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一人勝手に回顧シリーズ#マーティン・スコセッシ編(15)ウルフ・オブ・ウォールストリート/スコセッシ×ディカプリオ極まれり

【映画のプロット】
▶︎ジョーダンの起業
"投資の世界は、まるでジャングルです。Bulls. Bears. 危険ばかり。それゆえ、ストラットン・オークモントは、百獣の王を誇るのです。熟達したプロが、投資の世界の道案内をします。ストラットン・オークモント。安心と信頼。王者の誇り。"
オフィスで、人間的当て。
"最初に、的を射止めた奴に、2万5,000ドルやる。"
札束を手に、ジョーダン(レオナルド・ディカプリオ)があおる。ヘルメットを被った子供を、カウントダウンされながら、的に放つ。
"俺の名は、ジョーダン・ベルフォート。こいつじゃない。俺だよ。Right. クイーンズの小さなアパートで、会計士夫婦の中流家庭で育った。26歳の時、自分の証券会社で、4,900万ドル稼いだが、週100ドル分の目標に、3週分欠けていた。"
高速道路を、かっ飛ばす赤いフェラーリ。
"No.No. 俺のフェラーリは、『マイアミ・バイス』と同じ白。"
女にしゃぶらせながら、フェラーリを飛ばす。
"このでっかい豪邸。我が家だ。俺の妻、ナオミ。『ブルックリンの公爵夫人』"
裸のナオミ(マーゴット・ロビー)が、ベッドで転がる。元モデルで、キャンペーン・ガール。そう、さっき車で、俺をしゃぶっていた女。エロい気は、起こすな。妻と可愛い子供が、2人。豪邸、ジェット機、車6台、馬3頭。別荘2軒、170フィートのクルーザー。"
女の肛門に、クスリを入れる。
"ギャンブルはやるし、大酒喰らい。商売女と、週5、6回は、fuck. 3っつの連邦機関から、目をつけられている。そして、ドラッグを愛している。"
女の尻を叩く。
"Oh yeah. まだ元気なの?"
その夜、遅く。
ジョーダンは、ヘリコプターを操縦しながら、うつらうつらする。
"ジョーダン。墜落するぞ。"
"落ち着けって。"
ヘリコプターは、へなへなと着陸する。
"Are you OK?"
"Ya. All right. Good job. 無事の帰宅を。"
"また今度な。"
"ではまた。"

"俺は、マンハッタン中を、ひと月、ラリさせるだけのドラッグを、毎日、やっている。腰の鎮静剤クエイルードを、日に15回。精神集中に、アデロール。緊張緩和にザナックス。コカインで、正気に戻し、モルヒネ...あれ、最高。"
"お早う。"
運転手に挨拶して、リムジンに乗り込む。
"どんなドラッグにも勝る俺のNo.1がある。こいつさえあれば、無敵だ。世界を征服でき、敵を骨抜きにできる。"
ジョーダンは、ドラッグを決める。
"これの事じゃない。こいつだ。"
ドル紙幣を、両手で広げてみせる。
"『金』は、暮らしをよくしたり、車や女を買うだけじゃなく、いい人間にもなれる。教会や政党への多額な寄付。絶滅危惧鳥だって救える。"
ジョーダンが、オフィスフロアに現れ、拍手を浴びる。
"いつも、金持ちになりたかった。22歳の時、結婚したてで、既に金に飢えていた。俺の壮大な野心を満たせる場所は、世界に1つだ。"
"ウォール街"
ジョーダンは、ウォール街を歩く。

下積み時代。
"お前は、カスだ。文句あるか?ジョーダン。"
"No. No problem. "
"汚い池の浮きカスだ。"
"仕事は、『つなぎ屋』だ。毎日500本電話して、金持ちの社長を、私につなげ。外務員試験に受かるまで、毎日だ。"
"Sit. Sit. "
"私は、去年、30万ドル以上稼いだ。もう1人は、100万ドル超。" 
"100万ドルも?きっと、とんでもない嫌な奴だ。"
後ろから、ハンナ(マシュー・マコノヒー)に、両肩を叩かれる。
ジョーダン・ベルフォート?"
"そうです。" 
"ハンナだ。"  
"よろしく。"
"うちの馬鹿とは、もう話したか?"
"笑顔で電話。1時までは、電話にかじりつけ。"
"ほっとけ。上司は私。こいつは、ボケチンだ。"
"しゃぶるか。"
"面接で、株を売り込んだとか?"
"何か目立とうと。"
"面白い。今日、ランチだ。"
"さあ、ぼやぼやするな。他社は、もう電話している。3、2、1。Fuck. "
"金の声を聴きたければ、株屋の営業フロアに。クソ、死ね、ど阿保、インポ野郎。汚い言葉の応酬だ。クスリを打ったみたいに、一瞬で魅せられた。"
"阿保面、今日は、高値だぞ。"
ジョーダンは、周囲の熱狂に、気を取られる。 
"クソ。電話に出ろ。"
"済みません。"
ハンナが、怒った社員に、丸めた紙を投げ付ける。ハンナも、大袈裟な身振りで、電話に出ている。
"マジで腐っている。ハンナ。技術もクソも関係ない。我々は、金儲けだけを考える。"
"1千株。2千株。"
ハンナは、電話を終える。
"よし。値を吊り上げる。マイクロソフト2千株。注文を出す。"
"Com'on. "
ジョーダンを誘い出す。
"急げ、急げ。しっかり持て。入れろ。蓋を閉めろ。閉めるんだ。取引成立。"
注文伝票を、エアシューターで送る。

レストラン。
ハンナは、胸を叩きながら、唸っている。クスリを、小さじで飲み下す。
"やるか?" 
"結構です。"
"ハンナ様。楽しいランチのご注文は?"
ウェイターが、注文を取る。
"ゲームのプランがある。アブソルート・マティーニ2杯。いつものストレート。そして、きっちり7分半後、お代わり、もう2杯。更に、5分毎に、2杯ずつ。どちらかが、潰れるまで。"
"面白いですね。"
"僕は、水で結構です。"
"今日は、初日だ。見逃そう。"
"Mr ハンナ。昼間からクスリやって、仕事になるんですか?"
"ほかに、何をする?コカインと娼婦は、友達だ。"
"Right. この会社で、お仕事ができて、わくわくしています。顧客も、凄く。"
"客なんて、いい。君は、家族のために、稼げばいい。You got a girl friendw?"
"結婚しています。妻はテレサ。美容師です。"
"Cngratulation.''
"Thank you."
"なら、余計に客に、財布から金を出させ、自分の財布に入れる。"
"でも、もし、客が儲かれば、皆んな喜ぶ。でしょ?"
"No. 株屋の第1のルール。たとえ、君が投資家のバフェットでも、株が上がるか、下がるか、ぐるぐる回るか分からない。我々にもだ。『バッタもん』だ。分かるか?"
"『バッタ』。Fake."
"まがい物、バッタもん、パチもん。幻だ。存在しない。物質じゃない。元素表にも、載っていない。まったくの幻だ。だろ?いいか。我々は、クソも何も作らない。1株8ドルで買った客がいる。それが、16ドルになる。客は、喜んで、金に換えて、家に持ち帰りたい。それは、させるな。現実になる。どうする?もっと名案がある。素晴らしい案だ。ほかの株を買わせる。儲けにプラスアルファで、再投資。それを繰り返す。中毒状態だ。それを、何度も、何度も、繰り返す。そうして、彼は、金持ちになったと思う。紙の上で。だが、我々には、現金が手に入る。手数料としてだ。Right?"
"素晴らしい。わくわくします。"
"当然だ。株屋で成功するコツは、2つある。First of all 常にリラックスする。マスかくか?"
"マスをかくか?ええ。します。" 
"週に何回?" 
"多分、3、4回。5回かも。"
"増やせ。それは、新米の回数だ。俺は、1日、最低2回は、マスをかく。朝、運動の後と、ランチの後だ。"
"Really?"
"いいか。やりたいからじゃない。必要だから、やる。俺たちは、1日中、numbers と戦っている。小数点が、ちかちか。数字、数字。脳みそが、酸で侵される。だろ?頭がおかしくなる。マスって、血の巡りをよくする。下半身のリズムを保つ。"
"凄い。"
"嘘じゃない。絶対だ。やらなきゃ、バランスを崩す。役立たずになって、倒れる。下手をすれば、自殺する事に。"
"お断りです。"
"当然だ。"
"長く続けたい。"
"自殺は、最低だ。トイレで、いつでもシコれ。慣れて来ると、金を考えながら、できる。Second key. この世界での成功には、こいつ、コカイン。"
"Right."
"頭の切れがよくなるし、電話も早く押せる。分かるか。これが、ポイントだ。Revolutions."
"Revolutions?"
"客を、観覧車に乗せ続ける。遊園地は、24時間、年中無休。何10年も、何100年もだ。それが、すべてだ。オリーブを。"
"Thank you."
ハンナは、胸を叩き、唸り声にリズムをつける。
"Com'on. " 
"息が合って来た。"
"続けろ。"
♪こだまが響く 金がやって来る
 パレードが来て ブロードウェイへ
 ここは一本道 俺は直進する

ストリップ・ショーを楽しむジョーダンたち。
"それから半年、資格を取るために、わずかな給料で、表裏をくまなく学んだ。"
"そして、遂に資格を取得。これから、大稼ぎだ。これが、『ウォール街の覇者』の初日。"
1987年10月19日
電話セールスするジョーダン。
"半年前、86.25ドルのエクソンが、今日は、36.5です。"
電話を切る。
"これが、ブラックマンデー。夕方4時。平均株価が、508ドルも下がった。1929年以来の大暴落だ。"
ハンスたちも電話対応する。
"嘘じゃない。ヨーロッパの阿保な国が、破綻した。ほっとけ、我々は大丈夫だ。"
"売りはない。"
"これは、天変地異です。後悔しますよ。では、奥さんと話を。"
"電話は出るな。皆、押し寄せる。" 
"何がおきているか。"
"ああ、そうだ。"
フロアに、ベルが鳴り響く。皆、電話で話すのをやめる。
"なんてこった。"
"Unbelievable. ブローカーとしての初日に、1か月もせず、1899年創業のL.F.ロスチャイルド証券が、潰れた。俺は、ウォール街に、飲み込まれ、捨てられた。"
ジョーダンと妻。
"婚約指輪を質へ。必要なら、構わないわ。"
"いいか。何も、質には入れない。OK? 俺は。"
"億万長者になる。"
"そうだ。任せとけ。何とかする。"
"What this? 『安さ炸裂。家電量販店の倉庫係』だ。"
"あり得ない。"
"とりあえず。"
"惨めになるわ。"
"出世すれば、店長にも。"
"倉庫係は、駄目。あなた、株屋でしょ?"
"今は、どこにも、株屋の口はない。見ろ。OK? "
新聞の求人欄を示す。
"株式仲買人"
"あったわ。これ、何?"
"株屋だ。Longisland?"
ジョーダンは、求人元のオフィスに行く。電話をかけ続ける職員たち。
"投資センターは、どこです?"
"投資かい?"
"No. 投資センターを探しています。"
"ここだよ。ここが、そうだ。ドウェインだ。"
"電話でお話しした。ロスチャイルドにいたベルフォートです。"
"ああ、座ってくれ。"
"さっき。"
"電話だろ?"
"2hours ago."
"有望株だよ。"
"ほんの3セント。全部で3ドル。しみったれ。"
電話のやり取りを、楽しそうに聞く。 
"『クオトロン』は、どこに?"
"『クオトロン』?"
"Yeah. Computers."
"No. 必要ない。扱うのは、店頭株だけだ。ペニーstocks. 安過ぎて、ナスダックに上場できない株。それを扱う。"
"ペニーstocks?"
"Yes. このエアロダインは、面白い。エアロタインだ。アエロタイン。注目株だ。" 
"Yeah."
"自宅のガレージで、レーダー探知器を作っている。電磁波かも。会社に電話すると、優しい母親が出る。どんな会社か、それしか知らない。"
"1株6セント?誰が、こんな株買う?"
"大抵は、阿保の連中。いつも郵便局員とか、配管工。『Hustler』とかに、『儲かる』って広告出すと、来る。"
"『Hustler』?"
"ポルノ雑誌だ。"
"ヌード写真。"
"山ほど。儲けて、家やカミさんのタイヤを、買わせてやる。"
"これって、規制は?大丈夫なのか。"
"まあね。"
"まあ?"
"売り買いの差が、でかい。"
"それが狙いだ。名前は?"
"ジョーダン・ベルフォート。"
"優先株の手数料は?"
"1%頂いていた。"
"こっちは、50だ。"
"50%?手数料が50%?What?"
"我々の利益だ。"
"もし1万ドルの株を売れば、手数料は5,000ドル?"
"もし、1万ドル売れば、君のアレをしゃぶるよ。夢だね。"
ジョーダンは、ペニーstockを売る。
"ジョン。お元気?先日、お葉書で、ペニーstockの資料請求を頂きました。リスクはちょっとで、儲かる可能性大。覚えている?良かった。今日、お電話したのは、掘り出し物が、出たんです。この半年で、一番のお買い得。1分あれば、説明します。"
隣の従業員が、聞き耳を立てる。社名は、エアロタイン・インターナショナル。中西部の最先端ハイテク企業で。"
ドウェインやほかの従業員たちも、ジョーダンのトークに、耳を傾ける。
"間もなく、次世代レーダー探知機の特許が下りれば、軍用、民間共に、多大な需要が起こります。今なら、店頭取引で、1株10セント。うちのアナリストは、凄い読みをしています。6千ドル投資すれば、6万ドル以上の利益が出る。"
"ローンと同額だ。"
"ローンは、完済です。"
"その株で?"
"約束します。この業界を見るのに、勝ち数で、私を判断せず、負け数で判断を。私は、ほぼない。エアロタインは、あらゆる専門的観点からも、絶対に、満塁ホームランです。"
"分かった。4千ドル買おう。"
"4千ドルは、4万株です。では、確定しましょう。秘書から、ご連絡します。いいですね?"
"良かった。ジョン。信頼をありがとう。投資センターへようこそ。"
"ああ、ありがとう。"
"Bye bye."
"凄い腕だな。"
"あっさり2千ドル稼いだ。皆、俺を英雄扱いだ。クズ株をクズどもに売って、俺は、ボロ儲けした。"
"もっと買わなければ。"
"やった。" 
"クズを売り続けた。思うに、金は、俺が持っていた方がいい。使い方を知っている。"
黄色いジャガーのオープンカー。ダイナーの駐車場に停まる。
"Excuse me. あれ、あんたの車?"
"Yeah."
"いい車だ。"
"Thanks."
"ドニーだ。"
"よろしく。"
"実は、あの車、よく見る。同じビルに住んでいる。12階?"
"そっちは?"
"4階だ。子供2人とブスな嫁。"
"何している?"
"何って?"
"仕事は、何を?"
"株屋だ。"
"株屋?Stock."
"Yeah."
"子供の家具屋。"
"いいね。"
"まあね。儲かるか?"
"満足している。"
"何でだ?あんないい車を持って、同じビルに住んでいる。いくら稼いでいる?"
"さあ、先月は、7万ドル。"
"ざけんな。冗談はよせ。"
"Serious. "
"俺も、マジだ。マジに、稼ぎは?"
"言ったろ。7万ドル。正確には、先月は、7万2,000ドルくらいだ。"
"月に、7万2,000も?"
"Yeah."
"いいか。給与明細を見せてくれたら、すぐ、あんたの下で働く。"
カバンから、給与明細を取り出し、ドニーに渡す。
ドニーは、電話する。
"ポーリーさん。お元気?順調です。仕事を辞めます。"
"本当に辞めた。会ったばかりで、変な奴だった。"
"スーザンには、内緒で。"
"それに、妙に光る白い歯。何で、奥さんと?べっ甲縁の眼鏡も、エリート気取り。妙な噂も、耳にした。"

