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現場と数字、どちらを選ぶ?介護管理者の難しい選択

介護業界では、介護の専門知識は専門学校や会社の研修などで教わりますが、事業所をマネジメントする知識やスキルを身につける場所がない事が課題だと感じています。

そこで訪問介護事業所ゴールデンケア稲毛で起きたケーススタディをもとに、今年の8月から管理者に就いたスタッフへ社内チャットで送ったメッセージを共有します。

ケーススタディ①
利用者(家族)の要望が細かいかつ多く、時間内、制度内でかなえる事ができないが、利用者(家族)の理解が得れていない。
複数のヘルパーに対しての出入り禁止、直接的なクレーム
サービス提供責任者へ強くあたり訪問を継続する事が難しくなっている

※このケースは、実際に我々が遭遇した経験をもとにしています。ただし、プライバシーを尊重し、そして具体的な個人や組織が特定されないように、一部の詳細は変更しています。我々の経験を元に、より広い視点での問題解決のヒントを共有できればと考えています。

以下、社内チャット

現場だけでも、数字だけでもなく両立させる難しさ

現場側の意見
・あの様な要望は時間、制度内ではできないけど理解してもらえない
・罵声を浴びせられた、管理者は従業員を守ってくれないのか
・他の事業所だって撤退しているのに
・利用者の為には訪問したいけど…

数字側の意見
・●●様の月の売上は15万円を超えているのでキャンセルされたら痛い
・毎日入っているので、ケアがなくなったらヘルパーシフトに空きが出てしまう
・こちらからキャンセルを出す事は事業所の評判を落とす
・最終的に売上が落ちれば賞与を払えない

これはどちらかが正しくて、とちらかが間違っている事はありません。
両方会社としての意見として存在しています。
現場側の意見を優先すれば「あいつはやはり数字の意識が足りない」と数字側からの評価が下がり数字側の意見を優先すれば「あの人は会社の言いなり、現場の意見を聞いてくれない」と現場側からの評価が下がるデスゲームです。笑

経験あると思いますが、多くの事業所はこの問題で揉め、管理者は疲弊してコロコロ変わっています。

管理者の仕事

ここで管理者の責任を明確にします。
数字を守りながら(優先順位①)現場の意見を叶える(優先順位②)事です。
なぜ数字が優先順位①かというと、数字を守れなければ給与も払えず当然の様に従業員や利用者も守れないからです。●●︎様のケースであれば現場の揉め事を収めて、ケアを続けられる事が最適解でありそれに向けて努力をする事です。

・利用者(家族)が何を訴えているのか?
・ちゃんと事実確認をして伝える
・ミスがあった場合は謝罪する
・我々が出来る事出来ない事をお伝えする
・今後ケアを続けていく為にはどうするのか利用者(家族)と約束する

上記の様な情報を整理して敵対せずに冷静にコミュニケーションを取る力が必要です。(コンフリクトマネジメント)
もし、最終的な責任者である管理者が現場を収める事が出来ないのであれば下記の様な選択が考えられます。

①訪問できない言っている現場側の意見に反してヘルパーに訪問させる
②売上を落とすなという数字側の意見に反してキャンセルする

しかしこれでは責任放棄になり①であれば現場側から②であれば数字側からの評価が駄々下りします。(※恐らく多くの管理者はここ疲弊している)

現場の問題を解決できないのであれば本来、管理者が行わなければならない事は下記の様な事です。
①自分が訪問できる所は責任を持って自分が全部訪問する、担当のサ責を自分でやる
→売上は下がらない、現場のヘルパーも訪問に行かなくて良い

②サービスを終了する迄の期間に、電話営業を100件or15万円分契約目処が立つまで行う
→ヘルパーも訪問に行かなくて良い、売上も補填ができる

ゴールデンケアの目指すこと

この様な事は福祉の学校でも習わないし、会社で研修も行ってくれないので感覚でやっている人がほとんどだと思います。

サ責や管理者がこの様なマネジメントができなれけば現場が上手くまわらず現場が疲弊します。
逆を言えば、この様なマネジメントスキルを身につければ現場が安定し、利用者に安定してサービスができます。

ゴールデンケアでは、介護や障がいの専門スキルだけではなく、現場をマネジメントするスキルを体系的に身につける事のできる体制を整えたいと考えています。

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