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[ narda ](ナルダ)は、古本のオンラインストアです。 サイトのみで販売を行なっており、実店舗はございません。 いずれも、経年による味わいとともに、それなりのダメージも見られます。 商品の状態は個別に記載しています。商品写真も併せてご確認の上、購入をご検討ください。 商品は随時追加していきますので、どうぞよろしくお願いします。 » 送料 / 商品の状態に関する記載 について https://narda.thebase.in/blog/2019/04/01/150518 当店はインボイスに対応しておりません。よろしくご了承ください。 Unfortunately, we cannot ship internationally.

  • 文學界 2020年1月号(今村夏子『的になった七未』ほか)

    今村夏子『的になった七未』(芥川賞受賞第一作)初出誌。 そのほか、又吉直樹/宇多田ヒカル『対談:深淵から生み出されるもの』、小山田浩子『子猿』、西村賢太『雨滴は続く』、横尾忠則『原郷の森』など。 -------------------------------- 七未は最後まで園庭に残った。園長の投げたどんぐりが、七未にだけ、なかなか命中しなかったからだ。 「おい、よけるな」 次第にいらいらとしてきた園長が、怖い顔で言った。 「待て、逃げるな」 あまりの恐怖に七未はその場に立っていられなくなり、ついに駆けだしてしまった。 「こら、待てったら!」 気づけば七未と園長は二人で園庭を走り回っていた。どんぐりの詰まったバケツを手にした園長が、どこまでもどこまでも追いかけてくる。 (『的になった七未』今村夏子 より) -------------------------------- ◎Contents 対談:深淵から生み出されるもの(又吉直樹/宇多田ヒカル) 的になった七未(今村夏子) 病室(三木卓) 時間どうぶつ(黒田夏子) 美術少女(藤野可織) 子猿(小山田浩子) ラジオボーイ(町屋良平) 噂の八話(石原慎太郎) 変半身(松井周) 原郷の森(横尾忠則) 雨滴は続く(西村賢太) 潮音(宮本輝) 遊歩遊心(松浦寿輝) ぐるぐるマップ(津村記久子) むらむら読書(犬山紙子) きれぎれのハミング(柴田聡子) 文學界書店(ブックレビュー)  山尾悠子、高山羽根子、山本精一、滝口悠生、最果タヒ ほか 絶版または版元品切れ ソフトカバー □publisher:文藝春秋 □date of issue:2020年 □size:21x14.8cm □page:352 □condition:経年なり・良好 » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,400円

  • 文學界 2017年10月号(今村夏子『木になった亜沙』ほか)

    今村夏子『木になった亜沙』初出誌。 そのほか、高樹のぶ子『蜜蜂とバッタ』、石原慎太郎『死線を超えて』、西村賢太『雨滴は続く』、村田喜代子『飛族』、『Orga(ni)sm』阿部和重)など。 -------------------------------- 杉の木の亜沙は、ある日足元から切り倒された。周りの杉と一緒にトラックにのせられ、吹きすさぶ風にさらされながら、ねずみ色の工場に運ばれた。 そこでされるがままにまかせていたら、巨大なカッターでスパスパ切られ、あれよあれよというまにどんどん細く、小さくなった。ベルトコンベアにのせられて、乾いた部屋に連れていかれ、また移動したかと思ったら、最終的に透明な細い袋に入れられた。 切り倒されてから一週間、気がついたらわりばしになっていた。 (『木になった亜沙』今村夏子 より) -------------------------------- ◎Contents 巻頭表現:不知火の指─―石牟礼道子(石内都) 特集:死ぬまでに絶対読みたい大長編  カラーマゾフの兄弟、失われた時を求めて ほか 木になった亜沙(今村夏子) 蜜蜂とバッタ(高樹のぶ子) 死線を超えて(石原慎太郎) 虫の川(椎名誠) 市民相談家(早助よう子) 不死男(島田雅彦) 雨滴は続く(西村賢太) 飛族(村田喜代子) Orga(ni)sm(阿部和重) 潮音(宮本輝) スーベニア(しまおまほ) キム・ユタカ・コスレットの人生(与那原恵) インタビュー:「黒沢清映画」の衝撃(長谷川博己) 朗読論(朝吹亮二) 井田中佐のこと(川崎徹) 絶版または版元品切れ ソフトカバー □publisher:文藝春秋 □date of issue:2017年 □size:21x14.8cm □page:296 □condition:経年なり・良好 » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,400円

  • 小説トリッパー 2019年春季号(今村夏子『むらさきのスカートの女』ほか)

    今村夏子『むらさきのスカートの女』(第161回芥川賞受賞作)初出誌。 そのほか、瀬戸内寂聴『追悼:橋本治さんとの縁』、井上荒野『インタビュー:スキャンダルを超えて』、尾崎世界観/最果タヒ『対談:身のある話と、歯に詰まるワタシ』など。 -------------------------------- うちの近所に「むらさきのスカートの女」と呼ばれている人がいる。いつもむらさき色のスカートを穿いているのでそう呼ばれているのだ。 わたしは最初、むらさきのスカートの女のことを若い女の子だと思っていた。小柄な体型と肩まで垂れ下がった黒髪のせいかもしれない。遠くからだと中学生くらいに見えなくもない。でも、近くでよく見てみると、決して若くはないことがわかる。(略) わたしはいつも、パンを選ぶふりをしてむらさきのスカートの女の容姿を観察している。観察するたびに誰かに似ているなと思う。誰だろう。 (『むらさきのスカートの女』今村夏子 より) -------------------------------- ◎Contents むらさきのスカートの女(今村夏子) テスト用紙のドッグイア(奥田亜希子) 追悼:橋本治さんとの縁(瀬戸内寂聴) インタビュー:スキャンダルを超えて(井上荒野) 第5回 林芙美子文学賞発表  裏庭(阿部あみ) 汎イメージ論(宇野常寛) 焼け野の雉(梶よう子) 老婦人マリアンヌ鈴木の部屋(荻野アンナ) 李の花は散っても(深沢 潮) 妹の島(村田喜代子) 蝮三代記(木下昌輝) レームダックの村(神林長平) 北条五代 第二部(伊東 潤) たすけ鍼(山本一力) できることならスティードで(加藤シゲアキ) 対談:身のある話と、歯に詰まるワタシ(尾崎世界観/最果タヒ) ブックレビュー  辻村深月『傲慢と善良』(鴻巣友季子)  白石一文『プラスチックの祈り』(タカザワケンジ)  高山羽根子『居た場所』(長瀬海)ほか 絶版または版元品切れ ソフトカバー □publisher:朝日新聞出版 □date of issue:2019年 □size:21x14.8cm □page:372 □condition:経年なり・普通 表紙スレ汚れ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,400円

  • 小説トリッパー 2017年春季号(今村夏子『星の子』ほか)

    今村夏子『星の子』(第157回芥川賞候補作)初出誌。 そのほか、梨木香歩『椿宿の辺りに』、橋本治『知性の顚覆』、森山大道『JAM 08』、井上荒野『あちらにいる鬼』など。 -------------------------------- わたしの湿疹が『金星のめぐみ』のおかげで完治した話は、奇跡の体験談として顔写真付きで会報誌に掲載された。母の日記には、そのときの記事の切り抜きも一緒にはさんであった。 カメラのほうを向いてにっこり笑う小さなわたしの体を、父と母が両側からぎゅっと抱きしめている写真だ。ふたりともわたしのほっぺたに顔をくっつけて、幸せいっぱいの笑顔を見せている。 (『星の子』今村夏子 より) -------------------------------- ◎Contents 星の子(今村夏子) 椿宿の辺りに(梨木香歩) 北条五代 第二部(伊東潤) ピーク(堂場瞬一) 堕天使たちの夜会(福田和代) 第3回 林芙美子文学賞発表  とぜね、かちゃくちゃね(工藤千尋) 知性の顚覆(橋本治) アラル海のこと(宮内悠介) JAM 08(写真・森山大道、文・赤坂英人) エッグマン(辻仁成) 廃墟(中島京子) 権威の蝕(森本あんり) あちらにいる鬼(井上荒野) 騒がしい楽園(中山七里) 病巣(江上剛) 死なせない屋(七尾与史) 帰去来(大沢在昌) たすけ鍼(山本一力) 友だちについての質問にこたえる(吉本ばなな) できることならスティードで(加藤シゲアキ) ブックレビュー  村上春樹『騎士団長殺し』(鴻巣友季子)  金原ひとみ『クラウドガール』(佐々木敦)  綿矢りさ『私をくいとめて』(阿部公彦)ほか 絶版または版元品切れ ソフトカバー □publisher:朝日新聞出版 □date of issue:2017年 □size:21x14.8cm □page:540 □condition:経年なり・普通 表紙スレ汚れ 少ゆがみ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,400円

