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一人勝手に回顧シリーズ#フランシス・F.コッポラ編(14)#レインメーカー/腕利きの弁護士

【映画のプロット】
▶︎ルーディ
"僕の父は、生涯、弁護士を憎んでいた。偉大な男では、なかった。酒に酔うと、母や僕を殴った。僕が、lawyer になったのは、父への腹いせかって?それは、ちょっと違う。弁護士になりたいと思ったのは、50〜60年代に、公民権運動家のlawyerたちが、法を駆使して、戦うさまに、魅了されたからだ。多くの人々が不可能だと思った事をやり遂げ、lawyer という職業の名を上げた。だから、僕は、law school へ行き、父を余計に怒らせた。父は、僕が1年生の時、酔っ払い、自分が勤める会社が作った梯子から落ちたが、誰を訴えればいいか、分からなかった。数か月後に、彼は死んだ。同級生には、すぐ、一流の法律事務所に入れるような親のコネを持つ者もいた。だが、僕には、学費のために3年働いたバーで築いた人脈だけ。だから、世の暗闇を、正義の光で照らす計画を実現するためには、兎に角、jobが必要だった。
メンフィスには、lawyerが、腐るほどいたから。" 
"事故トラブル?完全成功報酬制"
"エムコ保釈金サービス テネシー州西部担当"
"法律事務所J.ライマン・ストーン"
" lawyerだらけだった。"

"そうは、思わん。"
サメが、水槽を泳ぐ。
"人に言うのが、憚られる。"
"いや。" 
"ブルーザー・ストーンの下で働いていると。彼は、lawyerなのに、『ブルーザー(=ボクサー)』と呼ばれる男だ。僕は、それほど、切羽詰まっていた。"
" Sure. "
" Shut the door. "
ブルーザー(ミッキー・ローク)は、電話をかけている。
"いや、それも違う。 Sure. Let's make it in my house.  OK. "
"FBIの分析官は、苦労するだろうな。今の電話から、どんな情報を抽出するか。" 
"サメが、lawyerの事務所にいるジョークが、分かるか?"
"そいつが、お前の言っていた法学生か?"
ルーディ(マット・デイモン)は、挨拶をする。
" Yes, sir. メンフィス州立大で、3年目を終えたところです。"
"彼を、雇って貰えるか?身元は、俺が保証する。こいつには、職が必要なんだ。俺の所で、バーテンしている。"
"ここは、最高の職場だ。ルーディ。お前にとっては。 Real lawyerについて、学べる。報酬は、払えないが。"
"払えない?"
"アソシエートには、自分で。自分の報酬を稼ぎ出して貰う。どうだ?"
"どうやってですか?"
"月に、1,000ドル出す。そして、成功報酬の3分の1は、自分のものだ。もし、毎月報酬が、1,000ドルに満たない場合は、差額を支払う義務がある。分かるか?"
"割のいい仕事だと思うぞ。ルーディ。これなら、沢山、稼げる。"
"これが、俺のやり方だ。いい案件も、任せてやる。"
"僕に、案件を?" 
ブルーザーに、近づいて座る。
"僕も、今、2件抱えていて、老女の遺書の下書きと。彼女は、100万ドルくらい、資産があると思う。もう一つは、保険の問題です。グレート・ベネフィット社の。"
"依頼者とは、契約済み?"
"これから、向かうところです。法律講習会で、助けた縁で。"
"アソシエートのデック・シフレットに会わせよう。大手の保険会社と働いていた。大きい案件は、全部、手掛けている。おい、デック。デック。書類は、持っているか?"
" My car. "
デックが、部屋に入る。風采は、上がらない。
"よお、色男。この男に、教えて貰うといい。"
デックは、手にしたテイクアウトフーズをすくって食べる。
"グレート・ベネフィット社に対しての訴状を作り、俺の名前を入れる事。今日中に、裁判所に提出だ。"
" Thank you. "
"ルーディ。沢山学べるな。" 
"来てくれて、ありがとう。You made a good choice, son. "
"感謝します。"
" OK. "
"ドアは、閉めて行けよ。"
"法律事務所です。"
デックが言う。
"ここは、オフィスだから、誰かが使っている時は、出入り厳禁だ。ここが、bath room. "
"使用中よ。"
" Sorry. "
"ここで、アソシエートを?"
" Not really. まだ lawyer じゃないんだ。ブルーザーは、保険関連は、俺に調査を任せる。以前、保険会社で働いていたからだ。保険に飽きて、法科に行ったんだがな。"
"いつ卒業を?"
"5years ago. 司法試験に、てこずっている。6times 落ちている。"
"君は?"
"3週後に。" 
"そうか。"
"難しい?"
"かなりな。去年が最後。もう沢山だ。ここが、ブルーザーの図書室だ。冷蔵庫もある。自分の名前、書いておけ。どうせ食われるが、これ、入れといて。白米だけだけど。デイジー。"
" Yeah. "
"落としたの、拾っといて。Any way. "
"法廷に出る時、どうするんです?"
"まだバレた事はない。lawyer だらけだから、相手も追いつかないのさ。"
2人は、外に出る。大型アミューズメント施設。
"全部、ブルーザーのものだ。"
"凄いな。"
"法律事務所とは、言えない。皆が、独自にやっている。You learn. "
ルディは、荷物山積みの車のリアウインドウを開ける。
"引っ越すのか?"
"追い出された。これが、保険契約。どう思います?"
"これが、業界の卑劣なところだ。支払拒否の根拠は?"
"すべてです。最初は、原則の部分だけ。そのうち、白血病は、既往症だったと言い出し、その後、病気は、契約で、カバーされていなかったと。手紙は、全部ここに。"
"保険料は、支払済み?" 
"ブラック夫人は、すべてきっちり払ったと。"
"馬鹿野郎どもが。現金詐欺の典型だ。黒人は、『街頭保険』と呼ぶ。"
"どうしたら?"
"やろう。J.ライマン・ストーンが、全て担当する。"
" All right. "
"俺が、助けてやる。"
" Thank you. Appreciate. "
"保険会社の悪事を暴くのは、ワクワクする。"

ルーディは、ブラック夫人宅に行く。
" Mrs.ブラック。ルーディ・ベイラーです。グレート・ベネフィット社の件を担当します。大学の講習会で、お会いを。"
" Come in. Crazy dog. ごめんなさいね。"
" Oh, that's  OK. "
"てっきりエホバの証人かと。"
"バディは、どこです?" 
"車の中よ。"
"どこかへ?"
"どこへも。朝鮮戦争で怪我してから、頭が、ちょっとね。"
打ち捨てられた車に、何匹もの猫が休み、バディが中にいる。
"空港に、金属探知機があるでしょ?裸で歩いても、あれが鳴りっぱなし。頭にプレートが、入っているの。"
" It's awful. ドニー・レイの調子は?"
"いい時も、悪い時も。"
"頭にプレートと。" 
"会いたい?"
" Maybe 後で。"
" Now, グレート・ベネフィットの最初の支払拒否は、去年8月。ドニー・レイが、病気を診断された時だ。なぜ、今まで、弁護士を頼まなかった?"
"馬鹿だったわ。ずっと、手紙のやり取りだけしてて。これが、latest one. "
" Dear Mrs.ブラック。弊社は、7回にわたり、貴殿の請求を、書面でお断りして来ましたが、今回をもって、最終通知とさせていただきます。あなたは、愚かで、無知で、愚鈍だ。 Sincerely. エヴァレット・ラフキン保険金査定部 担当副社長"
" I don't believe that. "
" You are a lawyer? 母が、あなたを褒めていた。"
ドニーが、現れる。
"保険会社の馬鹿野郎を、訴えてくれるって。保険金を支払わせると。"
"そのとおりだ。"
" Hi mama. "
" Hi honey. "
"正式に訴えを起こす前に、お三方に、署名をいただきたい。"
"父さんは、家に入る?"
"入らないって。家に、入ったり、入らなかったりするのよ。"  
" This is a contract. "
"何が書いてあるの?"
"お決まりの標準的な書式で、我々を弁護士として、雇うと。我々が、この案件を担当し、いかなる費用も払う。その後、回収額の3分の1をいただくと。"
"2ページ分も、その事が?"
夫人は、タバコに火を付ける。
"火は、つけるなよ。僕が、死にかけるのも、当然だ。"
"全員がサインを?"
"はい。名前がある所に。"
"父さんは、家に入らないって。"
"持って行って、無理にでも、サインしてもらってよ。"
"分かったわ。バディ、これにサインして。ドニー・レイが、手術して貰えるように。あんたに、手間はかけないわ。このビンを離して。通りの向こうに、投げてやる。とっととサインして。Hurry   up. "
"2人とも、狂っているみたいだろ。"
"いい人たちだ。Hey man. 鼻血が出ている。"
血が、書類に滴る。
" Mrs. ブラック。頭を上げて。Mrs.ブラック。"
"大丈夫よ。私が。"
"血が出ている。"
"頭を後ろに。後ろに下げて。 OK. いい子。大丈夫よ。"
"大丈夫だよ。大丈夫だって。"
" You'll be all right. "
"書類は?"
"ちょっと休みなさい。"
"すぐじゃなくて、いいんだ。"
"いや、今すぐだ。" 
" OK. "
ドニーは、サインする。
"できるな。さあ、ここへ。よしいいぞ。"

" Miss.バーディー?ルーディ・ベイラーです。"
" What? どなた?"
"ルーディ・ベイラーです。講習会で、お会いした。"
" Oh yes. どうぞ。入って。" 
"お元気ですか?"
" Fine. "
"遺言の件で、お話を。"
"子どもたちを、相続人から外したいの。Cut. Cut."
"分かってます。ご様子が心配で、夕べは、眠れなかった。お気をつけならないて、政府に大金を取られてしまう。相続計画を立てることで、これらの税金は、払わずに済みます。"
"難しいお役所言葉だわ。私の遺産を、相続したいんでしょ?"
" Ofcourse not. "
" lawyers は、いつでも名前を、入れて貰いたがるわ。"
"そんな。そりゃ、lawyerも、様々だけど。僕は、相続計画の一環として、資産内容を明確にしたいだけです。債券?株?それとも現金でお持ちを?"
" Not so fast. "
"分かりました。では、そのお金が、somewhere にあるとして、誰に相続を?"
"すべてを、チャンドラー牧師に。Do you know him? ダラスの。今は、いつもTVに出ているでしょ。巻毛の若白髪で。染めるなんて、夢にも、思っていない。彼に、すべて上げたいの。"
"失礼を言うようですが。"
" What? "
"この遺言作成に、問題を感じずには、いられません。家族を、財産の相続から外し、代わりにそれを、一括して、TVで観る有名人に譲渡するというのは。"
"彼は、聖職者よ。"
"それは、分かっています。これを何とか、その、彼に、全部上げなくては、駄目ですか?例えば、25%とか。"
"彼の仕事は、物入りなのよ。自家用ジェット気流も、老朽化しているし。"
"ジェット機が。"
"ルーディ。兎に角、私が言うとおり、作成して。私が、検討できるように、持って来てちょうだい。これは、泥棒たちが、若くて、純真だった時。"
壁の子どもの写真を示す。
" Cut, cut, cut. "
ルーディは、バーディー家を辞する。
"また来るわね?" 
"勿論です。では。Thank you. "
" Thank you. "
ルーディは、離れがあるのに、気付く。
"あれは、貸し室ですか?"
" Used to be. 庭をどう思う?"
"素敵な庭だ。ご自分で、世話を?"
"ほとんどね。草むしりは、週に1度、若者を雇っているの。30ドルよ。信じられる?昔は、5ドルだったのに。"
”あの部屋を、また貸し出すお気持ちは、あります?大金は払えませんが。"
"安く貸して上げるわよ。もし、身の回りの用を足してくれたら。"
" Sure, sure. "
"時々、草むしりも。"
"草むしりは、得意です。"

