舞台を観る(その1)

コロナも収束したんだかしていないんだかわからないこのご時世、それでも生きるためには色々と再会して経済を回していかねばならぬということで、演劇業界も感染予防を徹底して公演が再開されてきています。自分も既に数本観に行ったりもしています。やっぱり劇場で見る公演はテレビや映画やDVDとかで見る演技とは違った迫力があるし、何より一番は集中してその世界に没頭できるというのが一番大きいのではないでしょうか。

しかし、舞台、演劇ってやつは本当に難しいなってその業界に身を置いていない自分でも思うわけです。まずは公演前。テレビや映画と違って公演前の稽古はありますが、メジャー媒体みたいな予告編みたいなものは作れないじゃないですか。事前に舞台セットを組んで予告編を録画してネットとかテレビで流すなんて、予算が相当なきゃ難しい。そうなると観る側の判断としてはフライヤーのイメージ画やあらすじを見て判断するしかない。さもなくば演者のSNS・・・と言ってもこちらもネタバレを防ぐために(自分の知る限りでは)具体的な内容は語らず動きのない写真を上げて、稽古は進んでいる、面白いものに仕上がっている、期待していてください、そんな内容が主。よっぽど演者目当てじゃなきゃ観に行こうっていう気になれないというか、ならないというか。まったく舞台を知らない人がそういうものを見て、舞台を観に行くという行動に移すなんておそらくゼロに近いですよね。だからこそ集客を見込めるための客演だと思いますが、じゃあその次の公演も観に来てくれるかというと・・・。(正直自分も知り合いが多い人ではないので、お友達を誘ってっていうことがなかなか難しくて、そういう点では応援している劇団さんの力にはなれていないのですが・・・。)

だからこそ自分は今の時代もっとSNSや動画配信を駆使するべきなんじゃないかな、と思うわけです。twitterでもYOUTUBEでもブログでも、数多ある動画配信サービスでも。色々な制限や絡み、大人の事情があるのは重々承知しているけど、そういうのを上手に使っている劇団さんとか見たことないんですよね。やっぱり観に行く前にはドキドキワクワクしたいじゃないですか。コンサートとかならそのアーティストの曲を聴いてテンションを上げる。映画やドラマなら予告編を観てテンションを上げる。じゃあ演劇、舞台は何をして(見て)テンションを上げればいいんだろう?その劇団が好きなら作風の雰囲気はわかるからその雰囲気を楽しみに行けばいいけど、じゃあ興味があまりない劇団の作品を観に行くときは?チケットを予約したけど、観劇当日まで何に期待すればいいんだろう?作品も役者もほぼ知らなければ、未知との遭遇を楽しみにするっていう手段があるけど、相当演劇好きじゃなきゃそんなのはハードル高いし、その未知との遭遇というギャンブルに近いものに映画よりも高いチケット代と映画並みの時間と映画館よりもアクセスの悪い場所に行くというリスクを誰が好んで選ぶだろうか。その解決はやっぱり今の時代ネットなんじゃないかな、と。

そんなこときっとみなさん腐るほど語られて、腐るほど頭を捻って考えているんでしょうけど、素敵な作品を作っている劇団さんとかを知っているし、すごい演技をする役者さんも知っているし、そういう方々がもっと活躍できる場が広がればって思っているけど、そうなっていないのが現実で。

きっと今も昔も演劇の世界って口コミでコツコツファンを増やして、その間にテレビなどで注目されるチャンスをうかがっていくという一発逆転な世界なんでしょうね。

とここまで書いておいて、舞台を主戦場にしている人たちが売れるって難しいねなんて当たり前のことを改めて思ったりしています。自分の応援している人たちがもっと活躍できる世界が訪れますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?