  • シンボライズ・イラスト(桑山弥三郎 編)

    70年代に日本タイポグラフィ協会委員をつとめた桑山弥三郎によって編纂された、1500点以上の「シンボライズ・イラスト」を収録したグラフィック・エレメント集。 歴史的・民俗学的な図像から、国内外の現代グラフィックデザイナーによるイラスト、シンボルマークまでを網羅した、きわめて充実した内容。 巻末に、作品ごとの出典、デザイナー、クライアントなどのデータを記した索引が掲載されており、資料性にもすぐれている。 ▶︎掲載作家: ◎海外/ ウォルター・バルマー、ディック・ブルーナー、ソール・バス、ポール・デイビス、ミルトン・グレーサー、レオ・レオーニ、ブルーノ・ムナーリ、プッシュピン・スタジオ、ベン・シャーン ほか ◎日本/粟津潔、福田繁雄、東君平、伊坂芳太郎、亀倉雄策、小林泰彦、河野鷹思、久里洋二、黒田征太郎、松本はるみ、灘本唯人、永井一正、長友啓典、中條正義、大橋正、田中一光、宇野亜喜良、和田誠、山口はるみ、山名文夫、横尾忠則 ほか -------------------------------- ◎Contents シンボライズ・イラストの種類と効用 主なシンボライズ・イラスト  占星術と錬金術  古代メキシコのデザインモチーフ  プレイカード  風見と鯉のぼり  ニューイングランドの古い墓石  粉袋の印章  絵本  マッチの絵  現代の日本作家 ▶︎図版 人 顔 目・口・耳 手 足 獣 鳥 魚 虫 花 実 葉・木 建物 乗物 器 楽器 道具 太陽 月・星・雲 作品さくいん 使用別さくいん 作家さくいん シンボライズ・イラスト出展 図版出展参考文献 あとがき 絶版または版元品切れ ハードカバー ★函なし裸本 □publisher:柏書房 □date of issue:1975年 3刷(1973年 初版) □size:26×18.3cm □page:227 □condition:経年なり・可 表紙スレ汚れ傷み  扉ページ・あとがきページ経年シミ(写真2枚目) ★表見返し押印あり・表裏見返しテープ跡あり » デザイン・アート https://narda.thebase.in/categories/1326657

    2,200円

  • 新しい図案(峯田義郎 編)

    現代彫刻家・峯田義郎の編集による、1970年代の図案カット集。 造型教育に関わる4人の作家が描画を担当し、本格的なアート技法を紹介しながら、クオリティの高い作例を多数掲載。70年代らしいほのぼのとしたポップさを感じる楽しい図案カット集となっている。 -------------------------------- ◎Contents ▶︎基礎編 はじめに(東京芸術大学教授・桑原実) デザインの用具と用法 点・線・面(デザイン要素とその構成) 特殊な技法による表現  デカルコマニー、コラージュ、フロッタージュ、  プリンティング、にじみ・かすれ、スクラッチ、  マーブリング、ワックス ▶︎作例編 草花 やさい くだもの 人物 動物 十二支 さかな とり こん虫 建物 のりもの 旅 太陽・星 とけい おもちゃと民芸 シンボルマーク イニシャルレター 文字によるイラスト ほか ▶︎描画担当者一覧 奥定一孝(東京芸術大学 美術教室研究室) 白木博也(東京教育大学附属駒場高等学校教諭) 新川昭一(東京大学教育学部附属中高等学校教諭) 峯田義郎(彫刻家・立正女子大学講師) 絶版または版元品切れ ハードカバー □publisher:グラフィック社 □date of issue:1970年 初版 □size:27×17.5cm □page:197 □condition:経年なり・普通 表紙スレ汚れ傷み 表裏見返し経年シミ(写真9枚目) 小口シミ » デザイン・アート https://narda.thebase.in/categories/1326657

    2,200円

  • 蕗谷虹児展 ー 抒情の旅人 図録

    大正9年に雑誌『少女画報』で挿絵画家としてデビューし、ビアズリーにも通じる表現で、時代の寵児となった蕗谷虹児。その全画業をふりかえる展覧会の図録。 初期習作から、竹久夢二と人気を二分した全盛期、パリ留学時代、戦後のアニメ・絵本まで約400点の作品を集め、60年にわたって描き続けた美の軌跡を一冊に凝縮している。 ----------------------------------------- 「海の極みまで」(吉屋信子)の挿絵を描いたことで、虹児の名は一躍有名になった。 「よし、虹児を中心にして、これまでにない少女雑誌をつくろう」 と考えたのが、宝文館の藤村耕一であった――と、元『令女界』編集長の花村奨は書いている。(略) 少女雑誌はいろいろあったが、女学校の高学年から、結婚までの女性を対象とした、若い女性向けの雑誌は他になかったので、『令女界』は創刊号から予想以上に歓迎された。 特に蕗谷虹児の表紙や、挿絵が受けた―とある。 (「『令女界』と虹児」より) ----------------------------------------- ◎Contents ごあいさつ 蕗谷虹児の生涯(阿刀田高) 抒情画家としての虹児(尾崎秀樹) パリの蕗谷虹児(海野弘) 魯迅と虹児詩画集との出会い ― 上海にて(藤井省三) 私の中の蕗谷虹児(辻村ジュサブロー) ブリキの筒(蕗谷龍生) ▶︎図版 習作時代(明治31―大正8年) 虹児から虹児へ(大正8―10年) 時代の寵児となる(大正11―14年) 仏蘭西留学(大正14―昭和4年) 再び挿絵画家に(昭和4―12年) 時代は戦争へ(昭和12―20年) 戦後(山北時代)(昭和20―29年) 絵本の世界へ(昭和29―42年) 晩年(昭和42―54年) [花嫁人形] 魯迅『蕗谷虹児画選』 年譜 出品リスト 絶版または版元品切れ ソフトカバー □publisher:朝日新聞社 □date of issue:1991年 初版 □size:28×22.5cm □page:189 □condition:経年なり・普通 表紙スレヤケ汚れ傷み 背ヤケ褪色 » デザイン・アート https://narda.thebase.in/categories/1326657

    2,200円

  • 愉しく新しく(中原淳一 著)- 淳一文庫8

    1954年に刊行された『愉しく新しく』(ひまわり社)を原本とした復刻版。終戦直後に創刊した『それいゆ』に掲載された、暮らしやおしゃれを〝愉しく新しく〟する工夫に関するさまざまな記事を抜粋したベストセレクション。 物がなく不自由な時代にあっても、生活を合理化することで、女性たちに暮らしをもっと愉しんでほしいという、中原淳一が抱いていた想いが、一冊のかたちにまとめられている。 「淳一文庫」は、中原淳一の遺した膨大な作品を、一つひとつ甦らせ、1985年5月から毎月発行されていた国書刊行会のシリーズです。 ----------------------------------------- 「それいゆ」が都会的だとか、ごく限られた一部の人がたのしんでいるものとの錯覚もあるようだが、生活のたのしさというのは、決して都会的なものとは限らないし、限られた一部の人だけのものでもない。 普通なら棄ててしまうような空ビンやくず布のなかからでも、いろいろと愉しさを生み出していけるものだ、というこの本の主旨がいくらかでも生活を合理化する上に役立つ事になれば嬉しい。 (「巻頭文」中原淳一 より) ----------------------------------------- ◎Contents 残り布でつくったカーテンと座布団 ポケットのアクセサリー たのしいゆかた 夢を生かす机 ふろしきを胸にかざる 手紙はこんなふうにして整理する ロマンチック・バッグ 手作りの贈り物 ポストの工夫 日本髪を結う 夏を愉しむ工夫 美しい手 スカートの遊び ボタンとスリッパ 台所の楽しさ カーテンのかんで作ったくるみボタン 雛祭りのために 愛される生活 あなたはあなたの家の小さな靴やさん ふたりはこんな部屋に住む おしゃれどっぐ つけまつげをつける 贈りものエチケット 屑布で絵を描く 絵のある雑巾 半日でできる人形 鏡のまわり きものの模様をつくる 一時間30分で出来る小さなこけし はぎあわせて作るおふとん 箒もお部屋のかざり 流行によって美人はかわり・その美人をつくる化粧品はこうかわった アップリケで毎日をたのしく はんぱな布から出来るブラウス 二人の場合 幸福を呼ぶ小さなテクニック 春の仕事 職場の恋愛エチケット 誠実な心は魅力 幸福な会話は生活のオアシス 花さまざま 楽な部屋着を 不潔なサンタクロース 新婚みだしなみエチケット 結婚の支度 結婚披露 机のあるよろこび お花とお茶をたのしむ より素晴しい生活のために 暗い顔の魅力・白い顔の魅力 美しい家庭のために 買い物上手と云うこと 季節と配色 巴里の住い方から思うこと 身近なくふういろいろ カット:鈴木悦郎、内藤ルネ 絶版または版元品切れ ハードカバー □publisher:国書刊行会 □date of issue:1986年 初版 □size:25.5×21.5cm □page:145 □condition:経年なり・可 表紙ヤケスレ汚れ傷み 少剥がれ 三方薄ヤケ » デザイン・アート https://narda.thebase.in/categories/1326657