"聖ジョゼフ病院"
デックとルーディは、病院に赴く。
"病院には、しょっちゅう行く。ブルーザーには、所轄署にコネがあってね。幼馴染だ。毎日、事故報告書が、手に入るんだ。"
" May I ask you some questions? "
" Sure. "
"ブルーザーは、僕に、何を期待しているのか。"
"案件を取り、被害者を探す。J.ライマン・ストーンと契約させ、まとめる。"
"客引きをした方がいい?"
"法科大学で、何を教わった?"
"救急車の追いかけ方は、何も。"
"早いとこ、学ばないと、飢え死にするぞ。"
受付。
"問題ありません。医師をお訪ねになれば、その場で、入院手続を。"
"綺麗な花だ。"
" Thanks. "
"ウィリアム。"
" Hi デック。元気か?"
" Right. 346だ。"
"ウェルズ先生。Mornin. "
" Mornin. "
" Good to see you. "
" lawyerらしくするな。立ち入り禁止だと。"
デックは、ためらう事なく、病室に入る。
"マッケンジーさん。調子は?"
"検査の結果は?"
"胆のうだ。外れ。"
同室のほかの病人に、声を掛ける。
"ヴァン・ランデルさん。Good afternoon, ヴァン・ランデルさん。Can you hear me, Mr. ヴァン・ランド?Hi. "
" Who are you? "
" Paralawyer のデック・シフレットです。保険会社と話は? "
"まだ。"
"良かった。しても、どうせ騙されるだけだ。Lawyer は?"
" No. "
"うちの事務所は、州内どこより多く、自動車事故を手掛けている。"
名刺を、骨折した手に持たせる。
"保険会社からは、恐れられ、料金はただ同然。"
"妻が、戻るまで、待っててくれるか?"
" Wife?"
ルーディが、脚を吊り上げている板の紐を引っ掛け、ランデルが、悲鳴を上げる。
" Sorry. Very sorry. Very sorry. "
"奥さんは、どちらへ?"
"すぐ、戻る筈。"
"事務所で、話を聞かないと。沢山の情報が必要だから。ここに、サインを。Anybody except the  
doctor と話をしないでくださいよ。色んな人が、近寄って来るけど。和解を求めてね。どんな状況でも、書類にサインは、しちゃ駄目だ。僕が、目を通すまではね。Do you understand? 僕の電話番号は、ここ。いつでもどうぞ。ルーディ・ベイラーの番号は、裏面に。Anytime.  OK? ご質問は?"
" No. "
" Good. あなたを金持ちにしてあげよう。Let's go. "
"足の件、ごめんなさい。"
"1人にしてくれ。" 
"これが、進め方だ。A piece of cake. "
"彼に、lawyerがいたら?"
"俺たち、ゼロから出発したろ?奴に追い出されても、失うものはない。"
"人としてのdignityやrespectは?"
" Law school では、本当に必要なことを、教えちゃくれない。理論や理想、それに、倫理を語るだけだ。"
"倫理のどこが、いけないんです?"
"いけなくは、ないさ。Lawyer は、依頼人のために闘って、金は取らず、嘘をつかない。これは、basicsだ。"
"でも、あれは露骨なchasingだった。"
" Who knows? Lawyerは、星の数ほどいる。Market competition. 学問だけじゃ、足をすくわれかねない。"

" Lawyerの嘘の見分け方は?口が、動いていたら、嘘だ。娼婦とLawyerの違いは?娼婦は、相手が死ねば、もう騙されない。"
ブルーザーが、黒人の女を連れて、オフィスにやって来る。
" Lawyerジョークには、誰もが喜ぶが、Lawyerは、それを誇りにすらしているようだ。"
黒人女は、車を降りると、去って行く。
"なぜだろう?"
ルーディは、勉強中。
"証人が、被告人と面識がある場合、原告側も、同証人の出廷を求める事ができる。"
"一体、何をしている?"
" Study. "
"ここでは、しない約束だ。"
"分かっている。でも、司法試験は、来週だ。来週なんだ。焦っている。"
"ルーディ。勉強したければ、病院で、デックと一緒にすればいい。"
"デックと勉強は、できない。"
"警察の報告書がある。この被害者女性の弁護を、うちで?まだ決めていない。病院に行って、調べて来たらどうだ?納得できるかも知れない。"
病院。
ルーディは、食堂の一角で、新聞を読む。
"ブルーザー・ストーン、FBIが捜査開始" 
"プリンス・トーマスとブルーザー・ストーン。所得隠し工作の容疑者"
目的の怪我人女性が、車椅子を押されて、やって来る。
"はい。どうぞ。なあ、honey. 一体、どうした?奴らに、何が起きたか、説明するのか?"
"彼らを見た瞬間に、すべてが、分かった。10歳の時と同じだ。父は、寝室で泣いている。母は、キッチンで座り、顔から血を流しながら言う。パパは、謝ったわ。もう2度としないって。"
怪我人の付き添いの男が、キレる。
"もう、沢山だ。Tell me Yes. "
飲み物をぶちまける。なぜ、いつも同じ事を繰り返す?お前のせいで、俺は、めちゃくちゃだ。男は、立ち去る。 
デック。
"ケリー・ライカーは、3日前に入院した。真夜中にな、あちこちに傷を負って。警官が、乗り込んだ時、彼女は、ソファで倒れていた。ボコボコに殴られ、裸で毛布にくるまって。夫のクリフ・ライカーは、明らかに泥酔状態で、ひどく興奮していて、警官に、妻に何をしたか、喚き散らしたらしい。金属バットで、彼女を、無茶苦茶に殴ったんだ。奴のお好みのweaponらしい。Choice. さて、ミス・バーディーの財産の話をしようか。"
"いや、クリフの話を。クリフが、どうなったか。"
"拘置所で、一晩過ごし、家族が、保釈金を払って終わり。来週、出廷予定。だが、無罪放免だろう。続けよう。コリーン・ジャニス・バードソング。彼女は死んだ。2番目の夫から、数百万ドルの遺産を受け取った。だが、弁護士費用と信託投資の失敗と。税金に、財産は、ほとんど持っていかれた。手元に残ったのは。わずか4万ドルだ。恐らく、マットレスの間に挟んでいるんだろうな。 Sorry. "
ルーディは、眠っている。ブラック夫人は、庭にシャベルを運び込む。
"♪You are my sunshine, my only sunshine
 You make me happy when sky is grey
   ラ、ラ、ラーラ
 僕の太陽を奪わないで "
ルーディが、庭を覗く。
" Good morning, ルーディ。lovely day じゃない。"
" Oh yes. Beautiful. "
" Oh. 根覆いが、来たわ。"
土の袋を満載したトラックが、バックで入って来る。
"そうよ。ここに。 Stop. そこに積んでおいて、後は、庭師がやるから。そこにね。素晴らしい根覆いだわ。"
ルーディは、げっそりして、中に引っ込む。
▶︎ケリー・ライカー
病院。
ルーディは、ケリーを食堂の端から、見る。ルーディは、歩み寄り、ケリーに声を掛ける。
" Excuse me. 立ち入る積もりは、ないんですが、you are right? 痛みは?"
"大丈夫よ。でも、ありがとう。"
"僕は、あそこで、司法試験の勉強をしているので、もし、助けが必要なら、いつでも声を掛けて。何でも、取って来るから。My name is ルーディ・ベイラー。"
"ケリー・ライカーよ。Nice to meet you. "
"ケリー。Nice to meet you, too. "
"ここに座らない?Go ahead. "
ルーディは、椅子に座る。
"どこの学校?"
"オースティン・ピーから、メンフィス州立の法科へ。"
"大学に行きたかったけど、無理だったわ。"
"そうなんだ。" 
"行こうと思っていたのに、上手く行かなくて。どんなlawyerに、なりたいの?"
"裁判関連の仕事が好きだから、法廷に出たい。"
"犯罪者の弁護を?"
" Maybe. 彼らも、弁護を受ける権利があるから。裁判を受ける権利もね。"
" Murdererも?"
"私選弁護人は、高過ぎて、雇えない場合が、多い。"
"レイプ犯や児童性虐待者も?"
"いや。"
"妻を殴る男は?"
"刑事事件の弁護は、特殊な分野だから。民事裁判の方を、多く担当するかも。"
"訴訟とか?"  
"ああ。そう。"
電話が鳴る。  
"失礼。"
"ルーディ・ベイラー。"
ブルーザーからの電話。
"やあ、俺だよ。何してる。客引きの調子は?"
"うまく行っています。今、見込み客と話を。"
"契約に持ち込めよ。ルーディ。聞こえるか?"
介護人が、ケリーの車椅子を押す。
"会えてよかった。"
"私も。話してくれて、ありがとう。"
" Tommrow night? "
"できたらね。"

"時間だ。鉛筆を置いて。試験監督が、解答を回収できるように、冊子を右に送りなさい。''
"法科大学の1年目は、皆んな仲良しだった。全員が、崇高な法という学問を、学んでいたから。でも、3年目に入ると、殺し合いの世界だった。試験用紙は盗まれ、調査資料は隠され、教授には、嘘をつく。敵は、弁護士の特質だが。"
"全州統一司法試験  session2 "