"馬鹿げた噂を聞いた。馬鹿馬鹿しくて、話したくないけど。" 
"俺の噂?"
"皆んな、いい加減な話を。聞きたくもない。"
"何だ?" 
"君といとこが、どうとか。どうでもいいが。"
"違う。そんなんじゃない。"
"君が、従姉妹と結婚しているとか。"
"ああ、嫁は、従姉妹だが、変な話じゃない。"
"近親の従姉妹か?"
"ああ、まあ、彼女の父親が、俺の母親の兄弟。俺たち、幼馴染だし、彼女、いい女に育って、俺の周りが、皆んなやりたがった。頭に来る。俺ら、いとこ同士だし、ほかの男にやらせるか。もし、彼女とヤルなら、俺しかない。"
"分かるよ。でも、子供の心配は?"
"子作り?"
"Yeah."
"2人いる。"
"余計な事だけども、何も問題は?"
"普通の子だ。"
"だが、可能性はある。"
"子供に問題が出る可能性は、6割か6割5分。"
"恐ろしい。"
"いとこでなくても、子作りは、リスクがある。"
"もし、何かあったら?"
"もし、子供が異常だったら、車で田舎に連れて行って、ドアを開けて、『どこかに消えちまいな』って。だろ?"
"冗談だろ?"
2人は笑う。
"酷いな。そんな。"
"信じるなよ。ちゃんと子供を見てくれる施設へ連れて行く。"
"幸せなら、一番だ。"
"結婚して、幸せな奴いるか?"
"それは、残念だ。"
"この仕事を始められて、感謝している。とても楽しい。"
"こちらこそ。"
"実は、プレゼントがある。"
"俺に?嬉しいね。"
"裏へ。"
"行こう。"
"何か、包みか?"
"そうだ。"
"何だろ?"
"兎も角、行こう。"

"やれ。"
"俺は、やらない。"
"吸えよ。誰もいない。やれ。一緒に吸えよ。吸えって。クラックだぞ。"
"分かった。一服だけだ。"
"馬鹿だ。"
ジョーダンは、吸い、恍惚となる。
"走ろうぜ。ここから出よう。ここから出て、走ろう。"
ドニーの首に手を回し、揺する。
"ライオンか虎のように、走ろう。クソ。走ろうぜ。走るぞ。行け、行け。"

電話が鳴る。
"フランク・オートです。現在、休業中です。伝言をどうぞ。"
"私は、ベルフォート。ガレージをお借りしたい。"
ダイナーで、営業マンたちが食事している。
"ドニーと会社を始めた。営業マンが必要だ。営業経験者。地元で、募集を始めた。オッター。肉とマリファナ販売。チェスター。タイヤとマリファナ。ロビー。何でも売るが、大半はマリファナ。"
"キミー。ケチャップ。"
"ブラッドだ。彼こそ欲しい。だが、乗って来ない。十分に稼いでいる。街のドラッグ・キングだ。"
ブラッドは、戸外で筋トレし、集まって来たワルをからかう。
"モテんのか?"
"若いの連れて来い。これを見せてやる。どうだ?"
腕の筋肉を見せびらかす。
"ジップ。姉さんに、用があるって、言え。パンティを持って来い。"
"あんたと話したくないって。"
"やかましい。"
"ママ。今晩、チキン?ママ。"
"思うより、簡単だ。"
ジョーダンが、彼らに語りかける。
"誰でも、手早く儲けたいと、思っている。楽してだ。"
"アーミッシュに、ヤクを売った。あご髭生やし、口髭はなしの男。そいつは、家具作りしか、興味がないって。"
"何の事だ。"
"だから、何だ?"
"『誰でも儲けたい』と言うから。"
"ああ、そう言った。"
"何を言っている?"
"仏教徒も、無欲で、シーツにくるまっている。"
"坊さんの話じゃない。普通の毎日、働く連中だ。皆、金持ちになりたい。"
"アーミッシュの坊さん?"
"いるかも。"
"ケチャップを。"
"皆、金を儲けたくないか?"
"俺は、何でも売れる。ヤクで、修道尼をレズらせる。"
"そうか、やってみろ。何でも売れる?このペンを、俺に売れ。これを。"
"先に食わせてくれ。"
"ブラッド。手本を。ペンを俺に。"
"売れって?"
"見てろ。何でも売る。"
"そのナプキンに、名前を書け。"
"ペンは?"
"需要と供給だ。"
"見ろ。必要性を作った。買わねばと、相手に思わせる。"
"売れるさ。尼さんは、皆、レズだ。"
"ふざけんな。"
"男がいないからな。"
ブラッドが怒る。
"キミー。ケチャップ。"

貸しガレージのオフィス。営業マンは、電話をかける。
"ハーバード卒など、1人もいない。ロビーは、5年かかって、高校を出た阿保。シー・オッターは、高校もでていない。チェスターは、柔術を、イスラエルの武術だと。一番賢いのは、ニッキー。ロースクールを出ている。あだ名は、『づらコフ』。カツラ頭だ。若くて、貪欲で、馬鹿なこいつらを、すぐに金持ちにしてやる。"
妻に、ブレスレットを贈る。
"凄い、ジョーダン。"
"どうだ?" 
"さあ、でも、beautiful. "
"大粒じゃないけど、品質は、最高だ。"
"Beautiful. So beautiful. "
"何だよ。その顔、何だ?''
"分からないけど、あなたの扱っている株って、クズばかりでしょ?"
"Oh yeah. Terrible. 心配ない。法は、破っていない。"
"でも、皆んなに、損させている。"
"儲けたり、損したり、その時々だ。"
"損しても平気な金持ちを、相手にすれば?"
"金持ちは、ペニー株など買わない。無理だ。"
"Why not?"
"金持ちは、too smart だからだ。どこの大学出が、こんな馬鹿どもの話を信じる。"
"かけ直せ。"
"5千ドルの取引だ。"
"でも、馬鹿に見えなければ?セールスの仕方を教えてやれば?大金持ちに。会社を改革する。"

ジョーダンは、会社のマークとロゴを、従業員に示す。
"Gentlemen wellcome, ストラットン・オークモン社へ。諸君は、全米1%の金持ちだけを、相手にする。Whales. 『白鯨』だ。このマニュアルは、敵を仕留めるモリだ。君たち全員を、エイハブ船長に育ててやる。Get it?"
"何船長?"
"エイハブ。小説の主人公だ。"
"ボケ過ぎだぞ。"
"社名も会社も、新しくした。顧客が、信用する会社。顧客に頼られる会社。ウォール街の由緒ある会社っぽい名前。創業者が、メイフラワー号でやって来て、『プリマス・ロック』に、名を刻んだような名前。Got it?"
"戦略は、こうだ。売るのは、ディズニー、AT&T、IBM。一流銘柄だけ。誰でも知っている会社だ。一度、取り入ったら、今度は、クズを売る。店頭株、ペニー株で、我々が稼ぐ。手数料50%だ。大切なのは、その日のうちに、売り買いをさせる。経済紙に、終値が出たら、最早、手遅れだ。"
"待つんだ。我慢だ。客より先に喋ったら、負けだ。"
ジョーダンが、実演。客と電話で、やり取りする。
"悪いな。よく考えさせてくれ。妻とも話したいし、かけ直す。"
"客は、迷っている。だから、女房だ何だと。聞き流せ。一番の理由は、君らを信じていない。何で信じられる?いかがわしい営業マンを。さあ、どうする?"

"ユニオンを7ドルで買って、32ドルで売れれば?"
"TI社を、47で売り抜け。"
"USスチールを、41で。"
"『ディズニーを、スポットで2、3千株買え』って?"
ジョーダンの実演。
"ケビン。問題は?"
"君を知らない。突然の勧誘電話だ。"
訓練を受けた営業マンたちの実際の対応。
"同感です。面識すらない。"
"自己紹介を。私は、オールデン。" 
"ロビー。"
"チェスター。" 
"上席副社長です。"
"来年は。"
"トップの営業に。"
"そんな真似は。"
"よく分かった。君は、信用できそうだ。"
喜ぶジョーダンと営業マンたち。
"損とか得は、別として。"
"今回の取引は、今後に。"
"役に立ちます。ケビン。"
"ご安心を。遂に、あなたは。"
"ウォール街で信頼できる営業マンを、見つけた。今後は、確実に、儲けられます。いかがです?"
ジョーダンは、両手の中指を立てる。
"よく分かった。どう、どう思う?"
"ケビン。一度試しに、優良株のコダック辺りで。嘘じゃない。きっと、なぜもっと買わなかったか、後悔する。いかがです?"
"参ったね。離婚されそうだが、分かった。買おう。"
"素晴らしい。いくら買います?"
"5千ドルで。"
"8千ドルは?" 
"1万で。行こう。"
"Excellent choice. 1万でお預かりし、折り返し連絡します。Wellcome to ストラットン・オークモントへ。"
"ビールで乾杯だ。"
"楽しいね。ごゆっくり。" 
"ありがと。ジョーダン。"
電話を切る。
"Fuck. 言ったとおりだ。"
会社は、規模を大きくし、立派なオフィスに移る。
"阿保たれだ。"
"私は、航空関係だけは、プロですよ。クーション航空は、これから絶対です。"
"私は、コスコフ。ストラットン社の副社長です。ジュディさん。お気の毒です。いつ、お亡くなりに?" 
"多少の値下がりでも。"
"よく、祖父が『大金を墓に、眠らせるな』って。"
"勝ちレースに乗るようなものです。"
"8千株貰う。"
営業マンが、ガッツポーズ。
"まず、2万5,000株だ。"
"賢明です。すぐに担当へ。"
"ロンダ、ロンダ。"
"では、秘書に。"
"ロンダは、どこだ?"