    2,400円

  • 一㦮五厘の旗(花森安治 著)

    昭和33年から45年まで『暮しの手帖』に書いたエッセイの中から、29篇を自選した単行本の初版本。現在も刊行が続けられているが、現行版は函のデザインが変更され、正面にタイトルが入れられている。 単行本『戦争中の暮しの記録』の元となった『暮しの手帖』1968年夏号を刊行した翌年、花森安治は取材先の京都で、心筋梗塞の発作にみまわれる。その際に病床で、初めて「じぶんで書いたものを、じぶんで1冊にまとめよう」と思い立ったとあとがきに記されている。 1971年に本書を刊行し、読売文学賞随筆・紀行賞を受賞。その7年後に、花森安治は再び心筋梗塞を起こし帰らぬ人となった。 ------------------------------ 軍隊というところは ものごとを おそろしく はっきりさせるところだ 星一つの二等兵のころ 教育掛りの軍曹が 突如として どなった 貴様らの代りは 一㦮五厘で来る 軍馬は そうはいかんぞ 聞いたとたん あっ気にとられた しばらくして むらむらと腹が立った そのころ 葉書は一㦮五厘だった 兵隊は 一㦮五厘の葉書で いくらでも 招集できる という意味だった (「見よぼくら一㦮五厘の旗」より) ------------------------------ ◎Contents 塩鮭のうた 札幌 戦場 なんにもなかったあの頃 商品テスト入門 見よぼくら一㦮五厘の旗 酒とはなにか 1ケタの保険証 もののけじめ リリスプレスコット伝 重田なを 千葉のおばさん まいどおおきに 大安佛滅 日本料理を食べない日本人 結婚式この奇妙なもの 漢文と天ぷらとピアノと お互いの年令を10才引下げよう 世界はあなたのためにはない どぶねずみ色の若者たち 8分間の空白 医は算術ではない 広告が多すぎる うけこたえ 美しいものを 煮干の歌 武器をすてよう 無名戦士の墓 国をまもるということ ソフトカバー ダストカバー 函あり □publisher:暮しの手帖社 □date of issue:1971年 初版 □size:26.5x18.5cm □page:333 □condition:経年なり・普通 函ヤケスレ汚れ傷み » 評伝・ノンフィクション https://narda.thebase.in/categories/1326666

    2,200円

  • 戦争中の暮しの記録(暮しの手帖 編)

    一冊まるごと戦争中の暮らしの特集にあてられた『暮しの手帖』1968年夏号を書籍化した保存版。 読者に「戦争中の暮しの記録」の投稿を呼びかけ、応募総数1736編の中から、135編を掲載。書籍化にあたって、『暮しの手帖』1968年夏号を読んだ人たちの感想集が付け加えられている。 戦争中の人々は、何を考え、何を食べ、何を着て、そして、何が生死を分けたのか。暮しの手帖編集部が、後世に残すべき記録として全力を傾けて編集に取り組んだこの書籍は、今もなお途切れることなく刊行が続けられている。 ------------------------------ しかし、君が、なんとおもおうと、これが戦争なのだ。それを知ってもらいたくて、この貧しい一冊を、のこしてゆく。 できることなら、君もまた、君の後に生まれる者のために、そのまた後に生まれる者のために、この一冊を、たとえどんなにぼろぼろになっても、のこしておいてほしい。これが、この戦争を生きてきた者の一人としての、切なる願いである。 (「この日の後に生まれてくる人へ」より) ------------------ ◎Contents ▶︎戦場 この日の後に生まれてくる人に ▶︎日日の歌(勝矢武男) ▶︎配給食品日記(平岡峯太郎) ▶︎お願い申します それでも私は生きる(田上ユイノ) 子供をたのむと一言(石井スエ) さまざまのおもい(村上せん) ▶︎疎開 無理に疎開させた子が疎開先で爆死(柿谷実子) 捨ててあるものを拾ってたべる暮し(渡辺とよ子)ほか ▶︎東京大空襲 火(島野康子) 死(黒岩保子) 熱(坂本千枝子)ほか ▶︎わが町は焼けたり 燃えたはずなのに(中杉知誉子) 手を振る敵機(服部秀子) 防空壕に埋まる(佐藤弘子)ほか ▶︎一九四五年八月六日 黒い雨(村上芳子) わが子(小久保よう子) 駅から(野村ぬい)ほか ▶︎大阪全滅 こんな所で負けたらあかんと人を押しのけ(勝きみ子) 防空壕の中の物まで灰になってしまって(今田やす) ▶︎飢えたるこどもたち お手玉の大豆(康本君子) 二日間歩いて脱走(上沢美和子) いなごの青い汁(渡辺玲子)ほか ▶︎おてがみ(大和田一子、今泉タマ) ▶︎村へやってきた町の子 食物やって歌わせる(土佐林信江) 先生が子供のぶんまで(藤原徳子) ▶︎防空壕と壕舎 トタン小屋(戸田達雄) 屋根のカボチャ(松本栄子)ほか ▶︎小学生 ひもじさにひとのべんとうをぬすんでたべたこども(浦田邦子) あのころのこどもはこんなふうにくらしてた(太田芳江)ほか ▶︎油と泥にまみれて ▶︎食 ▶︎酒・たばこ・マッチ・石けん・長ぐつ・油 ▶︎路傍の畑 ▶︎産婆さんは大忙し ▶︎ゆがめられたおしゃれ ▶︎恥の記憶 ▶︎汽車は行く ▶︎いろいろ ▶︎父よ夫よ ▶︎百姓日記 ▶︎附録 1 戦争中の暮しの記録を若い世代はどう読んだか 2 戦争を体験した大人から戦争を知らない若い人へ ハードカバー ダストカバー ビニールカバー □publisher:暮しの手帖社 □date of issue:1986年 10刷(1969年 初版) □size:26.2x19cm □page:290 □condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み 背ヤケ褪色 ★ビニールカバー切れ(写真9枚目) » 評伝・ノンフィクション https://narda.thebase.in/categories/1326666

    2,000円

  • サバクの虹(坪田譲治 著、川端実 画)- 岩波少年文庫

    1974年から85年まで刊行された「ペーパーバック版」の岩波少年文庫より。 近代日本の児童文学の先駆者・坪田譲治が、150冊目(!)の記念すべき刊行本として、大正期から書き継いできた約400篇の作品の中から、特に愛着の深い15篇を自選した作品集。 荒涼とした砂漠に突然大雨が降り、虹が立ち、神話的世界が展開していく表題作「サバクの虹」、戦前の日本人移民がアマゾンの奥地を旅してまわる「ペルーの話」など、児童文学の多様な可能性をひらいた坪田文学の真髄が集められている。 -------------------------------------- ある年の、夏のある日のことでした。このさびしい―そこはサバクだったのですが―山と野原の世界をかこんで、銀色にかがやく雲のみねがたちました。 雲のみねはむくむくもりあがっていて、高い塔のように見えたり、大きな大入道のような形をしていたり、ほとけさまがハスの花の上にすわっているすがたになったりしていました。 地上がものすごいさびしさなのに、空がこんなに美しかったので、もしこのサバクに人間のひとりでもすんでいたら、 「これは天国のお祭りがはじまったのかもしれないぞ。」 と、そんなことを思ったにちがいありません。 (「サバクの虹」より) -------------------------------------- ◎Contents サバクの虹 犬と友だち カッパの話 魔法 まさかの時 笛 小川の葦 甚七おとぎばなし お馬 キツネ狩り 岩 ペルーの話 よるの夢 ひるの夢 コマ 善太の四季 あとがき(坪田譲治) 解説(鳥越信) 挿絵:川端実 絶版または版元品切れ ソフトカバー □publisher:岩波少年文庫 □date of issue:1977年 12刷(1958年 初版) □size:17.2x11.5cm □page:278 □condition:経年なり・普通 表紙ヤケスレ汚れ  背ヤケ 三方ヤケ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,400円

