極楽のバトルハイスクール1

※当時の話でうろ覚えなので、当時の同級生の皆さんは暖かい目で見守ってください。


最近「ジョジョの奇妙な冒険」に再びハマり、空条承太郎の帽子というなんの生産性の無いものを買い、俺の家で開いた忘年会でそれを被って回って、意外にも某氏が「俺は高校の頃、進学校だったからこういう帽子を実際に被っていた」と聞き驚いた。
俺の高校生活は短かった上に、高校外のことの方が色々あったのであまり思い出が無いと思っていたが、思い返してみればギャグ系ヤンキー漫画みたいで面白かったエピソードがあるので、今回はあまり語ることの無い俺の高校入学当時について語りたい。

俺のほんの短い高校生活の半分は意外にもバトルの連続であった。
1週間に一回くらいは喧嘩や衝突があった。
そんな危険な少年だったのか極楽は?といった感じだが、いや全く違う。

俺が通っていたS中学は朝倉のド田舎だった事もあり、他校と揉め事も少なく、暴走族も一個上の代で消滅した事から極めて平和な(喧嘩がないという意味において)中学だった。
どのくらい平和かといえば、あまりにも喧嘩が無いので暇したヤンキーがゴミ拾い、近所の老人ヘの声掛け、地元の駄菓子屋でゲームやお菓子のドカ買いをする支援などの地域貢献活動に精を出すほど平和だった。

今でも覚えているが、村唯一のコンビニを溜まり場にしてタバコを吸っていたらコンビニのおばちゃんにポイ捨てを注意されたので「来た時よりも美しく」をモットーに、ポイ捨てする奴がいたら「テメー、自分の居場所自分で無くしてんじゃねーぞ」とみんなから怒られるほどだった。

そんな環境で育った俺は完全に平和ボケしていた。

俺は他県の商業科に進学したのだが、思いっきりヤンキー校であった。
しかし「ま、そんなもんだろ」と特に深い事も考えず、楽しい高校生活が始まるぞーくらいで構えていたら、さっそく他中出身のヤンキーに「お前の中学の頭って誰なん?」と話しかけられたので、「頭?あ、オレオレ。」とテキトーに返した。もちろん嘘である。

俺は当時からギャグばかり言うキャラだったので、「なわけないじゃーん笑」という展開を想像してテキトーなことを言うと、そいつは顔をしかめて「…マジかよ、オメーが頭なんかよ?」と素の反応をした。
それに気づかず、俺は続けた。「まあな。最強と恐れられたもんだぜ。喧嘩無敗よ、無敗。」と。最強は嘘だが、喧嘩はほとんどした事ないので、確かに無負、無勝である。
その後もテキトーなことを言いまくって帰った。

登校翌日、俺の教室の前に学年中のヤンキーが囲う様に集合していた。
なんだ?と思っていると、その中で一番ゴツいやつが俺に聞いた。
「てめー、頭だってな?テキトー言ってたら殺すぞ」と。
あ、ヤバい、ガチに捉えられてますやん、と焦った俺であったが、ここまで来て「すみません、ギャグのつもりでした」などと言ったら、確実に血祭りになるし、性格的にこの状況で引く事もできないので「だからなんだっつんだ、どけ」と、さも気合い入ってる奴風の態度で教室に入った。
すると全員が当然「こ、この野郎…、ナメやがって…!」的になるも、チャイムが鳴る。
(あ、あぶねえ、ちょい遅刻気味に来て助かった…)

登校2日にして全ヤンキーを敵に回した俺、負ければ奴隷は確定。
負けるわけにはいかねえ、こちとら伊達に「カメレオン」全巻読んでねーんだ。
ハッタリだけを武器に俺のリアルカメレオンが始まった。

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