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エクリプスSを振り返る


皆様こんにちは。
タイガーマスクGです。


日本時間の昨夜、サンダウン競馬場にてエクリプスSが行われました。

個人的に普段から海外競馬を見る事が好きなのですが、日本で中継される事はほとんどないため日本で馬券発売が行われるレース以外、当noteではあまり触れないようにしています。(インスパイラルは興奮気味に挙げてしまいましたが。笑)

しかし、昨日のエクリプスSにはミシュリフやロードノースはじめ日本の競馬ファンにも馴染み深い馬が出ていた事、そして何より超豪華メンバーが集結していた事もあり今回取り上げさせて頂く事と致しました。


恐らく日本で馬券発売が行われるであろう今年の凱旋門賞にも繋がってくる可能性の高いレースなので、もし宜しければ最後までお読み頂けると幸いです🙇‍♂️






まず出走メンバーですが、回避馬が複数出て結果的には6頭立ての少頭数に落ち着いたものの、その6頭のうち実に5頭がG1ホースという超豪華な顔触れに。

唯一のG1未勝利馬であるベイブリッジも、先日シャフリヤールが出走し日本でも馬券発売が行われたプリンスオブウェールズSで1番人気に支持され2着に入った実力馬であります。



以下、出走馬簡易情報。

アレンカー
…タタソールズGCで念願のG1初制覇。負かした相手は後のプリンスオブウェールズS勝ち馬ステートオブレストなど。

ベイブリッジ
…前述のプリンスオブウェールズSの2着馬。5連勝でブリガディアジェラードSを圧勝した実力馬でG1制覇は時間の問題とされている。

ロードノース
…ドバイターフを連覇し、一昨年のプリンスオブウェールズSも含めてG1・3勝の実績馬。L.デットーリ騎手×J&Tゴスデン調教師の仲違いによる影響で今回はJ.ドイル騎手とのコンビ復活。

ミシュリフ
…昨シーズンにサウジC、ドバイSC、英インターナショナルSとビッグレースを制した実力馬。最下位に沈んだ今年のサウジCからの巻き返しを狙う。

ネイティヴトレイル
…昨シーズン4連勝でG1を2勝した素質馬。迎えた今シーズン、英2000ギニーでは同厩・同馬主のコロエバスに惜しくも敗れたものの愛2000ギニーで巻き返しVを果たす。

ヴァデニ
…仏ダービーを5馬身差で圧勝したアガカーン殿下所有の実力馬。その前走のレース後、主戦のC.スミヨン騎手が「オルフェーヴルに乗った時のような感覚」と絶賛した期待の3歳牡馬。



現地オッズにて1番人気に支持されたのはG1未勝利馬のベイブリッジ。プリンスオブウェールズS前に発表されたLWBRRでは重賞1勝馬の身でありながら5位タイの122ポンドが与えられ、陣営としてもG1タイトルを取らせたいと期待している一頭。
また、ネイティヴトレイルとヴァデニの3歳馬2頭にはアローワンスとして4.5kgのハンデが与えられており、斤量面においては3歳馬やや有利の構図。




レースは④ミシュリフがスタートで出遅れるもすぐに位置を取り、6頭の馬群が団子状態になると終始大きな動きなく最後の直線まで進む。押し出されるように馬群を引っ張った①アレンカーが勝負どころで徐々にピッチを上げ、それをマークする②ベイブリッジ、③ロードノースが追走。ミシュリフ、⑤ネイティヴトレイルはスムーズな手応えでそれに続き、⑥ヴァデニは最後方からじっくり脚を溜めて末脚勝負に。