  • イソップのお話(河野与一 編訳、稗田一穂 画)- 岩波少年文庫

    1974年から85年まで刊行された「ペーパーバック版」の岩波少年文庫より。 ギリシア語の原典に基づいた翻訳で、2500年にわたって世界中で読み継がれてきた「イソップ寓話集」の本来の姿を知ることができる。さまざまな動物たち、そしてギリシアの神々と人間たちが繰り広げる、含蓄ある約300篇の物語を収録。 日本画の革新者・稗田一穂による挿絵も、魅力的。 ------------------------------------------ ゼウスの神が、いいものをみんな、酒がめにつめてふたをしてから、ある人にやりました。その人は、がまんができずに、なにがはいっているか見ようとして、ふたをとりますと、中にはいっていたいいものが、神々のところへ、とんでいってしまいました。 しかし、おおいそぎで、ふたをしたものですから、希望だけはのこりました。そこで希望だけが人間のところにいて、にげていったいいものがいまにまたくるといってきかせるのです。 (「人間のところに」より) ------------------------------------------ ◎Contents ▶︎有名なおはなし  カラスとキツネ  セミとアリ  肉をくわえたイヌ  キツネとブドウ  北風と太陽  王さまをほしがっているカエル  漁師と大きい魚と小さい魚  ウサギとカメ ほか ▶︎キツネ  キツネとツル  マイアンドロス川のキツネ ほか ▶︎鳥Ⅰ  海ツバメ  ツバメとヘビ ほか ▶︎人間Ⅰ  石をひきあげた漁師  はじめて見たラクダ ほか ▶︎オオカミ  オオカミと影  オオカミとおばあさん ほか ▶︎虫その他  ブヨとライオン  ブヨと牡ウシ ほか ▶︎人間II  天文学者  農夫とワシ ほか ▶︎ライオン  年をとったライオン  ライオンの母親 ほか ▶︎植物  旅人とススカケの木  バラとケイトウ ほか ▶︎人間Ⅲ  人とライオンが旅をする話  女とニワトリ ほか ▶︎イヌ  ごちそうによばれたイヌ  イヌの家 ほか ▶︎人間Ⅳ  農夫と海  農夫と木 ほか ▶︎ロバその他  山のロバと家のロバ  ロバとオンドリとライオン ほか ▶︎鳥Ⅱ  カササギ  クジャクとツル ほか ▶︎シカ・サル  シカとライオン  シカとブドウの木 ほか ▶︎人間Ⅴ  山の猟師と海の漁師  焼物師とロバ追い ほか ▶︎ウシ・カエル・ヘビその他  ウシとガマ  沼の中のカエル ほか ▶︎ラクダ・ウサギその他  ラクダとゼウス  ラクダとゾウとサル ほか ▶︎鳥Ⅲ  農夫とツル  クジャクとほかの鳥 ほか ▶︎人間と神  アリにされた男とヘルメスの神  人間のところにいる希望 ほか 絶版または版元品切れ(新装版刊行中) ソフトカバー □publisher:岩波少年文庫 □date of issue:1977年 24刷(1955年 初版) □size:17.2x11.5cm □page:345 □condition:経年なり・普通 表紙ヤケスレ汚れ  背ヤケ 三方ヤケ 小口シミ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    900円

  • とんでもない月曜日(ジョーン・エイキン 著、猪熊葉子 訳)- 岩波少年文庫

    1974年から85年まで刊行された「ペーパーバック版」の岩波少年文庫より。 庭に突然中世の「円卓の騎士」がやってきて戦いを始めたり、アホウドリが屋根瓦を全部落としてしまったり……。月曜日ごとに「とんでもないこと」が起こる、アーミテージ家のおかしみあふれる物語。 絵本作家・河本祥子の楽しい挿絵を添えておくる、イギリスの女性児童文学作家エイキンの人気作。 2冊の短編集から選んだ8話を掲載したもので、2010年には25話に増補され、「アーミテージ一家のお話」シリーズとして3部作が刊行されている。 ------------------------------------------ 事の起こりは朝ごはんのときでした。マークが食堂にはいってきて、庭にユニコーンがいる、といいました。 「ばかをいうんじゃないよ。きょうは火曜日じゃないか。」パパはいいました。 「そんなこといったってしょうがないよ。自分で行ってみてごらんよ。シャクヤクの花のなかに立っているよ。とってもきれいなんだ。」 ハリエットは腰を浮かしかけました。でもママはきっぱりといいました。「まずごはんをすませてしまいなさいよ、ハリエット。とにかくきょうは火曜日なのですからね。」 (「火曜日のふしぎ」より) ------------------------------------------ ◎Contents 火曜日のふしぎ 幽霊の家庭教師 こげた合唱隊 冷凍カッコウ ロケットでとどけられたパイ アーミテージ、アーミテージ、お家へ飛んでいけ 人形の家貸したし、設備完 幽霊のお茶会 挿絵:河本祥子 絶版または版元品切れ(2010年 3部作として増補版刊行) ソフトカバー □publisher:岩波少年文庫 □date of issue:1985年 8刷(1978年 初版) □size:17.2x11.5cm □page:241 □condition:経年なり・普通 表紙ヤケスレ汚れ  背ヤケ 三方ヤケ 小口シミ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,400円

  • チポリーノの冒険(ジャンニ・ロダーリ 著、杉浦明平 訳)- 岩波少年文庫

    1974年から85年まで刊行された「ペーパーバック版」の岩波少年文庫より。 わがままなレモン大公が治める、野菜とくだものの国の物語。玉ねぎ一家の長男チポリーノが、無実の罪でつかまったお父さんチポローネを救い出そうと大活躍!イタリアを代表する児童文学作家、ジャンニ・ロダーリの代表作。 日本ではじめて紹介された翻訳書で、原作者がチポリーノになりかわって書いた、日本の子どもたちに向けたあいさつが掲載されている。(岩波少年文庫で現在刊行中の「チポリーノの冒険」は新訳版) ------------------------------------------ 歩け、歩け、どんどん歩けと、歩いて、とうとうぼくは日本に到着しました。日本にいるひとは、みんな日本人です。そして、火山が煙を噴きだしてうなっている一方で、サクラの花が咲きさかっています。 火山とかサクラとかいうものがどういうものであるか、ぼくは知っています。なぜかといえば、ぼくらのイタリアでも、火山はごうごううなってそびえ立っているし、木々は一生けんめいに花を咲かせるからです。 (「チポリーノが、日本の子どもさんたちにごあいさつ」より) ------------------------------------------ ◎Contents チポリーノが、日本の子どもさんたちにごあいさつ 第1章 チポローネが、レモン大公の足をふみつけます。 第2章 トマト騎士が、チポリーノのために、生まれてはじめて泣かされます。 第3章 ムカデは、むすこたちを靴屋へ連れてきたが、やっかいなことになります。 第4章 チポリーノは、のどのかわいた番犬マスチーノをいっぱいくわせます。 第5章 コケモモさんは、泥棒よけの鈴をこしらえます。 第6章 いつもおなかをすかせているオレンジ男爵と、戸棚からとびおりるぞとおどかすミカン小公爵のこと。 第7章 サクラン坊やは、アメリカニンジン先生のいましめをまもりません。 第8章 クリ博士が、城から追いだされます。 第9章 ネズミ大将が、やむをえず退却するまでの話。 第10章 モグラが、牢屋から牢屋へ旅行した話。 第11章 トマト騎士が、くつしたをはいたまま寝る話。 第12章 ニラ山ニラ吉どんは、ごうもんにかけられて笑います。 第13章 エンドウ豆弁護士が、思いがけないことで、トマト騎士の命を助けます。 第14章 エンドウ豆弁護士が、絞首台にのぼります。 第15章 まえの章の説明。 第16章 ニンジン探偵と犬のおとも屋の冒険。 第17章 チポリーノは、感激しやすいクマと仲よしになります。 第18章 告げ口屋のアザラシ。 第19章 すてきな汽車の旅。 第20章 ミカン小公爵と黄色のびん。 第21章 ニンジン探偵が、臨時軍事顧問に任命されます。 第22章 オレンジ男爵は、そうするつもりもなく、将軍二十人をおしつぶしてしまいます。 第23章 チポリーノは、クモの郵便配達夫と知りあいになります。 第24章 チポリーノは、希望をすっかりなくします。 第25章 ビッコのクモとナナツハンの冒険。 第26章 算数を知らないくずレモン兵の話。 第27章 レモン大公が、ブレーキつきの馬車で競争します。 第28章 トマト騎士が、悪いお天気に税金をかけます。 第29章 けっしておしまいにならないあらし。 エピローグ トマト騎士が、二度泣かされます。 三人のうた(S・マルシャーク) あとがき 挿絵:B・スチェエーヴァ 絶版または版元品切れ(2010年 新訳版刊行) ソフトカバー □publisher:岩波少年文庫 □date of issue:1976年 16刷(1956年 初版) □size:17.2x11.5cm □page:373 □condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ カバー裏折れ目 三方薄ヤケ 小口点茶シミ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,400円