ルーディは、ケリーの車椅子を押す。
"30分前、訪ねて来た夫が、彼女にスープを浴びせた。"
"ここよ。"
"彼女をどれだけ愛しているか、理解しないからだと。"
"私の部屋よ。"
"18で、妊娠し、結婚。そして、流産。夫の暴力のせいだろう。それでも、彼女は、彼を捨てない。"
"手を貸して貰える?"
"彼女は、典型的な負け犬だ。傷つき、壊れて、危険でもある。でも、彼女のような人とは、初めて出会った。心底から、守りたいと思ったんだ。"
"面会時間は終わりよ。デートは、切り上げて。"
"じゃあ。"
" He should be shot. 金属バットで、妻を殴るような男は。"
" How found out? "
"警察や救急車の報告書、病院の記録。ケリー、いつまで待つ気だ?頭をバットで殴られるまで?死ぬ可能性だってあるんだ。頭蓋に、何発かヒットすれば。"
" Stop it. そんな言い方しないで。"
"ケリー、僕を見て。質問がある。お父さんか兄弟は?"
" Why? "
"もし、僕に娘がいて、同じ目に遭っていたら、相手の首をへし折っているからさ。No big brother? "
"いないわ。気に掛けてくれる人は、誰も。"
"ケリー。I try to help you. 離婚申請をするんだ。ここで、治療を受けている間に。これほど、いい証拠はない。絶対、上手く行く。" 
"離婚は、できないわ。"
" Why not? He'll kill me. いつも、そう言っている。"
"そんな事はない。"
"枕を、足の下に入れてくれる?そこにあるわ。"
"ほら。これでいいかな。"
" Yeah. ガウンもお願い。"
"ああ。"
" Thanks. "
"着せてあげようか?"
" No. Turn around. "
"分かった。"

ルーディが、帰宅すると、見かけぬ車が、止まっているのに気が付く。部屋に入ると、女が、抽斗を荒らしている。
" Hey. "
"あなた、誰?"
"ここに住んでいる。君こそ、何者だ?"
"何ですって?デルバートの妻よ。"
"誰だ?どうやって?"
"バーディーが、鍵を。あなたこそ、誰よ?"
"居住者だ。Do you understand? 私用居住だ。君に、立ち入る権利は、ない。"
"落ち着きな。バーディーが、あんたに用があるってさ。"
台所に、バーディー。憮然とした面持ち。息子も来ている。
"同意は、永続的で、上記制限は。"
" What is this? "
"お前が、lawyerだな。"
"ルーディ・ベイラー。"
"デルバード・バードソング。末息子だ。"
"私に怒鳴ったのよ。部屋から、出て行けって。"
"そう。"
"当たり前だ。2人に言っておく。俺の物を、無断で触るな。私有財産だ。"
"様子を見に来たら、腐れlawyerと、住んでやがる。"
"遺言をいじくり回しているのか?"
"自分で、聞いたら、どうだ?"
"口を開いてくれないの。"
"僕も、言う事はない。秘匿特権だ。"
母親は、席を立つ。
"言っておくが、事実を確認すべく、調べていたんだが、母上の2番目のご主人が、莫大な遺産を残したとか。"
" How many? "
" Big. "
兄妹は、顔を見合わす。 
"あまり、首を突っ込むなよ。ママ。僕たちと、フロリダで、暮らさないか?しばらくの間さ。きっと、気に入る。"
"ママ。こっちで、ケーキ食べない?ミルクはどう?"
"若返りの泉が近い。うちから53キロだ。それに、なんとディズニー・ワールドから、289キロだ。"

ルーディは、ブラック夫人宅へ行く。
"調子はどうだ?ドニー・レイ。" 
" Great. そう見えるだろ?"
"行けそうな気がする?"
"ああ、もう行こうぜ。" 
"了解。" 
ルーディは、車を発進させる。
母親が、見送る。
" lawyerが、依頼人と個人的に関わってはいけない。だが、lawyerもさまざまで、依頼人もさまざまなんだ。"
ケリーが、松葉杖を突いて、草野球を観戦している。ライカーが、声を掛ける。
"大丈夫か?"
ライカーは、ホームランを放つ。
"ライカー、ライカー。"
ルーディは、車を止め、また発進させる。
ドニーとルーディ。レストランで。
"何かほかに、ご注文は?"
"何か、頼む?"
"ジャック・ダニエルをショットで。飲んだからって、死ぬ訳じゃない。"
バーディー家。
" Miss.バーディー。友達のドニー・レイです。"
"ドニー・レイ。会えて、嬉しいわ。"
"ありがとうございます。Miss.バーディー。"
"さあ、どうぞ。こちらへ来て。 Sit down. "
ドニーとバーディーは、チェスを打つ。
"全部、囲まれたな。"
ドニーは、昼寝し、ルーディは、庭を手入れする。
"腰が痛くなったから、少し休憩します。"
"あなた宛に郵便よ。忘れるとこだったわ。"
" Oh my God. "
"何て素敵なの。I'm proud of you. "
"司法試験に合格だ。"
 ルーディ、ブルーザー、デックが、会食。
"ルーディに、乾杯だ。司法試験、合格おめでとう。それ何だ?"
"アイス・ティー。Congratuation. "
" Boys よくやった。ヴァン・ランデルから、報酬の小切手が入った。ボーナスを出す。5,500ドルずつだ。"
" Thank you. "
"もっと契約をな。ところで、明日の朝の件。準備はいいな?9o'clock. グレート・ベネフィットの棄却申立てに反論だ。"
"準備は、できています。デックと一緒に、やってきちので。"
"そう願う。君に、一部弁論を任せるから。負けたら、恥だ。"
"ボス。"
"行かなきゃならん。俺の奢りだ。 Enjoy meat. "
"ブルーザー。I appreciate. "
"何か、ヤバい事になっている。絶対に、そうだ。奴が、あんな金の分け方、した事がない。Generosity の裏に、何があると思う?"
"まさか。"
"そうさ。これだ。"
デックは、新聞を取り出す。
"FBI、所得隠し疑惑捜査に参加"
"昨日、奴の元パートナーが、大審院で証言したんだ。取引だと思う。奴が、ブルーザーを裏切るのは、時間の問題だ。"
"だから、どうなる?"
"行動を起こすんだ。"
"僕は、ここに来るために、行動を起こしたばかりだ。"
"酷い目に遭うかも知れないぞ。陪審の買収、税金逃れ、所得隠し、まだある。俺は、メチャ緊張している。"
"なぜ緊張を?僕たちが、逮捕される筈がない。"
"召喚状と金属ノコ持参で来られたら?奴らには、それができる。金の不正使用は、特にね。書類は、押収され、コンピュータは、差押さえ。何が残る?逮捕されるのが心配なんじゃない。仕事が心配だ。"
"何が、言いたい。"
"脱出するぞ。金は、いくらある?"
"5,500ドル。"
" Me too. 月500ドルの小さな事務所を借りよう。初めの半年は、少額の資金で。素晴らしいぞ。何もかも折半だ。訴訟費用、経費、報酬すべて、半々だ。"
"どうした?俺と組むのは、嫌か。"
"いや、そうじゃない。あまりに、突然の話で。考える時間が、必要だ。急に、話を切り出されても。"
"迅速に行動しないと。"
"分かった。やろう。暫くの間、やってみて、様子を見よう。"
"何件抱えている?"
"3。"
"気づかれないようにして、自宅に持ち帰れ。"
"誰かが、監視を?"
"FBIだ。急いで食い過ぎた。"

ルーディは、警察車両が、法律事務所の前に、止まっているのを見る。

裁判所。
ルーディは、デックと落ち合う。
"今朝、事務所に行ったら、FBIが鎖を。ブルーザーは、来る?"
"無理だろ。逮捕状が、ブルーザーとプリンスに出ている。"
"何てこった。"
"落ち着け。できるさ。ただの申立てだ。行け。"
"僕が?吐きそう。"
"内容は、把握している。大丈夫だ。"
"まだ資格も。"
"資格は、必要ない。Com'on. "
"ブラックの訴訟は、完全に内容を暗記していた。法学本も、証拠と証拠開示の規則も、熟読していた。だが、法廷内を見渡した時、原始的恐怖を感じた。"
"失礼します。あの、裁判官殿。ブラック対グレート・ベネフィット社の審理を。"
"君の名は?"
"ルーディ・ベイラーです。J.ライマン・ストーンの。"
"J.ライマンの所か。"
裁判官は、咳き込む。
"ヘビースモーカーだ。"
" Where is ストーン?"
"存じません。ここで会う約束でしたか、今、一体、どこにいるのか。"
"驚くべきことではない。延期を申し出るか?"
"いいえ、申立てを。"
"弁護士資格は?"
"試験に合格したばかりです。でも、彼らは、私の依頼人で、試験に受かるまで、ストーン氏の名前を借りていました。"
"私の法廷に、資格なしで入るとは。出て行け。資格を取って、出直して来い。資格だ。クソ資格を取って、出直して来い。"
"裁判長。レオ・F.ドラモンドです。ティンリー・ブレットの。グレート・ベネフィット社の弁護人です。この、若者が、司法試験に合格しているなら、彼に弁論をさせてあげてください。重要な訴訟を担当する機会を上げたい。"
"異議は、ないんだね。"
"よろしければ、ベイラー君の弁護士業務を、開始させたい。偉大なるこのテネシー州で。裁判長、今ここで、任命してください。私は、喜んで、証人になります。"
"ベイラー君。本当に続行して、いいのかね。"
"はい。裁判長。"
"では、右手を上げて。ルーディ・ベイラー。合衆国憲法とテネシー州法に、忠実かつ公明正大に従い、技能と才能の及ぶ限り、職務に尽くすことを、厳粛に神に誓うか?"
" I do. "
"これで、終了。では、続けよう。"
" Congratuations. ようこそ。"
"愚か者に従い、宣誓し、悪党に保証され、僕は、やっとlawyer になれた。"
"ハーヴィ。"
"入りたまえ。"
ドラモンドとルーディが、裁判長の部屋に入る。
"いいかな、ハーヴ。"
"ああ、かけて。"
"この訴訟は、気に障るんだ。ベイラー君。私なら、泡沫は、使わない。しかし、正直言って、メリットがない。"
"ジムに行きたい。"
"このタイプの訴訟には、飽き飽きしているんだ。棄却の申立てを、許可したい。連邦裁判所に、再申請してもいいが、よそでやってくれ。私の審理予定を遅らすな。便所に行きたい。失礼する。"
"ルーディ、俺は、高値のlawyerだ。高値の法律事務所のな。それに、経験が、豊富だ。狙った的は、必ず当てる。依頼主のグレート・ベネフィットに言ったんだ。訴訟費用は、おおごとだと。君の側にとってもな。相手は、こう言っている。君と君の依頼人に、5万ドルで、清算しようと。そして、俺が、その値段を7万5,000ドルまで上げられるかも知らない。責任の承認を否定すればな。勿論、答えがノーなら、第3次世界大戦が勃発だ。"
ハーヴィが、戻って来る。
"今度は、俺が便所だ。"
"大事なのは、訴訟じゃない。しかし、俺もレオに賛成だ。示談の方向で。先生も、金を投げてよこすだろう。レオに、分単位で1,000ドル渡すより、いいからな。"
"既に、オファーされました。"
" Really? How much? "
"7万5,000ドル。"
"それは。それは。その金額で、うんと言わないと、可笑しいぞ。"
"そう、お思いですか?"
"7万5,000ドルだぞ。すごーい金額だ。レオには、珍しい。"
"ああ、great guy. "