終業のベルが鳴る。
ジューダンは、フロアの上座に立つ。
"いい週だったか?手数料総額2,870万ドル。店頭銘柄だけでだ。この賑やかな1週間を祝って、美人アシスタント、ダニエルに、1万ドルで、頭を剃って貰う。"
ドニーが、電動バリカンを持つ。
"皆んな、見たいか?"
"丸刈りだ。丸刈り、始め。"
皆、掛け声をかける。
"ダニエルは、この1万ドルで、豊胸手術をする。今、Cカップだが、ダブルDにしたいって。どうだ、最高の会社だろ。世界最高の会社だ。ドニー。馬鹿を、おっ始めるぞ。"
半裸の鼓笛隊が入場。フロアを巡る。シャンパンが、運び込まれる。
"ストリッパー、入場。"
乱痴気騒ぎ。
"噂は、ウォール街に広まった。望まない場所にまで。"
"デナム捜査官"
ジョーダンらの写真を、ボードに留める。
"この街を象徴する雑誌『フォーブス』も取材に。"
"ストラットン社の将来の展望は?"
"one word? 多様化です。"
"なるほど。Thank you so much. 写真を。"
"The Wolf of Wall Street"
"こき下ろす記事だった。"
"狂乱ロビンフッド" 
"『the wolf of Wall Street』だと、見ろ。" 
ジョーダンは、妻に憤懣をぶつける。
"写真は素敵。"
"pushing dicey stocks"
"ジョーダンは、ロビン・フッドきどりで、金持ちから金を奪い、自分と仲間たちで、山分け。読め。"
"Listen 世の中に、悪い宣伝なんて、ないわ。"
"読んでみろ。"
"かっこいい有名雑誌に載った。"
ジョーダンが、出社し、受付に現れる。スーツ姿の若者が、殺到する。
"静かに、下がって。"
"何事だ?"
"あの記事で、入社希望者よ。"
"駄目よ。"
"挨拶を。"
"働きたければ、私に話して。"
女性幹部が、叫ぶ。
"お陰で、super star になった。毎日、金に目のくらんだ若者が押し寄せ、雇えば、即、大学をやめ、有り金で、当社傘下の服屋で、スーツを新調。"
"お前ら、マジか。"
"本当に、スーツ姿で、働き始めた。"
"フォーブス"
"そこに、このクソったれ。だが、常に世の中には、足を引っ張るクソ野郎がいる。"
ジョーダンは、服を着たチンパンジーを抱いて、オフィスを回る。
"数か月で、社員は2倍。デカいオフィスに移った。"
床を棒で叩く者。社員同士のつかみ合い。
"狂気の坩堝。欲望の祭典。同様に、コカインと制欲とsex. 酷過ぎた。9時から午後7時まで、社内sexは、禁じたが、効果はなかった。"
トイレで、クスリをやる者。sexするカップル。
"Madness は、初日に始まった。ブローカーのベンが、エレベーターで、なにをしゃぶらせた。彼女は、パム。確かに、強烈に吸い付くワイルドなテクニックを持っている。ひと月後、俺たちも、彼女と3P。女房たちは、クリスマスの買い物中。ベンが結婚。オフィスの皆をしゃぶった彼女とだ。その後、彼は、鬱で自殺した。俺は、秩序維持のため、親父を雇った。我が社のゲシュタポ。通称マッドマックス。短気だ。電話が鳴っただけで、頭に来る。"
電話が鳴る。
"どこの馬鹿が、火曜の晩に、電話なんかしてきやがる。クソったれ。"
"見逃すわよ。"
"この1週間、『シークレット・ハンター』を楽しみにしていたのに。"
"Hello."
"だが、電話に出ると。"
"ジーン。元気かね?"
"変なイギリス訛りで。"
"それは、結構。さよなら。"
"正に変人。"
"ぼけなすめ。" 
"切ると、またマッドマックスだ。"
"それで、what happened?"
"彼が、突き止めたの。"
"彼って、誰だ?"
"だから、主役の男よ。彼の母親の妹が、死んでいたの。"
"マッドマックスに、すべて知らせる必要は、ない。" 
"デカい的にめがけて、そいつらを投げる。ドル・マークに当てた奴が、1等賞だ。皆、思い切り、投げ付ける。"
"怪我させたら、どうなる?"
"俺ら、馬鹿だ。"
"怪我はしない。奴ら超人だ。心配するな。"
"目は、見るな。"
"目を?"
"TVで見た。"
"奴ら混乱する。見るなら、顎を。今、見ているように。"
"見つめていない。"
"モナリザは、どけから見ても、目が合って見える。"
"好き勝手は、まずい。バナナとかは、投げ付けていいけど、フルチンにさせて、女に抱きつかせたりは。" 
"それより、こいつらは、的に投げるのが、目的だ。"
"そうだ。奴らは、投げられるようにできている。ダーツのように、頭が重い。"
"彼らで、ボウリングは?"
"兄貴は、球に使える。"
"スケボーに縛り付けて、ピンに投げ付ける。"
"それ面白い。"
"呼べるか?"
"呼べるが、こいつ、フルチンも、OKだって。チビだけど。"
"彼らは、怒りっぽい。気を付けろ。"
"安全が第一だ。いざの時のために、誰か麻酔銃を。スタンガン。"
"空気銃は?"
"駄目だ。倒せる程度で、いい。"
"法に、引っかかるのは、駄目だ。芸人として、契約を結ぶ。綱渡り芸人は、死んでも、裁判沙汰はない。"
"これは、忘れるな。連中は、噂好きだ。ゴシップを流す。"
"確かに。"
"『あそこは、笑い物にした』なんて、言われたらまずい。"
"だから、お前を買っている。気が利く。"
"彼らを、仲間のように、扱え。仲間だ。俺らの仲間だ。"
全員で唱和する。
"同じ仲間だ。"
"ジョーダン。"
女性社員が、呼ぶ。
"パパが、カードの件で。"
"今、まずい。"
"知るか。"
"本気だ。"
"仕事のフリしろ。株の書類を。親父が来た。適当に話せ。"
"ファイザーを売れば。"
"1か月に43万ドルだと?ジョーディ。Fuck'in43万ドルを、fuck'in 1か月で。"
"必要経費だよ。"
"経費だと?これを見ろ。1回のディナーに、2万6,000ドル。"
"OK. これは、理由がある。ファイザー社を接待。アルゼンチンの最上肉。シャンペンに、サイドディッシュ食ったろ?"
ドニーに、同意を求める。 
"2万6,000ドルのサイドディッシュだと?Cancerでも、治るのか?"
"治ったんです。だから、高かった。"
"ふざけるな。"
"よせ。" 
"EJ芸能社。何が、芸能社だ?"
"それは、難しいね。"
"何だよ。"
"売春婦の派遣だろ?違うか。"
"I know. その通り。"
"それで、終わりか。"
"そうだが、俺は、やっていない。彼らが。"
"皆んなだ。" 
"俺は、違う。説明しろ。これは、お前たちの分だ。"
"国税庁は、援交費を認めている。"
"交際費だ。" 
"そう言った。"
"援交費だと。"
"言った。"
"援交費だと言った。" 
"ディナーを怒るのは、いい。高過ぎた。でも、僕は、交際費だと。"
"この耳で聞いた。援交だと言った。"
"間違いない。"
ジョーダンが、なだめる。
"ジョーダン。" 
"もう、我慢できんぞ。"
"我慢しなくていい。"
"殺されるぞ。" 
"そんなに我慢しなくても。"
"もういい。出て行け。"
"売春婦をカードで?"
"一流のだ。"
ドニーは、部屋を出て行きながら、悪態をつく。
"うちでは、娼婦は、3種類。一流銘柄。モデルクラス。300〜500ドル。生でやるなら、多額のチップ。俺は、いつも払う。次が、ナスダック。まあまあの容姿だ。料金は、200〜300ドル。最低は、店頭銘柄。料金は、100ドル以下。スキンを付けなきゃ、ナニがもげる覚悟がいる。そんな相手でも、俺たちは、やった。"

ジョーダンと父親。
"またギックリ腰だ。"
"分かっている。EJ芸能とやり過ぎだ。"
"父さん。"
"家の方は?''
"あまり良くない。彼女が...分かるだろ?香りと同じだ。暫く経つと、薄れていく。"
"当然だ。それが、結婚だ。わしらは、長く結婚している。だが、年中、抱き合っているか?"
"彼女を愛している。離婚したくはないが、外へ出たら、凄い女たちが。彼女たちのテクニック、まるでレベルが違う。体の毛がない。"
"嘘だろ?"
"ツルツル。"
"You are kidding me? 『茂み』も?"
"人形みたい。『茂み』も。ほんと、ある週を境に、突然、ツルツルになった。"
"新しい。"
"眉毛から下は、全部。ツルツル。脱毛。"
"新世界だな。もう少し、若ければ。"
"『茂み』は、趣味じゃない。"
"Really? わしは、嫌じゃない。"
"父さん。ストレスを溜めないでくれ。"
"溜まるさ。あの阿保ども。"
"阿保だが、俺を目標にさせたい。この俺を。"
"ジョーディ。いつか報いが来るぞ。"
"イカれていると?"
"イカれている?不潔だ。"
"不潔だ。普通の世界では。だが、普通なんて、望むか。"

"最後まで、騒ぎまくれ。"
♪俺らは もうすぐ ウォール街の伝説になるぞ
海辺の別荘で、社員の懇親パーティー。
"俺たちのプランは、この会社を、宇宙まで持ち上げるぞ。"
ジョーダンが、気勢を上げる。
"ウルフ。ウルフ。"
社員たちが、声を上げる。

"何がメリルリンチだ。金と時間を取られ、うちは平幹事。"
"次の目標。上場できる企業を見つける。IPOs。ウォール街に我々が、本物だと思わせてやる。"
"アーンクリフェ社は?"
"俺たちの違いは、会議中、しっかりラリっている。この『ルード』も、自由な発想を出すためだ。" 
"スティーブ・マデン。" 
壁際の椅子に、ぐったり座るドニーが、つぶやく。
"会社を...買って。" 
"『ルード』は、何かって?"
"待て。『ルード』の魔法が、ドニーに効いているらしい。"
ドニーが、立ち上がり、ジョーダンの肩に、取り付く。
"『クエイルード』、通称『ルード』は、1951年に、インド人の医師が、初めて製造。不眠症の主婦のために、鎮静薬として処方された。だが、すぐに飲んで、15分眠気を我慢すると、これで、ハイになると、分かった。すぐに、『ルード』の乱用が、始まった。1982年、米政府は、禁止薬物に指定。ゆえに、残りはわずか。金を出しても、買えない。皆んな、お気の毒。"
"スティーブ・マデン。"
"このCM。ダサい靴を履いた、頭の大きい女の子。"
"俺の同級生マデン。"
"こいつの同級生。"
"マデンは、大人気の女性靴。ウォール街中が、上場を期待している。"
"いいぞ。何だ?"
"その同級生が。"
"Women's shoes."
"我が社の副社長ドニー・エイゾフだ。"
"ジョーダン。あの女を見てみろ。" 
胸の大きく開いたワンピースをまとったナオミが、パーティー会場に現れる。
"あれなら、妹でもヤルぜ。エイズを貰ってもいい。" 
"誰が、頂く?"
"いい女。"
"クリスティ。"
ジョーダンが、近づく。
"お友達のナオミよ。"
"Hi. Nice to meet you." 
"こちらこそ。"
"素晴らしいお宅ね。こんな大きな家、初めて。"
"ビーチもある。"
"ブレアです。"
連れの男が、挨拶する。
"Nice to meet you. ブレア?"
"Yeah."
"ジェットスキーは?"
"経験ない。"
"一度も?"
"ないわ。"
"何度聞く?経験ない。"
"何度でも聞くさ。"
ジョーダンの妻と話していた女が、やって来る。
"ヒルディよ。よろしく。"
"テレサが。"
ジョーダンに言う。
"すぐ、行くと伝えてくれ。" 
"あなたの奥さんよ。"
"今、話し中だ。"
"そろそろ失礼しよう。"
"待て。どこへ?"
"もう行く。"
"1杯だけ。"
"そうだ。" 
"ほかのパーティーに。"
"1杯だけ。"
"彼女、perfect."
ドニーが、つぶやきながら、いちもつをしごく。
"シャンペンは?"
"好きよ。"
"ドニー。何、馬鹿やってんの。"
ヒルディが、怒る。ドニーを突き倒す。
"勘弁してくれ。"
ブレアは、ナオミの手を取り、会場を後にする。
"ジョーダン。やっちまえ。"
ドニーは、ヒルディに小突き回される。
"いかせてやれ。可哀想だ。"

ジョーダンは、ナオミを食事に招く。
"ベイリッジは、スタテン島?"
"ブルックリン。橋の向こう。"
"『サタデーナイト...』?"
"That's right. あの橋を、ギニア・タラップと呼ぶの。"
"君は、イタリア系か?"
"父方がね。それに、オランダ、ドイツ、英国。雑種よ。"
"そうか。"
"ロンドンに親戚がいるわ。エマ叔母さん。大好き。英国って感じで気品がある。"
"よく分かる。"
"何が?"
"君も、そうだ。公爵夫人。ベイリッジの公爵夫人。"
"ごめんなさい。ストロー頂ける?"
"電話番号をクリスティに聞くなんて、驚いたわ。"
"何で?"
"奥さんは?"
"既婚者は、"友達"になれない?"
"お友達?"
"ああ、友達は、嫌か?"
"友達は、無理。"

夜のブルックリン橋を、ランボルギーニで、かっ飛ばす。
"夜は、デザインの仕事。下着のデザインよ。キャミソールやパンティ。"
"女性のパンティのデザイン?Oh my god."
ナオミの家に着く。
"ジョーダン。彼女の部屋に行け。"
"ティーでも、いかが?"
"ティー?ホットティー?いいね。"
"めちゃ嬉しい。ダージリンか、ローズヒップか、何か?"
部屋に入る。ナオミは、小犬を抱き上げる。
"ロッキー。いい子ね。挨拶して。"
"やあ。"
"火をつけて。すぐ来るわ。"
"それか。"
"いい絵だ。"
"神様。どうすれば、やれる。"
"You're all right?"
"ああ、今、火をつけてる。"
ポケベルが鳴る。
"電話して。テレサ。" 
"ここまで。馬鹿はよせ。妻の元へ帰れ。"
裸のナオミが現れる。
"いや、無理だ。後は、夢中だった。"
"もう駄目。"
"11秒後。"
ジョーダンは、果てる。
"いったの?"
"ああ、いった。君は、いった?"
"No."
"No? まだ硬い。ちょっと、待ってくれ。頑張れ。いいぞ。''
小犬が吠える。
"痛てえ。"
"駄目よ。ロッキー。"
"ビスケットは?"
"It's OK. 続けて。"
"あっちへ行け。"

"やり足りない。彼女のアレは、麻薬だ。Sexだけでなく、ナオミとは、お互い、趣味も合った。"
車の後部座席で、いちゃつく2人。
"汽車ぽっぽだ。"
ナオミの胸に、ヤクの筋を作り、吸う。
"ちゃんとできるよ。できる。"
"全部、吸ってやる。"
リムジンが、ホテルに着く。
後部扉が開き、抱き合う2人。テレサが待ち構えている。
"You get out fuck'in car."
ジョーダンを引きずり下ろす。
"Fuck."
"Relax."
ビンタを喰らう。
"Son of a bitch."
"やめろ。"
"馬鹿。"
"君は、出掛けて。"
テレサは、叩き続ける。
"君は、出掛けていると、思っていた。"
"パーティーの時の女?"
"お前は、別荘に行っていると。"
"あんた。何よ。まるで、別の人になった。"
"俺が、悪かった。Sorry."
"本気なの?"
"Do you love her? Anser me. "
ジョーダンは、手を広げる。
"最低だった。3日後、離婚申請を終え、ナオミと暮らし始めた。さすが、伯爵夫人は、品がある。家中、風水のインテリア。ゲイの執事も雇った。こいつは、利口で、上品で、プロ。申し分ない。"
"ジャスミン?"
"今日は、難問でしたのに。Great nose. "
"ところが、ある晩。"
執事が、家人の留守中に、仲間を上げて、乱行パーティー。ナオミに現場を見られる。
"Oh my god."
"もう水曜日?あんたたち。やり過ぎよ。"

"私たち、留守だと思っていたのよ。"
"どこで、やっていた?" 
"あちこち。テーブルに2人。こっちも、ここでも4人。"
"A. 本当に、ここで?先に言えよ。"
"まだあるわ。その後、部屋を調べたの。"
"何だ。何があった?"

