴らしい夜だ。"
"お誕生日でしょ。80歳が60歳に見えるわ。"
"覚えてて、くれたか。"
"法王が、正式に、インモビリアーレの契約裁可を。Congratulations. "
ハリソンからマイケルに伝えられる。
"思いもよらぬ進展だな。"
"法王が、大掃除を始めたのですよ。"
" Be careful. 正直である事は、危険だ。"
"お嬢さん。お招きを受けて、光栄です。"
"アンソニーの警護も頼みます。"
ヴィンセントが、承諾する。
アルトベロとコニー。
"昔は、誕生日に、こうしてお菓子を。"
"覚えていたか?"
小箱を渡す。 
"修道院の尼さんに頼んで、特別に作らせたのよ。"
メアリーとヴィンセント。
" Hey. "
" Hey, cousin. "
"革ジャンは?"
"よせよ。"
アルトベロは、箱を開ける。
"痩せている君が、先に食え。"
差し出された菓子を、コニーは少しかじり、アルトベロもかじる。
" Bono. Graze. Graze. "
"これで、終わりだ。メアリー、別れよう。俺が、自分で、決めた事だ。Don't hate the father. 俺は、君とは別の世界で生きる。君とは、今夜限りだ。頼むから、分かってくれ。" 
"愛し続けるわ。"
" Love somebodyelse. "
メアリーは、マイケルを見て、泣く。オペラが、開演する。ハープに伴奏されて、アンソニーは、歌う。聖職者になりすましたモスカも入場する。
列車に乗るネリ。 
アルトベロは、菓子をかじりながら、観劇。モスカが、席を立つ。
"異状ないか?"
"ネリは、バチカンへ。"

"ルケージさんのお宅で?"
" Si. "
"マイケル・コルレオーネからの伝言を伝えに。"
"開けろ。" 

モスカは、座席を探すふりをして、警備員を刺し殺す。そして、隠していたライフルを取り出す。

アーマンドとフランシスコは、異変を感じ、ひそひそ話をする。

ネリは、箱に入った菓子を摘む。箱の底には、銃と弾が、収まっている。

モスカが、マイケルを照準に収める。

アーマンドは、拳銃を手に、警戒する。係員の死体を見る。モスカに、見つかり、刺される。舞台では、アンソニーが、ナイフを手にする。後から駆けつけたフランシスコも、モスカに刺される。
オペラは、第1幕が終わる。モスカの息子は、ライフルを手に、客席を立つ。

"今晩こそ、決着をつけてやる。カインジック。卑劣なスイスの銀行野郎。最初から、皆の金をかすめてやがった。友達のドン・ルケージ。カロが、お前の家を訪ねる。ネリは、汽車でローマへ。大司教に、引導を渡せ。"

"法王猊下。お休みの前のお茶を。"

横になって休むカインジックの顔に、クッションが、押し付けられる。
"ヴィンセントの命令だ。"
カインジックは、窒息させられる。床に、札束が、ちらばる。

オペラの第2幕が始まる。キリストの像が、神輿に乗せて、運び込まれる。マイケルは、幹部に耳打ちされ、席を立つ。モスカは、狙撃のチャンスを逃す。
"バチカンの内通者から、法王の身が危険だと。"
"心臓の発作でも?何をするか、分からん敵だ。防げれば、よいが。"
モスカは、観覧席を立って、息子に状況を説明する。  

尼僧が、法王の部屋に入る。
"法王様。" 
"法王様。法王様。"
法王は、ベッドに横になり、体を揺すっても、反応がない。 
"法王様が、亡くなったわ。"

磔になったキリスト像が、床に置かれる。
ヴィンセントは、メアリーの肩に、手を置く。キリスト像に、黒い布が掛けられる。コニーは、オペラグラスで、アルトベロの様子を確認する。キリスト像が、立てられ、黒い布を取り除かれる。
アルトベロは、苦痛に、やや目をむく。
" Sleep. 眠って。ゴッドファーザー。"
アルトベロは、眠るように死ぬ。

カロは、ルカージに対面する。
"伝言を聞こう。"
"ドン・ルカージ。あなたは、人々の信頼を失いました。"
"信頼は、泥のように、もろい。それで、マイケル・コルレオーネの伝言は?" 
ネリは、ギルディを付け狙う。
"大変、重要な伝言なのです。誰にも聞こえぬよう、お耳に。"
"武器は、ありません。"
ネリは、階段を上るギルディを射殺する。
"えせ権力は、身を滅ぼす。"
カロは、ギルディの眼鏡を奪い、首に刺す。
ギルディの遺体は、1階の床に放り出される。
カインジックも亡骸となって、橋から吊るされる。ルカージも、遺体となって、椅子にのけぞる。オペラの幕が降りる。マイケルたちも立ち上がって、拍手を送る。
メアリーが、ヴィンセントに近寄る。
"話をさせて。"
"よせ。今はまずい。"
"パパみたい。"
" Com'on. 早く、皆と一緒に。"
メアリーは、諦める。 
"双子は、殺られました。警察がやって来ます。" 
"よし、皆を車に乗せろ。焦るな。"
マイケルとコニー。
"これからは、アンソニーが、有名人だ。"
" Dad. "
正面階段で、モスカの息子が、ロバの鳴き真似をする。 
マイケルとメアリー。
"なぜ、こんな事を?"
"何の話だ?私が何を?"
モスカが、マイケルを撃つ。モスカは、取り押さえられ、ヴィンセントが、撃つ。
マイケルは弾を受けるが、しっかり立っている。メアリーも、腹に弾を受けている。
" Dad. " 
メアリーは、崩れ落ちる。マイケルが、体を揺すっても、動かない。
" No. No. No. " 
"メアリー。
"神様。何て事だ。"
ケイが、メアリーを抱きしめる。マイケルは、顔を覆う。大きく口を開けて、叫ぶ。
かつて、マイケルが、メアリーと踊ったダンス。
シチリアに、引っ込んだマイケル。
"シチリア人が、永遠の幸せを願う時、それは、永遠の命を意味する。シチリア人は、それを忘れない。"
【感想】
バチカンの腐敗や権力闘争を描き、オペラのシーンもあり、楽しめる映画だ。ゴッドファーザーシリーズのベストと思う。コルレオーネ家は、マイケルからヴィンセントに引き継がれる。粗野なヴィンセントが、修羅場をくぐり、ドンの風格を備えていく物語でもある。その中でのメアリーとの別れは、涙を誘う。マイケルの加齢による衰えを、上手く表現している。最後の劇場の一夜が、"コットンクラブ"のクラブの夜のようで、クライマックスをなす。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?