デックは、裁判所の玄関で、ルーディを待っている。
"で?"
"あれは、判事室会議じゃない。罠だった。"
" What happend? "
"タッグを組まれた。"
"そうか。"
"ブルーザーだったら?"
"百戦錬磨の奴が相手では、そんな手は、使わん。"
" What? "
"7万5,000ドル出すと。"
"それで、手を打てよ。取り分は、2万5,000だ。金が必要だろ。"
"ヘイル判事は、却下を考えている。ただの頑固老人だ。判事席に、長居し過ぎの。"
"金を貰おうぜ。彼の両親のためにもさ。"
ルーディは、バーディー夫人に報告する。
"会社側が、示談したいと。"
"申出は?"
"7万5,000ドル。あちらは、それが弁護士費用だろうと。"
"馬鹿野郎どもは、買収できると思っているのね。"
"そのとおり。"
"あの子と話して。"
"示談にしたい?ルーディ。君の取り分もあるし。"
"冗談じゃない。奴らの悪事を、公表する。"
"母さん。水をくれる?"
"待ってて。"
"どんな金額でも、それで、家族を支えてくれ。親を愛している。"
"他の誰もが、ひたすら、相手より優位に立とうと、あくせくしている間に、この若者は、目前の死を、しっかりと、見据えている。たった一人で。どれだけの勇気があるんだろうか?"
ルーディは、オフィスで、電話を取る。
" Hello. "
"昨晩、誰が死んだと思う?"
" Who? 大体、なんでいつでも起きている?"
"ハーヴィ・ヘイルだ。享年62歳。"
"裁判官の?"
"泳いでいる間に、心臓発作で。"
" You've got kid me. You've got kid me. "
"誰が、代わりにグレート・ベネフィットの件を受け持つか?"
"分かる筈ないだろ。" 
"タイロン・キプラー。黒人で、ハーバード卒の公民権弁護士。ティンリー・ブラット嫌いで、保険会社には厳しい。奴らと、何度も闘った。俺たちに、ツキが回って来た。レインメーカーって言葉、知ってるか?札の雨が降るぞ。"
"今、朝の5時だ。何時にここに?"
"今すぐ。"
"待っている。Fast truckの話をしよう。"
"コーヒー買って行く。"
 
タイロン裁判官。
"ドラモンド君。この件の優先審理に、反対だそうだな。What's the problem? "
"判事。この件は、ヘイル判事が、既に裁定を。優先審理には、相当な準備が必要で、過大な負荷が、双方の関係者にかかるので。"
"ナンセンスだ。ドラモンド君。質問させてほしい。被告人弁護士として、優先審理に、同意した事は、今までにあるのかね?"
"あると思いますよ。"
"案件の名称と審理が行われた法廷名を。"
"それは、後ほど、ご報告を。"
"今日の午後3時までに、電話しなさい。"
"3時までに、戻れるかどうか。"
"では、戻ったら、電話を。君が、どんな案件の優先に同意したのか、興味がある。"
" Yes sir. "
"この若者は、死期が近い。彼の証言を録取する事に、異議はないね?"
" Yes indeed. 判事。ただ一つ。私の裁判の予定が、立て込んでおりまして。"
"来週木曜の午後では?"
"私は、大丈夫です。"
ルーディが、答える。
"申し訳ありませんが。"
"1週間後だ。"
"出張中かも。そう、木曜午後は町外に。"
"証言録取は、木曜午後2時に行う。被告側には、不便かけるが、出張は、同僚に頼んでくれ。ほかに何か?"
"棄却の申立てのご裁定が、まだ。"
"申立ては、却下する。これで、終わりのようだな。"
" Gentlemen, let's go. "
"判事、ご着任おめでとうございます。"
" Thank you, sir. "
"ドラモンド君。"
判事が、呼び止める。
"優先審理の件、報告を忘れないように。"
" I look round. "
判事が、ルーディに声を掛ける。
"忙しくて、目が回っているんじゃないか?"
" Absolutely. "

"デックが、地元ラジオ局で、CMを流したいと言っている。やりたいのは、やまやまだが、金がない。家具、司法試験料、ファックス機、コンピューターのリース代、中古車の頭金。一文なしに、逆戻りだ。デックは、この展開に、わくわくしているらしいが。"
ルーディは、郵便に目を通す。捨てようとして、50%オフのセールの案内に、目が止まる。
"ラス・サヴェル宝石店 ケリー・ライカー"

衰弱したドニーが、眠る。
"ルーディ。いらっしゃい。入って。元気?"
" Good. 水曜の夜、クリーブランドに行きます。グレート・ベネフィットの本社です。経営陣全員と証言録取を。費用は、心配しないで。うちが、払う。"
" Thank you, ルーディ。"
デックが、ドニーの証言録取の準備をする。
"落ち着かないな。"
"同僚のデック・シフロット。"
"やあ、よろしく。"
"ルーディ。タイロンが来た。"
" OK. Judgeが、ここに。ドット。ちょっと待って。タバコを渡して。"
" Hello. "
" Hello. "
"どうぞ、中へ。"
"ブラック夫人とタイロン・キプラー判事。"
"お会いできて、光栄です。"
"こちらこそ。"
ドニーが、目覚める。
"こちらへどうぞ。"
"中は、ちょっと窮屈かな。"
"外が見たいな。君は、大丈夫か?"
ドニーが答える。
"いいですよ。"
"では、行きましょう。"
"時給1,000ドルの弁護士たちだ。嫌悪を感じる。お高い観覧席に座り、司法制度を見下して、大雨を降らせている。以前は、彼らの世界に入れないから、憎んでいた。でも、今は、彼らが弁護するものを憎んでいる。"
"判事、お元気ですか?" 
"やあ。犬に、驚かされたか?"
" Outside? "
"中は、手狭で。ここにかけて。"
"元気か?"
"ああ。"
ドニーが、杖を突き、母親に支えられて、出て来る。椅子に腰を下ろす。
" Thank you. "
" Hi, ドニー・レイ。"
" Well. "
"キプラー判事は、さっき会ったな?"
"ああ。"
"そして、レオ・F.ドラモンドと同僚たち。彼女がタミー。法廷の記録係だ。彼の宣誓を。"
"これから述べる証言が、真実のみである事を、神に誓いますか?"
"誓います。"
父親は、家を出て、ドニーの証言録取に目もくれず、庭の車に乗り込む。
"言っといたのに。"
"気にしないで。Don't worry about it. 証言録取だから。"
"グレート・ベネフィット社の代理人です。このような状況にある事を、大変、遺憾に思います。"
"あなたの依頼人が、義務を果たしていたら、ここにはいない。"
"聞こえなかった。"
"ガムいるか?"
デックが、野次馬の子どもたちに、声を掛ける。
" Sure. "
"腕は、骨折か?事故で?"
" What? "
"俺は、弁護士でさ、名刺をママに上げて。"
"君がママ?賠償金を取れるかも。"

"ラス・サヴェル宝石店"
ルーディは、店に入る。
ケリー。
"まず、この方のお世話をするわ。大丈夫よ。私が。"
" Can I help, sir? "
"見ているだけです。" 
ケリーは、金のネックレスを取り出す。ルーディは、それをケリーに合わせる。
"通りの向こうに、映画館が。中央列の後ろの席に座って。30分後に、私も。"
" OK. "
映画館。ケリーが、やって来る。
"クリフが、子どもが欲しいと。"
"どうするか考えないと。"
" Sexだけが、私たちを繋ぎ止めていると思っている。"
"そういう話は、今、したくない。"
"ただ、会いたかったの。"
ケリーが、ルーディの頬にキスするが、ルーディがキスしようとすると、ケリーは、身をはがして、座席を立つ。

クリーブランド行きの高速バス。
"クリーブランドまで、彼女の香りが付いて来た。レオたちに、意識を集中するのが、難しい。彼らは、ファースト・クラスで飛んで、夕食の後、僕を完璧に破滅させるための計画を立てる。僕が、モーテルにチェックインする頃、彼らは、ホテルのスイートで就寝中。"
ルーディは、グレート・ベネフィット社の本社に着く。
"そして、心地よく目覚めたら、戦いの準備は、万端だろう。僕の証言録取だが、場所は、敵地だ。"
"ルーディ・ベイラー。Just on time. "
"ドラモンドさん。"
"タイラー。この子に、コーヒーを。"
"ジャック・アンダーホールだ。Young lawyerは、ハングリーだ。"
"相手側の法律経験は、合わせて100年は、下らないだろう。" 
" Lovely 法廷報告員の隣へ。"
"一方、僕のスタッフは、司法試験を6回落ちている。"
"ルーディ。こっち側の面々に、圧倒されるなよ。ゴルフコースに連れ出せば、へなちょこだ。さあ、始めよう。1番目として適切なのは、企業の被指名者であるジャック・アンダーホールだ。"
" I don't think so. "
"今、何と?"
"聞こえた筈です。保険請求処理のジャッキー・レマンシックから。"
"いや、アンダーホールから、始めよう。"
"失礼ながら、これは、私の証言録取です。証人の順番の判断は、私に任せていただきたい。ジャッキー・レマンシックを呼んでください。判事に、電話した方が、いいですか?"
"こんな朝っぱらから、拳を振るうのは、やめよう。"
"拳を振るっている積もりは。"
"実は、問題があるんだ。ジャッキー・レマンシックに。"
" What's the question? "
" She dosen't work anymore. "
"退職させられた?"
"自主的にな。退職した。"
"現在は、どこに?"
" Well, 依頼主の企業で、勤務をしていないのであるから、証人として、差し出せない。次に行こう。"
"では、ラッセル・クロケット。この部屋に、ラッセル・クロケットは?"
"彼も退職している。人員削減の対象になった。"
"Downsize. 何という偶然だ。"
"依頼主は、周期的な人員削減を行っている。"
"そうなんですか。"
"では、エヴァレット・ラフキン保険金査定部担当副社長。彼も、downsize, too? "
"いや、彼はここに。"
"あなたが、ラフキン?"
"うん。"
" Congratuations. 奇跡的に免れたんですね、グレート・ベネフィット社の最近の大量虐殺から。"
"今日は、体調がいまいちだが、精神は、皆と共にあるよ。"
"知りたい。"
"何について?''
" I was wondering. Do you memory 魂を売り渡した時の事?"
"傲慢な虫ケラだな。君は。大海に出たんだ。マナーに気をつけろ。"
"マナーに気をつける?I come from メンフィス。4人の証人のうち、2人が消えた。それでも、マナーに気をつけろと?"
"俺の問題じゃない。それで、どうするんだ?"
"ラフキンの証言を聞く。その後は、メンフィスに帰るだけ。"