  • ニールスのふしぎな旅(ラーゲルレーヴ 著、矢崎源九郎 訳)- 岩波少年文庫【上下巻 2冊セット】

    1974年から85年まで刊行された「ペーパーバック版」の岩波少年文庫より。 女性初のノーベル文学賞受賞者、スウェーデンのラーゲルレーヴによる長編ファンタジー。1980年にNHKでアニメ化され、1994年には大江健三郎がノーベル賞受賞スピーチで少年時代に感銘を受けた作品として紹介し、話題となった。 いつも家畜たちをいじめてばかりいた農村の少年ニールスは、妖精に魔法をかけられて小人にされてしまう。ガチョウのモルテンにしがみついて、スウェーデンの雄大な自然の中を飛びまわり〈ふしぎな旅〉を続けているうちに、いたずら者のニールスは心優しい少年へと成長していく……。 第1部・第2部にわたる長大な物語の第1部のみを訳出し、第2部については下巻の巻末にあらすじ(その後のニールス)を記している。 ---------------------- それから少年は、鏡のまわりを二、三どかけまわりました。ひょっとしたら、鏡のうしろにちっぽけな者でもかくれていやしないかと思ったのです。けれども、鏡のうしろにはだれもいません。 こうなると、少年はこわくなって、からだじゅうがブルブルふるえてきました。そのはずです。じぶんは小人に魔法をかけられたということが、いまはじめてわかったのです。鏡の中に見えたちっぽけな小人は、まちがいようもなく、少年じしんの姿だったのです。 (「1 少年―小人」より) ---------------------- ▶︎上巻 1 少年 2 ケブネカイセのアッカ 3 野の鳥の生活 4 グリンミンゲ城 5 ツルの大舞踏会 6 雨の日に 7 三つの段々 8 ロンネビュー川 9 カールスクローナ市 ▶︎下巻 10 エーランド島へ 11 エーランド島の南のはし 12 大きなチョウ 13 小カール島 14 二つの都 15 スモーランドの言いつたえ 16 カラス 17 百姓のおばあさん 18 ターベルイからフースクヴァルナなで 19 大きな鳥の湖 20 予言 21 珍らしい拾いもの その後のニールス 挿絵:斎藤長三 絶版または版元品切れ(改訳版3巻が流通中) ソフトカバー □publisher: 岩波少年文庫 □date of issue: 上:1980年8刷(1953年 初版) 下:1980年7刷(1954年 初版) □size:17.3x11.2cm □page:上:250 / 下:292 □condition:経年なり・普通 表紙ヤケスレ汚れ傷み 背ヤケ 三方ヤケ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    2,800円

  • 愛猿記(子母澤寛 著)

    誰からもつまはじきにされ、檻のなかで猛り狂っていた大猿が、著者・子母澤寛だけには、なぜか出会ってすぐに懐いてしまう。 情にほだされ、「三ちゃん」と名付けて、二代目、三代目と飼いつづけた著者と猿との十数年の日々を綴る6篇と、犬、カラス、小鳥との交流を描く5篇を掲載。人と動物はここまで情を通わせあえるのかと、胸をうたれるエッセイ集。 -------------------------- 私がこの猿を抱こうとした時だった。猿はいきなり、ぱッと飛上り、私が鎖をしめる隙もなく私の肩へ乗って終ったものである。その早い事、早い事――。肩へのって、両手で私の頭へしがみつく。 私が動悸ッとしたばかりでなく、みんなも思わずあッと声を出した。お互にどうなることかと思ったのだ。家内などは後で、ぞうーっとして物が見えなくなったといった程である。 私は手を上げて猿の顔へさわり乍ら、 「よし、よし。お前もう大丈夫だよ。お前を苛める奴はいないから、安心して何でも好きな事をやっていいよ」 立ち上る。どっしりと重みを感ずる程の大猿である。 (「愛猿記」より) -------------------------- ◎Contents 愛猿記 猿を捨てに 悪猿行状 嫁えらび 三ちゃん追悼記 追慕 ジロの一生 チコのはなし 犬と人との物語 カラスのクロ 野鵐ばなし 解説:綱淵謙錠 偏執狂的な風景 愛猿記―子母澤寛(土門拳) ソフトカバー ダストカバー □publisher:中公文庫 □date of issue:2021年 初版 □size:15x10.6cm □page:329 □condition:良好 » 随筆・エッセイ https://narda.thebase.in/categories/1326663

    700円

  • 花森安治の仕事(酒井寛 著)

    生い立ち、戦前の大政翼賛会宣伝部での活動、そして、戦後の『暮しの手帖』編集長としての怒涛の日々。「花森安治」という唯一無二のジャーナリストの全活動を克明にたどる本格評伝。 朝日新聞社記者の著者が、編集部員が個人所有していた資料やテープ、編集会議のメモまでに目を通し、綿密な取材を重ねて執筆。半年にわたる朝日新聞での連載をもとに、昭和63年に刊行され、日本エッセイストクラブ賞を受賞した単行本の文庫化。 カバー装幀、安野光雅。 -------------------------- 花森さんのことを、書ければ書いてみたいと思ったのは、私が朝日新聞学芸部の家庭面記者のとき取材でお会いし、そのごなんどもお目にかかって、なんとなくおっかないのですが、とにかく話のおもしろい、カイブツ編集長だと思い、暮しの手帖という雑誌がもっている一種の緊張感とあわせて、花森さんに、敬意と興味を抱いていたからです。 ときには、料理記事を扱う新聞社の学芸部に、なぜ台所がないのか、造る金がないわけじゃないだろう、と突っこまれて閉口したこともありました。 (「あとがき」より) -------------------------- ◎Contents ▶︎編集長の二十四時間  伝説の人  暮しの手帖研究室  おかずの学校  三つの机  編集会議  編集部員  陽性の癇癪もち  花森の文章哲学  「手帖通信」  しかられた社長 ▶︎大学卒業まで  生いたち  松江高校時代  「帝国大学新聞社」時代  「パピリオ」時代 ▶︎大政翼賛会のころ  大政翼賛会宣伝部  幻のポスター  報道技術研究会  「欲しがりません勝つまでは」  庶民感覚のなんでも屋  宝塚歌劇  もうひとつの見方  戦後への屈折 ▶︎「手帖」創刊の前後  女の役に立つ出版  ベストセラー「スタイルブック」  「美しい暮しの手帖」へ  「一流の偉い先生」が執筆者  広告収入のない雑誌  スカート神話の虚実  編集も行商も  三羽烏の交友 ▶︎商品テストへの挑戦  前人未到の分野へ  象徴ブルーフレーム  しろうとが編み出したテスト方法  三種の神器のテスト  完全主義のテスト  アメリカ製品の凋落  「コンシューマー・レポート」の教訓  花森の性格と商品テスト  「水かけ論争」の勝利 ▶︎一㦮五厘の気概  戦争についての発言  一㦮五厘の旗  死の予兆  花森安治の遺産 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:朝日文庫 □date of issue:1992年 初版 □size:15.2x10.5cm □page:346 □condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ 三方ヤケ » 随筆・エッセイ https://narda.thebase.in/categories/1326663