執事に、直接、聞く。
"金は?"
"知りません。"
"俺の金は、どこだ?"
"知りません。私は、無実です。"
"嘘ついているぞ。"
"最初から、始めよう。友達を招いた。All right? 皆、やりたい放題。俺たちも、いつもラリって、大騒ぎだ。だが、金が盗まれた。引き出しから。"
"だから、私は知りません。"
"誰が、来た?"
"旦那様たちは、翌日、お帰りのご予定で、掃除して、朝食で、多少ハイに。卵料理とアイスを食べて、ふと、『誰かにアイスを』と。それで、ルディに。"
"誰だ?ルディって?" 
"ご存知でしょ?"
"ルディだと?"
ドニーが言う。
"ロリポップ・クラブで、踊っていた。"
"知っているのか?"
"そんな、知るか。何で?"
"クラブへ?"
ドニーを指差す。
"来てました。舞台で、踊っていた。"
"ラリっていた。踊りも、好きだし。そいつに会ったか、どうか。"
"5万ドルが、引き出しから、盗まれた。彼女の宝石も。そのカマ野郎が、盗んだのか。答えろ。"
"それって、ゲイ差別。All of you."
"差別だと?いとこは、ゲイだが、その彼氏と、3人で、よく遊ぶ。留守番が、盗みやがって。"
"皆さん。"
"嫌いだ。"
"ゲイを毛嫌いして。"
"こんなの雇うな。"
チェスターが、執事を殴る。
"何て事を。"
また殴る。殴り続け、執事は血を吐く。血を顔に浴びたドニーが、吐く。
ベランダから、執事を逆さに吊るして、脅す。
"金はどこだ?金は?"
"2人は、まるでヤクザだ。切れていた。あいつを殺さぬよう、警察を呼んだ。1,000ドルずつ渡して、『彼が、犯人だ』とチクった。"
"逮捕だ。"
"お世話様。"
"5万ドルなどいい。そのくらい、毎日、『ネズミの穴』で作っている。このブラッドも、ネズミだ。"
ブラッドが、ゴルフ場に現れ、ジョーダンとハグする。
"彼の名義で、株を買う。"
"ユダヤ版ニクラスか?"
"株価を吊り上げ、彼に売らせて、利益を俺に戻す。現金だ。帳簿はなし。当局に、バレては、困る。新しい法律顧問リスキン。時給700ドルで、俺を脅すのが、仕事。"
"取引委員会は、怖い。"
"大丈夫。ちゃんと手は、打ってある。"
"こいつら、何している?"
フロアで、社員がブレイクダンスを踊っている。
"何している?取引委員会が、来ている。"
"証券取引委員会から、調査員が、2人来た。2人を、会議室に通し、盗聴器を仕掛け、エアコンで、南極のようにした。"
"ここ寒過ぎない?"
"そう?"
"彼らが、不正探しをしている間に、IPOを打ち上げる準備をしていた。IPOとは、新規株式公開。未公開株を、初めて、一般に売りに出す。我々は、幹事会社。売出し価格を決め、客に売り付ける。話が、よく分からないだろう。それは構わない。要は、これだ。『それって合法?』。まさか、まるで違う。だが、驚くほど儲かった。驚くほど儲けたら、どうする?"
ジョーダンは、ナオミに、大きな宝石の付いた指輪をプレゼントする。
"Oh my god."
"結婚してくれ。『Yes』かい?"
"You sure?"
"Yeah. Sure. You sure?"
"Yeah."
"独身お別れパーティーは、ラスベガスだ。飛行機から、やり放題。独身最後のはちゃめちゃ騒ぎ。部下100人に、売春婦50人。更に、現地にも50人。それに、ドラッグ。正に、空飛ぶドラッグストアだ。"
"この週末で、総額200万ドル使った。28階全室の修理代を含めてだ。"
湖畔の仮設のチャペルで、挙式。
"キスを。"
"結婚式は、まるでお伽話のようだった。ナオミ、我が公爵夫人に、イケメン公爵に、パハマ・オーシャンクラブ。"
ホテルで婚礼宴。
"勿論、あの独身パーティーの後、結婚初夜のため、ペニシリン注射はした。"
"式の記念撮影です。"
"息子さんにひと言。"
"ジョーダン。言っただろ?結婚は、ペニスとヴァギナだ。分かっているだろ。ジョーディ。"
"あら、エマ叔母さん。"
ナオミが、立ち上がる。
"驚いたわ。"
”ジョーダン。ジョーダン。見て。エマ叔母さんよ。"
"エマ叔母さん。お元気で?やっと、お目にかかれた。"
"ドーナツの粉?"
ジョーダンの頬に触れる。
"私も、'60年代に、よく楽しんだわ。"
"来るって、知らなかった。"
"光栄です。"

"もう1歩前に。目を閉じて。"
ナオミのアイマスクを取る。
"何これ?"
"結婚プレゼントだ。"
クルーザーが、係留されている。
"君にプレゼントだ。"
"ナオミ号"
"嘘。Serious? こんな船を?"
"成功した大金持ちは、豪華クルーザーが、お楽しみ。この150フィートの船体の色は、ドル札の色。錨を上げろ。"
"あなた、嬉しい。"
"You like it? どうだ?"
"Yeah."
"3週間、カリブ海を航海して、ロングアイランドの新居へ行った。ビーチ沿いに3万平米。世界有数の豪邸だ。メイドに、コックに、庭師。ガードマンも2人。どちらも、名はロッコ。"
それから18か月後
"この世の楽園だった。"
"起きて。このろくでなし。"
ベッドで寝ているジョーダンの顔に、コップの水がかけられる。
"ベニスって誰?"
"誰?"
"オウムの真似?誰なの?ゆうべ寝た女?"
"何を言っている。あり得ない。"
"寝言で、名前を呼んでいた。"
"気は、確かか。ベニスなんか知るか。一体、何がベニスだ。何を馬鹿言っている?"

"ベニス。ベニス、どこだ?"
ジョーダンは、尻の穴に刺さったローソクを抜かれる。
"Baby 容赦ないね。"
ボンデージの女に、背中に、蝋を垂らされる。
"Oh. Jesus Christ."
"気持ちいいよ。Wolf, wolf. "
"Wolf?"
"もう、ここまでだ。"
"そんなの知るか。うるさいよ。黙れ。Son of the bitch."
"このクソ冷酷女。"

ジョーダンとナオミ。
"そうだ。忘れていた。そうだ。ドニーとベニスに、マンションの投資をしている。それで、混乱が。"
"イタリアで投資を?"
"カリフォルニアだ。"
"あらそう?この嘘つき。"
"公爵夫人。"
"公爵夫人は、よして。知らないと思っているの?あなたは、もう父親なのよ。なのに、子供みたいに。"
コップの水を掛ける。
"やかましい。すぐに怒りやがって。"
"朝の3時に、ヘリで家に帰って来たのは、誰よ。娘を起こして。"  
"スカイラーを?嘘だ。"
ヘリから、転げ落ちるジョーダン。よろよろ帰宅する。プールに落ちる。
"私が、芝を育てた大事なゴルフ練習場を、めちゃめちゃにして、気にもしていない。ゴルフ場のメンテも、皆んな、私が指示しているのよ。"
"大変だ。ゴルフ場のメンテまで。何て、ギリシャ悲劇だ。現金を払うのも大仕事。俺のカードも、使わなきゃならないし。次から次へ、何をしている?先月は、ワイン鑑定家。今は、庭の造園家?そうか。"
"うるさい。"
ナオミが、コップに水を満たし、またやって来る。
"もう水を掛けるな。やめとけ。いいな。話せば、分かる。言葉で話す。You know? コミュニケーションだ。さあ、話してみろ。Talk to me."
"筋肉ピクピクさせないで。間抜けっぽい。"
"いいだろ。かっこいい旦那を持って、幸せだろ?さあ、キスしてくれ。君は、綺麗だ。"
"キスを?キス?"
"しろよ。"
水がぶちまけられる。
"Fuck you."
"朝の恒例行事。起きると、前の晩にした事で、ナオミと喧嘩。そして、サウナで体のドラッグを抜いて、体調を整え、目薬を差し、腰の鎮痛剤で目覚まし。そして、妻と仲直り。"
"お早う。パパ。キスは?"
ジョーダンは、娘を抱き上げる。
"可愛いよ。パパも、2人にキスして貰うかな?"
"駄目よ。パパは、ママに触れちゃ駄目。Very very very longtime."
"パパは、さっき言った事、後悔している。"
"そんか話。時間の無駄。これからは、家の中では、超ミニスカートだけ。それしか穿かない。それに、もう一つ。ママは、もうパンティを穿くのに、疲れたの。だから、パンティは、皆んな捨てちゃった。"
ジョーダンは、膝を突き、ナオミの股間を覗き込む。
"よく見て。パパ。これから、家の中でいつも目にする。"
"Baby. ああ、ママ。"
ジョーダンは、顔を近づける。
"触っちゃ駄目。"
ジョーダンの顔を、足蹴にする。
"何よ。パパ。"
"Baby."
ジョーダンは、顔を伏せ、床を叩く。 
2人のロッコ。
"見ろよ。"
監視カメラで、様子を見ている。
"ママが、遊びたがっている。ママ。あのクマさん、何かおかしくないか。あの眼、ちょっと変わっている。どこか、普通の眼と違っている。"
監視カメラが、埋め込まれている。
"そうだ。挨拶してやれ。"
ナオミは、慌てて、脚を閉じる。
"ロッコとロッコに。見たか?"
"よりによって、今日を最低の日に、してくれた。"
ジョーダンは、両手を広げ、ロッコは、笑う。