馬群が固まったまま各馬追い出しを開始。最も良い手応えに見えたのは外から伸びるネイティヴトレイル、そして馬群の間を捌いて抜け出すロードノースの2頭。そして最後方から馬群を飲み込む勢いでヴァデニが2頭との差を一気に縮め、3頭が横並び状態で叩き合いとなり、ここでネイティヴトレイルとヴァデニの2頭が抜け出す。このままゴールへ向かうかに思われたところ、一度進路を塞がれ追い出しが遅れたミシュリフが猛然と強襲。しかし僅かに前へ出たヴァデニがクビ差抑えて先頭ゴールを果たし、追ったミシュリフが2着、食い下がったネイティヴトレイル、ロードノースがそれぞれ3着・4着、脱落したベイブリッジ、アレンカーが4頭から離された5着・6着という結果に。

勝利を収めたヴァデニはゴール後スミヨン騎手が何度もガッツポーズを見せ喜びをあらわに。その際、後続馬をあわや落馬寸前にさせてしまう斜行をしレース後騎乗停止処分が与えられる事となったものの、それだけ喜びもひとしおだったのだと想像できます。

惜しくもクビ差2着に敗れたミシュリフはとにかく直線の進路取りが悔やまれる結果に。あれさえなければ勝利さえ考えられただけに歯がゆいところではあるものの、これも一種の欧州競馬の特徴と言えるでしょうか。
大外を回して勝てるほど容易いメンバーでないのは間違いないですし、鞍上のD.イーガン騎手もそれを分かっての判断だったと思うので仕方のない事だと思います。

3着のネイティヴトレイルは初の古馬相手というだけでなく距離も2F延長し"試金石の一戦"と言える位置付けでしたが、敗れてなお力を示す内容だったと思います。
父のOasis Dreamは現役時代、短距離戦で活躍していたように血統的には距離延長が疑問視されるところですが、今回の内容でこの先の選択肢が広がったように感じます。

以下、4着のロードノースはあわや突き抜ける勢いで直線末脚を伸ばしての好内容。前走のプリンスオブウェールズSではスタートで覆面が取れず出遅れてしまうアクシデントがあり、陣営間の一頓挫も相まってか今回大きく人気を落としていましたが、改めて力があるところを証明。
5着のベイブリッジは期待を裏切る結果に終わりもどかしい気持ちはありますが、一線級と戦ったこのG1連戦がいい経験になることは間違いないでしょう。さらなる飛躍の糧としてほしいと思います。
6着のアレンカーは後続の目標にされてしまった印象があり今回は仕方ない敗戦と言えるでしょうか。経験値だけなら他を凌ぐものがあるため、この先も相手次第で十分に楽しめる存在だと思います。



今回は3歳馬のヴァデニがフランス調教馬としておよそ62年ぶりの同レース勝利を果たし、スミヨン騎手×アガカーン殿下の黄金コンビからまた新たなスターが誕生。見た目の馬体や迫力はなかなか一言で表現しづらい"とてつもないもの"を感じ、ただならぬオーラのような走る雰囲気を醸し出していました。
一流の欧州馬らしい「顔は小さく、胴は図太い」といった素晴らしい馬体で、着差こそ僅かでしたが先々が本当に楽しみな一頭だと思います。
スミヨン騎手自身は「回転力の速いタイプ(俗に言うピッチ走法)で、距離は10Fまで」と明言しており凱旋門賞への出走可否は不明ですが、今後も欧州競馬を背負っていく存在であることは間違いないでしょう。


敗れた馬たちもミシュリフやネイティヴトレイルをはじめ、各馬力のあるところは随所に見せていたので今後もそれぞれの路線で巻き返す可能性は十分にあると見てよいでしょう。
ネイティヴトレイルはこの先距離を延ばしていくのか定かではないですが、凱旋門賞で日本馬との対決が実現する馬がこの中から現れるかもしれないだけに今後の動向にもしっかり注視して参ります。





当記事が皆様のお役に立てる事、そしてこの先の主要G1レースへ向けて参考にして頂けるような事柄を今後発信していけると私自身とても幸いでございます。今後とも当noteを何卒宜しくお願い致しますm(__)m



貴重なお時間の中、最後までお読み頂きましてありがとうございました🙇‍♂️




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