"こうして、無保険の人間は、死んで行くんだ。優秀な医師や技術を誇る社会にいながら、この若者は、ただ死にゆくだけなんて、許せない。しかも、彼は被保険者で、母親が料金を払っていた。わずかながらも、きちんと。法廷では、孤独な戦いになる。武器もなく、怯えている。正義が支えだ。彼の横で、復讐を心に誓った。"

寝床のルーディが、電話に起こされる。
" Hello. "
"ルーディ。私よ。"
ケリーからの電話。
" What's wrong? "
" I need your help. "
"今、どこだ?"
"店よ。"
"そこにいるんだ。OK? Be right there. "
ルーディが、宝石店に着く。警備員が、鍵を開ける。
"ベイラーだ。"
"中にいるわ。"
" Thanks for coming. "
ケリーの顔に、傷。
" What happend? "
"見せましょう。"
女性スタッフが、声を掛ける。ケリーの背中のあざを見せる。ケリーを、ブラック夫人宅に連れて行く。
"大丈夫だ。僕がいる。"
"ルーディ。電話くれて、良かった。可哀想に。I'm gonna take care. Don't you worry. 大丈夫だから。"
"必要な時は、呼んで。"
"分かったわ。"
"どんな事をしても、彼女を救うと、心に誓った。あの男は、彼女を殺すまで、暴力をやめない。Never. "

ルーディとデックは、バーディー夫人宅に行く。人集りが、出来ている。
" Well, 今夜は、不法死亡の訴訟だ。膨大な金が。"
"お悔やみを、ドット。"
ドニーは、死んだ。
2人は、抱き合う。
ルーディは、庭の椅子に、一人座る父親に、小さな包みを渡す。中には、写真立てに入ったドニーの写真。
バーディー夫人とデック。
"来てくれて、ありがとう。"
父親は、ドニーの写真を手に、ルーディの肩に手を置く。
"乗り越えられる。"

ルーディが、オフィスにやって来る。
" Hey. "
デックが、メモ帳を示す。
"彼は、ブッチー。盗聴器を調べている。"
"盗聴器?!"
ブッチーが、握手を求め、口の前に、人差し指を立てる。
"小さなマイクが、部屋中に。"
3人は、レストランで、食事を取る。
"食事を楽しんで。"
ブッチーが、盗聴器を取り出す。
"この盗聴機器は、中程度の回路を使っている。弱いトランスミッターだ。多分、チェコ製だ。警察やFBIじゃないな。"
" Somebody elseだ。"
"他の誰かが、僕らの?"
"想像はつく。"

デックは、公衆電話から電話する。
"ルーディ。''
" Yeah. "
"無事の確認連絡だ。何か、買って行こうか?"
" No. それより示談をしたいと言う人が。"
" Who? "
"ドット・ブラック。"
"ドットが?"
"様子を見に行ったんだ。フルーツケーキを持って。そしたら、彼女は、長い裁判に耐えられる意志がなくなったと。"
" How much? "
"17万5,000ドル。"
"それで、行こう。"
"一晩、考えよう。明日また。 See you tomorrow. "
"俺は、それでいいと、思う。"
"でも、兎に角、考える。"

ドラモンドとルーディ。電話で話す。
"あの家族は、兎に角、大変な目に遭って来た。母親は、示談にしたいんじゃないか?"
"僕が、聞いてみる。"
"電話すれば、いいよ。待っているよ。"
"では、後ほど。"
デックは、録音機を止める。ルーディが、巻き戻して、音声を聴く。
"彼の件は、お悔やみを。依頼主は、示談にしたいと、言っている。数字を上げさせて、くれ。保険が、カバーしていれば、10万5,000から17万5,000を支払っていた筈だと。"
"そうなんですか。"
"彼らが盗聴を。"
"そうなんだ。だから、我々は、キプラー判事に。"
"俺たち?"
"17万5,000ドルを。" 
"嫌だ。"
" Why not? "
" I have an idea. ちょっとcrazyだが。"
"陪審員の買収か?最高だ。いいぞ。I love it. I love it. "
"俺たちの悪夢は、誰だ?"

"判事から、92人の陪審員候補の名前を貰っていた。彼らの経歴を調べ、プラス、マイナスで評価した。"
"何をすれば?"
" Here we go. Here  we go. "
" What? "
"直接、連絡するのは、重大な違反だ。"
デックは、ブッチーに、公衆電話から、電話をかけさせる。
" What are we doing? "
"これをやる。俺が言うとおりに。" 
ルーディが、オフィスで、電話を受ける。
" Hello. ルーディ・ベイラーを。"
"私ですが。"
" This is ビリー・ポーターだ。今日、店に訪ねただろ。"
" Yes. ポーターさん。折り返し、ありがとう。"
" What do you want? "
"裁判の事なんです。陪審員に、召喚されていますよね。弁護士の一人です。"
デックは、メモを示して、そのとおり、発言させる。
" Is this legal? "
"勿論、合法です。ただ、口外はご無用に。私の依頼人は、白血病でご子息を亡くした女性です。グレート・ベネフィット社が、手術代の保険金を不払いしたせいだ。"
"それは、酷い。俺の叔母も、同じ病気を。痩せ細っていくばかりで、叔父も何とかしようと。俺にやれる事はやる。"
" Yes, sir. ありがとうございます。では、良い午後を。"
"叔母さんの話は、何だ?"
" Where come from? 同情的に、話せというから。"
"ああ、だが、技巧はこらすな。コーヒーを。上に戻ろう。"
"助けになるかと。"
" Cnm'on. " 
"ああ。"

法廷。ドラモンドが、陪審員に呼び掛ける。
"皆さん、これから私が、お聞きする事は、本日の最も重要な質問です。イエスかノーで答えられるsimple questionです。この件で、連絡を受けた人は?真面目に答えて。"
"大当たり。"
デックが、ルーディにささやく。
"違う聞き方をしよう。最近、会話した人は、いますか?ルーディ・ベイラーか、デック・シフレットと。"
"裁判長、異議あり。これは、侮辱です。"
"ドラモンド君。問題は?"
"陪審員が買収されたと信ずる根拠があるのです。"
"それで、私を非難している。"
"何をしているんだ?"
"私も知りたい。"
ルーディが言う。
"2人とも、私の席へ。"
"裁判長。陪審は、買収されています。"
"根拠は?レオ。"
"秘密情報の開示は、できません。"
"気が狂ったか。"
''ちょっとおかしいぞ。"
"証明を。"
" How? " 
"こんな非難をするとはね。買収?馬鹿げている。"
"質問を続行させて、真実が浮かび上がる筈。"
"ベイラー、異議は?"
"いいえ。"
"結構、では続きを。"
"しよう。"
ブラック夫人が、ルーディに尋ねる。
"一体、何が起きたの?"
" Lawyerのたわ言です。"
"ポーターさん。直接、伺います。正直にお答えください。"
"正直な質問には、正直に答えましょう。"
"よろしい。あなたは、数日前に、電話で、ルーディ・ベイラーと話しましたか?"
"とんでもない。"
"正直に答えないのか?"
"正直な答えだ。"
" Are you sure? ポーターさん。"
"クソ確かだよ。"
"ここは、法廷ですぞ。合衆国の法廷。テネシー州の法廷だ。あなたは、正直に答えていない。"
" Don't call me lier. "
" Lier. "
"この野郎。"
ポーターは、柵を乗り越えて、ドラモンドに掴みかかる。
"ポーターさん、やめろ。"
"レオから離れろ。"
2人を制止しようと、もみ合いになる。
"静粛に。"
"出て行け。"
"廷吏。ポーター氏を、法廷から退去させろ。ビリー・ポーターさん。あなたの陪審義務を免除します。"
"裁判長。陪審員候補全員の解散を要求します。"
" Deny. "
"不正があったんだ。"
デックが、ドラモンドの靴を、拾い、届ける。
"靴が、片方落ちていた。"
"ドラモンド君。陪審員の選任を続行して、いいか?"
"結構です。裁判長。"
" Thank you. "
ルーディは、ドラモンドに、あざけりの表情を見せる。

ケリーとルーディ。ケリーは、離婚届にサインする。
"今日、提出しよう。"
"彼、気が狂うわ。"
"既に、狂っている。"
"あなたに復讐を。"
"だろうな。"
"美味しいターキーハムよ。" 
"でも、裁判所に戻らなくちゃ。遅れそうだ。"
"サンドイッチは?"
"持って行く積もり。" 
"良かったわ。"
" See you later. "