"今日は、ストラットン社の歴史的な日だ。"
"ジョーダン。ようこそ。"
ドニーが迎える。
"スティーブは?"
"今日、『スティーブ・マデン』を上場する。戦力は、揃っている。すべて、完璧でないと、駄目だ。"
"あいつ、何だ?何している。"
社員の男が、ガラスの花生けを、掃除している。
"うちの歴史的な日に、あいつ、何している?"
"蝶ネクタイよ。"
ドニーが、話しかける。
"Hi 元気か?"
"金魚鉢の掃除か?"
"時間があったので。"
"時間が?それで、今日、金魚鉢を?"
"書類も終わって、暇があったので。"
"OK."
ドニーは、立ち去るが、振り向きさざまに言う。
"上場日に?"
タバコを胸に押し付ける。
"この大事な上場の日に?こんな日に?"
胸ぐらをつかみ、まくし立てる。
"皆んな、よく見ろ。"
デスクの上に立つ。
"新規上場日に、金魚だと?"
ドニーは、金魚を飲み込む。ジョーダンは、拍手を送る。
"この蝶ネクタイを付けて、出て行け。"
"出て行け。"
ジョーダンも追い討ちをかける。
"気を抜くな。ここは、金を稼ぐ場所だ。"
"飢えた狼の巣。それが、好きだった。"
"天才を見つけたぞ。" 
ドニーが、若者の首に腕を回して、言う。
"スティーブ・マデン。女性靴の人気ブランド。ドニーのお陰で、うちが上場させる。ストラットンは、もう汚い池に浮かぶ浮きカスじゃない。"
"挨拶を。"
"顔を見せて、皆を励ませ。"
"実は、ドニーと俺で、内緒で株の85%を持っていた。勿論、違法だ。だが、成功すれば、クソ大儲けだ。まずは、皆んなをあおる。ほどほどに。"
スティーブが、挨拶する。
"Hello. 僕を知らない人、スティーブ・マデンです。"
"有名だ。" 
"靴箱に名前が。"
"靴を見せろ。" 
"OK. この靴ですが、これが、『メリールー』です。これで、有名になった。"
"デブ用よ。"
"実は、これは、『メリージェーン』と同じただの黒のレザー。"
社員が、スティーブに、物を投げ付ける。ジョーダンが、庇う。
"何だ。何やっている?マデンとメリールーに拍手を。皆んなに、見せろ。大拍手を。"
"十分からかったか?楽しい午後か?何で、スティーブが、こんなにぶっ飛んでいるか。それは、彼が創造的天才だからだ。このスティーブの持つ才能は、靴の流行だけに、とどまらず、スティーブの力が、『trend』を創る。Understand? スティーブのような芸術家、アルマーニやヴェルサーチ、シャネルにサン・ローラン。スティーブ、ここへ。皆、分かっていない。このスティーブは、女性靴業界の第一人者。その人気は、北米のデパートで、爆発している。その彼が、ここにいる。それって、何て幸運だ。彼の前にひざまずいで、しゃぶらせて貰おう。"
マイクを、スティーブの股間に当てる。
"こうだ。俺が、やりたい。皆んなやる。『チョコレート工場』への金色チケットだ。ここに、あのウォンカがいる。ウンパ・ルンパと踊ろう。"
社員が手拍子をとる。
"よし、もういい。皆、よく聞いてくれ。この黒いやつ。電話だ。電話の秘密を教えよう。自分では、ダイヤルできない。OK? 君らが使わないと、ただのプラスチックの箱だ。引き金を引く兵隊のいないM16銃と同じだ。この電話に、命を吹き込むのは、君らだ。訓練されたストラットン部隊。我が精鋭たち。『No』と言わせない精鋭たち。我が戦士たち。電話は、切るな。相手が買うか、そのクソが、死ぬまでだぞ。"
社員は、鬨の声を上げる。
"聞いてくれ。貧乏は、美しくない。いい時も、悪い時もあるが、金は、ある方がいい。金持ちなら、何があっても、リムジンに乗って、2,000ドルのスーツに、40,000ドルの金時計だ。"
ジョーダンは、腕時計を投げる。
"戦え。奪い取れ。俺を、軽薄な拝金主義者だと思うなら、マクドナルドで働け、そこが、お前の場所だ。だが、勝者に溢れたこの部屋を出る前に、隣の顔を、よく見ておけ。遠くない将来、襤褸車で、赤信号に停まった時、彼は、ピカピカのポルシェで、隣に停まっている。横には、美人の女房。おっぱいは、巨乳だ。自分の横は?ムームーを着た無精髭のメス牛が、窮屈そうに、安スーパーの食料を、山ほど抱えて、横に乗っている。よく聞け。カードの支払いがある?すぐに、電話をかけ始めろ。大家が追い出しを?すぐに、電話をかけ始めろ。彼女にクズだと言われたら、すぐに、電話をかけ始めろ。金を稼げば、問題は、解決する。今日、やる事は、電話を取って、俺が教えた言葉を話せ。そうすれば、この国のどの社長より、金持ちにしてやる。"
社員がいきり立つ。
"だから、やれ。スティーブ・マデンの株を、客の喉へ押し込み、窒息させてやれ。窒息するまで、10万株を売りつけろ。野獣になれ。容赦するな。皆、電話のテロリストだ。やれ、売りまくれ。行くぞ。"
電話で話し続ける社員たち。
▶︎転機
"FBI捜査室"
"午後1時、初値が1株4ドル50で、始まって、3分後には18ドルを上回った。大証券会社も、買って来た。" 
捜査官が、関連当事者の樹形図を眺める。
"売出し200万株のうち、100万株が、俺の『ネズミの穴』。最高値を付けたら...分かるだろ?要は、こういう事だ。"
"たった3時間で、2,200万ドルだ。"
ドニーが、叫ぶ。
"信じられるか?"
ジョーダンは、ドニーを抱き上げる。
"愛しているぞ。"
"おったまげ。"
"Fビデオのバリーから電話よ。"
"誰?"
"挙式のカメラマンよ。緊急だとか。"
"緊急?バリーだと?"
"俺に恋をした?"
"いい事やってな。"
ジョーダンは、電話を取る。
"バリー。何だ?"
"うちに召喚状が来た。"
"何の話だ?"
"FBIが、結婚式のビデオを。"
"FBIだと。冗談だろ。"
"そいつは、デナム。NY支局捜査官だ。あんたを、伝説のゲッコーだと。"
ジョーダンは、外で探偵と落ち合う。
"何で、式のビデオを。プライバシーの侵害だ。迷惑だ。"
"奴は、あんたの仲間の写真も名前も、持っている。そいつの狙いは...分かるか?あんたとカミさんを不安にさせて、証言をさせる。"
"俺が、自分の事をチクると?何で?"
"私は、当局には、顔が広い。司法省も麻薬取締局も。誰も、あんたには、目を付けていない。"
"誰も?"
"No."
"That's good."
"君は、デナムを知っている。"
"Yeah."
"どんな情報をつかんでいるか、知りたい。奴の家に行って、盗聴器を仕掛けられるか?"
"そんなリスクは、冒せない。気は確かか?"
"それが、仕事だろ?"
"私は、探偵の免許で食っている。もう刑事じゃない。免許を奪われる。"
"そいつに、直接、電話していいか?"
"ジョーダン。電話をするなら、弁護士にさせろ。いいか、奴に何を言おうと、不利な証拠に使われる。向こうの方が、賢い。"
"クソが。"
"まともに話せないのか?前回、それで、パスタに顔を突っ込んだ。"
"分かった。電話はしない。"

"乗ってくれ。タラップは、そこにある。"
ジョーダンは、クルーザーに、デナムたちを迎える。
"Wellcome. いい天気だ。"
"Hey. Wellcome board. "
"ジョーダン。"
"ナオミ号へようこそ。"
"デナムとヒューズ。"
"紹介する。ニコールとハイディ。恥ずかしがるな。怖くない。お得意様だ。"
水着の2人が、やって来る。
"留守電に、『内密な話がある』と。"
"そうだ。外してくれ。"
"声掛けて。"
"遠慮なく。"
"何か食べ物は?パスタに海老にロブスター。ウィスキーでも何でも。"
"海では、飲酒は、禁じられている。"
"こんな船には?"
"船?6歳で、操縦を習った。"
"凄い。本当に?こういう船だ。ヘリ用に、甲板を広げてある。"
"これを。俺の結婚式の参加者リストだ。式のビデオが、欲しいとか。これがあれば、面倒が省ける。"
"いいね。"
"うちの会社を探っているらしいが、まるで、理由が分からない。確かに、うちは、少々、騒々しいが、我々は、新参者だ。名前を売る必要がある。分かってくれ。違法な事は、何もしていない。一切だ。取引委員会も、半年に15回も調査に来たが、何も隠し事はない。"
"委員会は、民事を扱う。我々は、刑事事件を調べている。"
"そうだ。犯罪を追い掛けている。だから、何で、俺を調べる?俺が、何をしたのか、分からない。"
"捜査の話は、できない。"
"それは、分かるよ。"
"この件は、上から押し付けられた。お偉方が、新興会社も、ちゃんと目をつけていると。"
"新興の癖にか?"
"私が、貧乏くじを引いた。"
"You know. 不愉快なのは、我々は、新興で、ウォール街を騒がせている。だが、大企業は何だ?俺は、知っている。ゴールドマン、リーマン...債務担保証券?ネット株?まるで、茶番だ。俺は、状況を一つ一つ説明できる。だから、聞いてくれ。いつでもいい。"
"良かった。お互い、もっとゆっくり話した方がいい。"
"互いの利益になるなら。"
"俺の個人の番号を教える。平日なら、いつでも電話くれ。"
"I'll do that."
"Great. 飲み物は、いいのか。食い物は何も?"
"結構。"
"質問がある。無理に答えなくて、いい。ブローカーの資格試験を?ウォール街で働きたいと?"
"誰に聞いた。誰から?"
"君は、俺を探っている。こっちだって。"
2人は、笑う。
"なれてれば、人生どうなっていたと?"
"汗まみれで、地下鉄で、家に帰り、3日間、同じスーツを着て...確かにそう思う。"
"だろうね。また余計な事だが。"
"構わんよ。"
"収入は、5万か6万ドル?年収でだ。"
"我々は、拳銃は、ただで貰える。"
"腹が立つ。国を支えているのは、あんたみたいな人だ。消防士や先生やFBI。それが、経済的に恵まれないなんて、頭に来る。ウォール街のいい所は、俺は思うんだが、そういう人に、報いられるチャンスを与えて、人々に、お返しができる。You know?"
"チャンスは、大事だ。"
"Exactly. 以前、ある若者がいた。環境科学を学んでいたが、学生ローンに苦しんで、更に、母親が心臓の手術。"
"悲惨な状況だ。"
"我々は、彼に、いい株を薦めた。正しい情報も。一晩で、人生が変わった。母親を、最高の病院に入れた。残念だが、母親は死んだ。だが、チャンスは与えた。いいチームを作れば、一晩で、世界は変わる。"
"1回の取引で、1回で、いくら稼げる?"
"あの場合、あの取引の場合、1回で50万ドルは、超えていた。お望みなら、誰にでも、アドバイスを差し上げる。"
暫く、お互い沈黙する。
"もう一度言ってみろ。今、言った通りに。Just same way."
"何を?"
"分かっているだろ?今、ジョーダンは、連邦捜査官を、買収しようとした。"
"誰も、買収していない。"
"この耳で聞いた。" 
"買収には、具体的な数字が必要だ。訴訟は、無理だ。"
"初耳だ。"
"本当だ。こうも聞いた。君は、証券マンを目指したが、とても堅物だとも。"
"よく調べたな。"
"こんな船に乗っていると、ボンド映画の悪役になる。そろそれ消え失せて貰おう。"
"今までに捕まえたウォール街の阿保どもは、大概、金持ち育ちだ。"
"そうか。"
"親子代々、鼻持ちならない奴らだ。あんたは、自分で、のし上がって来た。"
"俺が?"
"感心な坊やだ。"
"Little man?"
"偉い。"
"坊やだと?"
"言っておく。もう一つ。正直言って、こんな凄い船は、初めてだ。そこで思った。この船を押収したら、俺はヒーローだ。俺のクソ手柄だ。"
ジョーダンも笑う。
"女をはべらした君をやっつける。最高だ。"
"ボケが。船を下りろ。"
"またすぐに会う。"
"地下鉄で、惨めな女房の待つ家に帰れ。俺は、ハイディに玉を舐めさせる。土産にロブスターは?自分じゃ買えないだろ?貧乏野郎。"
ロブスターを、撒く。
"クソっ垂れどもが。"
船を下りた2人に、叫ぶ。
"おい。俺のポケットに入っていた。お前らの年俸だ。こいつが、楽しみのチケットだ。"
紙幣を、空に撒く。
"楽しむんだ。"

ナオミ。
"スイスって、何があるの?"
"スイスのクソ銀行だ。金がやばい。隠さねば。ヅラコフが、スイスの銀行家を知っている。だが、ジュネーブにいる。素面ては、遠過ぎる。ドラッグを飲んで、ずっと眠って行く。だが、適量である事。午後4時。更に、数錠。会議終了後に、効き始める。感じるレベル。夕食時、カクテルと一緒に、更に数錠。ふらふらレベル。8時半、更に数錠。最早、ヘロヘロだ。よだれレベル。夜10時、自分が分からない。記憶喪失レベル。深夜に、飛行機に搭乗。"
"凄い美人だな。"
CAに抱きつく。
"睡眠薬だ。心配ない。"
"搭乗券を。"
"持っているよ。"
"彼女とやりたい。"
ヅラコフが、シートに押し込む。
"やめろよ。ムスコに触ったぞ。こいつ、また触った。"
"ムスコを?"
"人前では、やめろって。外せよ。外せ。"
カツラを引っ張る。
"この下に、宝の地図がある。"
"よせ。分かった。"
"着席を。戻って。"
"怒るな。"
"席に戻って。機長を呼びますよ。着席してください。早く。"
"行くよ。もうよせ。"
"ごめん。もう寝る。"
"質問がある。"
ドニーが、CAに言う。
"シートベルトを。すぐ離陸です。"
"勃起しそう。"
"ベルトを。"
"OK. 座るよ。"
"ご自分で?"
"英語を話せ。何語だ?"
"手伝います。"
"こいつ馬鹿。"
"ちゃんと掛けて。"
"ヒルフェ(助けて)。"
"ヒルフェ。ヒルフェ。"
朝となり、ジョーダンが目覚める。
"何だよ。クソっ。ドニー。ふざけるな。早く解け。"
何重にも、シートに縛り付けられている。
"できない。機長が、激怒していた。"
"Why?"
"Why?"
ジョーダンが、背後から、CAに抱きつき、腰を振る。
"大声で騒いで、床を転げ回っていた。"
ジョーダンは、愕然とする。
"機長を、クロと。"
"そんな事を?"
"Very upset."
"Really?"
"First classで良かった。君は、ヤクのやり過ぎだ。"
"『ルード』は?どこだ?"
"ケツの中だ。Don't worry about that."
"良かった。スイスに着いたら、どうする?心配だ。胸が苦しくて、息ができない。"
"静かに。"
"楽だ。"
"眠れ。"
"強く撫でろ。"
"安心して。"
"黙れ。"
税関。
"ベルフォートさん。行ってよろしい。"
"Really?"
"ドニー。着いたら、馬鹿はやめろ。馬鹿ドニー禁止区域だ。"
"偉そうに。"
"僕のお陰で、捕まらなかった。"
"ヒルフェ。"
"着いた。ここだ。"
"ジョーダン・ベルフォート。お噂は、山ほど、聞いている。"
"ソーレルだ。"
"光栄です。"
"よろしく。"