    500円

  • 東京焼盡(内田百閒 著)- 旺文社文庫 全作品集

    百閒の遺志に従い「旧仮名遣い」を用いて、昭和54年から59年まで刊行された旺文社文庫〈特別企画〉全作品集より。 昭和19年11月から昭和20年8月まで、アメリカ軍による激しい空襲によって焼き尽くされてゆく首都の様子を克明に記録した戦中日記。終戦後10年を経て、昭和30年に単行本として刊行された。 百閒らしい諧謔はなりをひそめ、おしよせる敵機、逃げ惑う人びとの姿が時系列に従って、淡々と記述される。その徒に檄することのない筆致から、日常を破壊してゆく戦争の怖しさが浮かび上がる。 本書をもって、内田百閒 旺文社文庫全作品集39巻の完結となった。 ------------------------------------------ 昭和二十年 一月一日月曜日舊暦十六夜。一時過ぎ眠りに就く。夜通し表に人声や足音が聞こえた様だが、矢張り初詣りなのか知ら。午前五時警戒警報にて起きる。五時三十分解除。また焼夷弾の落ちるのが見えた。今度はさつきの二度より右手の方なり。幸ひ消し止めたらしく火事にはならなかつた様である。(略) 家内と差し向かひにて物騒な妙なお正月を味はふ。昼中は空が静かであつたが今夜にもまたやつて来る事なる可し。 (「第8章 鹿が食ふ様な物でお正月」より) ------------------------------------------ ◎Contents 第1章 一機の空襲警報 第2章 空襲の皮切り 第3章 神田日本橋の空襲 第4章 東海の激震 第5章 深夜の警報頻り也 第6章 用水桶の厚氷 第7章 大晦日の夜空に響く待避信号の半鐘 第8章 鹿が食ふ様な物でお正月 第9章 残月と焼夷弾 第10章 サーチライトの光芒三十幾条 第11章 ラヂオ取附 第12章 銀座の爆弾攻撃 第13章 立春の翌零下七度 第14章 丸ノ内精密爆撃の流言 第15章 艦載機の初襲来 第16章 春雪降り積もる 第17章 雪天の大空襲 第18章 雀 第19章 神田は已に無し 第20章 無事の幾日 第21章 荻窪の友人の家吹飛ぶ 第22章 何年振りのキヤラメル 第23章 三月十日の大空襲 第24章 主治医邸の焼け跡 第25章 戦戦兢兢の蜚語 第26章 お粥腹の戦時浮腫 第27章 三年坂名残りの枝垂桜 第28章 めんこの地雷火の様に爆弾炸裂す 第29章 又空襲繁し 第30章 春光の大空をおほふ敵機の大群 第31章 道もせに散りしく近火の火の子 第33章 風声鶴唳 第35章 陽気の所為で神も気違ひになる 第37章 暫らく静かだつた後の大空襲 第39章 小屋暮らしの始まり 第40章 廃墟の東京駅 第41章 小屋の明け暮れ 第42章 大内山の森に沈む金色の夕日 第43章 夢心地の警報は甘い音に聞こえる 第44章 栄養不足の執拗な下痢 第45章 珍らしや普通の火事の火の手 第46章 缶詰を盗んだとの濡れ衣 第47章 敵機動部隊の艦上機頻りに来襲す 第48章 運命とはB29である 第49章 八重洲口に落ちた爆弾の爆風 第50章 その晩の回想 第51章 仰願寺蝋燭の残り少し 第52章 天竜川河口の艦砲射撃 第53章 配給所に米無し 第54章 田無荻窪の工場地帯の爆撃 第55章 敵潜水艦下田を攻撃す 第56章 戦争終結の詔勅 「東京焼盡」雑記(平山三郎) カバー:田村義也 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:旺文社文庫 □date of issue:1984年 初版 □size:15x11cm □page:304 □condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み 三方薄ヤケ 経年シミ 裏見返しラベル剥がし跡 » 随筆・エッセイ https://narda.thebase.in/categories/1326663

    900円

  • 居候匇々(内田百閒 著)- 旺文社文庫 全作品集

    百閒の遺志に従い「旧仮名遣い」を用いて、昭和54年から59年まで刊行された旺文社文庫〈特別企画〉全作品集より。 「居候匇々(そうそう)」は、昭和11年11月〜12月に「時事新報」に掲載された、百閒最初にして最後の「新聞小説」。毎回締め切りに追われて四苦八苦して書き続けたが、経営不振に陥っていた「時事新報」が廃刊となり、36回であえなく連載中断となった。 苦学生の万成君が、百閒自身を思わせる駄洒落を弄するドイツ語教師・ネコラツ先生の書生となり、奇想天外な物語を繰り広げる。挿絵は、百閒が「風船画伯」と名付け愛した漂白の版画家・谷中安規。 東京駅の駅長、銀座バア・ロマンス店主、最高裁判所長官、三越の重役、全日空の取締役、作家、俳人、箏曲家など、幅広い人脈を駆使して展開された傑作鼎談シリーズ「三盃座談」を併載。 ---------------------------- 時事新報社の需めに応じて、本紙の夕刊に連載小説を執筆する事になつたが、新聞小説は私に取つて初めての経験である。様子が解らないので、これから先先の出來栄えをあらかじめお請合する事は六づかしい。 毎日書いて行く内に、作中の人物が勝手にあばれ出して、作者の云ふ事を聴かなくなつたら困ると、今から心配してゐる。どうにも手におへなくなれば登場人物を鏖殺(みなごろし)にして、結末をつける外はなかろうと考へてゐる。 (「居候匇々 作者の言葉」より) ---------------------------- ◎Contents ▶︎居候匇々  作者の言葉  居候匇々  再び作者の言葉  登場人物の其後 ▶︎附録・三盃座談  ほろ酔い炉辺鼎談(井上友一郎・難波久太郎・内田百閒)  逢坂閑談(三淵忠彦・宮川曼魚・内田百閒)  駅長と検校(宮城道雄・加藤源蔵・内田百閒)  大博士呆談(辰野隆・藤原咲平・内田百閒)  雅俗併存(前田晁・井上慶吉・内田百閒)  薬剤金融椿論(神鞭常泰・久米正雄・内田百閒)  旧師の敬い方の研究(北村孟徳・中野勝義・内田百閒) 三盃座談会の頃(上田健次郎) 「居候匇々」雑記(平山三郎) カバー:田村義也 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:旺文社文庫 □date of issue:1984年 初版 □size:15x11cm □page:293 □condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ 三方薄ヤケ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    900円

  • 阿房列車 / 第二阿房列車 / 第三阿房列車(内田百閒 著)【3冊セット】

    百閒の遺志に従い「旧仮名遣い」を用いて、昭和54年から59年まで刊行された旺文社文庫〈特別企画〉全作品集より。 何も用事などはない。特段に観光がしたいわけでもない。ただ列車に乗って、何処かへ行ってみたい。そのような不要不急の鉄道旅行に出ることを、百閒は「阿房列車を運転する」と称した。 昭和25年秋に大阪へ向かった「特別阿房列車」から、昭和26年秋の「奥羽本線阿房列車」までの5つの旅程を綴る、珍にして奇なる紀行随筆「阿房列車」が人気を呼び、続刊として、第二・第三の「阿房列車」が刊行されることとなった。 解説は、「阿房列車」の旅すべてに付き合った「ヒマラヤ山系」こと平山三郎。「旺文社文庫〈特別企画〉全作品集」の編者でもある。 ---------------------------- 阿房と云ふのは、人の思はくに調子を合はせてさう言ふだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考へてはゐない。用事がなければどこへも行つてはいけないと云ふわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ行つて来ようと思ふ。 (「特別阿房列車」より) ---------------------------- ◎Contents ▶︎阿房列車 特別阿房列車  東京 大阪 区間阿房列車  国府津 御殿場線 沼津 由比 興津 静岡 鹿児島阿房列車 前章  尾ノ道 呉線 廣島 博多 鹿児島阿房列車 後章  鹿児島 肥薩線 八代 東北本線阿房列車  福島 盛岡 浅蟲 奥羽本線阿房列車 前章  青森 秋田 奥羽本線阿房列車 後章  横手 横黒線 山形 仙山線 松島 解説(平山三郎)  百鬼園先生年代記  「阿房列車」雑記 ▶︎第二阿房列車 雪中新潟阿房列車  上野 新潟 雪解横手阿房列車  上野 横手 横黒線 大荒沢 春光山陽特別阿房列車  東京 京都 博多 八代 雷九州阿房列車 前章  東京 八代 雷九州阿房列車 後章  八代 熊本 豊肥線 大分  別府 日豊線 小倉 門司 附録・鉄道唱歌 解説:遠回りの文学(長部日出雄) 「第二阿房列車」雑記(平山三郎) ▶︎第三阿房列車 長崎の鴉  長崎阿房列車 房総鼻眼鏡  房総阿房列車 隧道の白百合  四国阿房列車 菅田庵の狐  松江阿房列車 時雨の清見潟  與津阿房列車 列車寝台の猿  不知火阿房列車 解説:阿房列車の留守番(中村武志) 「第三阿房列車」雑記(平山三郎) カバー:田村義也 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:旺文社文庫 □date of issue: 阿房列車 1982年 重版(1979年 初版) 第二阿房列車 1981年 重版(1979年 初版) 第三阿房列車 1981年 重版(1980年 初版) □size:15x11cm □page:277 / 225/ 268 □condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷みシミ 三方薄ヤケ 小口点茶シミ ★阿房列車 カバー裏折り返しの書名リストに赤ボールペンで印 ★第二阿房列車 扉ページに修正液跡(写真7枚目) ★第三阿房列車 扉ページ・奥付ページに修正液跡(写真8/9枚目) » 随筆・エッセイ https://narda.thebase.in/categories/1326663