ルーディは、裁判所の廊下で待つ。ブッチーがやって来る。 
"どうだった?"
"クリフが、昼飯に行く途中で、書類を渡した。怒っていたが。来るなら、来いと言ったら、引き下がった。用心しろよ。ありがとう。ブッチー、感謝するよ。"
証人尋問。
"これから述べる証言が、真実のみである事を、神に誓いますか?"
" Yes I do. "
ブラック夫人が、宣誓する。
"証人席へ。"
"記録用に、名前を。
" Mrs.マーガリン・ブラック。"
" Mrs. ブラック。あなたは、最近、急性骨髄芽球性白血病で亡くなったドニー・レイ・ブラックの母親ですね。原因は、グレート・ベネフィット社が。"
"異議あり。誘導尋問。"
"異議を認めます。"
"ご子息のドニー・レイは、手術が、必要。"
"異議あり。誘導尋問。"
"認めます。"
"この保険を求めた理由は、ご子息の医療に、心配があったから。"
"異議あり。誘導尋問。"
ドニーの父親が、デックと傍聴席で、話している。
"ベイラー君。保険契約を示し、購入の理由を聞いては?"
" OK. "
"ベイラー君。証人に接近する許可を得てください。"
" Sorry. "
"証人に接近する許可を。"
"よろしい。"
" Take it easy. 焦らずに。"
"グレート・ベネフィット 
1996年7月7日
 件名 契約番号7849909886
Dear Mrs. ブラック
弊社は、過去7回、貴殿の請求をお断りしましたが、今回をもって、最終通知とさせていただきます。You're must stupid, stupid, stupid. 
エヴァレット・ラフキン
保険金査定部 担当副社長  "
" Read again. "
"異議あり。反復です。"
" Sustained. "
"証人に同情します。"
"ドラモンド君。"
"裁判長。証拠書類の撤収を。Mrs.ブラック。電源切れ。グレート・ベネフィット社に、1,000万ドルの訴訟を起こした理由は?"
" Is that all? "
"今、何と?"
"もっと、多額だと思った。"
"そう。"
"数10億の資産がある企業が、私の息子を殺したのよ。もっと、高値で良かった。"
"その金をどうする?もし、1,000万ドルの判決が出たとして。何に使う?"
"全米白血病協会に、寄付を。全額。自分では、汚らわし過ぎて、とても使えないわ。"
"宣誓下にあるのは、覚えていますね?証人に接近を。"
"よろしい。"
"ブラック夫人、契約内容を読んでください。16頁のセクションK、14段落目の Eの項を。簡略な文体で、こう書いてある筈だ。実験的な手術は、適用外であると。あなたの訴状には、骨髄の移植手術が、受けられたら助かった筈だとある。これは、事実ですか?Mrs.ブラック。全米で、骨髄の移植は、年間、約7,000件しか行われていない。この州では、年間、200件に満たない。"
"異議あり。誘導尋問です。"
"反対尋問時の誘導尋問は、許可する。よって、異議は却下する。"
"つまり、保障の対象外だった訳だ。Mrs.ブラック。最初に、ご子息を診断した医師の名前は?"
" Very beginning, 私たちのペイジ医師です。"
"ご家族の主治医ですね?"
"ええ。"
"いい先生で?"
" He is a very good doctor. "
"その有能で、誠実な医師が、ご子息の白血病の種類には、よい結果が得られないので、移植は勧めないと言ったというのは、本当?"
"いいえ。言わなかった。そんな事は、私には、一度も。"
"証人席に、近づいても?"
"よろしい。"
"これは、ペイジ先生のレターヘッドでは?そして、下にあるのは、先生の署名では?"
"あれは、駄目だ。"
"なぜ?"
"証拠開示の仕方が、不適切だし、内容は、伝聞だ。"
"裁判長。異議あり。ブラックの主治医から、ドラモンド氏への手紙は、法的根拠として、認め難いです。"
"そのとおりです。私は、この手紙を、証拠として、提示する積もりはなく、州の証拠規則612項に基づき、証人に対し、手紙の内容を確認して貰い、記憶を新たにしたまでです。"
"ベイラー君。意見は?"
" I don't know. 裁判長。すみません。異議を唱えたのは、準備手続の際には、手紙の提示はなかった。"
"その事は?"
"手紙が必要になると、思わなかったからです。証人は、医師の発言を正直に答えるだろうと。"
" Anything else? ベイラー君。"
" No. "
"ドラモンド君。脱線し過ぎず、許容範囲内で頼む。"
"分かりました。さて、Mrs.ブラック。この手紙で思い出しましたか?ドニー・レイの白血病が、骨髄移植によって、良くなる種類だったかどうかを?" 
"でも、彼は、専門家ではないわ。"
"だが、資格を持ち、能力も経験もある医師だ。その彼が、親愛を込めて、あなたに、何度も、あなたが認めたくない事実を伝えていた。Your sonが、最高の医学をもってしても、助からないという事を。"
"先生は、専門医じゃないから、信じられなかった。"
"信じなかっただけじゃない。あなたは、陪審員や私に対し、不誠実だった。宣誓下にありながら、ペイジ医師が、息子さんの白血病は、骨髄移植で、治る種類のものではないと言ったことなどないと。あなたは、こう言った。いいえ、言わなかった、そんな事は、私には一度も。"
"専門医じゃなかった。私は、ただ、ドニー・レイに、最高の医療を受けさせたくて。You'll do the same thing. "
" Ofcourse. Ofcourse. 以上です。"
" Mrs.ブラックは、退席して、結構です。"
ブラック夫人は、原告席に戻る。
"駄目だった。"
"そんな事、ありません。陪審員は、ドラモンドの意図が、明確に分かった筈。気にしないで。"
"タバコ吸いたい。"
"それは、後で。"

夜。空が、ごろごろ鳴る。車の中に、ケリーとルーディ。
"彼が、鍵を変えていないと、いいんだけど。Are you scared? "
" Yeah. さあ、行こう。"
2人は、クリフの家に入る。
"不潔だわ。 Sorry. "
" Com'on ケリー。''
雨が降り出す。
"まだ、クローゼットに、私の物が。"
"全部は、持ち出せないよ。"
クリフが、戻ったような音がする。
"彼だわ。"
クリフが呼ぶ。
" Hey. Hello. "
ドアが開き、2人とクリフが、対峙する。
"これは、これは。どうした事だ。2人で、何をしていた?"
" Take it easy. "
" Tell me. 俺は、お前の夫だぞ。お前は、黙れ。"
"聞けよ。いいか?落ち着け。"
クリフは、ルーディを突き飛ばし、ケリーにつかみかかる。
"よくも、俺を傷つけたな。なぜ、傷つけるんだ。"
ケリーを、何度も、壁に叩きつける。起き上がったルーディに、手に持った筒で、襲いかかる。
"やめて。クリフ。"
2人は、もみ合い、クリフは、ゴルフクラブを手にする。
"逃げて。"
クリフは、戸棚を壁から、引き剥がし、ルーディに投げる。ルーディが、拳銃を取り出すが、クリフに弾かれる。ルーディを痛めつけ、倒れたルーディを冷蔵庫の下敷きにする?
"ルーディ。ルーディ。クリフの馬鹿、何しているの?"
"お前のせいだ。こうなりたかったのか?俺のせいじゃない。愛しているんだ。"
立ち直ったルーディが、クリフを襲う。組み敷いたクリフが、拳銃を取り出すが、金属バットで、頭を殴る。
"ルーディ。"
クリフはぐったりし、なお殴ろとするルーディを、ケリーは制する。
" Stop. ルーディ。 Stop. バットを私に。そして、出て行って。"
" What? "
" Give me a bat. そして、出て行って。あなたは、ここにいなかった。バットを。行って。あなたは、ここに、来てないわ。"
ルーディを押しやる。ルーディは、一人車で去る。
暫く後。警察車両が、止まっている。
"遂に、彼女は、殺されたか?"
"違うの。死んだのは彼よ。"
" Sure? "
"彼女見たもの。"
"どうやって?"
" I don't know. "
"殺人者は、25の過ちを犯すという。後から、その5つでも思い出されば、上等だと。あれは、正当防衛だった。でも、死んだなんて。僕は、いくつ過ちを犯したんだろう。"
"こちらへ。"
"でも、ケリーは、知っていた。何をするか、そして、いつかを。何が起きていて、どんなリスクを冒しているか、彼女が、最初に考えたのは、僕を守る事だった。そして、僕は、彼女を見捨てて、逃げたんだ。"
"ケリー。貴様。なんて事を。"
"何が起きた?"
"何をしやがったんだ?"
ルーディは、駐車場に止めた車の中から、見ている。
"息子を殺しやがって。くたばれ。"
ケリーは、警察車両に乗り込む。

ルーディは、警察に赴く。
" Excuse me. 彼女のlawyerです。尋問中、同席を。"
"君のlawyerかね?"
" Yes, sir. "
"私が、身柄を保護したい。"
" I can't do that. 君が、何のlawyerか知らんが、殺人事件だぞ。保釈金は、判事に決定されるし。"
" Going to a jail? "
"独房に入れるかな。俺は、刑務所勤務じゃない。ここを適切に処理して、それから看守と話せ。奴らは、lawyerが、お気に入りだからな。"
ルーディは、靴先で、ケリーに合図を送る。
"このlawyerが、真面目に仕事をすれば、明日には出られる。保釈金を出せばな。5分間だけだぞ。"
2人は、片手を結ぶ。
"あの窓から見られるし、会話も盗聴されているから、気をつけて。"
"過失致死罪って何?"
"罪を犯す意思なく、殺人をしてしまった場合の事。"
"私の刑期は?"
"僕が、絶対に、有罪にならないようにする。"
"明日夜は、息子のフットボールだ。"
"有罪にさせない。"
"どこのチーム?" 
"メンフィス州立大。"
警官たちが、部屋に入って来る。
"手首を、後ろで交差して。こちらへ。"

法廷。グレート・ベネフィット社case.
" Mr. ラスキン。グレート・ベネフィットの査定担当 副社長ですね。"
" Yes I am. " 
"証人席に近づいても?"
" You may. "
"これを覚えていますか?陪審員に、読み上げて。"
" Mrs. ブラック。弊社は、過去7回、貴殿の請求をお断りしましたが、今回をもって、最終通知とさせていただきます。あなたは、stupid, stupid, stupid. エヴァレット・ラフキン 保険金査定部 担当副社長"
" That's you? "
" Yes. "
"どう説明しますか?"
"私的に、ストレスの多い、大変な時期でした。7回断った後だったので。それを強調しようとして、切れてしまった。手紙に書いた事は、反省し、and apologize. "
"謝罪には、遅いと思いませんか?"
" Maybe. "
" Maybe? 若者は、亡くなっている。"
" Yes. "
"ジャッキー・レマンシックとは、誰の事です?"
"元保険請求処理係です。"
"あなたの下で、働いていた?"
" Yes. "
デックは、駐車場で、車を探す。
"いつ退職を?"
"覚えていない。" 
" October 30では?"
"大体。"
"それは、本件の証言録取のちょうど2日前だった。"
デックは、シートをめくった車のトランクから、小さな紙片などを取り出す。
"記憶が曖昧で。"
"規則612項により、証人の記憶を喚起したい。"
デックは、紙くずの中から、印字された連続用紙を、取り出す。"
" October 30th. "
"どうやら。"
"そして、それは、証言録取の2日前です。"
"そうだ。"
"そして、彼女が、ドニー・レイの保険請求を、処理していた。そうですね?"
" That's correct. "
"彼女を解雇した。"
" Of course not. "
"どうして、会社を?"
"自主退職です。今、渡してくれた退職届のとおり。" 
"なぜ、退職を?"
"都合により退職しますだ。"
"彼女の都合ですか?"
"そう、書いてある。"
"以上です。"
"退席して、よろしい。"
デックは、ビルの受付に行く。
"僕は、ジャッキー・レマンシックの兄のジェームズだ。妹に、会えるかな?"
"少々お待ちを。"
デックは、カウンターに身を乗り出し、引出しを開けて、メモ帳を取り出す。
"全員、ご起立を。"
"レマンシックさん。私は、お兄さんじゃない。"