"ブルジョワだ。"
"隣に座れば、分かる。これじゃ、狭い。"
"分かりません。"
"ここの機密保持法を知りたい。"
"Excuse' moi ジョーダン。スイスは、まず、無駄話から入ります。"
"雑談。"
"そう、雑談。仕事の話の前に。"
"結構。では、始めましょう。ご質問は?"
"どういう場合に、検査協力を、求められるのか?FBIや米国司法省などに。"
"場合による。"
"Ca depon?"
"Oui."
"Ca deponとは?"
"米国が、スイス侵略を企ている時とか。"
"クロイ通りに戦車が?"
"Yes. クロワ。クロイじゃない。『クロワ』。"
"いつも学生時代、シャンペンを『シャンパン』と。フライドポテトは、『フリット』。そんな調子だった。"
"質問は、俺を裏切るかどうかだ。ボケスイス人。"
"よく分かっているさ。クソアメリカ人。"
"唯一、当行が、他国の捜査に協力するのは、その犯罪が、スイスでも犯罪の場合です。だが、あなたの嫌疑に該当するスイスの法は、ほぼない。金融的な観点では、ここは天国です。"
"彼(ジョーダン)は、頼りになる。"
"米国司法省の召喚状など、便所紙代わりにする。尻を拭く。"
"株式詐欺の場合は、違う筈だ。スイスでも、犯罪になる。その場合は、捜査協力すると?"
"Yes. そうです。口座が、あなた名義なら。もし、別の名義の場合、友人か、camarado。"
"いとこは?"
"勿論。"
"Relative?"
"これは、ヨーデルか?期待した言葉か?"
"Yes."
"『ネズミの穴』を使えだと?だが、米国ネズミは、スイスに、大金を運べない。ヨーロッパ旅券を持つネズミが必要だ。"
ロンドン。
ナオミの叔母を訪ねる。
"ジョーダン。" 
"大好きな叔母さま。"
"ようこそ。渋滞していた?"
"大丈夫。"
"口説く必要もなかった。英国人も、スイスと同じ。金が、何よりものを言う。英国版『ネズミの穴』。"
"何か、問題があれば、僕が、あなたを騙したと言う。絶対に。"
"スリルは、若さの秘訣だわ。"
公園のベンチに座る。
"ふと思うの。あなた、お金に中毒かなって。クスリは、分かっているけれど。"
"見て、分かる?"
"寒いのに、こんなに汗かいて。"
"実は、僕は、依存症です。本当に、酷いもので。コカインも錠剤も、何だってやる。それが、本当の姿。それに、SEX依存症。"
"SEXは、困った事じゃないわ。"
"何で、こんな話を。済みません。"
"私は、話しやすいのよ。"
"ほんと、話しやすい。多分、原因は、僕の仕事のせいです。多くの人間を抱え、何億という金を扱っている。食いきれないほど、口に頬張っている。You know?"
"食欲旺盛なのね。"
"俺を、誘っている?"
"ええ、そうです。全部、自分が蒔いた種だ。自分から望んで。時々、不安をどうすればいいか、分からなくなる。You know? どうすれば、relax できるのか。"
"力を抜けば?"
"誘っている。"
"驚いた。どう力を抜くか。僕らは、きっと、自然体で生きる事を、学ぶ必要がある。You know?"
"私を誘っているの?"
ジョーダンは、キスをする。
"安定も大事。家庭のね。"
"ナオミによろしくね。この件は、任せて。"
"ありがと。"

札束を敷いたベッドで、ナオミとSEX。
"行くぞ。"
"文字通り、やりたい放題の金があった。叔母だけでは、足りない。ほかに、ヨーロッパ旅券のある者は?"
女の体に、札束を括り付ける。
"ブラッド。きつ過ぎる。"
"ヤクで、稼いだブラッドは、冬は、南仏で過ごし、妻のシャンタールに出会った。スロベニア系ストリッパー。生まれは、何とスイス。"
"こりゃ、無理だ。"
ジョーダンは、言う。
"当たり前よ。"
"50回は、運ばせないと。"
"彼女の家族は、どうかな?全員、スイス旅券を持っている。彼女と両親と弟。嫁もいるから、5人。7回も運べば、済む。皆、スイスの阿保たれだ。"
"悪くない。"
"あたしの家族よ。下衆野郎。"
"俺の金は?"
ドニーが言う。
"何だ?"
"忘れていた。彼の金も頼む。"
"数百万ほどだ。電話するから、取りに来い。"
"電話だと?"
"用意できたら、取りに来い。"
"手下じゃないよ。"
"おっぱいのは、俺の金。君は、手下だ。"
"ジョーダン。話を。"
ジョーダンとブラッド。2人だけで話す。
"金は、取りには行かねえ。俺は、集荷人じゃねえ。いいか。場所は、俺が決める。素面で来いと言え。ふざけた面で来たら、前歯をへし折ってやる。"
ドニーが、怒鳴り込んで来る。
"誰の歯をへし折る?誰の歯を?誰のお陰で、稼いでいる?俺のお陰だ。"
ドニーが、拳銃を取り出す。ジョーダンが、奪う。
"拳銃だ。"
"知るか。お前みたいな売人は、ほかに5人は、知っている。服の趣味も最悪だ。Fuck you."
ジョーダンは、ドニーを殴り倒す。
"ざけんな。ホモ野郎。"
"大丈夫か?"
"翌日、叔母は、ジュネーブに飛んだ。200万ドルの現金を持って。スイスでは、端金だ。その翌月、6回以上の往復旅行で、シャンタールと家族は、2,000万ドルもの現金を、あっさり持ち込んだ。"
銀行に、トランクの現金を持ち込む。
"まだあるわ。"
懐から、取り出す。
"Thank you."
"これも。"
"Wellcome."
"バッグ4個よ。"
"お国は、スイス?"
"スロベニア。"
"スロベニア。金髪美人。"
"あら、やめて。"

ドニーが、ブラッドとの待合わせ場所に、やって来る。
"駐車場に入れろ。ボケ。"
"カバンが、閉まらない。"
"何で、素面で来れない?"
"へろへろだ。駄目だ。"
"冗談だ。素面だ。"
"この野郎。"
"冗談だよ。"
"クソ馬鹿が。馬鹿面で来やがって。人の注意を引く。"
"馬鹿じゃない。切れ者だ?俺は、インテリ相手に、何百万ドルも取引している。びびって、人を殴ったりしない連中とだ。まだ、謝って貰っていない。毎日、確認しているが、伝言はゼロだ。通知表示の点滅もない。女房にもチェックさせて、『ブラッドから謝罪は?』と聞いているが、何もない。それが、お前だ。"
"むかつくが、許してやる。"
"お前が、俺を許す?"
"早くカバンを。"
"クソ帝国の皇帝が、俺を許しに来た?皇帝が留守の帝国は、どうなった?暴動か?暴行と略奪か?クソどもは、何している?"
パトカーの警官が、2人を見る。
"近寄るな。大声を立てるぞ。また手を出したら、ただじゃすまん。分かったぞ。馬鹿っぽいが、お前、俺が好きだろ。俺に寄って来る時、気付いた。お前の顔が、輝いている。キスしたいのか?"
"こいつめ。何言っている?"
"ゲイ嫌いじゃないが、お前は、タイプじゃない。俺に、向いていない。"
"もういい。カバンをよこせ。"
"今、渡す。頼みがある。渡したら、まっすぐ、家に帰れ。家に着いたら、カバンから金を取り出せ。1ドル残らず。金をきちんと、並べて、その札束を全部、女房のあそこに突っ込め。"
"女房だと?"
ブラッドが切れ、ドニーに襲いかかる。
"野郎。許さねえ。"
ドニーは、カバンを落とし、ブラッドが脚に掛け、札束が飛び出す。パトカーが、サイレンを鳴らす。ドニーは、車で逃げ去る。
"覚えてやがれ。"
ブラッドは、カバンを拾い、逃げる。
"止まれ。止まらないと、撃ち殺すぞ。"
ブラッドは、観念する。
"カバンを捨てろ。手を上げろ。ひざまずけ。"
ドニーが、車から様子を窺う。
"あの野郎。クソが。"
ブラッドは、パトカーに押し込まれる。

ドニー。
"ジョーダン。君にサプライズがある。"
"本物の『レモン』20錠。薬剤師が、15年、保管していた。"
"You are kidding me?"
"頭が、ぶっ飛ぶぞ。"
"『ルード』の中でも、『レモン714』は、お宝もんだ。"
"見ろ。正に伝説だ。"
"今のものより、3倍は強烈だ。ドニーが、特別な場合に、取っておいた。誕生日とか、淋病完治日。金のスイス到着祝いに。"
"その晩は、予定を空けて、体の中を綺麗にした。大事な祝いの日だ。"
"よし。とりあえず1錠だ。"
"1錠で、十分だと。"
"乾杯。"

"これ引いたら、下がるよ。"
"スティーブ。飛び降りる。" 
"カール。分かった。1回引くと上がって、2回引くと下がる。"
ジョーダンとドニーは、ぼんやり、TV映画を眺める。
"感じるか?"
"No. 35分経った。"
"俺たちの反応が悪いか。"
1錠追加する。
フィットネス・ルームで運動。
"代謝を上げているのに、何も感じない。"
"古い。有効期限切れかな。調べろ。"
" '81年1月。切れている。後、2錠追加だ。"
"ジョーダン。"
ナオミが呼ぶ。
"何だ?"
"何しているの?"
"トレーニングだ。"
"ボーから、電話よ。"
"OK."
その場で、電話を取る。
"ボー。何だ?"
"ジョーダン。いいか、電話では、話せない。"
"何があった?"
"家を出て、公衆電話から、私に、かけ直せ。冗談じゃないぞ。"
"Yeah, yeah, yeah."
"何だ?"
"分からん。行く。"
"大丈夫か?"
ドニーは、また錠剤を飲み、空き瓶を投げ捨てる。
ジョーダンは、ランボルギーニで、出掛ける。
"一番近い公衆電話は、ブルックビルCC。家から2キロのエリートの溜まり場だ。"
そそくさと、電話をかける。
"ボー。俺だ。何事だ?"
"よく聞け。お友達のブラッドが、捕まった。"
"何をした?"
"分からんが、どこかのモールで逮捕された。"
"待て。モールだと?ドニーとの金の受け渡し場所だ。奴と話す。"
"よせ。やめろ。FBIのデナムが、あんたの電話を盗聴している。家も会社もだ。電話は、使うな。"
"よし、分かった。"
"ジョーダン。捜査官に、買収話など、していまいな。"
"FBIを買収なんて、馬鹿じゃない。"
"何だって?もう一度。"
"だから、FBIとは。"
"何を言ってる?"
"クスリか?"  
ジョーダンの息が荒くなる。呂律が回らなくなる。 
"ジョーダン。ラリっているのか?ジョーダン。そこにいろ。運転は、するな。"
ジョーダンは、床に崩れ落ちる。
"ロッコを迎えにやる。"
"15年の保管で、『レモン』の効き目が、遅れたようだ。効くまで90分かかったが、はじけたら、どかん。感じるレベルを飛ばして、よだれレベル。これは、強烈過ぎる。レベルが、違う。まるで、脳障害レベル。"
床に仰向けになり、悶える。
"しっかり立て。歩くのは、無理。だったら、どうする?スカイラーみたいに、這えばいい。"
クラブのポーチに出て、車までの距離を測る。階段を降りるのが、難関。
"子供は、簡単そうなのに。クソっ。考えろ。そうだ、分かったぞ。転がれば、いい。"
頭を押さえ、階段を転げ落ち、車まで這う。脚で、ガルウィングのドアを跳ね上げる。電話が鳴る。
"ジョーダン。どこなの?"
叫ぶが、声にならない。
"What? いいから、早く戻って。ドニーがおかしいの。スイス人と電話中だけど。"
"デンワは、やめ..."
"I can't understand you."
"デンワは..."
"何よ。早く戻って来て。"
"家まですぐだ。思い切り、ゆっくり運転した。ナメクジのように。"
"200万の積もりが、ちょい、食らって..."
ドニーが、呂律の回らない口で、電話している。
"200万食った?"
"後で。"
"電話を切れ。馬鹿。"
"邪魔だ。ぼけ。"
後続車に怒鳴られる。
"200万が、嫌い?嘘だろ?"
"奇跡だ。生きて帰れた。自分も、車も無傷。"
のたうち回りながら、家に入る。
"ジョーダン。一体、何事?"
"デンワを。"
"What wrong with you?"
"ジョーダン。最高だろ?めちゃいい。"
受話器を握り、ドニーは、恍惚の表情を浮かべる。
"電話を切れ。"
ドニーの方に、テーブルに身を乗り出し、手で、テーブルの上の物を払う。
"やめてよ。娘がいるのよ。あなたの娘よ。"
"電話を切れ。"
ドニーは、大口を開けて、笑う。
"FBIだ。"
"電話中だ。やめろ。"
ジョーダンは、電話のコードを引っ張る。
"来い。"
"おいで。2階に行くのよ。"
ジョーダンは、受話器を奪う。
"やめろ。今、スイスに電話してんだ。"
"このクソっ垂れ。ブラッドだ。ブラッドが。この馬鹿野郎。"
倒れたまま、ドニーの腰をつかむ。
"何をした?クソっ垂れ。貴様を殺してやる。殺してやる。捕まえた。"
コードが、ドニーから来れる。ドニーは、テーブルの菓子を頬張り、喉に詰め、倒れる。
"どうしたの?大変。ジョーダン。大丈夫?ドニー。息していない。どうしよう。ジョーダン。どうするの?息が詰まっている。何とかして。大変だわ。"
ジョーダンは、粉薬を手にする。
"待っていろ。"
TVで、ポパイが、ほうれん草で、パワーをつける。ジョーダンは、鼻から、ヤクを吸う。ジョーダンは、立ち上がる。
"どけ。どくんだ。"
ドニーの口の中の物を取り除き、胸を両手で押す。
"息していない。何とかして。この人、子供がいるのよ。"
マウス・トゥー・マウスで、息を吹き込む。また、胸を押す。
"ロッコ。来て。救急車を。いいから、911番よ。"
ドニーが、吐瀉する。
"大丈夫か?"
"助かった。"
ジョーダンは、ソファに倒れ込む。
"Mr ベルフォート。Mr ベルフォート。"
警官たちが、見下ろしている。
"消え失せろ。"
"あなたに、質問がある。"
"嘘だろ。出て行け。"
"Get up."
"俺の家だぞ。"  
"行こう。"
"ずっと、ここにいた。何を言っている。"
警官に、連行される。
"どこへ行くの?どこへ?令状もなく、勝手に来て。"
"今夜、車の運転を?"
ランボルギーニが、大破している。
"Wao. 無事じゃなかった。"
車は、発進するなり、駐車された車などに、ぶつかる。後続車に怒鳴られ、路側のポールにぶつかる。
"今夜、あの車で運転を?"
"俺は、家庭的ないいパパだ。"
"死ななかったのは、奇跡。人も、殺さなかった。尋問はされたが、起訴は、なかった。運転した証拠がない。ブラッドは、法廷侮辱罪で、3か月。黙秘を通した。お陰で、俺は無罪。だが、監視は、厳しくなった。"
"運がいい。命拾いして、刑務所も免れた。"
ボーと父親とジョーダン。牧場。
"運など、信じない。"
"潮時だ。運が尽きる前に、取引委員会と取引しよう。"
"手を振って。"
"いい子だ。"
"どんな条件で、取引を?もし。"
"さあね。いくつか罪を認めれば。株価操作や強引なセールス。どうでもいい罪を。You know? 罰金200万ドルほどで、委員会は、姿を消す。"
"会社は、どうなる?"
"身を引くしかない。ドニーを社長に。"
"ドニーか。"
"FBIは、また別だ。刑事事件を追っている?だが、辞任すれば、お友達のデナム捜査官も、手は出せない。"
"ジョーダン。何を迷っている?お前は、よく戦った。You won."
"働く必要もない。"
"一生、刑務所に入りたいか?OK? 金は、山ほどある。まだ必要か?"
"違う。だが、自分の会社だ。自分の会社だ。だから、残すんだ。"