    2,000円

  • 一条の光・天井から降る哀しい音(耕治人 著)

    長く不遇の人生を歩み、精神を病みながら、わが身を削るように私小説の研鑽を続け、晩年に至って「現代日本の老人文学が到達した一つの頂点を示す作品」(解説より)を世に送り出した耕治人の作品集。 読売文学賞を受賞した表題作「一条の光」、50年余年連れ添った老夫婦の終焉間近い生活を描く「そうかもしれない」ほか、哀感と浄福感のただよう全6篇を収録。 ------------------------------------------ 家内はニコニコし、なにか喋っている。入れ歯がないせいもあって、なにを言っているのかわからない。(略) このあいだにご婦人が何度か「この人は誰ですか」とか、「このかたがご主人ですよ」など言われたが、返事をしなかった。 何度目かに「ご主人ですよ」と言われたとき、「そうかもしれない」と低いが、はっきりした声でいった。 私は打たれたように黙った。 (「そうかもしれない」より) ------------------------------------------ ◎Contents 詩人に死が訪れるとき この世に招かれてきた客 一条の光 天井から降る哀しい音 どんなご縁で そうかもしれない 解説(川西政明) 作家案内(保昌正夫) 著書目録 ソフトカバー ダストカバー □publisher:講談社文芸文庫 □date of issue:1994年4刷(1991年 初版) □size:15x10.6cm □page:251 □condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ  三方薄ヤケ ★オンラインストアにて販売中。 プロフィール欄のURLよりどうぞ。

    2,000円

  • 村のエトランジェ(小沼丹 著)

    昭和29年にみすず書房から刊行された小沼丹の第一作品集の文庫化。第三の新人のひとりとして注目され、芥川賞候補となった表題作「村のエトランジェ」「白孔雀のいるホテル」ほか、全8篇を収録。 いずれの作品も、世情になじめないどこか異邦人めいた視点で人生を眺め、ほのかなユーモアと虚無感をだだよわせる小沼文学の萌芽を感じさせる。 ------------------------------------------ そして、いずれの場合も、語り手の男たちはときに皮肉まじりの観察者であり善意の傍観者だった。(略) 「村のエトランジェ」のエトランジェは東京からやってきた姉妹と詩人を指すのだろうが、少年もまた間も無く東京に戻る筈の一人のエトランジェにすぎない。と思えば、「白い機影」「紅い花」の語り手も、いや、誰よりも作家である小沼さん自身が社会に対して、戦争に対して、エトランジェであったのだ。 (「解説:詩人扼殺 - 小沼丹の初期作品」長谷川郁夫より) ------------------------------------------ ◎Contents 紅い花 汽船 バルセロナの書盗 白い機影 登仙譚 白孔雀のいるホテル ニコデモ 村のエトランジェ 解説:詩人扼殺 - 小沼丹の初期作品(長谷川郁夫) 年譜(中村明) 著書目録(中村明) ソフトカバー ダストカバー 帯あり □publisher:講談社文芸文庫 □date of issue:2009年 初版 □size:15x10.6cm □page:291 □condition:経年なり・良好 ★オンラインストアにて販売中。 プロフィール欄のURLよりどうぞ。

    1,200円

  • 黒いハンカチ(小沼丹 著)

    ☆2024.8.21 再掲 第三の新人の一人として、戦後の純文学に独自の地歩を築いた小沼丹は、軽妙洒脱な探偵小説の名手でもあった。 A女学院のニシ・アズマ先生のもとに、毎回ちょっとした謎が持ち込まれる、あるいは先生自らが謎を見つけ出す。それを、鋭い観察眼と明晰な頭脳で解き明かしていくという趣向で書かれた、乾いたユーモアに満ちた連作推理小説。 昭和三十二年四月から一年間にわたって雑誌『新婦人』に連載された12編をまとめた単行本の文庫化。 ------------------------------------------ 男は黙っていた。しかし、やがてベレエ帽を取り、眼鏡を外し、上着を脱いだ。ヨシオカ先生は吃驚仰天したが、賢明なる読者は既にご明察でもあろう。 そこに坐っているのは、他でもない、例の青い背広の男と二人で正門から這入って来た女だったのである。彼女は、上着の胸ポケットから黒いハンカチを引張り出すと額を拭った。 ニシ・アズマその黒いハンカチを見ながら笑った。 — もし、あなたが黒いハンカチを持っていなかったら、あたし、こんなお節介しなくても済んだかもしれなくてよ。 (「黒いハンカチ」より) ------------------------------------------ ◎Contents 指輪 眼鏡 黒いハンカチ 蛇 十二号 靴 スクェア・ダンス 赤い自転車 手袋 シルク・ハット 時計 犬 ソフトカバー ダストカバー 帯あり □publisher:創元推理文庫 □date of issue:2003年 4版(2003年 初版) □size:15x10.5cm □page:232 □condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    500円

  • 椋鳥日記(小沼丹 著)

    ☆2024.8.20 再掲 1972年に早稲田大学の在外研究員としてイギリスに渡った小沼丹が、約半年間にわたってロンドンに滞在した日々を綴った随筆集。 EMIのアビー・ロード・スタジオにほど近いウエスト・エンド・レイン通りに面した家に寄宿しながら、70年代前半らしい華やかな「ロンドン」の様子は微塵も登場しない。 朝早く鳴り響く馬の蹄の音、酒屋の夫婦、郊外へと向かう緑色のバス……「ロンドン」ではなく「倫敦」と記した方がしっくりとくる、人生の陰翳に満ちた街の姿を、飄々とした筆致で描き出している。 ------------------------------------------ 玄関を出て、ウエスト・エンド・レインを右に行くと、矢張り両側に住宅が並んでいた。前庭が広くて、巨きな樹立のある家も多い。バスが歩道の直ぐ傍を走ったりすると、小枝がばさばさとバスの二階の窓を打つことがある。 この道は七、八分歩くと二股になって、右へ行くとキルバン大通に出る。左はアビ・ロオドと名前が変る。二股の所でウエスト・エンド・レインは終になる。或は、そこから始るのである。 (「ウエスト・エンド・レイン」より) ------------------------------------------ ◎Contents ウエスト・エンド・レイン クラブ・アップルの花 テムズの灯 アダムとカルメン 移民局と歯医者 老人の家 緑色のバス 落葉  解説:「ロンドン」と「倫敦」(清水良典)  年譜(中村明)  著書目録(中村明) 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:講談社文芸文庫 □date of issue:2000年 初版 □size:15x10.6cm □page:233 □condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ 三方薄ヤケ » 随筆・エッセイ https://narda.thebase.in/categories/1326663

    1,600円

  • 懐中時計(小沼丹 著)

    ☆2024.8.20 再掲 日常の中に生じる微妙なゆらぎを、諧謔と哀感あふれる文体で描き出す小沼丹の短編集。1969年に刊行され、読売文学賞を受賞した円熟期の名作。 突然の妻の死を契機として十七年にわたって書き継がれ、小沼文学の白眉とされる連作「大寺さんもの」から「黒と白の猫」「タロオ」「蟬の抜け殻」「揺り椅子」4編を収録。 「大寺さん」という人間を造形することによって、自らの存在を突き放すように私的体験を描き出し、独特の小説世界を構築している。 ------------------------------------------ 大寺さんは細君の死の前后の話を簡単にした。もう何人もの人に話したから、云うことは殆ど決っているのである。 ― 兎も角、死ぬにしてもちゃんと順序を踏んで死んで呉れりゃいいんだけど、突然で、事務引継も何もありやしない。うちのなかのことが、さっぱり判らない。 ― 馴れる迄は、大変だね。 ― 挨拶無しに死ぬから困ります。 大寺さんは死んだ細君に腹を立てているみたいな口を利いた。 (「黒と白の猫」より) ------------------------------------------ ◎Contents 黒と白の猫 タロオ 蟬の脱穀 揺り椅子 エヂプトの涙壺 断崖 砂丘 影絵 自動車旅行 懐中時計 ギリシヤの皿  著者から読者へ(小沼丹)  解説(秋山駿)  作家案内(中村明)  著書目録(中村明) ソフトカバー ダストカバー □publisher:講談社文芸文庫 □date of issue:1991年 初版 □size:15x10.6cm □page:312 □condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ 三方薄ヤケ  ★カバー表折り返しの角がカットされています(写真2枚目) » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,200円

  • 仮装人物(徳田秋声 著)