デック。
"ルーディ。良かった。ジャッキー・レマンシックを紹介するよ。"
ルーディらは、応接室に入る。
"こちらが、ジャッキー・レマンシック。ジャッキーの行く所には、カールも行く。彼が、同僚のルーディ・ベイラー。俺に話した事を、彼にも。"
"レマンシックさん。お会いできて、嬉しい。かけても?"
" Cherrs. "
"レマンシックさん。ブラック家の件ですが、あなたが担当したんですね。"
" Yes. That's correct. 初めの請求は、私に渡されました。当時の会社規則により、私が支払い拒否の手紙を。"
" Why? "
" Why? 初回は、すべての請求を、拒否する決まりだから。"
" All claims? "
" All claims. "
レマンシックが、咥えたタバコに、カールが、火を点ける。
"仕組みを説明するわ。保険は、貧しい地域を、戸別訪問で、売り歩くの。支払いは、毎週、現金で。保険請求が、来ると、処理係に回される。"
ブラック家が、契約書にサインする光景が、回想される。
"底辺の事務係よ。兎に角、処理係が、内容を再確認して、即、支払い拒否の手紙を、契約者に送る。処理係は、その後、ファイルを保険の引受部に送る。"
郵便を確認するブラック夫人。
"すると、引受部は、査定に、メモを送り返す。こっちが言うまで、保険金は支払うなと。"
保険請求拒否の手紙を読むブラック夫人。
"重要な事はね、大勢の人間が働く大会社で、同じ建物なのに、お互いを知らないし、違う部署が、何やっているか、知らないの。意図的な操作よ。常に、部署同士を、戦争状態にしておくの。その間、顧客の契約者は、手紙を受け取り続ける。時には、査定から、またある時は、引受から。その多くは、諦めるわ。勿論、それが狙い。"

法廷。グレート・ベネフィット社case.
"ベイラー君。次の証人を。"
"原告側は、ジャッキー・レマンシックを召喚します。"
"今、誰と。"
"まさか。"
法廷の後ろのドアから、レマンシックが、入廷する。
"異議あり。裁判長。"
"よろしい。"
"これは、奇襲です。"
"証人候補者名簿に、名前がある。"
"事前通知の必要がある。それに、どこで、彼女を?"
"知らなかった。"
"正当な質問だ。Mr.ベイラー。"
"初裁判なので。"
"言い訳にならん。"
"公正じゃない。通知を受ける権利が。"
" I agree. "
"証言できない?"
"裁判長。審理準備のリストに、名前があります。規則26.06に基づき、我々に、証人召喚の権利がある。"
"異議は、却下する。"
デックは、ドラモンドに、条文集を乱暴に、渡す。
"頭に、叩き込め。"
レマンシックが、証人席に座る。
"記録のために、名前を。"
"ジャッキー・レマンシック。"
"グレート・ベネフィット社で、勤務期間は?"
"6years. "
"退職日は?"
"10月30日。"
"理由は?"
" I was fired. "
"自主退職では?"
"いいえ、クビです。"
"証人に近づいても?"
" You may. "
"私が持っているこの手紙には、あなたは、都合で退職すると、書いてある。"
" The letter is a lie. 私が辞めた事にすれば、会社に都合がいいからです。"
"この手紙を、あなたに書かせた人間を、指さしていただけますか。"
"ジャック・アンダーホール。He talked to me 即刻、出て行け。選択肢を、2つ与えられた。身一つで解雇されるか、その手紙を書き、退職した事にして、現金1万ドルで、keep quiet. 決断はその場で、彼の目前でしなければならなかった。"
" Go on. "
"私は、cashを取り、そして、担当した件について、誰にも口外しないという手紙にも署名しました。"
"ブラック家の件も?"
"特に、ブラック家の件です。"
"あなたは、あの保険金は、支払われるべきだったと?"
" Everybody knows. でも、会社は、賭けていたのです。"
"何に?"
"契約者が、lawyerに相談しない事に。"
ブラック夫人は、泣く。
"勤務時の事ですが、あなたは、シニアのexaminer だった?"
" Yes. It's correct. "
"その間に、保険請求の処理の仕方について、指導を受ける機会は、ありましたか?"
"すべての請求について、1年支払い拒否を続ける事、それで浮かせた額を合計し、差し引かれるのは、わずかな訴訟の和解料だけ。巨万の富の出来上がり。"
"書記官に近づいても?"
" You may. "
"6番をお願いします。ここに、証拠品6番を提示いたします。これに、覚えはありますか?"
" Yes. これは、会社の保険請求処理マニュアルよ。"
"セクションUの所を見ていただけますか。"
"セクションUは、ありません。"
"でも、セクションUが、何の事か、分かりますか? Senior examiner. "
" Yes I do. セクションUは、senior examiner のマニュアルにある実務上のメモです。"
" Thank you. Your honoir. これが、彼女が、実際に使用したシニア用のマニュアルです。この中には、セクションUが、存在します。判事席に近づいても?"
"裁判長。異議あり。"
2人は、裁判長席に近づく。
"我々が渡されたのは、不完全なマニュアルだった。"
"中には、会社から盗まれた書類が、含まれているので、証拠として、許容できない。許容できない。"
"根拠は?"
"裁判長。どうか彼に、指示をお願いします。嫌疑に関し、書類の内容を読む事も、言及する事もならないと。"
"理解できない。なぜ、証拠として、許容されないか。"
"提出の時期が。入手方法も。"
"昨夜、見つけた。"
"今は、この証拠の提出を保留とする。証人に、まだ質問が?"
"いいえ。"
"ドラモンド君。反対尋問を。"
"ありがとうございます。"
ドラモンドが、反対尋問に立つ。
" Is it real? レマンシック。最近、問題があって、施設に収容されたというのは。"
"収容は、されていません。アルコール中毒とうつ病に悩まされていて、自ら施設に入所しました。本来は、会社の保険で、保障される筈ですが、勿論、拒否されました。"
"だから、ここに出て来た?会社に復讐したいので?"
"会社の事は、憎いです。そこで、働く虫ケラたちも。"
"一緒に寝ていたラフキンも、虫ケラだと?"
"異議あり。Your honoir ドラモンド氏には、楽しい話かも知れませんが、本件には、まったく無関係です。"
"楽しくなんかないさ。"
"却下。進展を見よう。"
"ラフキン氏との関係は、認めますか?"
"レマンシックさん。"
"私が、経営陣の誰かとsexしている限り、昇給や昇進がありました。それを止めた途端、降格が。"
"レマンシックさん。グレート・ベネフィットの社員として、あなたは、会社の機密情報の開示をしないと約束した筈だ。Yes. 事実、その約束について、ここで証言もした。1万ドルと引き換えにしたと。"
"お金は、私が要求した訳じゃない。"
"でも、あなたは受け取り、自分の懐にしまった。初めから、約束を守る気など、さらさらなく、会社とラフキン氏に対して、怒り続けている。"
"私を、餌食にしたのよ。文無しで、シングルで、2人の子持ちだから。"
"だから、ラフキンに、妻に話し、新聞に公表すると言った。そして、1万ドル。あれは、ただの脅しだ。そうですね?憎い会社から、金をゆすり取るための。そうでしょ?"
"違うわ。"
"今日の証言も、全部嘘だ。そして、会社の書類を盗んだ。秘密情報だ。それを、復讐のため、脅迫に使った。地獄より怖いのは。何でしたかね?Miss.レマンシック?ふられた女だ。" 
レマンシックは、情緒不安定になる。
"裁判長。原告側証人Miss.レマンシックから、提供された書類は、会社から持ち出されたものとして、本手続きから除外する申請をいたします。"
ルーディは、立ち上がる。
"法廷で、ただ今示された証言に基づき、かかる書類は、証拠として、許容できない。"
法廷がざわつく。
"以上です。"
" Thank you. "
"ありがとうございました。裁判長。"
" Miss.レマンシック。退席して、結構です。"
レマンシックが、ルーディに謝る。
" I'm sorry. "
レマンシックは、退廷する。
デックは、電話をかける。
"デック・シフレットだ。ビッグ・ライノと話したい。"
"ビッグ・ライノですね。Just a second. "
リゾート地で、ブルーザーが、電話に出る。
" Hello. "
" Boss, デックです。"
"デック、どうしてる?"
" Good. あなたは?"
"いいよ。"
" Are you here? "
"あちこちにな。"
"あちこちか。実は、盗んだ証拠の件で、知恵を貸していただきたい。"
" Stolen evidenceね。えーと。デ・ソトcaseだ。"
"デ・ソト?"
"カーマイン・デ・ソト。覚えているか?クラブのルビーの。"
"どこに資料が?"
"1992年かな。650何とか。南西2丁目だったかな。"
" Boss は、命の恩人だ。92年?"
"そう。ルビーの件だ。"
"92年。カーマイン・デ・ソト。クラブ『ルビー』。"
"控訴裁判所。"
"段々、思い出して来た。"
ルーディの家。ルーディは、プリント・アウトされたデータを繰る。
"ブルーザーから、情報を貰った。"
"ブルーザーの居場所は、知らないとばかり。"
"知らないさ。だが、緊急の連絡先がある。連絡すると、繋いで貰える。ブルーザーほど、stolen evidence に詳しい人は、いないよ。彼のおはこと言って良い。"
電話が鳴る。
" Hello. "
"ベイラーさん?"
" Yes. "
"シェルビー郡の検察です。裁判所にお越し願えますか?ケリー・ライカーの件で。"
" Sure. "
"6号室です。"
"ぽん引きや泥棒と、付き合う利点もあるのさ。デ・ソト対ルビーの件も、盗んだ証拠の山。ブルーザーの仕事だ。"
"今は無理。I got go. "
" You got go? グレート・ベネフィットのCEOが、明日、出廷だぞ。こいつを仕留めなきゃ。Com'on. "
ルーディは、ケリーと接見する。
"幸運を。ケリー。"
" Thank you. "
"検事と会った。訴追は、しないそうだ。正当防衛だから、有罪判決が見込めないと。"