社員が集められる。拍手に迎えられ、ジョーダンは、父とドニーと、ハグする。
"You know? 5年前、ストラットン社を、ドニーと立ち上げた時、いずれ退陣の日が来ると、思っていた。言葉に出すのは、辛いが、その日が来た。"
失望の声が上がる。
"皆の長年の忠誠と信頼に感謝する。そして、今後は、ドニーを先頭として、 ニッキー、ロビーたちが、経営の指揮を取れば、我が社は、今まで以上に、発展する。彼らに、拍手を。ここは、エリス島だ。君らが、何であれ、メイフラワー号で来ようが、浮き輪で流れ着こうが、ここは、チャンスの地アメリカそのものだ。キミーを知っているな。"
"うるさい。"
"Com'on. キミーは、当社の立上げメンバー20人の1人だ。皆ご存知のキミーは、美しく、洗練された女性だ。3,000ドルのアルマーニを着て、ベンツの新車に乗り、冬はバハマ、夏はハンプトンズで過ごす。昔は、違っていた。当時は、小銭も持っていなかった。8歳の息子を抱えたシングルマザーだった。家賃は、3か月の滞納。仕事を求めて来た時、5,000ドルの前借りをしたいと。息子の授業料だ。俺は、どうした?話せ。"
"2万5,000ドルの小切手を書いてくれた。"
"そうだ。ありがとう。なぜだと思う?信じたからだ。君を信じたから。ここにいる君たち皆を、信じているように。"
"Fuck'in  love you. I fuck'in love you."
"俺も愛している。愛している。I love all of you. 皆、心から愛している。本当だ。"
"皮肉だ。俺は、引き下がるなと言って来た。押しの一手で、絶対、電話は切るなと。望みを手に入れるまで。君らには、できる。俺は、今、司法取引のお陰で、業界を追われ、自社から身を引き、家を失う。馬鹿げている。You know? こうなったのは、俺が、取引に応じたからだ。いつもと逆で、連中が押し付けて来た。応じた俺は、偽善者だ。So. 決めた。逃げない。引退しない。辞めないぞ。"
歓声が沸き起こる。
"ショーは、続く。This is my home. 俺を追い出したいなら、鉄球で、ビルを壊せ。軍隊でも、特殊部隊でも、連れて来い。俺は、逃げないぞ。Fuck! "
ハンナを真似て、胸を叩きながら、スキャットに、節をつける。社員も唱和する。ジョーダンは、社員の中へ入って行く。
"ジョーディ。戻って来い。"
父親が呼び掛けるが、ドニーは、マイクを奪う。
"アフリカのジャングルか。"

"デナム捜査官。おめでとう。ジョーダンは、約束を破った。獲物が戻って来た。狩りを楽しめ。"
デナムは、電話を切る。
航行するナオミ号の2階甲板で、ジョーダンと幹部たちが、踊る。
"皆、大騒ぎだった。ブラッドも釈放された。"
ブラッドが、甲板に現れる。
"俺は、詫びに、金を払うと言った。彼は、断り、離れて行った。悲しい事に、その2年後、彼は死んだ。"
甲板のベッドで、ブラッドは、売春婦たちの奉仕を受ける。
"モーツァルトと同じ。死亡年齢以外、何も似ていないが、どうでもいいか。すぐに、召喚状が、舞い始めた。記録文書や供述書作成の警告書。ドニーは、大忙し。"
"政府が、召喚状を送って来た。これが、我が社の答えだ。"
テーブルに乗ったドニーは、皆の前で、書類に小便をかける。
"くたばれ。U.S.A. Fuck you. Fuck you."
社員も、"Fuck you "を連呼する。

"ジョーダン・ベルフォート。"
"オールデン。いい名だ。"
"Thank you very much."
"由来は?"
"私の名だ。"
"覚えていない。私は、覚えていない。"
"ミンさん。ようこそ。"
"そのパン、食べないの?低血糖なんだ。"
"皆、尋問された。何か月も。完璧な嫌がらせだ。"
"質問をどうぞ。"
"だが、誰も口は、割らなかった。"
"カレラは?"
"さあね。"
"悪いが、覚えていません。"
"No."
"No idea."
"覚えていない。ミルクを。"
''Absolutely not."
"ソルティージが、電話を。"
"それもいい?"
"彼らは?"
"覚えていない。" 
"このレキキは?"
"知らない。"
"長い電話だ。ご記憶は?"
"おたくの社員の方々は、誰一人、マデンの株式公開を覚えていない。不思議だ。"
"カーテージ社?"
"記憶ある?"
"まるでない。"
"Excuse me. それ、自分の髪?"
"関係ある?この髪が?余計なお世話だ。"
"何でカツラなど?"
"覚えてないね。"

クルーザーのデッキ。
スタッフが、飲み物を届ける。
"ほかに何か?"
"僕は、これが欠かせない。15分ごとに、お代わりをくれ。"
"国を出るなと言われたが、妻たちとイタリアへ。海外から、ヅラコフに指示を出す。船から、会社を動かすなんて、誰も思うまい。"
ドニーが、電話する。
"ヅラコフ。Bon jour. 禿げ鷲君。"
"大変だ。君の友人のマデンが、株を売り払っている。"
"誰から聞いた?"
"何だ?"
"マデンが、自社株を。"
"誰が言った?"
"寄越せ。"
"ヅラコフ。What's going on?"
"今、画面で、大量のマデン株が、売られている。うち以外の大株主は、マデンだけだ。"
"かけ直せ。お前の友達が、俺をかましやがった。奴に電話を。"
"事実は、不明だ。"
"俺は、クソマデン株の85%を持っているが、名義は、奴の名だ。俺の窮状に、つけ込みやがって。"
"どうする?"
ヅラコフが、指示を仰ぐ。
"客たちに、マデン株を売らせろ。株価を暴落させてやる。Hear me? 黙れ。お前の同級生だぞ。舐めやがって。奴の会社を、ペニーstock にしてやる。You got it?"
"結論を出すのは、早い。"
"テッド船長。"
ヅラコフ。
"電話を切れ。"
"船を回せ。国に帰る。"
ナオミが、泣きながら、船にやって来るのが、見える。
"Baby what happened? What goes on?"
"エマ叔母さんが。"
"何を泣いている?"
"死んだの。"
"誰が?"
"いとこから、電話で。エマが、死んだって。"
"Fuck'in kidding me?"
"No. Serious."
"Oh my God. Baby. 何て悲劇だ。"
"心臓発作だった。一瞬で終わり。彼女は、ご臨終。スイス口座の2,000万ドルは?"
"元気だったのに。"
"Baby 本当に、酷過ぎる。"
スイス銀行のソーレル。
"お気の毒に。あんなエレガントなご婦人が。お悔やみを。"
"本当に残念だ。お悔やみをありがとう。それで、彼女の口座は、どうなる?遺言とか?"
"心配ない。亡くなる前、彼女は、あなたを相続人にした。"
"She did! 凄い。朗報だ。"
"嘘だ。これから、する。"
"これから?"
"Tre tre rapidment."
"What? 電波が悪い。今のは、英語か?"
"急がねば。"
"俺が、スイスに?"
"Speak english."
"静かに。OK? 尻に火をつけて、ここへ。尻に火を。"
"こいつらスイス人たちは、ずる賢い奴らだ。すぐに、遺言書の偽造者と会う事になった。"
"くそアメリカ人。"
"明日までに行かねば、2,000万ドルがパー。"
"モナコへ行く。"
船長に、指示する。
"モナコへ?今?"
"モナコからスイスへ行く。"
"叔母さまは?"
"スイスに仕事がある。すぐに行く。重要だ。"
"ロンドンへは?"
"Why?"
"お葬式。"
"いいか、誰より、叔母さまが好きだった。だが、もう死んでいる。どこへも行かない。急がなくても、死んでいる。"
"テッド船長。モナコへ行く。モナコから、スイスへ。旅券に、スタンプを押されない。モナコに戻って、ロンドンへ。葬儀を終え、NY。"
"心配が。しけになるかも。"
"しけ?何とかなるだろ。170フィートの船だ。"
"安全じゃなきゃ、嫌よ。"
"素人が、心配するな。"
"あんたは、プロ?"
"しけた面しやがって。"
"しけは、大丈夫だ。どうだ。船長?"
"ゆっくり行けば。ゆっくり。多少、揺れるが。"
"何とか。ハッチを閉めて。デッキには、出ないで。皿が、少々、割れるかも。"
"皿が、少々、割れる?それが、問題か?"
"問題ね。"
"楽しむぞ。モナコへ行こう。出発だ。"
しけの中、船は、進む。
"つかまれ。"
"一体、どうなっているんだ?"
ジョーダンが、操舵室に、駆け込む。
"ジェットスキーが、落ちた。Honey 大丈夫か?"
"波高6m以上。"
"船を回せ。"
"無理だ。横波で、船が、転覆する。"
"俺は、潜水のプロだ。誰も死なせない。Trust me. OK? 愛している。しっかりしろ。"
"ドニー。"
"しっかり。ドニー。ドニー。"
"何だ?"
"しっかり。"
"死にたくない。俺は、きっと地獄へ行く。悪をし過ぎたよ。"
"『ルード』を、下にある。"
"What did you say?"
"『ルード』を。"
"下は、嫌だ。水に浸かっている。"
"俺は、素面じゃ死なん。"
"『ルード』を。行け。"
"どこへ?ドニー。気は確か?"
海は荒れる。ヘリコプターが、海に落ちる。
ドニーは、ルードを見つける。
"Jesus."
船長が、つぶやく。
"危ない。窓から離れろ。巨大波だ。"
"メーデー。こちら、ナオミ号。沈没する。"
"I got. I got."
ルードを手に、ドニーが帰って来る。
"よこせ。"
"ジョーダン。船が沈むのよ。"
"クソメーデーだ。"
"至急、救助を。"
船は、大波に呑まれ、正面のガラスが割れ、水が侵入する。
ヘリコプターで、救助される。
"イタリア人に救助された。何と、食事に赤ワイン、ダンスも。"
ジョーダンは、ダンスの和に加わらず、毛布を掛け、座っている。窓の外。飛行機が爆破される。
"今の見た?"
"俺が、乗る筈の飛行機だ。カモメが、エンジンに飛び込み、3人死んだ。九死に一生を得て、神のお告げを聞いた。"

CM。
"経済的に、楽をしたいのに、今、生活は大変。こんな家が欲しいのに、今は、家賃で汲々。私は、ベルフォート。秘訣を教えます。あなたが、誰であれ、数か月あれば、資産を築けます。大切なのは、戦略です。"
"私は、24歳の時、ただ生きるよりも、楽しもうと決めました。"
"『最初は、疑ったけど、今は、家も、3万3,000ドルもある。信じてます。』。『いいですか?財テクセミナーに参加すれば、稼げます。』。億万長者を望むなら、勇気を出して、一歩を。『努力をすれば、稼げます。怠け者は、マックで働けばいい。』。貧乏になるのも自由。金持ちになるのも、自由です。何もしなければ、夢の生活は、つかめません。彼らと同様、あなたの生活も変える。セミナーに参加を。夢の..."
"ジョーダン。逮捕する。"
"嘘だろ?''
"そこをどけ。" 
"カメラを止めろ。"
"CMの撮影中だ。馬鹿野郎。"
"撮るな。"
"ふざけるな。俺は、真面目に生きている。"
"法的な忠告をしてやる。"
"黙っていろ。"
"Fuck you. 俺は、真面目に暮らしている。"