    ☆2024.8.20 再掲 徳田秋声は、大正15年に55歳で妻を失くした後、30歳年下の若い女流作家と恋愛関係に陥り、その経緯をつぎつぎと短篇に書いて、大きな反響を呼んだ。 女流作家もまた二人の恋愛を作品に著し、衆目にさらされた関係はもつれにもつれ、2年間ほどで終息を迎える。 昭和13年に刊行された本書は、その短篇群を集大成した趣のある長篇小説。現実の時間の流れを行きつ戻りつしながら、都市に生息する男女のうつろな情痴を描き出している。 解説:古井由吉「空虚感を汲み尽くそうとする情熱」 ------------------ 仮装舞踏会で被せられたサンタクロオスの仮面の髯がマッチを摺るとめらめら燃えあがる、象徴的な小説の冒頭。妻を亡くした、著者を思わせる初老の作家稲村庸三は、“自己陶酔に似た”多情な気質の女、梢葉子の出現に心惹かれ、執拗な情痴の世界へとのめり込んでゆく。 冷やかに己れのその愛欲体験を凝視する、“別の自分”の眼。私小説の極致を示した昭和の名作。第一回菊池寛賞。 (カバー裏紹介文より) ------------------ 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:講談社文芸文庫 □date of issue:1997年 2刷(1992年 初版) □size:15x10.6cm □page:393 □condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,600円

  • 平林たい子 毒婦小説集(平林たい子 著)

    ☆2024.8.18 再掲 不治の病いに苦しむ夫の薬代のために殺人を犯す「高橋お伝」、愛しい男を追って罪人となり流刑地に赴く「妲己のお百」、男の裏切りに死で報いた新橋芸者「花井お梅」。 世間を震撼とさせた伝説の「毒婦」たちを、時代に翻弄され、純粋な愛を貫いた悲劇の主人公という視点で捉え、その生と性を描ききった3篇を収録。 作家・河野多惠子が解説で「大ロマンティストにして大リアリスト」と評している著者の面目躍如たる作品集。 ------------------------------- 「可愛い男!可愛い男!がりがり噛んで食べてしまいたい……」 お百は人にきこえないように、杜若の耳のそばで囁きながら杜若をがたがたゆすぶっていた。 ともあれ、こんなみじめな地獄の一丁目に来ても、逃げるという新しい目標が与えられたことは幸福だった。何かそんな目標をもって緊張していさえすれば、生の屈託も失望も知らずに、生き生きとその日その日を充実させて生きることができるのだ。 (「妲己のお百」より) ------------------------------- ◎Contents 高橋お伝 妲己のお百 花井お梅 解説:河野多惠子 年譜、著者目録:中尾務 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:講談社文芸文庫 □date of issue:2006年 初版 □size:15x10.6cm □page:320 □condition:経年なり・良好 カバースレ 裏見返しラベル剥がし跡 » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    2,600円

  • 女の日記(宇野千代 著)

    ☆2024.8.18 再掲 98歳で天寿を全うするまで現役作家であり続けた宇野千代が、60〜70歳代に著した円熟味ある作品群を中心に精選した随筆集。 尾崎士郎、東郷青児、北原武夫、梶井基次郎など、著者が愛してやまなかった人々との思い出、自らのこと、周辺のことなど、起伏の多い人生の軌跡を綴る44篇を収録。 ------------------------------------ 東郷先生と私とは、いまから四、五十年前に、一緒に生活していたことがある。四、五年もの間、一緒だった。とうの昔に過ぎ去ったことのようでもあるが、つい、昨日のことのようでもある。或る場面々々が、ぱっと眼に浮ぶ。壮絶な喧嘩もした筈だのに、どうしても思い出せない。憎らしいことのありったけを言い合ったこともあった筈だったのに、思い出せない。やはり、月日が経ったのである。 (「東郷青児の影響力」より) ------------------------------------ ◎Contents 模倣の天才 牧野さんのこと 亡き友 二つの川端さん 梶井さんの思い出 一種抽象的な川端さん 徳田先生の中にある「自然さ」 古い写真 あの頃の小林さん 河上さんに対する或る畏敬の念 天上の花の三好さん 宮田文子 広津先生のこと 女としての「妄想」 忘れられない人 東郷青児の影響力 三好達治さんへの手紙 青山二郎さんへの手紙 高田博厚さんへの手紙 女の日記 花日記 親しい仲 女のいのち 夏と私の建てた家 私の特技 何でも一度してみること 私の小説作法 男性と女性 言葉の持つ魔力 「風の音」その他 未練 雪の正月 百歳おいを知らず わたしの建てた家 六十年前の生徒たち ふるさとへ廻る 草を植える酔狂 私の一生に書いた作品の中で 手押し車 何が小説の材料か 温泉のお婆ちゃん よよと泣かない 真の勇気を持った若者の話 もしあのとき 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:講談社文芸文庫 □date of issue:1991年 初版 □size:15x10.6cm □page:297 □condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ 三方ヤケ 小口くすみ » 随筆・エッセイ https://narda.thebase.in/categories/1326663

    900円

  • 私の東京地図(佐多稲子 著)

    ☆2024.8.18 再掲 佐多稲子は、複雑な生い立ちのもと、小学5年生でキャラメル工場に勤めたのち、職を転々とし、結婚・離婚を体験。 カフェーの女給として働いている時に、プロレタリア文学運動に身を投じ、デビュー作『キャラメル工場から』(昭和5年)をはじめ、自らの体験に取材した作品を多く著した。 本書は、戦後まもなく刊行された連作短篇集。失われた東京という空間、そこに刻まれた歳月に関わった人々の姿を精緻な筆致で描く。 ------------------ 上野池之端清凌亭のころ、丸善時代、芥川龍之介や中野重治らとの出逢い。非合法活動、結婚、敗戦…住み馴染んだ東京の街、戦禍で失われた街。様々な思い出を、人々の善意と真摯な営みの中に描く。 戦争責任追及の渦中に身を晒しながら自らの過去を探り、心に自らを問い、自らを確かめるように書き刻んだ名作。 (カバー裏紹介文より) ------------------ ◎Contents 版画 橋にかかる夢 下町 池之端今昔 挽歌 坂 曲り角 表通り 川 移りゆき 表と裏 道 絶版または版元品切れ ソフトカバー ダストカバー □publisher:講談社文芸文庫 □date of issue:1989年 初版 □size:15x10.6cm □page:285 □condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み » 小説 https://narda.thebase.in/categories/1326662

    1,600円

  • フランス刺繍 (江島任 装幀)-〈美しい刺繍〉1

    ☆2024.8.16 再掲 「いままでの刺繍の本の不便さをすべてなくす」というコンセプトで編集された〈美しい刺繍〉シリーズから。 今も色あせない、品のよい刺繍図案の数々を掲載。作品をすべてカラー写真・実物大図案で紹介し、刺し方も明瞭に解説されている。 1961年に『ミセス』の創刊に関わり、東京オリンピックのデザイン懇談会メンバーも務めた江島任のアートディレクションが秀逸。 -------------------------- 刺す身になって編集しました。 手軽に刺せて、効果的なものばかりを集めてみました。図案はすべて、この本から実物大で簡単に写しとれます。利用範囲の広いと思われる図案は、大小二つの図案として写しとれるように考えてあります。服飾むきにも、始めて針を持つ人にもわかるように、フランス刺繍の基礎知識を写真で解説しました。基礎のステッチも小さな図案として使用することができます。 (「巻頭」より) -------------------------- ◎Contents セーターに刺繍する ハンカチーフの図案 スカートとお揃い 連続模様の刺繍 同じパターンも組み合わせで 蝶で飾れば セカンド・バッグの刺繍 ブラウスに白糸刺繍を ボーダーにもなる図案 同じパターンを色ちがいで刺繍する ブック・カバーの刺繍 ワッペンを刺す エプロンの刺繍 図案の応用=化粧ケープ 枕カバーに刺繍する 小さな図案で=ドイリー クッションの図案 テーブルとスツールを飾る 刺繍のある食卓 テーブル・クロースとナプキン バッグ・ポイントの刺繍 基礎編  基礎になるステッチ39点  材料と用具のすべて  図案の写し方4種  枠の扱い方  糸はこうして使います  きれいに刺すコツ  図案のバリエーション  きれいな仕上げ方法 絶版または版元品切れ ソフトカバー □publisher:講談社 □date of issue:1963年 □size:25.7x18cm □page:96 □condition:経年なり・普通 表紙ヤケスレ汚れ傷み 目次ページ 印刷ズレ(写真2枚目) 表裏見返しテープ跡 三方薄ヤケ P57 図案に一部色塗りあり » 手芸 https://narda.thebase.in/categories/1326669

    2,400円