法廷。グレート・ベネフィット社case。
"原告側は、ウィルフレッド・キーリーを証人席へ。"
"右手を上げて。これから述べる証言が、真実のみである事を、神に誓いますか?"
" I do. "
"証人席へ。"
"名前を。"
"ウィルフレッド・キーリー。"
デックが、尋問に立つ。
"証人席に近づいても?"
" You may. "
"会社のパンフレットですが、これが、あなたの名前で?"
" Yes. "
"イニシャルは?"
" CEO。"
"意味は、何です?"
"チーフ・エグゼクティブ・オフィサーです。"
"チーフ・エグゼクティブ・オフィサーね。Thank you. という事は、あなたが大物。あなたが、メインで、重要人物で、最高責任者なんだ。"
"そうですね。"
" Thank you. 裁判長。今から、Mr.キーリーへの質問は、同僚のルーディ・ベイラーが、行います。"
"気でも狂ったか?無資格だろ。"
"お前が、遅刻するからだ。"
" Morning, sir. 遅れて、すみません。証人席に行っても?"
" You may. "
"ジャッキー・レマンシックのマニュアルですが。"
"裁判長。異議あり。 Stolen 書類です。昨日、判断を。"
" Sustaine. "
"判事席に伺います。"
"この件は、解決済みだ。"
"裁判長。今朝、同じ状況の過去案件を、発見したんです。"
"説明したまえ。"
"この決定を、ご覧ください。クラブルビー対デ・ソト。コピーを、裁判長とドラモンドさんに。585番。431ページ目。J.ライマン・ストーンのブルーザーによる弁論です。これによれば、証拠が盗品であっても、弁護士が加担していなければ、証拠として、認められると。"
"この頭注によれば、君の異議は、却下される事になる。残念だな。レオ。"
"残念なんてもんじゃない。異議は、覚えておいてください。"
"分かった。"
"証人席へ?よろしい。"
ルーディが、裁判長の名札を落とす。
" Sorry. "
"お待たせして、済みません。Mr.キーリー。マニュアルの話をしようとしていたところでした。これが、ベネフィットのマニュアル?"
" Yes. "
"セクションUは、入っていますか?"
"入っています。"
"謎のセクションUについて、話しましょう。まずは、陪審員の皆さんに、説明を。3段落目を読んでください。"
"すべての保険請求に対し、担当者は、請求受取後3日以内に、支払拒否の手続を行う。"
"これを、どう説明されます?"
"保険業では、不正や難癖的な請求を受ける事があり、時折、このような対応をする事で、正当な請求やより重要な請求に、集中できるのです。"
" Mr.キーリー。今の説明で、法廷内が、納得すると?"
"このセクションは、単なる社内のガイドラインです。"
"社内のガイドライン?No, no. 違いますね。セクションUは、それだけじゃない。"
"それだけだよ。"
"これは、保険請求を、どうやって誤魔化し、迂回させ、保険金支払を逃れるか、正確に記したものだ。"
"何も、認めません。"
"証人席に近づいても?"
" You may. "
" Mr.キーリー。1995年の保険金支払の件数を、ご存知ですか?"
" I don't know. 見てみよう。"
キーリーは、ルーディが渡したリストをめくる。
"9万8,000ドルくらい?大体で。"
"それぐらいかも。"
" Thanks. Now, 保険金請求の件数は?"
" I don't know. "
"1万1,400件くらい?"
"そのくらいだ。勿論、正確かどうか、確認しないとならないが。"
"その冊子の中に、その数字は、載っていますね。"
" Yes. "
"陪審員に、支払拒否の件数を、教えてあげてください。"
"時間がかかるので、今、ここでは。"
"2か月あった筈だ。今、答えてください。"
"えーと、どうかな。9,141件だ。"
ルーディは、数字の書かれた札を、陪審員に示す。
"請求は、11,462件。9,141件が、拒否された。裁判長。ほかにも書類が。グレート・ベネフィット社の医療委員会の報告書です。前例に従い、キーリー氏に、提示させてください。"
"異議あり。"
"異議を却下する。"
" Thank you. "
"グレート・ベネフィット社の医療委員会の報告書です。議長は、あなただ。18行目から、読んでいただけますか?"
"骨髄移植が、標準的な治療法に、なって来たため、グレート・ベネフィットが、骨髄専門クリニックに、投資をする事は、財政的に正当化される。"
ドラモンドは、顔をしかめる。
"証人席へ。"
" You may. "
ドニーの父は、息子の写真に、目を落とす。
" Thanks. "
"音量を上げよう。"
"異議あり。反復です。"
" Overoll. 陪審員に聞かせたい。"
"骨髄移植が、標準的な治療法に、なって来たため、グレート・ベネフィットが、骨髄専門クリニックに、投資をする事は、財政的に正当化される。"
" Financially justfy. それが、あなたの会社の本質だ。私からは、以上です。"
" Mr.ドラモンド。"
"質問は、ありません。"
"退席して、結構です。Mr.キーリー。"
" Thank you. "

ルーディは、ベンチで横になる。
"ルーディ。起きろ。Com'on. Get up. 時間だ。行くぞ。Com'on. Com'on. "
ドラモンド。
"1,000万ドルのための決断が、何をもたらすか?保険会社の掛け金は、誰も払えないほど、高騰する。そして、政府に管理された保険制度に、導かれるのだ。皆さんは、重大な責任を担っている。賢く、正しく、注意深く。正しい選択を。裁判長。以上です。"
"Mr. ベイラー。反証を。
" Thanks. 陪審員の皆さん。ドニー・レイ・ブラックが、あえぎながら、最後の息をし、ゆっくり死にかけていた時、自己嫌悪を感じていました。彼を救う事ができないlawyerという職業の事も。私は、まともな最終弁論ができるほど、lawyerとしての自分に、自信がない。だから、ドニー・レイに代わって貰います。証拠品16です。"
スクリーンに、ドニーの証言が投影される。
"体重は49キロ。11か月前は、72キロあったのに。白血病は、かなり前から、分かっていた。病院で、治療を受けていた時、医師が気づいたんだ。僕が、生きるためには、骨髄移植しかないと、僕は、退院をさせられた。治療費を払えないからだ。"
父親が、立ち上がり、キーリーに、ドニーの写真を示す。
"なぜだ?"   
キーリーは、席を外す。父親は、被告らに写真を見せる。
"さあ、大丈夫よ。"
"もし、骨髄移植ができていたら、90%の確率で、助かったと。"
"皆さんに驚いてほしかった。私と同様に。被告のように富裕な保険会社が、更なる利益を求め、低所得者の金をむしり取り、正当な保険金の請求も、拒否していた事に。高いlawyerを雇うのも当然だ。ロビイストや広報を使い、不法行為や懲罰的損害賠償の廃止を訴えさせるのも。I ask you, 
陪審員の皆さん。あなたの心が正しいと思う事を、グレート・ベネフィットを、罰しなければ、next victim は、あなたかも知れない。以上です。"
ルーディとデックは、法廷の外で待つ。
" Don't be nervus. "
陪審員団は、協議に入る。再開。
"陪審員は、評決に達しましたか?"
" Yes, 裁判長。"
"指示のとおり、書面にも?"
" Yes, sir. "
"読んでください。"
"陪審員は、原告に対し、賠償金として15万ドルの支払を求めます。更に、陪審員は、原告に、懲罰的損害賠償として、5,000万ドルの支払を求めます。" 
"全員起立。"

デックのインタビューが、TVで流れる。
"彼らは、それを隠そうとしましたが、結局は、尻尾をつかまれたんです。"
"驚くべき事に、本件は、主席弁護士ルーディ・ベイラーの初裁判です。『誰にとっても、驚異的な内容の判決です。そして、最も重要な。』"
"庭師にしては、悪くないわ。"
バーディー夫人が、褒める。
"難しくは、なかった。陪審員が、素晴らしかった。物事が、上手く収まったし。"
"懲罰的損害賠償が、5,000万ドル。"
"5,000万ドル?あなたは、いくら貰えるの?"
ケリーが尋ねる。
"ズバリと来たね。"
" I'm sorry. そんな積もりじゃ。"
"冗談だよ。我々は、3分の1だ。まだ、振り込まれていないが。See you later. "
"彼女は、ひとりぼっち?"
"後、少しだけ。" 
"ルーディ、ルーディ。遺言に、あなたの名前を入れるわ。"
"あなたは、僕に甘過ぎる。"

lawyerオフィス。
"入信したてのニュースだ。『グレート・ベネフィット社CEOのキーリー氏は、昨日午後、JFK空港で、身柄を拘束された。ヒースローに向け、搭乗した直後だった。妻と共に、こっそり、小旅行の予定だったらしい。However, 彼らは、ヨーロッパのホテル名を言えなかった。』"
"予想どおりです。本日午後5時、グレート・ベネフィット社が、連邦裁判所に、破産法による保護申立てを行いました。多くの州が、同社について、調査を開始しており、集団訴訟も、裁判所に提出されています。CNNのディック・レッドマンが、お伝えしました。"
電話が鳴る。
" Hello. "
"ルーディ?レオ・ドラモンドだ。会社は、略奪されたようだな。I'm sorry. 金は、受け取ってほしかった。この件は、誰もが、敗者だ。それが、言いたかった。"
" Thank you. Mr.ドラモンド。"
"あの会社は、壊れたスロットマシーンだ。絶対、儲からない。17万5,000ドルで、手を打っておけば、良かった。ねじれちまった。法律稼業ってやつは。"
"僕は、今、全米のlawyerの話題の中心人物だ。といって、法曹界に、属している気はしない。仕事に専心すれば、続けられるかも知れない。だが、僕には、ケリーがいる。彼女を守らなければ。僕は、法律を愛している。でも、僕には、lawyerより、考える方が、向いているかも。考える時間が、必要だ。"
ルーディは、ブラック夫人を訪ねる。
"グレート・ベネフィットは、死んだ。僕たちには、1銭も入らない。"
"まあ。"
"あなたが、奴らを廃業させた。"
"メンフィスのちっぽけな1人の女が、馬鹿野郎どもを破産させた。ドニー・レイの墓に行くわ。すべてを話してあげるの。"

ルーディとデック。
"明日の朝、ケリーと発つ。"
"歴史を作ったな。ルーディ。You know, then. "
"一生の自慢だな。"
"じゃあ。"
2人は、ハグする。
"僕は、今は人気者だが、最初に、大ホームランを飛ばした後は、下降するしかない。"
" See you. "
"依頼人は、僕にmajicを期待するだろう。手段を問わなければ、やれるかも知れない。でも、ある朝、目覚めたら、レオ・ドラモンドになっている。"
"司法試験に受かったら、電話しろよ。"
"まかしとけ。"
"すべてのlawyerが、少なくとも一度は、越えてはいけない一線を、超えてしまう。その気はなくとも。それを繰り返すうち、線は、永久に消え失せる。ただのlawyer joke になってしまうんだ。汚れた水の中で泳ぐもう1匹のサメ。"
【感想】
駆け出しのlawyerが、業界の暗い部分に揉まれたりもしながら、自分の信じる正義を貫くストーリー。グレート・ベネフィット社訴訟の法廷が、丹念に描かれるが、もう少し、ルーディが、悪しき業界慣例などの前に、戸惑い、鍛えられる下積み時代を、もっと観たかった。風采は上がらないが、嗅覚が鋭いデックの裁判への関与が、一つスパイスとなっている。ミッキー・ロークの影が、中盤以降、極めて薄いのは、残念。

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