▶︎エピローグ
"悪をやめ、施設で、更生。TVで活躍。酒もクスリもやめたのに、これだ。ヅラコフが、捕まった。ソーレルも一緒に。"
"スイス人だぞ。"
"殴る気か?この国は、殴る。ヅラコフめ。山ほどいる銀行家から、わざわざ、一緒に捕まる奴を選ぶなんて。逮捕容疑は、まるで俺とは、関係ない。全然、関係ない。ロッキー・アオキの麻薬取引マネー洗浄だ。『ベニハナ』の創業者。Fuck'in『ベニハナ』。『ベニ、fuck'in ハナ』。何でだ。神様。何で、鉄板焼き屋のせいで、俺が逮捕される?ソーレルが、俺を売った。それに、ブラッドの女房も。彼女が、スイスに来るたびに、ヤッてた癖に。"
ベッドで待つソーレル。ブラッドの嫁が、全裸で現れる。
"証券詐欺の共謀が1件。証券詐欺が2件。マネー洗浄の共謀が1件。マネー洗浄が21件。司法妨害が1件。"
"保釈金は、1,000万ドル。"

"ドニーが来たよ。ロッキー。元気か?"
ドニーが、ジョーダンの家を訪ねる。
"あの犬、苦手だ。よぼよぼで、家の中で、ウンコする。"
"Me too. 来いよ。"
2人は、ハグする。
"久しぶりだ。座れ。"
"元気か?"
"見ろよ。最低だ。我慢の子だ。"
"この発信機、見ろ。"
足首に取り付けた機械を見せる。
"家から出られない。退屈で、熱が出る。"
"ヅラコフめ。あのヅラ野郎。殺してやる。首を絞めてやる。"
"無責任な野郎だ。"
"もう2度と、ベニハナには行かない。誰の誕生日でも。ナオミは?"
"あそこだ。冷たいぞ。"
"ナオミ。"
ぷいと、家に引っ込む。
"俺に、怒っている?"
"You know? 多分、保釈金のため、家を抵当に入れ、最後は、裁判費用で売る事になる。正直、悪夢だ。まいったよ。会社は?その方が、大事だ。皆の士気は。違法な手が使えず、大変か?"
"ジョーダン。共同経営者を集めて、すべて話した。大丈夫だ。"
"何が?"
"家も金も、心配ない。"
ジョーダンは、ドニーを抱きしめる。
"愛している。礼はする。こうだ。キスを。"
"もういい。"
"ビールは?"
"何がある?"
"ノンアルコールだ。"
"何?"
"ノンアルコール・ビール。アルコールがない。"
"ビールか?"
"Yeah. アルコールなし。"
"Drink enough すれば、酔っ払うのか?"
"ノンアルコールだ。"
"意味が分からん。ビールを?"
"もう酒は、飲まない。やめた。"
"中に入って、ふくらし粉でも吸うか?"
"楽しみをやめるなんて。いいね。気分は?"
"最悪だ。退屈で、死にたくなる。"

"余程でないと、使わない言葉がある。だが、今回は使える。『グレナダ』だ。"
ジョーダンは、デナムらと面談する。
"ご存知か?"
"いいえ。"
"興味ある話だ。人口9万の島国グレナダに、1983年、アメリカが侵攻した。詰まり、要は、我々は、必ず勝つ。OK? たとえ、ここで、ムスコを出そうと、関係ない。必ず、勝つ。君は、正に、その『グレナダ』だ。"
"恐らく、実刑でしょう。マネー洗浄で20年。ベッドの下の現金を見つければ、もっとね。"
"ジョーダン。君は、子供が、大学を出るまで、刑務所だ。だが、それは気の毒だ。ほかの臭い連中も、法廷に引き出したい。"
"取引の臭いがする。"
ジョーダンの弁護士が言う。
"さすがだ。超能力者か。全面協力だ。すべての共謀者のリストを貰う。盗聴器も、装着して貰う。"
"盗聴器を着ける?"
"そうだ。"
"ネズミになれと?"
"協力してほしい。"
"ネズミだ。"
"Yes. Rat. 君に手伝いをしてほしい。"

ジョーダンとナオミ。
"パーティーは?"
"良かった。"
"Good. 今日、弁護士と話した。とてもいい知らせがある。"
"君は、完全にシロだ。"
"当然よ。"
"Right. Exactly. 君は、最初から、関係ない。奴らFBIは、俺に協力を求めている。俺の証券業界とウォール街の情報は、政府の頭痛の種と膨大なドルを救える。もっといい話がある。もし、協力を決めたら、刑期が、4年に縮まる。そしたら、またやり直そう。家を売って。罰金は、出所後でいいから。使える金は、十分にある。ただ一つ、気が滅入るのは、友達の情報を渡す事だ。"
"ウォール街に、友達は、いないでしょ?"
"そうだ。でも、救いもある。奴らが言うに、最後は、皆、裏を取るから、情報も重要じゃなくなる。"
"That's a good news."
"Yeah."
"喜んで、あげる。"
"何だ。『あげる』って?2人の喜びだろ?"
"Yeah. Right."
"そうだ。おいで。キスしてくれ。"
ジョーダンは、ナオミの体にキスする。
"ジョーダン。"
"長い事、ご無沙汰だ。"
"No."
"頼む。"
"やめてよ。ジョーダン。Stop it."
ジョーダンは、無理矢理、SEXする。
"一目見た時から、ずっと愛している。"
"大っ嫌い。どいて。"
"頼むよ。愛している。怒るな。お願いだ。"
"Fuck したいの?私と?Go ahead. Fuck me. 激しくfuck して、最後だと思って。"
"何で腰を?"
"欲しいの。イって。これが、最後だと思って。早く来て。Com'on baby. そうよ。"
"欲しいか?"
"Yeah."
"欲しい?"
ジョーダンは、果てる。
"Baby 良かったよ。"
"お仕舞い。"
"何が?"
"今のが、最後のSEX。"
"何を言っている?"
"I want to divorce."
"離婚するって、どういう事だ?"
"どいてよ。" 
"今、寝たのに、何を言っている?"
"もう愛していないのよ。ジョーダン。"
"俺を愛していない?You don't love me anymore? 随分、都合がいい。俺が起訴されて、発信器も付けられた。そうしたら、愛していない?"
"No. No."
"お前は、何だ?言え。"
"You married me."
"何だと?"
"こうするわ。子供は、私が育てます。離婚に同意すれば、子供には、会わせる。逆らわないで。お金も節約できる。あなた、必要でしょう?"
"子供は、渡さないぞ。"
"あなたが無罪でも、子供は、私のものよ。"
"いいか。子供は、やらんぞ。薄汚い女め。"
ナオミが、ジョーダンの頬を張る。 
"Fuck you. クソ女。俺の子供は、絶対、やらん。Fuck you. 子供は、渡さんぞ。"
ソファのクッションを切り裂き、隠してあったヤクを取り出す。
"Bitch. クソ売女が、俺をコケにしやがって。クソ淫売女。"
ジョーダンは、クスリを決める。
"その姿、見て。Sick. You are sickness."
"子供は、絶対、渡さん。"
"子供に近づかないで。見て。私の弁護士が言っていた。あなたは、20年の刑を食らうって。20年よ。2度と子供には会えないわ。"
"俺は。"
"会わせない。"
"子供と会わせない?"
"子供に触れないで。"
ジョーダンは、子供部屋に向かう。
"俺に触れるな。"
ナオミを突き飛ばす。 
"パパとドライブに行こう。"
娘を抱き抱く。
"パパとドライブだ。"
"その子に触らないで。あなた、殺すわよ。"
"心配するな。パパとドライブだ。一緒に。"
"鍵を。ジョーダン。ドア開けて。開けて。"
ジョーダンは、構わず、娘を車に乗せる。
"よし、いい子だ。"
娘は、自分でシートベルトを締める。
"娘は、俺が連れて行く。クソ女。邪魔はさせないぞ。ドライブに行こう。"
ナオミが、車に取り付く。
"どけ。"
"子供を離して。"
メイドが言う。
"シャッターを閉めて。"
"ママ。"
"どけ。どけ。"
ナオミが、バールでサイドウィンドウを割る。
車は、バックで、急発進する。ブレーキを踏むが、門柱に衝突する。
"神様。"
"スカイラー。スカイラー。"
"奥様。その子を。"
ナオミは、ドアを開け、スカイラーを抱き上げる。"
"Mammy."
"旦那様が、こんな事を。"
"大丈夫。もう大丈夫。"
"何て酷い。"
"大丈夫?"
ジョーダンは、家に戻る親娘を、ぼんやり見つめる。

"第1項。被告は、現在、NY地裁で係争中のすべての起訴事実関して、罪状を認める。第2項..."
"普通に話せ。"
デナムが、ジョーダンに盗聴器を付ける。
"被告は、秘密捜査に協力する。"
"息も普通に。"
"記録装置を装着し、更に..."
"5分で、装着を忘れる。"
"証券詐欺の..."
"最低。"
"黙れ。"
"第4項。被告は、更なる罪を犯さぬ事。"
"Please. もういい。サインをさせろ。ここか?"
"それでいい。"
"無理矢理だ。6時間後には、リストの提出。友人、敵、仕事仲間。株の情報を持っている奴、すべて。"
出社したジョーダンに、従業員が、拍手を送る。
"ウルフ。ウルフ..."
"リストの1番は、ドニー。"
2人で食事をとる。
"戻ってくれて、大喜びだ。いないと寂しい。まるで、何か..."
"マデンめ。"
"それは、考えたくもない。You know? 頭に、血が上る。"
"名前も言えない。吐き気がする。ダチに裏切られた。"
"あの取引の事で、また連絡は、あったか?"
『話すな。盗聴器を着けている』と書いたメモを見せる。
"確か、400〜500万ドルだったろ?あいつ、キックバックを?"
"俺は、酔っていて、覚えていない。"
"You are right. 馬鹿め。電話があったら、知らせてくれ。OK?"
"Ofcourse. Ofcourse."
"Yeah."
"ブリ、食わないのか?"
"食っていい。"
"貰う。"
"それで、ナオミや皆は?"
"You know? 俺は、嫌われている。"
"ヒルディとは?"
"She's so alive. 俺の人生もクソだ。"
"Yeah."

ジョーダンは、寝ている。
"旦那様。お客様です。下に人が。"
デナムらが来ている。
"服を着ろ。"
"なぜ、何事だ。"
デナムは、レストランで、ドニーに見せたメモを示す。
"収監する。"
"分かった。服を着る。"
"手伝ってやる。"
"OK."

ドニーは、やばいPCのデータを削除する。
"FBIだ。座れ。両手を表に出して、喋るな。"
"俺に、触るな。"
"座っていろ。"
"デブラシオ。質問がある。"
"シャネルの服よ。"
"やめろ。馬鹿め。"
幹部が、身柄を拘束される。
"皆を売った。見返りに、ネバダのどこかのクソ溜めに、3年の刑だ。親父が言っていた。『いつか報いが来るぞ。』と。知った事か。"
法廷。
"被告は、改心して、捜査に協力しました。お陰で、重要飯24人以上の有罪を確定し、被害者に、何百万ドルをも返還できるのです。"
"連邦刑務所へ36か月の刑に処する。被告を収監しなさい。"
"残念だよ。"
傍聴席の両親やデナムを一瞥して、退廷する。

"ベルフォートに有罪判決"
デナムは、地下鉄に揺られている。
ジョーダンは、護送車に揺られている。
"正直に認める。刑務所に着いた時、俺は、縮み上がっていた。"
"行くぞ。"
"だが、心配なかった。一瞬、自分が金持ちなのを、忘れていただけだ。ここでも、すべて金で買える。"
テニスを楽しむジョーダン。
"セールスを習いたい?"
"悪党は、何人も知っている。ロックスターやプロのアスリート。皆、悪だが、この男、我が友、ジョーダン・ベルフォートは、誰より、最高の悪党です。では、皆さん、ニュージーランドの温かい拍手を。我が友、世界最高のセールス・トレーナー。Mr ジョーダン・ベルフォート。"
ジョーダンが、セミナールームの演台に立つ。
"Thank you."
フロアに下り、男性に語り掛ける。
"私にペンを売れ。"
"こ、これは素晴らしいペンで、これはプロ用です。"
隣の男に尋ねる。
"私にペンを売れ。"
"いいペンです。このペンで、人生の思い出を書き留めれば..."
別の男に訊く。
"Sell me this pen."
"このペンは、書きやすく、私は、大好きです。"
【感想】
"ウォール街のウルフ"と呼ばれた実在の営業マンの回想録に基づく。ディカプリオが、権利を買い取り、曲折を経て、スコセッシにより映画化が果たされたという。
ストーリーは、単純明快。証券業界の駆け出しが、ペニー株の売り付けで頭角を表し、よからぬ評価を受けながらも、ウォール街の風雲児に成り上がる。そして、違法なIPOを手掛け、巨万の富を得る。しかし、FBIが目をつける所となり、逮捕・収監され、妻も離れていく。また、女・SEX、クスリが、終始、つきまとう。
ジョーダン・ベルフォートには、感情移入できないが、スケールの大きい羽目の外しっぷりが、面白い。スコセッシ×ディカプリオタッグの1番と評価する。

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